柴田よしきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
丸の内の片隅でひっそり営まれる小料理屋が舞台。物静かな女将さんが客たちの心の中で硬く結ばった糸を優しくほどいていく…
女性が一人でふらっと入れるおばんざい屋さん。いいなぁ。
お店の空気感と優しい料理と女将さんの暖かさが心地よくて、普段奥の方にしまっている事をつい話したくなるんだろうなぁ。
時に、嘘も方便を交えながら相手の事を思いやりながらのやさしい答え。
自分の過去にも踏み込まれたくなかったからお客さん達の話にも踏み込まなかったんだね。
それが後半にどんどんあきらかになる。
それも結構な過去。
おばんざい屋さんの雰囲気とはかけ離れすぎてる過去。
強く辛い過去を抱えながらも美味しく優しい料理が -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻だけでこのボリューム感。
すごいです。こういうしっかりしたミステリーに最近再び惹かれる傾向が出てきているので、思い切って読みました。
内容もページ数に比例してすごく重厚?です。
長い割には、先が気になるのでどんどん進み、思っていたほど時間はかかりませんでした。
キャラクターもいい味出してますね。
麻生さん、練はもちろんですが、及川さんも結構好きです。
警察なのにどう考えても練よりやばい人にしか見えないあたりが(笑)
あと、あれだけ愛されている韮崎さん。善人じゃないけれど、やっぱり、すごい人であったのだな、と。
個人的に、練と麻生さんの、韮崎のお通夜のシーンがすごく好きです。
練の悲しみ -
Posted by ブクログ
丸の内で“おばんざい”を出す小料理屋「ばんざい屋」を舞台とした連作短編集『ふたたびの虹』の続編。(『ふたたびの虹』は相田翔子主演・『七色のおばんざい』というタイトルで、NHKでドラマ化された)
柴田よしきの作品でもっとも好きな『ふたたびの虹』の続編なので、大きな期待を持って読んだ。ハートウォーミングなヒューマンドラマ。前作同様、とても良かった。
もし読んでみようという方がいたら、ぜひ前作『ふたたびの虹』から読むことをお薦めする。
何より魅力的なのが、「ばんざい屋」で女将が作る料理の描写。こんな料理屋があったら常連客が通いつめるのも道理。女将の細やかな心配りと、客との適度な距離感がさぞ居心地が