柴田よしきのレビュー一覧
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麻生龍太郎シリーズ。
警察官をやめ、探偵の手伝いをしている麻生は、温泉芸者をしているという元妻を探しに新潟の温泉町にやって来た。
聞き込みを始めた矢先、同じ宿にいた男が失踪し、翌朝、宿の女将が何者かに殴られて重傷を負う。
元妻を探す筈が、そのうち元妻を連れ去った山内練が現れて…。
彼らは、失踪した男が殺されていたのを発見し、事件を無視できなくなる。
雪が舞う温泉町の情景が目に浮かぶほどの描写だった。
事件が緩やかに解決していくと感じてしまうのは、麻生の語りが穏やかで優しくもあるからだろうか。
気がつくと誰も酷い状態にならずに終息しているといった感じだった。
孤独と悲哀を感じるのは、海 -
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フォロワーさんの本棚から美味しそうな匂いにつられ手に取った作品。
タイトルからガッツリした料理と美味しいご飯のグルメ小説かと思いきや人間の毒や業のスパイスがピリッと効いた人間味溢れる話だった。
特に面白かったのは柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』、高級料理で女性をつまみ食いしようとした男達が、ある女性の注文によって食いっぱぐれてしまうのがなんとも滑稽でスッキリした後味が爽快!
伊吹有喜の『夏も近づく』も良かった。
拓実の優しさと美味しいご飯のセットが、葉月の心に刺さった棘の傷を癒してくれる。
まさに「心の栄養」を与えてくれる一編。
『味の分からない男』が不穏な話で後味が悪かったぶん、『どっしり -
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海は灰色刊行に合わせてRIKOシリーズ3作再読。
事件は猟奇的殺人だけど、そこまでグロい表現はないので読みやすかった。
誤認逮捕にも焦点が当てられ、それに対する各々の反応・対応の違いが印象深い。
このシリーズでは山内の残忍さが際立っていて、私は少し怯んでしまった。それでも悪人になりきれない部分が所々に描かれており、特にラストで彼の魅力がグッと深まっている。
聖なる黒夜で山内にあれした人がああなって…と繋がる部分もあるし、少しだけ及川も出てきて嬉しかった。
主人公の緑子が苦手な人も多いと思うが(私もその一人)聖なる黒夜で山内を好きになった人は読んで損なしと思う。
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ネタバレ目次
・春子さんと、捨てられた白い花の冒険
・陽平くんと、無表情なファンの冒険
・有季さんと、消える魔球の冒険
埼玉県の青空市に住む春子さんは、看護師の仕事を辞め、プロ野球選手である夫を支えることを第一に考える生活を送っている。
花を育てるのを日々の生活の楽しみとしている彼女は、ふとテラスから眺めた景色の先に、ゴミ捨て場に花を捨てようとしている男性を見かけ、花を譲り受ける。
数日後、再びその男性が花を捨てに来たのを見て、花と土は分別して捨てなければならないことを教えようと男性のもとに行くと、また花をもらってくれという男性。
不思議に思いながら花を受け取り、家に帰ってみると…。
これ、厳密 -
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アミの会によるアンソロジーを読むのは4冊目ですが、これもどれもじんわり涙するお話が多かったです。特に「猫への遺言」柴田よしき著が良かったです。定年退職した老夫婦の夫がコロナに感染し、急逝してしまう。
その後、妻がみつけた3通の遺言書。妻への遺言書は、読まれるはずのないものだったのに急逝だったために読めてしまう。知らなかった夫の本心。最後に猫への遺言書で、また涙でした。
自分と重ねて何とも言えない気持ちになりました。
「青い封筒」松村比呂美著も良かったです。
あんなお手紙もらってみたい。親子、夫婦もこんなふうに、積み重ねていくものだよなと思いました。
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旅先で偶然出会った人と食べ物を通して、人生観が変わり、前向きになれる話を集めたアンソロジー。トラブルと偶然は旅につきもの。毎回すぐに「禍転じて~」になるとは限らないが、ターニングポイントとして意識されている。
全7話の中で、私は「夢よりも甘く」が最も気に入った。育ててくれた亡き祖母の思い出話。少女はそれが作り話であると薄々気づくのだろうが、大人になっても大事に温め続けている様子(例えば身近な人に指摘されてムキになる場面)が胸に刺さる。現実を知ってしまい、旅行中はコレといった良い出来事もなく、疲れ果て打ちひしがれて、旅が終わりに近づく。このまま静かに物語が終わるのかと諦めかけたところで、帰国後に -
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