桜庭一樹のレビュー一覧
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購入済み
トラウマよみがえりには注意
ほぼ毒親&機能不全家族集です。思い当たる人は気が滅入ります。
特に「ゴッドレス」は暴力被害者の成れの果てで最悪な気分。
しかし同じ毒親でも「ロボトミー」は秀作に仕上がってます。
ところで、作者、キリスト教を書くのなら、カトリックとプロテスタントの違いくらい理解してほしかった。
ミサはカトリック、賛美歌はプロテスタントです。ごっちゃにしてるから私は集中できませんでした。
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Posted by ブクログ
結構期待していたので、正直肩透かしを食らった気分。面白く読めたは読めたけども。
具体的には、展開やトリックに既視感があり、またそう捻ったものでもない(と感じた)ために、結構先が読めてしまうのが大きかった。犯人は誰か、という嫌疑を一人一人晴らしていく面白さも、緻密なトリックを暴いていく魅力にも、やや欠けていると感じた。風情ある活劇として楽しむのが正解かなぁ。
文体はライトノベルやキャラクター文芸テイストで、読みやすい。色んな要素を散りばめて、それを上手く風呂敷の中に収めきる手腕は見事だった。
(もう少し踏み込んだ内容は、コメントにて補足) -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み始めてすぐにマイケル・ジャクソンをイメージして書かれていると気づく。
章ごとに語り部が変わり、最後まで登場することのないキング・オブ・ポップの存在が、愛情や憎悪をもって肉付けされ形作られていく。
彼の姉である孔雀の言葉が全てを表していて読んでとてもしっくり来た。
「人というのは、自分を基準にして物事を判断するものよ。あの子のことだってそうだわ。善良な人は、あの子の優しさや善意をまっすぐ信じる。そして不幸には同情してくれる。一方、心の奥に悲しみや怒りを多く溜めている人は、あの子の姿に自分の翳を投影して、あれこそが悪だと糾弾しようとする。」
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Posted by ブクログ
初めて読んだ著者の『本当の花を見せにきた』を読んで、それがなかなか良かったので、桜庭さんの初期の傑作長編と言われている本書を読んでみた。
結論的にいうと、すごく物語の雰囲気や文章は良いのだが、最終的に何が言いたかったのか解らなかった。
『中二病』にかかった女子高生が現実逃避するように時空を超えていろいろな世界に飛んでいき、最終的に行きつくところに行き着いたという話なのか?
「SF的」というか「夢落ち」というか「走馬灯をみている」というか、ちょっと表現が難しい。
たぶん、リアルな女子高生や女子中学生が読んだら、この思春期女子特有の気持ちなのかどうかよくわからないが、共感できる部分がたくさん