柴田よしきのレビュー一覧
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600ページを超える大作。なのに、続きが気になってあっという間に読破してしまった。
現在起きている事件と、過去の冤罪疑惑の事件。この2つの事件の真相がどう暴かれて行くのか下巻が楽しみ。
RIKOシリーズでは端役だった登場人物がメインで出てきたりしてるのも面白い。山背さんとか及川さんとかね。思ったよりも及川さんのキャラがぶっ飛んでるのも良き。
何より麻生と山内の2人の関係。心を通わせたと思ったら離れて行ってしまったり、もどかしい!!
作中でも描写されているけど、麻生はすごく良い男なのに、その鈍感さが時に残酷で。RIKOシリーズから読んだ身としては、その麻生の鈍感さが本当にもどかしい。早く下巻を読 -
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10年前の事件を通して、麻生と山内の間に秘められた壮絶な過去とは? そして、韮崎を殺害した真犯人とは・・・?
上巻に続き、下巻もページをめくる手が止まりませんでした。
・・・が、切ない。
麻生と山内の関係だけでなく、他の登場人物の心情や人間関係を考えると、何とも苦しくて、やりきれない気持ちになりました。
破滅に向かうことでしか結ばれない愛もあるんでしょうか。もし、あるとすれば、それが二人の運命なのかもしれません・・・。
また、上下巻の最後に掲載されているサイドストーリーが、とても良かったです。別作品にも麻生と山内が登場するものがあるそうなので、余韻が残っているうちに読んでみたいと思います。 -
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若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。手足、性器を切り取られ木にぶらさげられた男の肉体。誰が殺したのか?次のターゲットは誰なのか?
刑事・緑子は一児の母として、やっと見付けた幸せの中にいた。
彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。事件に仕組まれたドラマは錯綜を極め、緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査していく。
親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために。興奮と溢れるような情感が絶妙に絡まりあう、
「RIKO」シリーズ最高傑作。
今回の事件には緑子の旦那さんの安藤刑事の誤認逮捕が関わっていることを知り、愛する旦那さんの汚点を真相究明の過程で -
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一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。
そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。
そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。
ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾。
母になった村上緑子が挑んだ事件のテーマは、母性愛。事件の引き金が育児ノイローゼだったり、育児は家族全体の仕事ではなく母の仕事という時代錯誤 -
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男性優位主義の色濃く残る巨大な警察組織。その中で、女であることを主張し放埓に生きる女性刑事・村上緑子。彼女のチームは新宿のビデオ店から一本の裏ビデオを押収した。
そこに映されていたのは残虐な輪姦シーン。
それも、男が男の肉体をむさぼり、犯す。やがて、殺されていくビデオの被害者たち。緑子は事件を追い、戦いつづける、たった一つの真実、女の永遠を求めて―。
性愛小説や恋愛小説としても絶賛を浴びた衝撃の新警察小説。第十五回横溝正史賞受賞作。
村上緑子は、エリートコースを歩んでいたが、上司の安藤明彦警部との不倫が原因で新宿署に左遷されて、性犯罪の被害者を救うためそして加害者を逮捕するために手段を選ばな -
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ネタバレ温かな記憶を巡る「想い出」アンソロジー。
お気に入りは福田さんの「幸福のレシピ」と新津さんの「ゲストハウス」。
「幸福の〜」は、パティシエだった亡き夫の想い出のクリームブリュレの味が忘れられない琴子。旅行先として昔住んでいた神戸で思いを馳せていると、ひょんな事から知り合った一樹と一緒ににスイーツ巡りをする事になり…
夫が定年退職後に自分の店を持つ事を計画し、後輩と一緒に新作のケーキを公案していた事を知る琴子。そして、後輩が店を持つ事となりそのレシピが日の目を見ることができて良かったです。想い出のクリームブリュレがもう一度食べられた事がほんわかした気持ちになれました。
「ゲストハウ -
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麻生と練の関係が急激に変化し、瓦解、という言葉がしっくりくる。
長年に渡って離れていた同士が急速に近づいて、混ざり合う様子が激流のようであっという間に読み終えてしまった。
物語の謎はまだ残されていて、「私立探偵麻生龍太郎」に続く余韻が残されていて、この先も麻生と練の縁・因果は繋がっていくんだろうと感じさせられた。
愛と呼ぶには荒々しくて、二人の関係はなんで呼べばいいんだろうと考えさせられた。
謎解きは正直、なぜそこまでややこしくなった事件なんだ?と思うけれど、二人の関係を鮮明にするための演出かと思うと納得がいく。
二人のような人間関係はなかなか私生活ではいないけれど、離れられない同士って確かに -
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登場人物が上巻だけで凄く多い。
一人一人、名前と注釈をメモなどしながら読むことをおすすめしたい。
過去と現在を行き来しながら、物語が進むので、とてつもない長い期間のように感じてしまうが、事件が起きてからはたった9日間しかたっていないことに読後に驚く。
麻生と練の過去と現在と共に、複数の容疑者が伏線やミスリードを散りばめるので、うっかり読み落とせず、上巻だけでやや満腹ぎみ。
麻生も練も一筋縄ではいかない人生を送っていて、下巻でどういう関係性になっていくか楽しみ。
裏社会の独特の後ろ暗い中でも、純粋に欲しいものを追い続けてもがいてる二人、っという感じで悲壮感は少なく、力強く生きてる男たち、女たち -
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ネタバレ上下まとめて。
痛くて痛くて胸が苦しくなる。
強くて美しく脆い練を想わずにはいられない。
書き下ろしもとても良く、胸に秘められた蝶が情景に浮かぶ。
どう考えても壮絶な人生。好きになってはいけない人を好きになってしまう。付かず離れず。諦めた方が楽だけど、やっとの思いの一筋の光。
韮崎や全ての人に情があるから、変わりなんていない、一人一人を想う練は、捻くれてしまっているが育ちの良さはあるよなぁ。
麻生はいいキャラしてるなと。自分の行いに矜持があるが故、まさか練のことに限って誤認するはずがないと認めるにも認められないもどかしさがまたしんどかった。
ぱっと華があるわけではないけど、人を惹きつけて焦 -
購入済み
ごちそうさまでした!
ご贔屓の先生から始めましての先生まで、ほぼ全て楽しく美味しく読めました
たぶん、ご近所のあのお店?とか今度旅行に行ったら探してみよう!とか実在するお店がモデルになっていたりでワクワクしました
想い出編だったからか、ちょっと寂しかったり秘密があったりもしますが最終的には納得できるので安心して読めました