柴田よしきのレビュー一覧
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旅と美味しいものの短編集。どれも良かったです。ビブリア古書堂の三上延「美味しいということは」が特に好きでした。これだけでいいから、読んで~って、知人達に読ませたいと思ったくらい。銀座ライオン本店や崎陽軒の焼売など小道具も良かったのと、ビブリアは身内が反目していて辛い内容多いけど、これは美味しいもので家族が繋がるのが良かった。やっぱり小説というか、フィクションは読んで面白かったり多幸感欲しいです。
「もしも神様に会えたなら」大崎梢
祖母と合流して伊勢神宮に行くつもりだった町田の小学生は祖母が来れず、一人で向かう。そこで地元の小学生に会う。
「失われた甘い時を求めて」新津きよみ
昔住んでいた松本に -
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雷(いかづち)に打たれて目が覚めたら、時代も見目形も変わっていたなんて、さぞビックリしたと思う。あたしは、頭の中はほとんどそのままで、おかめ顔の小袖という女房になっていた。彼女は香子さまのお付きとして仕え、源氏物語のネタ集めに奔走する日々を送っていく。
香子さまの推理は、この時代ならではのものがあり、聡明さが伺えた。女性の装束や、生計を立てるための生き方には、自由の欠片もみえず、そのなかで楽しみを見つけて生きるのは大変だったろうと思った。住まいや食べ物、暮らしぶりなども興味深かった。
小袖(あたし)の語りは、ざっくばらんで、爽快だった。この時代の人達とのギャップも楽しめた。また、源氏物語の -
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アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。
他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。 -
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ちょうど今年は伊勢に行こうと決めていたので、初めのお話はとても参考になった。行き方や伊勢うどんの由来、参拝の仕方など物語にちりばめられていたし、少年達の冒険を見守っている感じの話で、一番この中で楽しかった。どの作品も終わりに少しほっと出来てしあわせ編とはその通りたど思った。
他5作
・失われた甘い時をもとめての二人は無事に出会ったのだろうか。続きが気になった。
・浜崎の奥さんを検索してしまった。そんなに美味しいのか。食べてみたいな。
・ベネツィアは1度は行ってみたい憧れの街だな。
おばちゃんの話はきっと妄想だったようだけど、現実をみて主人公は学んだし、母との距離も縮まって良かった。
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中学を卒業して9年。新聞部のメンバーが当時の教師と交流する物語。教師は推理小説を書く事で、小説家になって教師を辞めている。
8編の短編だが、推理小説家、新聞部という事もあり各編毎のミステリー仕立てとなっているが、各編とも短いのであっさりとした内容となっている。
新聞部メンバーの中で、特に元教師と交流の深い4人が中心となるが、この4人が中学時代に2組の恋人同士だったので、その後の恋愛状況がメインとなる。別れたり、別れても未練が残って居たり、周囲がお膳立てして復活させたりと忙しい。中学生から青年期の恋愛なので甘酸っぱい感じがする。これに元教師の恋愛も加わって来る。
ミステリーの方は黄色い梅の花は分