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Posted by ブクログ
2004年11月1日が、運命の分かれ道だった。その日、内山理名「目当て」で「樋口一葉物語」を見たのだが、これで一気に樋口一葉にはまり、彼女のことをもっと知りたいと思うようになった。そして本屋に行くと、まるで運命の糸に操られるかのように目に飛び込んできたのが本書だった。そして、瀬戸内寂聴さんの筆によって、一葉は、実に鮮やかに眼前に甦った。彼女の生涯は、決して薄幸ではなく、彼女の人生を完全燃焼したのだと、そう思った。この本で、一葉により深く入り込むきっかけをくれたという意味でも、忘れられない一冊となった。半井桃水への恋心に胸打たれた。瀬戸内さんの女性ならではの、一葉に対する見識にも、感じ入るものがあった。文庫で価格もお手頃、一葉を知るには最適の一冊だ。