瀬戸内寂聴のレビュー一覧

  • 源氏物語 巻一

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    別の現代語訳版は読んだことがあったが、瀬戸内寂聴さん訳の源氏物語は初。とても言葉選びが素敵だなと思った。
    全文読むのは初めてだが、伏線が多く、読み応えがあった。一読しただけでは理解しきれていない部分が多いと思うので、また時間をあけて読んでみたい。
    今も昔も、恋愛の仕方こそ違えど、感じることはあまり変わらないものだなと感じた。

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    2024年02月06日
  • 源氏物語 巻六

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    葵の上が倒れ、さらに柏木と女三の宮との密通に、苦悩が深まる源氏。しかし、藤壺の時に同じような事をやらかしましたよね、巡り巡って自分に降りかかるとは。しかし、柏木は源氏よりも繊細なのか、気が弱いのか、このピンチを脱出できそうもない…

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    2024年01月22日
  • 源氏物語 巻九

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    ネタバレ

    なんかテイストが光る君の頃に戻ってきた?源氏と血の繋がりのない薫の君だけど、好きなのに手の届かなかった人と似た人を攫っていく構図がかなり同じだった。最悪のリプライズすな。でも横恋慕の性癖は実父の柏木に似たとも取れるのが上手いな〜。

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    2023年12月24日
  • 源氏物語 巻一

    購入済み

    授業の思い出は忘れて読むと◎

    高校古文のことを忘れて読むとこんなに面白いんだなあと思いつつ、
    終始光源氏にツッコミながら読みました。
    自分を権力者と思ってる痛いおじさんってこういう人おるよな、と。

    心理描写の周到さが素晴らしかったです。
    書き口も読みやすく、ストレスはただ源氏の人間性がクソという一点で読み進めています。
    光源氏は最悪。憎しみ。胸くそ。
    でも物語的にはとても味わい深いです。

    #深い #じれったい #ドキドキハラハラ

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    2023年12月20日
  • 源氏物語 巻二

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     やっと第二巻。有名な、というか自分がわりと覚えている女性たちがたくさん出てきて賑やかだった印象。
     藤壺の出家を受け茫然自失となる源氏を見て、出家ってどんなことなのだろうと疑問に思ったが、巻末の「源氏のしおり」、寂聴さんによる解説を読んで、少し理解が深まった。それだけでなく、出家を決意するに至るまでの藤壺の葛藤とその描き方や、出家後の藤壺が意外と強い女性に変貌していくことについての指摘もとても興味深く、寂聴さんのおかげで藤壺への認識が改まった。

     以下自分用メモ。

    ■末摘花(源氏十八歳)
    ・頭中将とのライバル関係が楽しい。夕顔の子を引き取る算段までしている源氏は密かに優越感を持っている。

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    2023年12月19日
  • 源氏物語 巻四

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    六条の院の、あまりの広さと、ハーレムさ。しかし、ハーレムなんだけど、源氏は全ての女性を訪ねてある程度満足させなければならなあ、というハードミッションを与えられていて、これは厳しいと思う。これの非現実感は現代と平安時代の常識の違いによるものなのか、当時でもやっぱり非常識なのか。
    妻問婚の世の中だと、ありえるのかなあ…

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    2023年12月13日
  • 源氏物語 巻三

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    社会的には栄華の絶頂を上る光源氏。しかし、源氏周辺の女性関係は悩みが深く、紫の上に何度となくする苦しい言い訳。
    源氏物語の作者は、政治性は帯びないことをスタンスとしてるが、藤原氏の政治の行い方を皮肉ってるように見える。

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    2023年12月06日
  • 源氏物語 巻九

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     巻八で、宇治十帖は、これまでとテイストの異なる、現代ドラマのような親しみやすさと書いたが、やはり『源氏物語は、源氏物語であった』と、本書を読み終えて、しみじみと感じさせられた点には、まるで、紫式部のしたり顔が脳裏に浮かぶようで、人間には良いところもダメなところも共存しているのが当たり前なんだよなと、改めて、私のイメージしていた現代ドラマって、夢物語だったのだと痛感させられた。


    「早蕨(さわらび)」
     父も姉も現世より去っていった、「中の君」の喪失感は、「匂宮」からの希望で、これまで住み続けた、宇治から京へと引っ越さねばならない現状も重なることで、より漠然とした重い不安を抱くようになるが(

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    2023年11月15日
  • 源氏物語 巻八

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    「竹河(たけかわ)」
     ここでひと息つくかのようにと書くと失礼だが、「薫の君」と「匂宮」の二人が順調に成長する中での、「玉鬘の君」の、非常に現実的な苦労話がメインとなっており、彼女は生まれたときから波瀾万丈な人生を送ってきたのに、「故髭黒の太政大臣」と出会った事で、情けない心持ちにさせられたと思ったら、今度は子どもたちの将来と、彼女自身に今も拘りを持ち続ける男達との兼ね合いが、また何とも面倒くさい事になってしまい・・・こうなると、モテる女は辛いねを通り越して、この世で誰を頼りにしたらよいものかと、その無常さを嘆くのも分かるような気がするからこそ、最後の「宰相の中将」への『困ったお坊ちゃんだこと

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    2023年11月05日
  • 源氏物語 巻七

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     いよいよ、一つの山場を迎えた感のある、巻七。あまりに重要なネタばれが多いため、最初から順番に読みたい方は、くれぐれも『作品紹介』は読まないようにして下さい。

     この巻は、子を思う親の心の闇(本当に闇なの?)が多かったのが印象深く、それが、心のままにならない人の世の儚さと繋がっているように思われるが、「本当にそうなのか?」と、私だったら刃向かいたくなる。


    「柏木(かしわぎ)」
     『元々、寛容な人柄で、やや情に溺れやすい面があって、あまりにもお心が弱々しくやさし過ぎた』彼は、「玉鬘の君」から、『この方だけを親しい姉弟だと思っていた』と言わしめる程の人間描写を再実感することで、前巻とはまた異

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    2023年10月30日
  • 源氏物語 巻七

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    ついに雲隠まで来てしまった…。御法での紫の上の死去、それで腑抜けてしまった光源氏の姿を幻で描いて、実際に死んでしまった描写を描かないで本文の無い雲隠を挟む紫式部のセンス、すごい。

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    2023年10月19日
  • ひとりでも生きられる

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    初出は1973(昭和48)年刊行ということで、なんと50年も前。まだ瀬戸内が得度(出家)する前だったので、その当時はもちろん瀬戸内晴美という名前。1978(昭和53)年、集英社文庫。2014(平成26)年改訂(新たに「寂聴人生相談」加筆)。
    令和になり、瀬戸内自身も亡くなって2年になろうとするが、今なお胸に響く。

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    2023年10月08日
  • 源氏物語 巻一

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     漫画の『あさきゆめみし』は過去に二回ほど読んだ。その他関連本も多少読んだからなんとなく知った気になっていたが、現代語訳そのものは読んだことがなかった。たださんの本書レビューに触発されて、私も源氏読んでみることにした。
     角田光代版が最も新しく、これは絶対読みやすくて面白いだろうなという予感があった(角田さんの『曽根崎心中』がとても好きだから)が、瀬戸内寂聴版を自分でもパラパラと見てみた感じ、「これは紫式部が書いたままの文章なんじゃないか」「古文をそのまま読んでいるのに脳内で理解できてしまってるんじゃないか」と、そんな錯覚さえ起こしてしまうような文体が魅力的で、全十巻と長いのだけど、これに決め

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    2023年10月06日
  • 源氏物語 巻一

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    全10巻の為、今後自分が混乱することを防ぐためにも、あらすじを主としたレビューです。
    その為、いつもにも増してめっちゃ長いです。
    スミマセン。

    ①桐壺
    冒頭の「いつの御代のことでしたか、……」
    それだけでもう、これこれ!と、心は平安京へ。

    帝のあまりの寵愛ぶりに妃たちが妬み、
    桐壺は酷い苛めを受けていた。
    「打橋や渡り廊下の通り道のあちこちに、汚いものなどを撒き散らし……」
    えー引くわ。。。
    妃たちよ、気品や気高さはどこ行ったー!
    元々桐壺は、腺病質で弱々しく、気苦労の耐える間がなかったとある。
    更に桐壺の部屋は帝の清涼殿から一番遠い淑景舎。
    可哀想に。
    いつの時代も苛めは身勝手で残酷で醜

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    2023年09月16日
  • 日本の美徳

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    同じ年に生まれた瀬戸内寂聴、ドナルド・キーンのお二人とも貪欲に生きて、96歳の時に対談した記録。静かな火花を散らせながらお互いの今を語っているところに圧倒される。いくつになっても今この時を大切に生きていくことの意味を思い知らされた。96才のキーンさんが101才の親友にニューヨークで会った時のエピソードに胸を打たれた。もうこれが最後の出会いだと何度も「I love you」と言いながら抱き合ったとのこと。そんな切実な瞬間がこれからの私に何度訪れるのだろうか。

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    2023年09月10日
  • 今を生きるあなたへ

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    瀬戸内寂聴と瀬尾まなほの対談。瀬戸内が亡くなる直前の2021年夏収録、同年12月刊行。
    その収録から、もう2年も経つ。当時はコロナ禍の真っ只中であった。

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    2023年08月24日
  • 寂聴 九十七歳の遺言

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    瀬戸内寂聴が97歳になった2019年刊行。平成の天皇(現在の上皇)が皇太子(現在の天皇)に譲位され、元号が平成から令和になった年。
    その年からまだ4年しか過ぎていないのが、今では信じられないほど。もちろん、コロナ禍になる前。
    「愛」についての瀬戸内の思い。生涯の信念であった「生きることは愛すること」という思いは、令和の時代を生きる若い人たちにも受け継がれていってほしいと思う。

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    2023年08月21日
  • 源氏物語 巻三

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     巻三は、26才~31才までの源氏を描いており、ここにきて、ようやく自己を見つめ直す機会も頂いたかに思えた彼が、ここから心機一転やり直していこうとするのかと思いきや・・・。


    「須磨(すま)」
     須磨とは今で言う、神戸市須磨区と思われ、前回、見事なしくじりをしでかした源氏は、早速、「弘徽殿の大后」の策略により、彼が謀反を企んでいるとして、まずは官位を剥奪された後、次は流罪だと予想し自ら須磨へ都落ちする。と、こう書くと、ついに覚悟を決めた、堂々たるさっぱりとした姿を予想されるかもしれないが、実際は、「ああ、なんか最近嫌なことばっかりだなあ。もうこんな所いたくないよー。でも、だからといって、女の

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    2023年08月17日
  • 源氏物語 巻二

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    源氏物語初心者の私にとって、瀬戸内寂聴さんの『源氏のしおり』は、とても興味深い上に面白くて好きで、今回は、「恋愛の手順」。

    なんでも平安時代の姫君にアタックするには、まず、その周りを固めている女房たちをなんとかしなければいけないのだが、それ以前に、顔や姿をみだりに見せてはならないので、男たちは、女房たちの口コミだけを頼りに、どうしようかなと考えなければならないのは、なんとも悩ましく、姫君の立場からしたら、私はこの人が良いですといった自己主張が出来ないそうで、「なんで?」とは思ったが(少年愛は当たり前だったのに)、これは、政略結婚の意味合いが最も強かったからだと言われれば、どうしようもない。

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    2023年08月05日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    金田一秀穂さんは
    日本語は緊急事態に向かないと言う

    緊急事態を宣言します、には
    本当に緊急事態なの?

    緊急事態宣言を発出します、だと
    ああそうですかとどこか他人事

    日本語の得意は落とし所を探す事

    ロックダウンより20時閉店
    和を持って貴しとなす、それでいい

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    2023年06月27日