あらすじ
愛する人がエイズを発症したとき、恋人は、家族は、いかに行動するのか? 共に闘い心により添って今を生きる命の手応えを描く感動の物語――パキスタンの旅で、遥子は、物静かな美青年・亮(りょう)と知り合った。恋人の遺骨を埋めに来た、という。帰国したその遥子を頼って、舞が家出して来た。薬害エイズに苦しむ若者・祐二を愛する舞を、家族の偏見が追いつめていた。懸命に舞を励ます遥子を、新しい衝撃が襲った。母親代わりのやさしい伯母の、失踪であった。<上下巻>
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Posted by ブクログ
カタカナの文化は、私たちの生活にバリエーションをもたらすと同時に、日本語の想像力と創造力を奪ってもいる。
その点中国語のすごいのは、たとえばパソコンのマウスを「電子鼠」と訳してしまう直球ぶりだろう。
それでは「愛死」とは何か。エイズのことだ。
エイズが単純な性病のように扱われるのはあってはならないことだが、
それでもこの二文字の、なんと激しく心をひきつけられることか。愛で死ぬ。