桜庭一樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2016年、9冊目はラノベ脱却期の『少女には向かない職業』以来、おそらく、十数年振りの、桜庭一樹。その短編集、6編収録。
モコ&猫:大学生時代の憧れと、恋愛の狭間のようなイビツな想いの回顧譚。いやぁ、自分が、いかにミステリ脳で読んでいたか、というコトを反省させられた。冒頭で気付かされて良かったよ。
このたびはとんだことで:表題作。既に別れた若い浮気相手と正妻の修羅場に居合わせる男の話。コレは展開の予想はつきました。しかし、大オチは上手いと唸ってしまった。
青春のための推理クラブ:ミステリ仕立て。そこで感じた違和感は、その後……。自分のような、桜庭一樹初心者と、フリークとでは感想異なるんだ -
Posted by ブクログ
我が家から五十メートルばかし行ったところに「口の芝居跡」という碑が立っている。その昔、京・大阪の芝居小屋にかける前、全国から伊勢参りに来る旅人目当てに、ここで演じて評判が良ければ大受けまちがいなしとして、試演される芝居小屋だったと聞く。有名な歌舞伎役者もこの芝居小屋の舞台に立ったこともあって、古市は歌舞伎とは縁が深い。『伊勢音頭恋寝刃』の舞台となった油屋跡では町の若い衆によって小屋掛けの地芝居も演じられた。父は坂東庄雀という名を持つ立女形で、「伊勢音頭」ならお紺、七段目ならお軽というのが役どころだった。
芸事の好きな人も多かったのだろう、歌舞伎衣装や大道具小道具を扱う道具方や浄瑠璃、義太夫を -
Posted by ブクログ
「モコ&猫」 ふうがわりな恋。
「このたびはとんだことで」 浮気、特殊な語り手、奇譚。
「青年のための推理クラブ」 ヴァーチャルな友情。
「冬の牡丹」 娘と(仮想的な)父。本書一番の力作か。
「五月雨」 伝奇。Vハンター。
「赤い犬花」 夏休みの少年たち、その背後にあるのはマチズモに潰された少女。ジュブナイル。
わが生涯ベストに入る「青年のための読書クラブ」のプロトタイプはもちろんのこと、
作者の多様さが感じられる短編集。どれもよい。
単行本「桜庭一樹短編集」とは並びが異なっている。
並びが違うだけで随分印象が変わるなと驚く。
あと、単行本の会田誠の絵もいいけど、文庫のカバーも素敵。