瀬戸内寂聴のレビュー一覧

  • 源氏物語 巻三

    Posted by ブクログ

    光源氏は、帝の愛する人との密通現場を押さえられ、官位を剥奪され、流罪になる前に自ら都を出てから戻るまでの話。最後にある「源氏のしおり」で復習すると、物語がまた一層わかる。

    0
    2017年03月27日
  • 花芯

    Posted by ブクログ

    『子宮作家』ねぇ……そんなに下品な作品では全然ない、と思うのは、書かれた当時と今の風俗が変化しているからだろうか。
    むしろ、恋のなんたるかも知らないうちに、親が勝手に決めた好きでもない男性と結婚し、子供まで生んでしまった後に、恋を知り、夫を愛していないと気づいてしまう女性のなんと可哀想なことか、と同情すらしてしまう。
    そこで、妻とは、母とはどうあるべきかということを、自分自身がどう生きたいか、よりも大切だと考える女性だったなら、心と身体を別物として生きられたのかもしれない。
    けれど園子は、既成概念などに囚われない女性であり、心と身体を別物とは思えない女性だった。
    夫や子供を置き去りにしてまでも

    0
    2016年09月25日
  • 寂聴あおぞら説法 愛をあなたに~みちのく天台寺~

    Posted by ブクログ

    あまり自己啓発の様な本は好きではないけれど、心救われたくて読んだ一冊。今ある悩みがちっぽけな物ではない。誰しもが通る道であっても、十人十色。受け取り方は違う。時が解決してくれるまでの忍耐。決して簡単なものではないけれど、もう一度心と向き合って前に進むのも悪くない。四苦八苦。それでも人生を彩りのあるものに。自分の中の煩悩と向き合い、その炎が少しでもやわらかいものになりますように。「合掌したままでは人は殺せない。」

    0
    2015年10月12日
  • 源氏物語 巻二

    Posted by ブクログ

    主人公の光源氏は惚れやすく口説き上手。衝撃的なのが、父親の妻とも関係すること。平安時代にも複雑な恋愛事情があったことなどが面白い。登場人物が多く、覚えきれない。最後の方に掲載された家系図、関係図を見ながら読んでいった。源氏のしおりが最後にあるが、それを読んで振り返ると分かりやすい。読みやすく訳されているが、集中して読まないと頭に入っていかない。内容は面白いから全巻読む予定だ。

    0
    2015年06月24日
  • 源氏物語 巻一

    Posted by ブクログ

    原文の味わいを損なわない雅な文章で、でもわかりやすく読みやすかったです。この勢いに乗って続きの巻もがんばって読みたいと思います。

    1
    2015年01月05日
  • 死ぬってどういうことですか? 今を生きるための9の対論

    Posted by ブクログ

    最近は、よほどのことがない限り新刊本って買わなくなってしまったんですが(金銭的な理由で)、この本は書店で見つけて即買いです。

    瀬戸内寂聴とホリエモンの対談という、切れ味抜群な組み合わせ。

    しかも「死」がテーマということで、いったいどんな話が聞けるのかと興味津々です。

    冒頭で両者がそれぞれの死に対する考え方を語るのですが、あとがきでホリエモンが書いているように、

    死ぬってどういうこと?
    =生きるってどういうこと?

    どう死にたいかと考えることは、どう生きたいかと考えることに行き着くのだと思います。

    しかしこの二人、決して軸はブレないのに柔軟。

    時々タブーにも踏み込んで、読んでるこちら

    1
    2014年11月03日
  • 秘花

    Posted by ブクログ

    松岡正剛さんいわく、世阿弥は中世のスーパースターだとのことで、いつか読んでみたかった世阿弥関係の本。100分De名著の「風姿花伝」に続き、瀬戸内寂聴さんの本書を読んでみました。
    晩年、いわれない理由で島流しになる世阿弥が佐渡に向かうところからストーリーが始まります。道中、12歳にして足利義光に寵愛されたあとの栄光の日々と、人生後半での人々との別れや、どちらかというと不遇な日々が回想されます。ストーリーの中では、「離見の見」「秘すれば花」「幽玄」「男時女時」など、世阿弥の哲学がさりげなく紹介されます。
    瀬戸内寂聴は本書を書き終えた後、抜け殻のようになったそうです(あとがきによる)。世阿弥の生涯が

    0
    2014年09月30日
  • 夏の終り(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    8年間妻子ある男との不倫に疲れてきた主人公。
    最初は作者の力に圧倒されたが、少しずつ読み進めると主人公のもとに夫と別れる原因の男と再開し、その男とも関係を持つようになるが、語り口はどこかあっさりとしている。

    最後はどちらの男とも別れることになる。
    きっと中途半端ではダメなのだということに気がついたのだろう。

    大きく分けると2つの話だが、2つとも背景は一緒だった。

    0
    2014年05月08日
  • 夏の終り(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ここまで正確に書き連ねられる冷静さが、
    美しくはかなく、彼女を頑強にする。

    習慣による常識の逸脱や、
    それによって発される異様な存在感。

    これを読むことで、私も整理された。

    0
    2014年05月04日
  • 源氏物語 巻一

    Posted by ブクログ

    年明けから読み始めました。
    今5巻目ですがとても面白いです。

    寂聴版を読み始めると、田辺版は、小説としておもしろおかしく誇張してあるのかなという印象を受けました。

    源氏の君の政治的な側面も描かれていて、解説も合わせて読むと理解が深まります。
    丁寧な文章で読みやすく、初めて源氏物語を読む方にもおすすめです。

    0
    2014年01月27日
  • 寂聴生きる知恵 法句経を読む

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本屋さんで目に留まり購入。仏教のこと、昔の教えを学びたかった上に、寂聴さんのことをもっと知りたかったので良いチャンスだと思った。
    「法句経(ほっくきょう)を読む」がサブテーマだ。
    お釈迦様とよく聞くけれど、本当の名前は釈尊・・・そして、本来はネパールヒマラヤの小さな国の王子として生まれたゴータマ。人間の真の幸せ、永遠の生命それを解決したくて城を抜け出し修行後、悟りを開き仏陀(ブッダ)となる。
    仏陀とは、固有名詞ではなく「悟れる者、覚者」のこと。
    法句経はお経の中でも古いもの。釈尊が亡くなってから弟子たちで書いたものとのこと。それをわかりやすく解説しながら、寂聴さんの想いが書かれている。
    釈尊が

    0
    2013年11月26日
  • 花芯

    Posted by ブクログ

    「きゅうきょくの、しょうふ」ですよホントに!
    僕がこれまで女性に漠然と感じていた、なんとなくな恐怖を見事に体現してくれた作品でした。

    男女関係なく人間にはきっとこういう衝動が潜んでいて、その動物的な本能は誰にも止められないし摂理なのです。
    だからこの作品を読んで、「うわ、なんか気持ち悪い、、、」とか言っちゃう人は全員ウソつきなんじゃないかなー。

    「花芯」というタイトルも素晴らしい。花の、女性の芯とは一体何なのか。それは最後の一文に全て集約されています。

    0
    2013年07月27日
  • 瀬戸内寂聴の源氏物語

    Posted by ブクログ

    やっと読み終わったー!

    瀬戸内寂聴さんの源氏物語が読みたくて、でも全54帖は大変なので、そのうち27帖が1冊になってるものをチョイス。

    ただただ人物相関図が複雑すぎてなかなか覚えられず、何度も同じところを読み返したり、メモを取りながら読んでたら1ヶ月たってしまいました。

    読み終わった達成感でいっぱいで、詳しい感想は細かく言えないのですが、人を愛おしく想ったり、世の無常さがせつなかったり、読んでてすごく人恋しくなりました。

    古く長い物語。
    何度も読み込んで行くことで、その魅力が増すことでしょう。

    0
    2013年06月02日
  • 源氏物語 巻一

    Posted by ブクログ

    マザー•コンプレックスが衝撃的に描かれている第1巻。
    亡き母の面影を追って藤壺を想い、その血筋の紫の上を引き取り育てる光の君•••こんな昔からマザコンが認識されていたのかと感心します。
    いくつか源氏物語よみましたが、寂聴さんの訳はとても読みやすい。

    0
    2013年04月14日
  • 女人源氏物語 下

    Posted by ブクログ

    華々しい上巻とは対照的な、晩年の光源氏の苦悩を描く下巻。筆者が尼という事もあり、光源氏に愛された女性達が出家していく場面の描写には何か鬼気迫る物がある。特に紫の上が死の間際、出家する瞬間の女性達の心境を悟り、光源氏への深い憐れみを覚える場面は息をするのも忘れるほどだ。「光源氏に愛された女性は一人として幸福になっていない」とまえがきにも書かれていたが、全てを読み終えた今、源氏物語の原文の随所に散りばめられていた光源氏の「不吉なほどの美しさ」という表現を思い出し、鳥肌が立った。

    0
    2013年02月15日
  • 女人源氏物語 上

    Posted by ブクログ

    与謝野源氏にボッコボコにされたので女人源氏に乗り換えた。源氏物語に出てくる女性に焦点を当てる形で話が進んでいくので、感情移入しやすく、一人一人の個性が際立っていた。特に葵と六条御息所、朧月夜の章は筆者の愛を感じる表現が多く、彼女らに対するそれまでのイメージが大きく変わった。1000年以上前に生み出されたにも関わらず、どの女性も呆れるほど人間臭く、繊細でか弱く、そして強い。彼女らの匂い立つような魅力、そして光源氏の情熱的で華やかな恋が濃厚に味わえる上巻。「女は汚い方が美しい」。彼女らの生き様を見てそう思った。

    0
    2013年02月15日
  • 瀬戸内寂聴の源氏物語

    Posted by ブクログ

    高校時代を思い出しながら、
    懐かしく読みました。
    今まで、円地文子訳を読んだことがありましたが、
    正直、あまりよく分かりませんでした。
    けれども、この1冊で、
    源氏物語の神髄がようやく分かりました。
    内容について書くのは、
    いずれ、瀬戸内さん訳の源氏全巻を読もうと思うので、
    ここではやめておきます。
    この本については、
    うまくまとめてあるということで、
    授業で読んだ断片的な部分がどういう流れの中にあったのかを
    理解するには、必要十分です。
    宇治十帖がかんたんに書かれすぎていて、 
    それでも、あらすじは分かりましたが、
    少し残念。
    筆者の源氏物語の理解の深さに感嘆

    0
    2017年06月27日
  • 源氏物語 巻十

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    え!!!!!十巻も待たせたのに、こんな終わり方?!日本に誇る有名文学作品の終わりがこうだったとは。長い源氏物語の中で一番の衝撃がここにある。

    歴史の授業を聞いていると、平安時代はとっても昔で、文明が未発達というイメージがあった。しかし、源氏物語の登場人物に触れて、現代に住む私たちと心はほとんど変わらないということがよく分かった。

    源氏の栄華が語られる前半、そして宇治に舞台が移る後半。どちらも個性溢れる登場人物の心理が巧みに語られ、昼ドラさながらどんどん惹きこまれていく。特に宇治が舞台の後半は、頁をめくる手が止まらず、どこで休憩しようか迷った程だった。

    寂聴氏は「男はせいぜいこの程度よ、と

    0
    2013年01月16日
  • 源氏物語 巻十

    Posted by ブクログ

    「浮船」「蜻蛉」「手習」「夢浮橋」の4帖を収録した最終巻。

    心が震えるほどに感動した。
    四季折々の日本の風景、人情の機微、人を愛すること、そして命のはかなさなど、人が生きるということに関するおよそあらゆるエッセンスを紫式部は描いている。
    それらが美しい言葉と和歌、音楽に乗せてつづられているところが本当にすばらしいと思う。

    −−−−−
    匂宮は、一目で心を奪われた女(浮船の君)のことが忘れられず宇治へ赴き、薫の君になりすまして浮船の部屋に忍び込むと、彼女を手に入れてしまう。
    薫に申しわけないと思いながらも、情熱的な匂宮のとりこになっていく浮船は、追いつめられた末に宇治川に身投げをしてしまった。

    0
    2013年01月13日
  • 源氏物語 巻九

    Posted by ブクログ

    宇治の八の宮の姫君たちの物語がつづく。

    亡き大君(おおいきみ)のことが忘れられず、悲しみに沈む薫の君。
    妹である中の君(なかのきみ)は匂宮の妻となるが、その面影が大君と見まがうほどに似てきたため、薫は中の君を自分のものにすればよかったと後悔する。

    2人の姫君たちには異腹の妹がいて、名を浮船という(巻九にはまだその名は出てこない)。
    薫は、大君に似ているというその人に会ってみたいと思う。
    ところが、ふと浮船の姿を見かけた匂宮がそのまま彼女を自分のものにしようとしてしまう(ここでは危機一髪で難を逃れた)。
    亡き人のことをずっと一途に想っている薫と、美しい女性には抜け目なく言い寄っていく匂宮。

    0
    2013年01月13日