桜庭一樹のレビュー一覧
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【あらすじ】
東京の新大久保駅近くに構える百人町第百ビル一階、元チキン屋の探偵事務所「道明寺探偵屋」。
社員は女子テコンドーの元オリンピック選手・真田紅(さなだくれない)と、元警視庁勤務の黒川橡(くろかわつるばみ)の二名のみのこの探偵社に、一人の謎の少女が飛び込んできた。
チキン屋と勘違いして飛び込んできたらしきその少女は、自らをハイタカだと名乗り、妙な流れから紅にボディーガードを依頼する。大金を所持しており、何者かに追われている“如何にも訳あり”な様子のハイタカを訝りつつも、紅は依頼を受けることになるが、案の定、事件に巻き込まれていく。
【感想】
読みやすく、疾走感があり、ラストもスッキリとして読み終えられました。
起承転結がハッキリしており、スッキリ読み終えられますが、重厚感はないので物足りなさもありつつ、個人的にはとても好きでした。
映像化がしやすそうだなと思ったので、キャスティングなど考えながら読むのもとても楽しい作品でした。 -
Posted by ブクログ
忙しくて、途中まで読んでそのままに。
再読するも、後ろから読もうと3編目「夏の終わり」を読むにつれ、なんだか不穏な空気が漂う。次に「キメラ」を読みだすと全貌が明らかに。如何せん「少女を埋める」をほとんど読んでいない身には、なかなか付いていけない。そして「少女を埋める」完読。順番が違えば、また違った印象か・・・。
既に収束したことだが、ネットで調べるといろいろわかってくる。
うーん、なかなか難しい問題だが、SNSがあるからこんな議論も生まれるのだろうけれど、結局きちんと議論できないのもSNSのデメリットかな。しかし、知らない人は全くスルーする。
疑問に思ったのは、田舎での新聞に、特に書評欄にそれほどの影響力があるのかということ。逆に影響があるのであれば、まだ紙の媒体が正統なものとして生き残れるのかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新宿(百人町)を主な舞台とした、バディ物の探偵小説。本来ならハードボルド小説になりそうな物語だが、エンターテイメント小説の顔をしつつも、作者の主題は人と人の関係性(絆)ではなかったのかと思わせる人間性に重きを置いており、どっちつかずの作品となってしまったようにに感じました。主人公の一人の真田紅の描写がしっかり描けており、なかなか魅力的。格闘場面がテンポがよくて、文章の切れも抜群です。戦い中の適度なユーモアもよいアクセントになっていて効果的。また、一つの事象をバディの主人公の真田紅と、黒川橡のそれぞれの視点で描く文章構成も、A級サスペンス映画のように鮮やかです。と非常に魅力満載ではあるのですが、いかんせん物語の筋が雑で、展開の問題山盛りです。また、ミステリー的な出だしではあるのですが、主人公のバディがロクに推理も分析もせずに、主人公以外の登場人物が、事件の秘密にすべきキーポイントを、べらべら話してしまうのでエンターテイメントとして楽しさが消失してしまいます。TVのサスペンス劇場でも、犯人が海沿いの崖に追い詰められて、やっと口を開くという位の考慮がありますが、本小説の主人公以外は、ホンクラ過ぎてなんとも。舞台が新大久保周辺ですが、外国人が登場するから場所として不自然でない程度で選ばれたのか、人と人のつながりが非常に特徴的な街なのに、ほとんど描ききれていません。現地調査不足な印象を受けました。その他、ストーリーは海外にまで広がりますが、その国の経済制度や法律、犯罪への取り組みの調査不足は否めず、無理な話しの流れを増幅しています。最後まで読むと、エンターテイメント性よりも、人の関係性が作者の描きたかったのかなとわかりますが、エピローグと、その前の翌朝のエピソードは、とってつけた感じで、冗長性は免れないと思いました。出版が、文藝春秋社のようなしっかりした出版社であり、雑誌連載でなく書き下ろしで時間的にも余裕があったので、編集者がもう少しフォローできていたら傑作になる可能性もあったのではと感じさせる一冊です。
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Posted by ブクログ
日経だかの書評で興味を持って読んでみたんだけど、朝日新聞の文芸時評の筆者との間でこんな問題が起こってた(2篇目の「キメラ」に詳述)なんて事知りませんでした。
1篇目「少女を埋める」は、都会と田舎、共同体の異分子に対する態度(従え、でなければ出て行け。美し過ぎる少女はその論理で人柱として埋められてしまうエピソード)等、興味深く読んだけど、2篇目の「キメラ」は、朝日に載った「少女を埋める」の的外れな書評によって、地方で暮らす母親が受けるであろう被害を防ぐ為に作者が取った対応、それにより起こったSNS等での論争が、時系列で作者の思考と苦しみと共に詳述されていて、こちらにも引き込まれた。
それにしてもC氏の書評は、読んで直ぐ「は?そんな事書かれてた?」って思った程で曲解もいいところだと思う。