瀬戸内寂聴のレビュー一覧

  • 寂聴 九十七歳の遺言

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    昨年亡くなられてから手に。人間の業と向き合いつつ、あっけらかんと言い切るスタイルはいつもながら、歳を重ねるごとにメッセージはよりシンプルになっているような気がします。その分、心の奥深くにまっすぐ刺さり、そのままでいいんだと思え救われました。寂聴さんのように自然と人が寄ってくるにはどうしたらよいか考えさせられます。

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    2022年01月03日
  • 寂聴と読む源氏物語

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    興味があるからと軽い気持ちで履修した、源氏物語を読むというだけの授業でちょこーっと学んでいる源氏物語。本書を読み、源氏物語の読みどころを見つけるヒントを沢山得た。しかし、それだけではない。「源氏物語は教養のない人向けに書かれたものではない」という言葉がわたしには響いてしまった。まさに現在、本を読むという習慣をつけようとしているわたしが、いつもと何ら変わりなく読書をしてもその奥深さを堪能できるはずがない訳だ。だが、和歌の知識や平安時代の歴史の知識がなくても、想像力を駆使して物語を読む、という読み方が必要だと知った。特に、本文に書かれていない場面を想像する力である。これまでは、普通に小説を楽しむ感

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    2022年01月02日
  • 愛の倫理

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    女性として生きる苦さが、生々しく表現されている。
    60年代に書かれた本とは思えないほど、今の体感と照らして、非常によく理解できる。
    様々なパターンの女性の生き方が言及されているが、どのみち詰んでると思った。
    しかし苦しみの裏には甘さもあるはずで、どっちもあるから人生は豊かになると思った。
    私もまだまだこれから色々な感情を味わいたい。 

    女の与える愛情が、男は鬱陶しくなるという話で、それも理解できるが、私のバイブルである「愛するということ」では、「愛を与える人が豊かだ」ということが書いてあって、それも全くその通りだと思った。
    本書の女の与える愛情は、結局自己満足の押し付けということだと思うが、

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    2022年01月01日
  • 先生、ちょっと人生相談いいですか?

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    ネタバレ

    すっごく面白い本です。

    女性として、思うがままに生きてきたお2人。
    自由奔放という言葉が、お似合いです。
    自由奔放…憧れます。
    瀬戸内寂聴さんは、先日99歳で亡くなられましたが、こんなにみずみずしい90代を生きていらしたのですね。羨ましい!

    でも、これ、男性が読んでも全く面白くないですね。
    熟女のエロスについて語られているから…
    女性としては、面白いかな。
    人によっては、イヤダ~と思うかな。


    すみません。
    瀬戸内寂聴さんも伊藤比呂美さんも著書を読んだこととがありませんが、読みたくなりました。

    伊藤比呂美さんがおすすめする瀬戸内寂聴さんの本
    ・美は乱調にあり(1966年)
    ・祇園女御(

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    2021年12月19日
  • 夏の終り(新潮文庫)

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    瀬戸内寂聴さんの訃報に接して初めてその波瀾万丈な人生を知り、作品が気になって読んでみた。

    倫理的にみるとどうしようもなくダメダメだけど、文章から情景が浮かんでくるような、其々の気持ちが痛い程伝わってくる、美しい小説だった。惹き込まれたぁ〜

    私も、男性に転がり込まれた生活を、別れを決意しそれを告げてもなおズルズルと引き摺って仕舞う遣る瀬無さには覚えがある。隣で横になりながら次の場所での生活の手続きをして、自らの決断で残してきたくせに、心が切り裂かれるように淋しくなって、連絡が途切れたら不安で見捨てられたような気持ちになりながらも、いつの間にか新しい生活に慣れて存在を忘れちゃって、ある時ふと本

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    2021年12月12日
  • 夏の終り(新潮文庫)

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    ネタバレ

    もともと映画版がかなり好きで、原作を買ってしばらく積読していたがようやく先月読んでみた。

    登場人物がみんなクズすぎて最高に素晴らしい!(ほめてます)特に知子の年下の恋人涼太はめっちゃイイ。すごいわたし好みの甘えん坊系クズで身を持ち崩している雰囲気がたまらない。私の母性本能がバグを起こしている。源氏物語では匂宮が好きだと言っていた晴美ちゃん(!?)。どうにも他人とは思えない男の趣味に、お互い女学生だったらお友達になりたいくらいだ(大先生にすみません)。

    ついふざけたことを書いてしまったが、この連作集に登場する人々は、すべてを曖昧にしてズルズルと流されながらも寛容にその身に受け入れ、受け流して

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    2021年09月13日
  • 死ぬってどういうことですか? 今を生きるための9の対論

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    お二方の、みんなそうしてるから、今までそうだったからにとらわれない自由な考え方にどっぷり漬かれてスカッとしました。また、自分の目で見て評価することの大切さを知りました。自分で実際に確かめもせずに、簡単に信じ込んで閉まってることのいかに多いことか。いや、ほぼ、それ。。

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    2021年09月05日
  • 愛の倫理

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    何年も前に出版された本なのに、内容が現代の事情と全くずれていない事に驚きました。むしろ最近の作品かと思いながら、読み進めていた位です。ここまで細かく、且つ生々しく、女性の在り方や女性を囲む環境等を記した本には、初めて出会いました。リアルで、なるほどな~と何度言ったでしょうか。

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    2021年06月30日
  • 釈迦

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    寂聴は釈迦の晩年と言葉を物語った。
    師ブッダの従者アーナンダに同行した私は師の入滅後、遂に阿羅漢となったアーナンダに涙した。
    旅の途中では、誤ってブッダに毒キノコを供した者を何処までも赦しその者の未来まで思い遣る怖しいまでの懐の深さに驚嘆した。他にも印象に残る話ばかり。
    また読み返したいと思ったのは若い頃に読んだ井上靖の孔子以来、かもしれない。 

    下村湖人は論語物語で孔子の晩年の放浪と言葉を物語ったとか。次は孔子と弟子たちと旅に出るとしよう。

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    2021年06月18日
  • 愛の倫理

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    1968年発刊とは思えない、人間関係における悩みは今も昔も不変ではあるが、その時代の価値観に染まらず、真理について言葉が尽くされているなと感じました。直接的に核心に迫るため、笑えるようなところもあり、背筋が伸ばされるようなところもあり、忙しかったです。
    友情について、友達を本当の意味で大切にできるようになったと感じたのは、失恋した後からだったな、などと読みながら思い出を巡らせていました。

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    2021年01月13日
  • 源氏物語 巻一

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    与謝野晶子、谷崎潤一郎の訳に比べ、優しい語り口でとても読みやすく、王朝文学のきらびやかな雰囲気も伝わって現代語訳では今のところ一番お気に入りです。巻末の解説も勉強になりかつ面白い。あさきゆめみしと双璧!

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    2020年06月21日
  • 生きることば あなたへ

    購入済み

    心癒されました

    ストレスを溜めやすく、すぐにイライラしてしまう自分に疲れ困っていました。そんなとき、この本に出会い、自分の心や日頃の出来事を静かに見つめ直すことができ、とても癒されました。
    また気持ちが乱れることがあれば、この本を読み直したいと思います。

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    2020年03月23日
  • 明日は晴れ

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    素晴らしい一冊。相談者と同じ悩みではなかったとしても、一人一人と向き合う姿に胸が熱くなりました。
    数冊買って、知り合いにプレゼントする予定です。

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    2019年11月02日
  • 瀬戸内寂聴の源氏物語

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    原文と現代文ルピもあり、とっても読みやすかったです。
    それにしても光源氏のプレイボーイ振りを寂聴さんが表現するとこうも面白くなるのね。
    楽しい読書でした。

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    2019年05月10日
  • 先生、ちょっと人生相談いいですか?

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    去年『たそがれてゆく子さん』のイベントで伊藤比呂美さんから話をお聞きした時から読むのが楽しみだった。
    見た目の綺麗さや質感から軽い仕上がりと思いきや内容は想像以上にディープ!すごく面白かった。
    『美は乱調にあり』『女人源氏物語』『比叡』
    「比呂美が読む、おすすめ瀬戸内晴美・寂聴文学」の中からとりあえず読みたい三冊。

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    2019年01月26日
  • 源氏物語 巻一

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    さぁ「源氏物語」にチャレンジしようと思い立ち、どの作家の現代語訳にしようかと数日かけて調べる。
    瀬戸内寂聴訳は、ですます調の語り口調で中学生でも読めるとのことで安心してチョイスした。

    源氏物語は紫式部ひとりで書いたのではなく複数説があるとも言われているようだが、私は紫式部がひとりで書き上げた物語だと、もちろん信じている。
    千年も昔に、こんなに面白く人を惹きつける物語を創作した作者はどんな人物なのか、そのひと本人にも興味を抱きつつ読んでいました。

    源氏物語は後宮に仕えている女房が語り手となり話が進行していくという設定で書かれている。
    その語り手は、途中途中に「内緒の話をひけらかすのは気がひけ

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    2018年10月09日
  • 釈迦

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    日本人は少なからず仏教徒と言われる。多くは開祖がいてその人の教えの印象が強い。その原点にある人を小説として描いている。これが凄い。もちろん瀬戸内寂聴のブッダ理解であり、仏教理解ではあるけれど、そこに確かに仏を感じるような気がする。寂聴の福音書といったような感じかな。そういう意味では今までになくブッダを近くに感じられるような気がするいい作品だった。巻末の横尾忠則の解説も素晴らしい。

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    2017年12月18日
  • 手毬

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    “手毬上人とか手毬法師とか呼ばれている良寛さまが、私の心の底に住みつきはじめたのはいつ頃からなのか。

    岩むろの 田中に立てる ひとつ松あはれ 一つ松 濡れつつ立てり 笠かさましを 一つ松あはれ

    「無理しなくていい、あるがままに、すべてを投げ出して、ひたすら仏におすがりしたら、必ず、み仏がすべていいようにはからってくださる」そんな声が無言の良寛さまから伝わってくるように思う。”

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    2017年11月19日
  • 生きてこそ

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    ネタバレ

    悟りをひらくとこれほど穏やかで柔らかい文章が書けるのでしょうか。
    憲法9条と中学生の話。目頭が熱くなります。

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    2017年08月29日
  • 花芯

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    瀬戸内晴美。若き日にこの素晴らしくも、迫力ある作品を世に出したからこその寂聴先生なんだと改めて実感した。読み返したい作品。女性のすごさ、その一言でしょう。

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    2017年05月04日