柴田よしきのレビュー一覧
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猫探偵・正太郎。
居なくなった猫を探す、探偵の正太郎さんが主人公の物語だと思って読みはじめたら……猫の名前が正太郎でした。
作者の作品は、「RIKO」と「聖なる黒夜」しか読んだことがなかった事もあり、まさか主人公が猫とは。
麻生龍太郎に山内練を書いた人が、黒白猫の正太郎ですよ。幅広すぎ。なんかため息が出ちゃいました。柴田さんスゴイです。もう、尊敬です。
ファンタジーとも違いますが、なかなか面白かったです。
謎解きのトーマの件とか、ちょっとムリではと思うところもあるものの、正太郎たちなら許せるというか、物語として楽しんで読めて満足‼︎
優しくて切ない癒してくれるミステリーですね。お茶目で可愛い正太郎のファンになってしまいました。
シリーズのようなので、続刊も読んでみたいと思います。
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ミステリー小説家のアンソロジー。
長編にできそうなネタを惜しげもなく短編に仕上げている作品もあり、とても楽しめた。
特に下記三作品が面白かった。
近藤史恵「未事故物件」
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
新津きよみ「女の一生」
●近藤史恵「未事故物件」
引っ越したアパートの上の部屋から午前4時に洗濯機の音が聞こえてくる。しかし部屋は空き家だという。騒音に悩まされた主人公は音の正体を探り始めるが…。
●福田和代「迷い家」
泥酔して他人の家に上がり込んだ主人公。食卓に用意された鍋を食べ、食器を1つ持ち帰る。後日、その屋敷の住人が行方不明になったと耳にする。しかも主人公が迷い込んだ日だとういう。知り合いの警察に相談するが…。
●乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
離婚する両親のどちらと暮らすか。主人公の女子中学生は冷静に判断するため、父母の状況を調べ始めるが…。
●松村比呂美「置き去り」
一大決心をしてジャングルツアーに参加した主婦。途中のトイレ休憩で置き去りにされてしまう。いったいどうなるのか…。
●篠田真由美「迷い鏡」
●新津きよみ「女の一生」
赤ん坊を事故で亡くした主婦。夫とも離婚することになり実家に戻るが兄嫁と折り合いが悪くなるり、アパートで一人暮らしを始める。そんな時、河原のホームレスと親しくなり、アパートへ招くのだが…。
●柴田よしき「迷蝶」
妻を亡くした定年退職者の主人公。唯一の趣味である蝶の写真撮影で知り合った老人と話すうち、過去の記憶が蘇る…。
●大沢在昌「覆面作家」
評判の覆面作家は誰なのか?小説家の主人公は古い友人のことを思い出す…。 -
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ネタバレ近藤史恵「未事故物件」
一人暮らし始める前に読まなくてよかった。
ホントに怖いのは生きてる人間。
でも、毎日4時に洗濯機回されたら発狂しそう……
福田和代「迷い家」
舞台は現代日本だけど、導入はほんのり日本昔話テイスト。
優しいお出汁のお鍋食べくなっちゃった。笑
最後のオチはちょっと強引な気もするけど……。おちょこに指紋ついてるくらいなら、他のものにもベタベタついてるでしょって。
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
自分の両親も主人公と同年代くらいの頃に離婚しているからか、感情移入がはんばない。しかも4つ下の弟がいるのも一緒!
両親のどっちについていっても良いよって、子供の気持ちを尊重してくれてるのは分かるけど、その実ひどく酷だよね。特に父も母も好きなら。どっちかを選ぶってことは、どっちかを選ばないってことだよね……分かりみが深すぎる。
でも、父母が仲良くない空気の中で過ごす家庭はひどく心がしんどいので(この描写も分かりみ!)離婚してくれて良かったとも思ったなぁ……などと昔のことを色々思い出した。
松村比呂美「置き去り」
オチまでキレイにまとまった作品。
慣れない外国、しかもジャングルになんて置き去りにされたら……考えるだに恐ろしい。時間にルーズな私は団体旅行には行けないな。
登場する女性がみーんなこの「置き去り」経験があるって言うのはなんか笑っちゃった。
篠田真由美「迷い鏡」
すごく少女漫画チックなお話。少女漫画にしたら映えそう。古い洋館とか、樹木の迷路とか。
最後がなんかふんわりで、個人的にはもちょっとアクの強さがほしかった。
新津きよみ「女の一生」
パラレルワールドは存在するかもしれないんだよ。観測されてないだけで、ないとは言いきれない。
とすると、最後の部分は主人公が自殺してしまった世界と、隣に立った男性が自殺したせいで主人公が自殺できなかった世界が、重なったのかも。同じフィルムに2回写真撮ったみたいに。
柴田よしき「迷蝶」
あーん、やられた。
できすぎなくらい偶然が重ならすぎ…って途中まで思ったけど、それは思惑の元に起こったものだったという。こういう展開、大好き。
自分の何の気なしの行動がどこかで重大な事態(そしてそれはとてつもない悲劇かもしれない)を引き起こしている可能性は誰にでも常にあるなぁって。
風が吹けば桶屋が儲かる、の類似のことわざ?バタフライエフェクトから(もともとは物理用語?)、この話の核に蝶を据えたのかしらとか考えたり。
大沢在昌「覆面作家」
大沢先生の作品は学生の頃から好きだったので、この短編ももちろん好きでした。
それぞれ作家とゲームクリエイターになったかつての親友(と呼んでいいのか?となっていましたが)、それぞれが知らないところでそれぞれの作品のファンにひっそりとなっている…っていうエピソードで妙に泣きそうになった。
あとがき/福田和代 -
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ネタバレ目次
・風音
・夕立
・豊饒
・夢鬼
・融雪
・花歌
『風音』を読み始めて、説明的なセリフの応酬に辟易する。
あれ?
柴田よしきって、こんな作風だったっけ?
説明的な割には、登場人物たちはいろいろと秘密を抱えているっぽい。
主人公の秘密はおいおいわかるだろうけれど、カフェには不似合いな客として登場した「田中さん」は、やけに料理に詳しくて、「何なら俺が作ろうか?」って、客としてありえない台詞までかましてくるあたり、ドカンと大きな秘密を抱えているんだろう。
ベーコンだけを挟んだサンドイッチの出てくる作品は、『秘密の花園』だってすぐにわかった。
それをもっと大きく広げるのかと思えば、それほどでもなく。
もやもやしながらの読書だったな。
season1だから、人物紹介的な巻なのでしょうか。
カフェの開業、町おこし、人間関係の再構築。
書きたいことはたくさんあるけど、それなりに書けてはいるけど、柴田よしきにしてはなんか薄味。
そして奈緒が出来過ぎ。
もう少し七転八倒してもいいと思う私は鬼ですか? -
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すごい好きだった!
表紙がピンクの桜と犬で可愛かったから買ってみたけど、内容も面白かった
中学時代から仲良しの4人と山中にチャウチャウと一緒に住む恩師
短編集みたいな感じだけど、登場人物が変わらないから嬉しい
元教師で現作家の浅間寺先生が山でとってきた食材を食べてるところを読むと山菜採りにいってみたくなった
仲良し4人(歌やん、陽介、まりえ、あや助)それぞれの恋愛も切なかったりもするけど基本的にハッピーな感じで読んだあと温かい気持ちになる
歌やんがまりえにサンフランシスコに行ってる間も待ってるっていうシーンは嬉しくて泣けた
あとうんちくで京都の舞妓と吉原の花魁が話す京言葉はもともと演出のために作られた言葉なのを知れて勉強になった
できた由来が、吉原に売られてくる女の子たちは田舎の方のお国訛りがきつく粋じゃない、同じ訛りの客とねんごろになりやすい、女郎同士でもその言葉を使うと国を思い出していつまでもメソメソするかららしい
なるほどねぇ
この言葉がのちにブランドになっていったって感じらしい〜 -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・観覧車
・約束のかけら
・送り火の告発
・そこにいた理由
・砂の夢
・遠い陸地
・終章、そして序章
柴田よしきの、プロ作家としての初めての作品ということもあって、ちょっとまだこなれてない部分もあるけれど、面白く読んだ。
結婚して一年で失踪した夫が遺した探偵事務所を、彼の帰る場所を守るために引き継ぐ唯が主人公。
いくつかの事件は、唯が夫を探すための手掛かりにもなる。
ちょっとネタバレになるので詳しくは書きませんが、単身赴任のお父さんのために娘が作った手作りチョコを送るという妻に、「帰って食べるから送らなくていい」という夫。
これはひどい。
夫の本心は、もう食べることができないから送らなくていいということだったんだろうけれど、却って食べると言われた家族は、彼の帰りをずっと待っていたはずだ。
そこに思い至れないほど追いつめられていた、ということも言えるけど。
それに対して唯は、”男は、嘘をつくのだ。決してついてはならない、嘘を”と憤るのだけど、解説の新井素子が、恋愛経験値が低いけど…といいつつ別の見解を述べる。
”男って、決してついてはならない嘘をつく生き物なのと同時に、”約束”と”希望的観測”の区別のつかない、単なる莫迦なんじゃないのか?”
ああ、なるほど、確かにね。
私も何度か起ったわ。
ぬか喜びさせるな!って。
だけど唯の夫は10年も失踪しているのだよ。
目撃されたこともあるから、生きていると思われる。
なら、なんらかのアクションを妻にしてしかるべきなんじゃないの?
死亡届けを出すのもご勝手にってのはもう、妻に対して無責任以外の何物でもない。
もちろん夫には夫の事情もあるだろう。
だけど、あまりにも自分の事情しか考えてないと思うのだ。
唯の夫も、約束と希望的観測の中で揺れたかもしれないけれど、ひとりの人間の人生を束縛するには、10年はあまりに重いと思うんだよね。 -
Posted by ブクログ
料理をテーマにしたアンソロジー。
女性作家ばっかりかなと思ったけど、中村航さんは男性かな?色んなテイストの作品が詰まっていて、美味しくて嬉しいアンソロジーでした。
以下お気に入り作品。
柚木麻子「エルゴと不倫鮨」
不倫を嗜む男たちの隠れ家的鮨屋に、明らかに場違いなくたびれたおばさんが襲来する。そのおばさんはなぜかとても料理に詳しく、次々と美味しそうなオリジナル創作鮨をオーダーしはじめ…まさにタイトル通り注文の多い料理小説。ラストのオチも痛快でよい。
伊吹有喜「夏も近づく」
悠々自適な田舎暮らしをしている主人公が、兄から半ば押し付けられる形で甥っ子を預かることに。田舎の豊かな自然と触れ合うことにより2人が打ち解けていく様子が微笑ましい。伊吹有喜さんらしい、爽やかで優しいお話。
坂井希久子「色にいでにけり」
はじめましての作家さん。時代物で、美しい色彩と和菓子の融合。短編なのにキャラが立ってて、シリーズもので読みたいと思った。
中村航「味のわからない男」
岩上が脳内で原田○二に変換されて笑った。