福澤徹三のレビュー一覧
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条川署の警官・新田真人は、警官とは何をすべきなのかをわかっているが、交番の警察官のルールに縛られて、余分な仕事をすると上司から叱られる。警察って、随分縦割り社会なのだ。
2年前に、目の前で飛び込み自殺した立花健作、52歳だった。健作はアパート経営したが、悪さされて経営がうまくいかず、借金のカタにアパートも取られてしまう。打越不動産の仕業だった。この男は、さまざまな事業で成功させている。そして、新田真人は、今度はオレオレ詐欺の若い男を捕まえる。それは、自殺した父親の息子立花康平でまだ大学生4年生だった。生活が苦しいので、少しでも高額なアルバイト、日当3万円に飛びついたのだった。オレオレ詐欺の出し子だった。小料理屋で働いていた康平に、若い女がいいアルバイトあると誘われたのだ。康平はハマってしまった。
新田真人は、刑事事件を扱うヨレヨレの老人弁護士五味陣介に依頼する。
五味陣介は、行動派で積極的に動き、知恵も働く。そして、オレオレ詐はグループ犯罪。トップにいるのは金主、要するに出資者、オレオレ詐欺をするにも元手はいる。その下に番頭がいて、アジトを管理する。アジトを確保するのは、番頭の役割。名簿を集めるもの、掛け子が電話をかける。そして、見張り、掛け子や受け子をリクルートするものなど役割分担がされ、互いに知らない状況においておく。
そして新田真人は、恋人の看護士を使い、ホストクラブに慣れている友人と一緒になって、金主を探し出す。結局は、番頭がわかることで、金主まで迫ることができたのは、五味陣介の弁護士力だった。
なるほどねぇ。そして、オレオレ詐欺って、刑罰が厳しいのだね。 -
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ネタバレカバーイラストは濱口真央。
■綾辻行人 「再生」 (『亀裂』、『眼球綺譚』)
中高生の頃に既読。再読。
思った以上に・・・・の「・・」で笑ってしまった。
■鈴木光司 「夢の島クルーズ」 (『仄暗い水の底から』)
中高生の頃に既読。再読。
当時はすごい大人の話だと思っていたが、マルチ勧誘というしょぼさとヨットという対比が、実に大人っぽい。
またヨット好きの作者らしい描写(専門用語)もきりっとしている。
■井上雅彦 「よけいなものが」 (『怪奇幻想短編集 異形博覧会』)★
面白いアイデア。
よく会話文が連続するときに陥りがちな混乱を逆手にとって。巧み。
■福澤徹三 「五月の陥穽」 (『怪談歳時記 12か月の悪夢』)★
こ……、これは実に嫌な小説!
というのも子供の頃、こういう夢をよく見た。
天井裏の筒状の通路に入ったはいいがつっかえてしまうとか。
あるいは今も時々見ているかもしれない。
いやないやな描写だ。
純・物理的ホラー描写に、笑うしかない。
とってつけたような怨みも笑ってしまった。
■今邑彩 「鳥の巣」 (『惨劇で祝う五つの記念日 かなわぬ想い』)
正統なホラーで、巧い。
映画「・・・・・・・・」あたりを思い出すが、その公開より早い。
■岩井志麻子 「依って件の如し」 (『ぼっけえ、きょうてえ』)
最近既読。
■小池真理子 「ゾフィーの手袋」 (『異形のものたち』)
解説に森鷗外「舞姫」を彷彿とさせるとあり、なるほど。
単著としては「恋」を読んだのみで、あとは「アイロンのある風景 日本文学100年の名作」「平成怪奇小説傑作集1」や「家が呼ぶー物件ホラー傑作選」で知るだけの作家だが、かなり怪奇小説を手掛けているな。
皆川博子の推薦もあるし、この作家には手を伸ばしてみたいかも。
■澤村伊智 「学校は死の匂い」 (『などらきの首』)
最近既読。
◇解説 朝宮運河 -
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気鋭の若手からベテランまでが一堂に会した「最恐」の物件怪談アンソロジー。
家や土地をテーマにしたホラーアンソロジーです。
作家陣が豪華で、個人的には外れなしでした。どれを読んでもじっとりと湿度のある話が楽しめます。
珍しい方だと、事故物件検索サイト「大島てる」の管理人・大島てるさんのお話なんかも掲載されています。サイト自体は見たことがありますが、文章も書いているとは初めて知りました。
実際に届いたメールや、自身が本を出すための取材で回った際に見聞きしたものについて書いているお話や、伝染する呪いを扱ったような作品も多く、虚構と現実が曖昧になる感覚がしてそれもまた良かったです。現実に侵食してくるような話は不安になる感じが好き。
個人的に気に入った2作は、その土地に憑く”ナニカ”の不気味さが存分に楽しめる平山夢明さん『ろろるいの家』と、恐ろしくも耽美な化物の話、郷内心瞳さん『トガハラミ』。
でも、それ以外のどの話もそれぞれ味わいが違っていてどれも面白いですよ。 -
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ネタバレ怪談社の糸柳寿昭、上間月貴が取材で集めた怪談とその取材プロセス、現場状況を作家の福澤徹三が取りまとめた書き下ろし実話怪談集。今月刊行されたばかりの第4弾。
今回はコロナ禍による各種措置の緩和を受けて取材方法が以前の形に戻ったことで、前巻で目に付いた“実話怪談に練り上げられる前段階の話”よりも、実際の怪異の体験談(の聞き書き)が主となっており、その意味ではオーソドックスな実話怪談本に仕上がっている印象。また前巻のように、怪異よりも取材過程で遭遇した生身の人間の方がよほどおっかない、みたいな話もない。……が、病死や不審死(自殺他)などに日々直面している人達が、それらが起因(と思しき)怪異もすんなり受け入れているような話がいくつかあったりで、それはそれで怖い。
このシリーズを読んでいて思うのは、収録の半数ぐらいは取材先での初対面の人から聞き出した話で、よくまぁここまで集めたなぁ、と。当然空振りや、聞けたけれど本に載せるほどには使えないといった話も相当数あるはずだから、掲載されたよりもずっと多くの人々に取材を試みたのだろうし、その点でも、とにかく凄い。人見知りな自分にゃとても真似できぬ。
と同時に、多くの人がそういった怪異なり恐怖なり、不可解な体験をしてるということでもあるのだなと。
だから日々これだけ実話怪談本が出版されててもネタは尽きないのか! -
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底辺ユーチューバーの葉室浩司は伸びない再生回数と、
最近つれない彼女に悩んでいる。
フードフェスを撮影にいったら、
なぜか頬に傷持つ男の屋台を手伝うはめに。
まかないは絶品だが、彼女との仲はますます悪化。
さらに隣人トラブルと無差別テロ事件に巻きこまれて人生最大のピンチ。
義理と人情がほとばしる文庫書き下ろし第8弾。
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この本はシリーズもので、毎回、なぜか頬に傷持つ男が美味しそうな料理をパパッと作る。
料理の作り方を文章で説明されて読むのって、香りも盛り付けも自分のイメージでしかないから、きっと現実以上の味を想像してると思う。
こんなに簡単に作れるんやってものばっかりで、いつかこの本の通り作ってみよっと、と思いつつ、何も実行せずに8冊も読んでる。
この物語は、今ある話題のことを織り交ぜながら
どうせ俺なんて、みたいなところから最後は頑張ろうってなるねんけど、もう少し、毎回出てくるなぜか頬に傷持つ男の活躍を見たかった。
まぁ、サスペンスではないから、そんなシリアスさを求めてないけど、取って付けたような、今回は軽い感じやった。