柴田よしきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そこには、こころを癒(いや)してくれる秘密がある――
東京・丸の内の片隅に、ぽつんと暖簾(のれん)をかかげる小料理屋。
少しさびしそうな美人女将の手料理をもとめて今宵もこころに疵(きず)を負った客が訪れる――。
居心地のよい“おばんざい屋”の物語
「いいですか、ここにいて」
「え?」
「わたし、ひとりでここに座っていて……いいですか?」
女将は少しだけ驚いたように目を見開いたけれど、すぐやわらかな笑顔になった。
「もちろんですわ。うちはね、女性でお1人でみえるお客様がとても多いんですよ」
(中略)
「いえ……なんとなく、今……ここにいてもいいよ、って言って貰えそうな場所が見つからなくて」(本 -
ネタバレ 購入済み
最高です!!!
初版時に読んてるから、もう何十年(?)前になるのか…?
柴田よしきさんは本当に多種多彩な作品を書かれる方で、シリアスからこうしたSFまで幅の広い事でも有名な方ですよね。
どの作品でもテーマ性がしっかりしていて、本当に「読ませる」作品ばかりなのですが、このシリーズだけは、初めシリアスな感じで始まり『日本沈没』的なストーリーに成るのかと思いきや、天狗がノートPCを使いこなしたり、様々な生物や妖怪(?)か普通に人間と会話するなど、楽しい物語も混じってきて、著者自身も楽しそうに書いているのが想像出来て、本当に大好きな作品です。
『奇想天外な物語』と言ってしまえばそれまでですし、「ふざけ過ぎ」だ -
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Posted by ブクログ
旅の醍醐味は、おいしい食べ物だと改めて思わせてくれるようないいお話ばかりでした。
一番食べてみたいと思ったのは、「もしも神様に会えたなら」の“伊勢うどん”。関西住みだけど、食べたことなかった。主人公の少年2人が“優しい気配り”で表現した味を食べてみたいと思いました。
話が好きだったのは、「旅の理由」。主人公の青年がすごく良かった。
「美味しいということは」では、主人公の祖母の、“美味しいということは、いつまでもその味を忘れないってことなんだ”という言葉にぐっときました。今まで味わった忘れられない味を大切にしていきたいし、これからも忘れられない味を増やしていけたらいいな。
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