あらすじ
木梨香流(きなしかおる)は京都の地質調査会社の技師。地下水の水位の急激な低下が、異変の発端だった。京都府警捜査一課の村雨祐馬(むらさめゆうま)は、京都御苑で発見された変死体に驚愕していた。四時間前まで生きていた男が、全身の体液を抜き取られ、カラカラに干からびている。そんな異常殺人が人間に可能なのか? ところがそれは、その後、京都中を恐怖と絶望にたたきこんだ未曾有の大災厄のほんの序曲だった。壮大な物語の第一弾!
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最高です!!!
初版時に読んてるから、もう何十年(?)前になるのか…?
柴田よしきさんは本当に多種多彩な作品を書かれる方で、シリアスからこうしたSFまで幅の広い事でも有名な方ですよね。
どの作品でもテーマ性がしっかりしていて、本当に「読ませる」作品ばかりなのですが、このシリーズだけは、初めシリアスな感じで始まり『日本沈没』的なストーリーに成るのかと思いきや、天狗がノートPCを使いこなしたり、様々な生物や妖怪(?)か普通に人間と会話するなど、楽しい物語も混じってきて、著者自身も楽しそうに書いているのが想像出来て、本当に大好きな作品です。
『奇想天外な物語』と言ってしまえばそれまでですし、「ふざけ過ぎ」だと怒るような方にはオススメ出来ませんが、笑ったりハラハラしたりジーンとしたりと、サービス盛り沢山なお話が好きな方には打ってつけの小説です。
但し『宙都』シリーズまで進んでいく行くと、始めの頃から話が拡がり過ぎて、ちょっと冗漫に成って行ってしまっているのが残念。
Posted by ブクログ
完全にB級のSFホラー小説ですが、これがとんでもなく面白い!
現代の京都に日本古来の妖怪たちが次々と現れ、人びとを襲い、恐怖のどん底に陥れるという内容です。
ウルトラ怪獣大集合的というか、ゴジラやガメラがモスラがまとめて襲来したというか、もちろん妖怪なのでそんなに大きいのはいませんが、得体も目的もわからない百鬼夜行が大暴れして京都の街を破壊しまくります。
著者もだいぶ悪のりして楽しく書いている感じが伝わってきて、娯楽小説としては満点をあげたいです。
Posted by ブクログ
おもしろかったー!
いや、読みだした当初は正直、君之に苛々させられるところが多かった。ええいうだうだしおって。ははあ、源氏物語の帝の生まれ変わり。通りでねー!
しかし途中から、この話はヒロインとヒーローが逆転しているのだと考えるようにした結果、あまりにもハマりすぎていてものすごく面白くなった。香流さんいかすー!君之ちゃんマジヒロイン!前世から自分に執着し続け、世界(京都)を破壊しようとしている相手を止めるべく、マスコット的なしゃべる動物と共に大御所妖怪たちを説得しに行ったり…最終的には歌まで歌ってましたからね。動物たちと心を通わせる上に花屋であるという時点でもう完全に古典的ヒロインだった。
あと個人的には京都府警の刑事・村雨祐馬氏が同情できすぎて好き。「現場百回という言葉がある。~(中略)~いったい何度この土手を往復したことだろう。だが今となっては何もかもがむなしい。連続殺人の犯人は人間ではなかったのだ。」そうですよね。ミステリかと思いきや妖怪大戦争ですもんね。むなしくもなりますよね。
そんな彼が気づかぬうちに重要な役割を果たしているシーンは、ぞくぞくすると同時にめちゃくちゃ面白くて笑ってしまった。もしアニメ化したらこのシーンですごく笑う自信がある。
いやあしかし、良かった。すごく古典的ベッタベタな昔懐かしいラノベを読んだ気分です。やっぱりラノベっていいなあ…と見当違いの感慨を抱いたりもしてしまいました。最高だ。
Posted by ブクログ
ミステリーかとおもいきや伝奇ホラー、そしてパニック物でもありました。1000年の昔の妖姫、紅姫の怨念、一条帝への執着と言う愛が京都の街を炎に包む。時期的にも恐怖感が増しました;;それにしてもヒロイン、木梨香流がカッコいい。豪胆な女性です。続編では是非彼を取り戻してほしいです!
Posted by ブクログ
設定が複雑で理解するのに時間がかかった(笑)話は面白いのだが、登場人物達が多くて誰が結局主人公になるのかがわかりにくい。物語が転生やら宇宙人やら阿倍清明やら妖怪やらといったいどのカテゴリーに分類したらよいのか迷ってしまう…