瀬戸内寂聴のレビュー一覧
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興味があるからと軽い気持ちで履修した、源氏物語を読むというだけの授業でちょこーっと学んでいる源氏物語。本書を読み、源氏物語の読みどころを見つけるヒントを沢山得た。しかし、それだけではない。「源氏物語は教養のない人向けに書かれたものではない」という言葉がわたしには響いてしまった。まさに現在、本を読むという習慣をつけようとしているわたしが、いつもと何ら変わりなく読書をしてもその奥深さを堪能できるはずがない訳だ。だが、和歌の知識や平安時代の歴史の知識がなくても、想像力を駆使して物語を読む、という読み方が必要だと知った。特に、本文に書かれていない場面を想像する力である。これまでは、普通に小説を楽しむ感
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女性として生きる苦さが、生々しく表現されている。
60年代に書かれた本とは思えないほど、今の体感と照らして、非常によく理解できる。
様々なパターンの女性の生き方が言及されているが、どのみち詰んでると思った。
しかし苦しみの裏には甘さもあるはずで、どっちもあるから人生は豊かになると思った。
私もまだまだこれから色々な感情を味わいたい。
女の与える愛情が、男は鬱陶しくなるという話で、それも理解できるが、私のバイブルである「愛するということ」では、「愛を与える人が豊かだ」ということが書いてあって、それも全くその通りだと思った。
本書の女の与える愛情は、結局自己満足の押し付けということだと思うが、 -
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ネタバレすっごく面白い本です。
女性として、思うがままに生きてきたお2人。
自由奔放という言葉が、お似合いです。
自由奔放…憧れます。
瀬戸内寂聴さんは、先日99歳で亡くなられましたが、こんなにみずみずしい90代を生きていらしたのですね。羨ましい!
でも、これ、男性が読んでも全く面白くないですね。
熟女のエロスについて語られているから…
女性としては、面白いかな。
人によっては、イヤダ~と思うかな。
すみません。
瀬戸内寂聴さんも伊藤比呂美さんも著書を読んだこととがありませんが、読みたくなりました。
伊藤比呂美さんがおすすめする瀬戸内寂聴さんの本
・美は乱調にあり(1966年)
・祇園女御( -
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瀬戸内寂聴さんの訃報に接して初めてその波瀾万丈な人生を知り、作品が気になって読んでみた。
倫理的にみるとどうしようもなくダメダメだけど、文章から情景が浮かんでくるような、其々の気持ちが痛い程伝わってくる、美しい小説だった。惹き込まれたぁ〜
私も、男性に転がり込まれた生活を、別れを決意しそれを告げてもなおズルズルと引き摺って仕舞う遣る瀬無さには覚えがある。隣で横になりながら次の場所での生活の手続きをして、自らの決断で残してきたくせに、心が切り裂かれるように淋しくなって、連絡が途切れたら不安で見捨てられたような気持ちになりながらも、いつの間にか新しい生活に慣れて存在を忘れちゃって、ある時ふと本 -
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ネタバレもともと映画版がかなり好きで、原作を買ってしばらく積読していたがようやく先月読んでみた。
登場人物がみんなクズすぎて最高に素晴らしい!(ほめてます)特に知子の年下の恋人涼太はめっちゃイイ。すごいわたし好みの甘えん坊系クズで身を持ち崩している雰囲気がたまらない。私の母性本能がバグを起こしている。源氏物語では匂宮が好きだと言っていた晴美ちゃん(!?)。どうにも他人とは思えない男の趣味に、お互い女学生だったらお友達になりたいくらいだ(大先生にすみません)。
ついふざけたことを書いてしまったが、この連作集に登場する人々は、すべてを曖昧にしてズルズルと流されながらも寛容にその身に受け入れ、受け流して -
購入済み
心癒されました
ストレスを溜めやすく、すぐにイライラしてしまう自分に疲れ困っていました。そんなとき、この本に出会い、自分の心や日頃の出来事を静かに見つめ直すことができ、とても癒されました。
また気持ちが乱れることがあれば、この本を読み直したいと思います。 -
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さぁ「源氏物語」にチャレンジしようと思い立ち、どの作家の現代語訳にしようかと数日かけて調べる。
瀬戸内寂聴訳は、ですます調の語り口調で中学生でも読めるとのことで安心してチョイスした。
源氏物語は紫式部ひとりで書いたのではなく複数説があるとも言われているようだが、私は紫式部がひとりで書き上げた物語だと、もちろん信じている。
千年も昔に、こんなに面白く人を惹きつける物語を創作した作者はどんな人物なのか、そのひと本人にも興味を抱きつつ読んでいました。
源氏物語は後宮に仕えている女房が語り手となり話が進行していくという設定で書かれている。
その語り手は、途中途中に「内緒の話をひけらかすのは気がひけ