瀬戸内寂聴のレビュー一覧
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紫式部の「源氏物語」というと、私の中では勝手に、平安時代という、歌を嗜むような、どこか優雅で気品のある、なんだろう、大人の余裕というかね、そんな貴族達の上品なやり取りの中に、パッと花開くように御座す、光源氏の存在をイメージしていて、「すべての恋する人に贈る最高のラブストーリー」、いいじゃないですか。
と思ったら・・・何これ(笑)
源氏物語は、全五十四帖あり、巻一は「桐壺」から「若紫」の五帖で構成されてまして、もしかしたら、私のように勝手に高尚なイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので(後々、高尚になるのかもしれないが)、せっかくのこの機会、色々と書いていきたいと思います。なん -
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ネタバレ第二帖 帚木のみ読んだ!雨夜の品定め、光源氏や頭中将 たちが女性の品評をする場面とは、凄いオモチロイ!女性は上・中・下では中が良いらしい。理想の女性像:⓵顔が可愛くても、手紙がうまいのは浮気が多い証拠、②世話好きだけではダメ、才色がないとつまらない、③子どものように素直なだけではダメ、気苦労が多くなる、④不愛想はダメ、⑤嫉妬深いのもダメ、男が疲れる、⑥家出をして気を引く女もダメ、男が疲れる。次の場面で光源氏が空蝉に無理やり行為に及ぶ(こりゃまずいでしょ)光源氏は空蝉に引き付けられる。イヤ~すごいお話し。空蝉の魅力を感じました。⑤
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瀬戸内寂聴の小説ってこんなに面白かったんだ!?
祇園を中心とした京都の文化についても教えてくれて、ちょっとした観光ガイド本にもなっている。
そして舞妓さんや芸妓さんのお着物の描写が豊富で読んでいて飽きない。さらさらといろんなお召し物がでてくる。夏塩沢、ふむふむ、勉強になる…。
昭和四十六年に書かれているけれど、いくつか時代遅れとなった言葉がある他は古さも感じない。敏子の失恋には全く境遇の違う私でさえ胸がじくじくと痛むほど感情移入してしまっていたほど。
寂聴先生が領収書など取らず自腹で祇園へ通っていた話は林真理子のエッセイでも読んでいたけれど、その価値がよく分かる。読めて良かった! -
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匂宮はとうとう宇治の中の君を二条の院まで連れてきた。車から中の君を抱きおろし、それはそれは愛くしんだ。
だけど、前から急かされていた夕霧の六の君との結婚も執り行われ、思っていたより魅力的だった六の君の虜にもなった匂宮は中の君に少し寂しい思いをさせることになってしまった。
「やはり思ったとおりになってしまった。元々私などが来る所ではなかった。宇治に帰りたい。」と悩む中の君の相談に乗りながら、薫は中の君への思いを抑えることが出来ない。最愛の大君を亡くしてしまったからには似ている妹の中の君を妻にしておくべきだった。と中の君を匂宮に譲ってしまったことを後悔していたのだった。
薫も帝に請われて女 -
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宇治十帖に入った。面白い。
主人公は薫。薫は源氏と女三の尼宮の息子ということになっているが、実は柏木と女三の尼宮との不義の子。そのことで源氏の怒りを買い、柏木は病気になって亡くなってしまい、女三の宮は出家してしまった。源氏も亡くなった後、薫はどうなったのだろうと思っていたが、源氏が亡くなる前に冷泉帝に託していたので、薫は冷泉帝とコキデンの女御の息子のように大切に育てられた。それにしてもこの義理の親子関係は興味深い。冷泉帝も薫もそれぞれ「自分は不義の子」だということを自分だけの心のうちに隠し持っていて、しかも冷泉帝は薫のことを「本当は弟だ」と思っていたことになる?のよね。薫が暗くて真面目なのは出 -
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巻七は「柏木」「横笛」「鈴虫」「夕霧」「御法」「幻」「雲隠」「匂宮」「紅梅」。
源氏の若き妻、女三の宮と柏木との密通、そして子供が出来たことが源氏にばれ、源氏に対して面目無くて、柏木は病気になり、亡くなってしまいます。女三の宮もつくづく現世が嫌になり、まだ若いのに出家します。
そして生まれた子供は…本当の父親は柏木だということは女三の尼宮と源氏だけが知ることであり、世間の祝辞を受けながら、源氏は苦い気持ちでいます。だけどその子は美しいのです。ひと目見て、柏木と似ているのですが、何故か人を惹きつけてしまう可愛らしさがあり、源氏と血の繋がっている明石の女御の子供たちよりも高貴な美しさがあるの -
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巻六は、若菜上、若菜下。
ハァー。暗い。いつものように源氏を茶化したレビューが書けないではないか。
柏木がねえ…。かっこよかったはずなのに、ドジすぎたのよ。
源氏が39歳にもなって朱雀院から押し付けられた(と見せかけてまんざらでもなかった)愛娘、女三の宮に柏木がぞっこんで、女三の宮に近づけないかわりに女三の宮が大事にしていた猫を手に入れて一緒に寝たり、女三の宮と結婚出来ないかわりにその姉の女二の宮と結婚したけれど「イマイチ」と思って大切にしなかったりだったけれど、とうとう、女三の宮の御簾に忍びこみ、怖がる女三の宮に訳の分からないことを口走ってそのまま犯してしまったのよ。源氏だってこういうことは -
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巻五は「蛍」「常夏」「篝火」「野分」「行幸」「藤袴」「真木柱」「梅枝」「藤裏葉」。
この巻の最後はハッピーエンドで終わった。やっと夕霧と雲居の雁ちゃんが結婚出来たのだ。雲居の雁ちゃんのお父さんの内大臣がそれはそれはプライドが高くて、昔二人がまだ少年少女だった頃、夕霧の位が低いからといって二人の中を引き裂いたくせに、夕霧が立派になってきて、宮家の婿にと声がかかりそうになると、「あの時雲居の雁と結婚させておけば良かった」と思う。夕霧も源氏の周りで心を奪われる姫君を何人も見かけても、一途に雲居の雁ちゃんを一番大事に思っている。だけど昔、内大臣に見くびられ、冷たくあしらわれた恨みは消えず、自分から -
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巻四は「薄雲」「朝顔」「乙女」「玉鬘」「初音」「胡蝶」。この巻は男性の心理について「ふーん」、「えー」と考えさせられることが多かった。
まずは、源氏の長男夕霧への態度(ほんとは次男ですが、冷泉帝の父親であることは秘密なので)。元服のとき、普通は源氏の息子くらい上流の子だと官四位を与えるそうなのだが、源氏は敢えて夕霧に官六位を与え、大学に入れる。将来のために、敢えて苦労させ、学問をさせたのだ。親の七光りの道ではなく、自立出来る道を与えるというのは素晴らしい。自分のようにチャラい男にしたくないというのも分かる。親心が嘘でないのも分かる。けどなー、夕霧は、六位というのが(服の色で分かるらしい)恥 -
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政敵右大臣の娘、朧月夜の内侍との密通現場を右大臣に抑えられたことで、源氏は官位を剥奪される。そしてこれ以上、流罪という恥をかかされる前に、源氏は自分から須磨へ都落ちする。
紫の上や藤壺の尼君や今まで情を交わした人や数々の女房や付き人との別れ。源氏はお供を数名だけ連れて、須磨の侘しい屋敷に引っ越す。
その別れの様子や須磨というところの侘しさを“あはれ”“悲しい”とあまりにも連発しているので、もう、源氏に同情する気持ちは無くなった。だけど、当時の須磨のような田舎の侘しい景色を“あはれ”と表現するのも日本独特の美意識だなあとしっとりした気持ちになった。
人間で私の心に沁みたのは、源氏よりも朱雀帝であ -
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ネタバレ面白くなってきましたね。
この巻では大きな“別れ”が四つもあります。
まずは正妻の葵の上。
源氏との子を出産の時に、六条御息所の生霊に苦しめられて亡くなってしまいます。源氏は今まで葵の上に対してつれなかったくせに、亡くなる間際になって「いつものように強気でない自然な姿が艶めかしい」だとか思い、亡くなった後は本当に落ち込みます。そして、葵の親元の左大臣家の人々は「これで源氏と縁が切れてしまった」と言って嘆きます。
次に六条御息所です。御息所は源氏より少し年上の聡明で趣味のいい女性でしたが、気位の高さや嫉妬深さなどが次第に源氏をとおざけてしまいます。そして、源氏の若い恋人や正妻に対して生霊を出して -
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いい歳をして日本人なのに源氏物語が「あさきゆめみし」止まり(それも途中まで)ではいい加減恥ずかしいと思って、思い切って現代語訳を読むことにした。選んだのは、瀬戸内寂聴訳。選んだというより、これが家にあったから。
冒頭「桐壺」の帖は源氏のお母さん、桐壺の更衣の話。帝の寵愛を一身に受けているため、数多くの妃たちから恨まれ、通り道に汚いものを撒かれたり、帝の部屋への通り道を塞がれたりなどの虐めを受けている。なんかこの“女子たち”の関係、まるで学園ドラマ。そして桐壺の更衣はストレスでとうとう亡くなってしまう。その桐壺の産んだ忘れ形見の若宮が、“光源氏”。眩いばかりに美しく、何をやっても優秀過ぎる若 -
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ネタバレ何気なく手に取った本。そして茜という女性に惹かれて、気がついたらとても愛おしくなっていた。今まで読んだ小説の中でも一位を争うくらい印象に残った人物。
元々寂聴さんは源氏物語で知り、彼女の小説を読んだのは本作が初。馴染みのある源氏物語の話題がたびたび出てきて嬉しかった。又、文章から寂聴さんの知的なお人柄や豊富な引き出しが伝わってきて、彼女が紡ぐ文章が好きだな、と思った。はじめはただ「茜という人が亡くなったのだな」としか思わなかったが、だんだん茜という人物の魅力に惹かれていく自分がいて、最後は彼女の死への無念さが残った。けれど複雑な感情は一切ない。
とても、余韻に残っている。