瀬戸内寂聴のレビュー一覧
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満九十一歳の革命とその一年、或いは人生の物語。ほほえましい死に様というのがこの世には有るのだな、と思わず舌を巻く。
齢八十三にして夫を亡くした独居の我が祖母は、日々何を思い今を生き、その老い先に何を思うのか、そんなことが知りたくなった。
話題の芥川賞作品でも読もうかしらと本屋に寄ったものの、何か漠とした不安がよぎって躊躇して、手にしたのはこの本だった。
薄気味悪くてイヤらしいカバーイラストだな、と思った。作者の顔は存じているが、一冊も読んだことはない。知っていることといえば、男に溺れて出家した流行作家、というくらいの偏見に満ちた情報だけで、人柄も知らないので特に好きでも嫌いでもない -
Posted by ブクログ
あんまりにも意外なお二人の対談。
意外性に興味を持ち手に取る。
しかもテーマが「死」
寂聴さんはわかるけど、、、、
ホリエモンと「死」って全く持ってつながらない。
と思っていたら、
意外にびっくり
とても繊細な人でした。
「死ぬのが恐い」
子供の頃から、今も。
死を恐れているからこそ
生に執着できる。
「死」だけでなく、
原発、戦争、景気、、、、、
意見が一致するときもあれば
真っ向から反対の時もある
お互いがお互いを尊重しているからこそ、ああどっちも一理あるなぁーとうなってしまう。
ホリエモンのほうが根拠、理論が明確で納得せざるおえない。説得力が段違いに感じてしまった。
寂聴さんの人間力のよ -
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95歳になった瀬戸内寂聴さんと、池上彰さんの共著。
まだまだ好奇心衰えず、知りたいことがたくさんあるという寂聴さん。社会、政治についての疑問を池上さんにぶつけつつ、今の日本人は自分さえよければよいという考えになってしまってダメだと嘆く。出家前と出家後の自身の私生活についても快活に語られているが、出家後は仏教のおかげで厳しくも道を外さず生きてこられたという。せっかくいただいた命を大切に生きたいという言葉は印象に残った。
後半の池上さんによる超高齢化社会についての解説は、さすがのわかりやすさ。これほどの高齢化社会はいまだかつてなく、だからこそ我々には老い方のレッスンが必要で、宗教の役割もそこにある -
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いくつもの章に別れた話かと思っていたら、
連作短編だったようだ。
最後の一編以外は、登場人物も同じで
少しずつ「こと」が進展してゆく。
どうしようもない邪恋に悩む袋小路の
人々の苦しい叫びが聴こえるような話だけれど
美しい日本語で描かれていることで
ひやりと冷たい風が、ものがたりの
湿り気のあるけだるい暑さを
どこかクールダウンしてくれるような印象もあった。
人にはそれぞれ想いがあり、
いけないとわかっていても溺れてしまう
哀しい感情がある。
それを眼を背けることなく、きっちりと
醜さは醜さのままに描かれていて、
ひりひりするような読書時間だった。
そして、それは決して絵空事でない
生身の -
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源氏物語全54帖のうち、『桐壷』から「宇治十帖」『浮舟』までの27帖を収録したダイジェスト版。
源氏物語は長大な作品なので、解説書を除き、1冊にまとまった現代語訳はなかなかない。全体の流れを知りたいと思っていた私には、打ってつけの本だった。
平易な言葉が使用され、説明が必要な部分は補記されているので、初心者に親切で、ストーリーを追うのにもってこいだと思う。
読み始めてまず気になったのは、ひらがなの多用。例えばp.29「なにもかもがこのうえなくととのいすぎていて」のように、仮名の羅列が続く。仮名文学である原文の雰囲気には忠実なのかもしれないが、単純に読みにくかった。
また、「葵」の章、紫の上