瀬戸内寂聴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『子宮作家』ねぇ……そんなに下品な作品では全然ない、と思うのは、書かれた当時と今の風俗が変化しているからだろうか。
むしろ、恋のなんたるかも知らないうちに、親が勝手に決めた好きでもない男性と結婚し、子供まで生んでしまった後に、恋を知り、夫を愛していないと気づいてしまう女性のなんと可哀想なことか、と同情すらしてしまう。
そこで、妻とは、母とはどうあるべきかということを、自分自身がどう生きたいか、よりも大切だと考える女性だったなら、心と身体を別物として生きられたのかもしれない。
けれど園子は、既成概念などに囚われない女性であり、心と身体を別物とは思えない女性だった。
夫や子供を置き去りにしてまでも恋い焦がれた相手と、結ばれたと同時に恋が終わったというのも、なんというか……。
でも、分からなくもない。
わたしも、わたしの周りの友人たちも、20代の頃は同じような感じだった。
この作家の男女関係に対する考え方は、数十年後を先取りしていたのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
最近は、よほどのことがない限り新刊本って買わなくなってしまったんですが(金銭的な理由で)、この本は書店で見つけて即買いです。
瀬戸内寂聴とホリエモンの対談という、切れ味抜群な組み合わせ。
しかも「死」がテーマということで、いったいどんな話が聞けるのかと興味津々です。
冒頭で両者がそれぞれの死に対する考え方を語るのですが、あとがきでホリエモンが書いているように、
死ぬってどういうこと?
=生きるってどういうこと?
どう死にたいかと考えることは、どう生きたいかと考えることに行き着くのだと思います。
しかしこの二人、決して軸はブレないのに柔軟。
時々タブーにも踏み込んで、読んでるこちらがハラハラするような場面もあるのですが、本人たちは気にする素振りすらなく(笑)
トークのリズムも軽快で、知的好奇心も満たしてくれる非常に美味しい一冊です。 -
Posted by ブクログ
松岡正剛さんいわく、世阿弥は中世のスーパースターだとのことで、いつか読んでみたかった世阿弥関係の本。100分De名著の「風姿花伝」に続き、瀬戸内寂聴さんの本書を読んでみました。
晩年、いわれない理由で島流しになる世阿弥が佐渡に向かうところからストーリーが始まります。道中、12歳にして足利義光に寵愛されたあとの栄光の日々と、人生後半での人々との別れや、どちらかというと不遇な日々が回想されます。ストーリーの中では、「離見の見」「秘すれば花」「幽玄」「男時女時」など、世阿弥の哲学がさりげなく紹介されます。
瀬戸内寂聴は本書を書き終えた後、抜け殻のようになったそうです(あとがきによる)。世阿弥の生涯が淡々と綴られつつも、あちこちに華やかさや哀しみがちりばめられている。きっと世阿弥の能も、この文書のような雰囲気を纏っていたのではないかという気がしました。 -
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ネタバレ本屋さんで目に留まり購入。仏教のこと、昔の教えを学びたかった上に、寂聴さんのことをもっと知りたかったので良いチャンスだと思った。
「法句経(ほっくきょう)を読む」がサブテーマだ。
お釈迦様とよく聞くけれど、本当の名前は釈尊・・・そして、本来はネパールヒマラヤの小さな国の王子として生まれたゴータマ。人間の真の幸せ、永遠の生命それを解決したくて城を抜け出し修行後、悟りを開き仏陀(ブッダ)となる。
仏陀とは、固有名詞ではなく「悟れる者、覚者」のこと。
法句経はお経の中でも古いもの。釈尊が亡くなってから弟子たちで書いたものとのこと。それをわかりやすく解説しながら、寂聴さんの想いが書かれている。
釈尊が弟子に悩みの返事として「私もだよ」と話すところに感動した。釈尊も人の子、決して特別な人ではないと安心感を持たせてくれる。
それにしても、寂聴さんは最後のほうで金丸信の醜態を非難していたが、どんな事件だったのか当時を知りたくなった。この本は1993年出版された。 -
Posted by ブクログ
高校時代を思い出しながら、
懐かしく読みました。
今まで、円地文子訳を読んだことがありましたが、
正直、あまりよく分かりませんでした。
けれども、この1冊で、
源氏物語の神髄がようやく分かりました。
内容について書くのは、
いずれ、瀬戸内さん訳の源氏全巻を読もうと思うので、
ここではやめておきます。
この本については、
うまくまとめてあるということで、
授業で読んだ断片的な部分がどういう流れの中にあったのかを
理解するには、必要十分です。
宇治十帖がかんたんに書かれすぎていて、
それでも、あらすじは分かりましたが、
少し残念。
筆者の源氏物語の理解の深さに感嘆し、
星5つにしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレえ!!!!!十巻も待たせたのに、こんな終わり方?!日本に誇る有名文学作品の終わりがこうだったとは。長い源氏物語の中で一番の衝撃がここにある。
歴史の授業を聞いていると、平安時代はとっても昔で、文明が未発達というイメージがあった。しかし、源氏物語の登場人物に触れて、現代に住む私たちと心はほとんど変わらないということがよく分かった。
源氏の栄華が語られる前半、そして宇治に舞台が移る後半。どちらも個性溢れる登場人物の心理が巧みに語られ、昼ドラさながらどんどん惹きこまれていく。特に宇治が舞台の後半は、頁をめくる手が止まらず、どこで休憩しようか迷った程だった。
寂聴氏は「男はせいぜいこの程度よ、という紫式部の声が聞こえてくる」と解説で書いているが、私には「あるよね~、そういうこと」という女房達の声が聞こえてきた。
そんな昔の物語を、こんなに生き生きとした文章で読むことができることに感謝しなければならない。他の訳本が進まなかった私にとって、寂聴氏の源氏物語は、抜きんでた名訳であった。話も面白いし、読みやすいし、是非色々な人に手にとって欲しい本である。