あらすじ
37歳女性、入社15年目、独身バツなし。ついでに恋人・人望ともにナシ。……ですが、何か問題でも? 無能な上司や、使えない部下への鬱憤を抱え、今日もお疲れモード。有名企業の女性係長といったって、陰では「お局」呼ばわりで、都合のいいときだけ「ベテラン」だなんて、やってられるか。どんなに強く見えたとしても、たまには愚痴も聞いてほしいし、恋愛だって諦めるにはまだ早い――働く女の本音と弱音を描く本格「負け犬」小説!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
とても面白かったです。
一言言われた時の心の声とか、自分の本当の感情等とても共感出来ました。
思わず笑ってしまう場面や、ちょっとニヤついてしまう場面も多かったです。
Posted by ブクログ
柴田よしきさんの実体験?から綴る働く女性のリアルな本音と弱音。総合音楽企業の企画部係長・墨田翔子・三十七歳、未婚、入社十四年と十ヵ月。部下があり仕事は出来る。収入もそこそこ。でも対人関係はちょっと……。仕事に疲れ、ネットを通じて旅行代理店の契約社員愛美と知り合い、愛美が住むオーストラリア旅行へペリカンを求め旅立つ。そこで出会った二人の女性との奇妙な友情を力にして、翔子は、オフィスに渦巻く悪意や嫉妬と闘いつづける。OL歴が長くなると・・・翔子はお局さまだがかっこいいね、面白く読めた作品。
Posted by ブクログ
勝ち組負け犬と、負け組負け犬予備軍の女性が織りなす、現代社会を生きる女性の物語。読み終わったあとの爽快感が最高♡ 働くことは誰かだって楽しいことばかりじゃないけど、明日も頑張ろうって思える。
Posted by ブクログ
面白いし最後の方の翔子が好きすぎた!
読んでてスッキリするし
もう少し仕事頑張ろうかなと思える。
女性のリアルなところをしっかり描いてくれている。
Posted by ブクログ
時代小説の「お勝手のあん」シリーズからの流れで読む。
「あん」は薄幸の少女期を過ごし、料理の腕は上がるが気の弱い役柄だが、この本の主人公・墨田翔子は全く逆の性格。
37才で未婚の管理職。社長賞を何度も取る程の凄腕だが、部下含め皆んなが自分を嫌っていると自覚。煮詰まって、オーストラリアでも行こうかと思ってSNSで聞いてみたら、オーストラリア在住の旅行社の女性・嵯峨野愛美に出逢う。職場トラブルからの逃避と思って自分が優位に立ったと考えた愛美は、翔子が一流企業の管理職と知って打ちのめされる。二人の心の声が現実的で鋭い。
オフィスではマニュキアでの汚染や生理用品の紛失などのイジメのような事件、セクハラなどのトラブルが発生するが、無関心を装う翔子が、なぜか奮闘する。
ミステリー要素も盛り込みつつ、意外な犯人が現れる。翔子、愛美の自虐的な内容が多いが、男性作家でありながら、良くここまで書けるな、と感心する。
Posted by ブクログ
柴田よしきって男の作家さんだよね???
なんであんなに生理用品の事とか、OLの事情や生態に詳しいの???
大企業のオフィスでキャリアを積み重ね、係長まで登った翔子は仕事はできるが部下からは嫌われている。
でも嫌われた方が仕事はやりやすい。それもわかる。
勝ち組の負け犬と言っていたが、本当にそう思う。
都内にマンションを持ち、仕事もあり、給料もいい。
でもやはり、ストレスは溜まる。
そのストレスを発散させるためにペリカンを見るためだけにケアンズへと旅立つ。
そこで一人旅の女の人がもう一人いる事を訝しむケアンズのツアコン愛美。愛美と翔子は単なるメル友だったのだが、翔子の出来る女っぷりを知り、愛美は翔子にもう一人の一人旅の女の人、玲奈を注意してみていてくれと頼む。根っからの真面目人間翔子は裏の意味を汲み取り、愛美のお願い聞き入れる。そして目を配っていたらなんと玲奈はペリカンに石を投げつけたのだ。玲奈と翔子の取っ組み合いを必死で止めた愛美。この三人に不思議な友情が芽生える。
翔子と愛美の物語がかわりばんこでつづられるのだが、玲奈とのからみが少なくて、『ホントに仲いいの?』と思ってしまった。
翔子に訪れる生意気な年下部下の男の子との絡みもきゅん♪となるのだけど、ああいう物語の締め方はいいね~!
ーーーーーー
37歳、未婚、入社十四年と十ヶ月。だけど、それがどうした?総合音楽企業の企画部係長・墨田翔子。仕事は出来る。収入もそこそこ。でも対人関係はちょっと……。仕事に疲れ、ある日ふと思い立ったオーストラリア旅行。そこで出会った二人の女性と奇妙な友情を力にして、翔子は、オフィスに渦巻く悪意や嫉妬と闘い続ける。働く女性のリアルな本音と弱音がここにあります。(裏表紙より)
Posted by ブクログ
連作短編。
大手企業で働くお局様、オーストラリアで働くアラサー、彼に裏切られた女、それぞれがどん底で出会い、這い上がっていく物語。
オーストラリア行きたくなった(笑)
作者らしいプチミステリーもあり、
最後まで一気に読めた。
Posted by ブクログ
すごくおもしろかった。
誰でも稼いで生きていくのって本当に大変。
きっとたくさん嫌な思いして、
たくさん我慢して、でもその中にもきっと
いいこともあって。
ペリカンのくだりがおもしろかった。
Posted by ブクログ
一流企業に勤めている37歳独身管理職女性が主人公の話。出だしでどうかなと思ったけれど、様々な人間関係やミステリ要素などもあり思ったよりも面白かった。
Posted by ブクログ
これ読みながら思ったのは、もう私も純・青春小説を卒業してしまったんだなと。アラサーとかアラフォー女性の奮闘記みたいのばっかり読んでるw全然ハッピーエンドしないやつな。これもだけど、結局青春を振り替えるより更年期を見据えた方が現実的って女が、その事実に絶望しながらどうやって前を向く理由を見つけるかってだけで、事実この本に出てくるキーパーソン3人は誰も明白なハッピーエンドを迎えないまま話は終わってる訳で。女性もひとりで強く生きられますよ、っていう気休めを欲した人をターゲットにした小説のまあ多いこと…
Posted by ブクログ
女性が働くことってどういうことか、どう見られるのか、を考えさせられた。同じ負け犬同士で、友達、と思っていても妬みはあるし、ずる賢いだけじゃなく純粋だったり、抜けてたり、人に好かれたかったり。誰がどう思うか、誰にどう思われることに重きを置くか、それを考えないとなぁ、と。あまり期待せず読み始めたから、思った以上に感銘を受けた。
Posted by ブクログ
働く女性の抱える悩み、葛藤をコミカル且つ的確に描写した作品。
キャリアウーマンとしてバリバリ働くことで犠牲にしてきた恋を後悔することもなく、
強く振る舞いながら友達の前では少女のようにはしゃぐ主人公。
視点が変わる為主人公と記していいのかは分からないが、キャリアウーマンの揺れる心情に引き込まれた。
Posted by ブクログ
最初から中盤までは、大して面白くもなかったんだけど、後半からがGood!
前半はどこにでもありそうな女のいざこざや、ちょっと頑張ってる女性が、ひょんなことで弱みや共感しあう「ホロリ」感を描いているけど、いまいちその手にはのるか、みたいな反抗心もあって、共感できず。ペースがなんとなく、ダラダラしているのもあって、ダラダラしか読めない。
後半は、もうちょっと山と谷がある感じで、すいすいいける。エアーズロックが舞台になっている節とかは、行ったことがあるだけに、つい引き込まれたりもするんだけど、それだけじゃなくて、ちょっといいハナシに思えてきたりもして。あと、墨田翔子が自分を見つめなおすところだったり、八幡光雄の一言がそのきっかけをつくったり、最後、女らしさとは何かについて男前に言い放つところとか、結構共感できたりした。
それで、ちょっとこの作者が好きになれた。
Posted by ブクログ
初めは嫌いだった主人公墨田翔子。
周りに攻撃的で、周りを信用しない。
そんなふうに見えていたが、さまざまなできごとを通して、すごく人間味がある素敵な人に思えてきた。
Posted by ブクログ
実は最初、一流企業OLの主人公になんとなく嫌悪感を抱いていた。けどそれは何となく、お局になるであろう自分の未来を垣間見たからかもしれないw他人と関わることによって人は変わる、作品の最後には主人公を可愛らしいと思うくらいには好きになっていた。
Posted by ブクログ
一流企業社内でお局扱いの翔子。オーストラリアの旅行会社で働く愛美。旅先で翔子が殴り合いの大ゲンカをしたところ友情が芽生える....というくだりは「ガラスの仮面か」と思わず突っ込んだ。しかし二人とも自分の事を、嫌な性格、屈折している、など思っているようだが、立派に仕事をこなす姿は十分に素敵だと思う。途中社内の嫌がらせ犯人は誰?みたいな謎解きのようなものもあって、飽きないストーリー仕立てになっている。全然状況は違うけれど、自分の会社員時代を思い出す一冊となった。
Posted by ブクログ
日本の会社で、周りに距離を置かれたりしながらも係長として働く翔子、オーストラリアのツアー会社で働く愛美。
翔子は様々な人と接しながら、人への妬みや悪意などオフィスに渦巻く嫌らしい感情達と戦っていく。
自分が女性ゆえにわかる部分もあるがあまり好きなテーマではなく物凄く面白かった!とは言いにくいけれど、作品として、しっかりと読者を引きつける文章力のある作家さんだと思う。
Posted by ブクログ
翔子がオーストラリア旅行をきっかけに、良い上司へと変わっていくのが良かった。最後近く、セクハラ上司をやっつける(?)ところはスカッとしました。
この本を読んで会社員だった頃を思い出した。すごく有能で、でも周囲に対してめちゃくちゃ厳しい女性上司の下で働いていたから。でもこの本にあるような人間ドラマは無かったな。今振り返っても良い職場だった。
Posted by ブクログ
はっきりとした悪意や嫉妬じゃないとしても、職場に漂うどことなく不穏な雰囲気があることは分かる。それらにいかに打ち勝ちながら自分のペースを乱さず仕事をするか。
Posted by ブクログ
最後の話までは、こんなの無いよとか男目線であり得ないとか思っていたけれど、最後の話で一気にすかーーーーーっとした。超気持ちいい!!!
37歳なんてまだまだ若いけどね。一流企業だと大変なのか。
Posted by ブクログ
翔子と愛美、二人の女性が主人公になっているけど、私には翔子の話の方が面白かった。
一部上場企業の係長で、働く女性としては勝ち組だけど、37歳、未婚、恋人なしと、ただの女性としては負け犬という設定は良いと思ったけど、一流企業の割に男性の上司がアホに描かれ過ぎでは?
あと、部下の八幡くんの設定も個人的には重すぎだと感じた(しかも、最終章で唐突に重くなる)。
おばんざい屋さんの女将さん並みにハードな過去というのは、柴田さんらしいといえば、柴田さんらしいけど。
Posted by ブクログ
「こんなふうだからあたしは嫌われる。しかし、好かれたとしていったい何の得がある?ちょっとばかり居心地がよくなったからって、それで給料が上がるわけでもあるまいし。」
墨田翔子、37歳。独身。
大手音楽企業の企画部係長。
陰口も独りランチにも慣れた。
高学歴高プライド高自意識過剰の若手にうんざりしつつ、女子休憩室のマニキュア事件、トイレの生理用品の盗難、人気作家のイラストの裁断事件と悪意渦巻くオフィスで逞しく生きていく。
高学歴だけど常識がない神林。
オーストラリアのツアコン愛美。
ケアンズの浜辺で殴り合った嶺奈。
不遜な態度で口の減らない部下、八幡。
いろんな出会いがだんだんと翔子の気持ちをまあるくしていく。
女のイヤラシサがこれでもか!っていうくらい、いろんな形で出てきた。
それが暗くどんよりと濁らないのは翔子の底にある人の良さなのかも。
どんなに凹んでも立ち上がって顔を上げて笑い飛ばすような強さと。
「女らしいってことは、男の都合のいいように動く、男に逆らわないってことじゃないのよ。本物の女らしさってのは、女としてのプライドを簡単には譲らないことなのよ。
あたしにはあたしのプライドがあるの。そしてあたしは、それを守るためだったら、他のなんだって犠牲にするのよ」
Posted by ブクログ
2冊続けてOLのゴタゴタ本を読んだ。
自分がOLだったころを思い出すとスラスラ読めた。
もちろん、こんなゴタゴタはなかったけれど。。
ありそうでなさそうでありそうなー。コワイ。。
続きが気になって
えぇぇぇー!と言いながら読み終わったのは
久しぶり。主人公には幸せになってほしいワ。
Posted by ブクログ
文庫本が家にあった気がしたんどけど、見つからないし、内容もあまり覚えてないしで再読。
前に読んだときより登場人物と年齢が近づいたせいか、現実感がある。
主人公のように勝ち組負け犬なわけもなく、負け組負け犬予備軍としては暗くもなるけれど、とりあえずは頑張ろうと思える話。
Posted by ブクログ
勝ち負けなんて、今決まるものじゃない、戦い続けろ!
オーストラリア旅行が転機ではあったのだろう。要は気持ちの持ちよう。お互い隣の芝生は青いから、自分の持ち物で勝負するしかない。無条件の幸せなんて、与えられるわけじゃない。やはり、勝ち取らなくては。
翔子には、翔子の武器があって、だから、翔子と同じようには出来ないけど、自分の武器を使って今の場所で戦っていくことはできるはず。がんばれる話だった。しかし、色々とジョシ社会がリアルである。