桜庭一樹のレビュー一覧
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主人公の女子高生月夜は、もらわれっ子でパープルアイ。紫の瞳の人は、世界人口の2パーセントだと聞くから、本当に希有なシチュエーションです。
本人を含む兄弟全員がものごころついてからの養子で、容姿の違いがあるから、家でも地域社会でも血縁で結ばれた家族であるふりはできません。
思い切り共感しずらいシチュエーションの主人公です。
しかし、自分にとって悲しくてたまらないことを「もう悲しむな」と言われる時のやりきれなさは、多くの人経思い当たることがあるのではないかと思います。
月夜は喪失の悲しみの他に秘密にも苦しんでいて、ついつい面倒な娘を見守る家族に同情しながら読みました。
小説を読むのに主人公の気持ちになる必要はないんだなと思い出しました。
展開には飽きさせないスピードがあり、「腑に落ちる」ラストです。 -
Posted by ブクログ
個人用読書メモ
・ヴィクトリカは久城家を追い出され、彼女を追うように久城家を飛び出した一弥とともに移民船に乗って、瑠璃の家(場所は知らない)をたよりに、いざニューヨークへ。
・ニューヨークに到着早々、事件に巻き込まれてしまう。いかにも二人らしい。
・移民一世の女性実業家「ブルーキャンディ」のお話。ニューヨークで大成功を収め、財を成したが、強引な手腕でもって成り上がったために、彼女に怨恨を持つ者も多かった。
・ヴィクトリカは、「移民時の入れ替わり」を利用したという根幹を揺るがす事実を指摘し、彼女の成功の最大の謎を解いた。
・この活躍は新聞にも大々的に取り上げられ、それを見た瑠璃が気付いて、一弥とヴィクトリカを連れ帰った。
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Posted by ブクログ
個人用読書メモ
・ヴィクトリカは突然幽閉、久城は日本へ強制帰還となり、ついに二人は離れ離れとなってしまう。久城はヴィクトリカへの置き手紙-自宅の住所-を書き、それを受け取ったヴィクトリカは自分の体に刻み込む。
・二人の別れと同時に、二度目の嵐がやってきた・・・第二次世界大戦の開戦である。どの国がどちらサイドなのかは明記されていないが、古き力-魔法- vs 新しい力-科学-の戦いである。
・アルベールは、ヴィクトリカの頭脳を現代で言うAIとして利用し、戦局の予想・国王への助言を行い、ソヴュールの政治的実権を掌握しつつあった。
・コルデリアと一人のブライアンが身代わりとなってヴィクトリカを助け出し、もう一人のブライアンがヴィクトリカを日本行きの船へと乗せる。
・ヴィクトリカは命からがら日本へとたどり着き、自身への刻印をたよりに久城家へと行く。
・一弥は東南アジアで出征。激戦に巻き込まれ負傷・・・生死は不明。
(空白の数か月)
・いよいよ終戦。一弥も生存しており、傷を負いながらも帰還。そして、いよいよヴィクトリカと一弥は再開するのであった・・・
長編シリーズもいよいよ終結。最終巻の二度目の嵐は今までと違って非常に作中の時間の流れが速く、少々物足りなかった。特に一弥が瀕死になってから終戦までは一分で片づけられてしまっていて、少々納得がいかなかった。 -
Posted by ブクログ
日本推理作家協会賞を受賞した作品。この人の本は初。
戦後まもなくの鳥取県紅緑村に、一人の赤ん坊が置き去られていた。
「山の民」の子と見られるこの子を村の若夫婦が引き取り、その子は後に製鉄業で財を成した旧家・赤朽葉家嫁入りする。
それが赤朽葉家の「千里眼奥様」こと、赤朽葉万葉だった。
時代は過ぎ去り、万葉の娘・毛毬は中国地方最大のレディースの頭から漫画家に転身する。
そして孫の瞳子は、旧家の娘として何が出来るかわからぬまま、空虚な自分を感じていた。
本来ならば“自由”と名付けられるはずだった瞳子。彼女は祖母と母の本当の物語を知る為に動き出す。。。
非常にスケールの大きな作品である。
何しろ親子3代に渡る、長い時代を掛けた物語なのだから当然か。
第一部の「万葉編」は、昔の風景と神話と戦後の高度成長など、多くの要素を含みながらも
“山の子”である万葉があれよあれよと赤朽葉家に嫁入りし、数多くの子供を産んで行く、
情緒溢れる「成長譚」のような物語だった。
個人的には一番面白いと感じた。
第二部「毛毬編」になると、その時代を知っているせいもあってか
妙な古臭さ(ダサさ?)を感じ、毛毬や友人達の言葉使いに青臭さを感じてしまった。
ある意味狙い通りなのかもしれない。とりあえず突拍子もない物語である。
第三部「瞳子編」は、正直面白味を感じる事が出来なかった。
何もない瞳子。彼氏と上手くいったりいかなかったり、
突然浮かび上がる“万葉の殺人疑惑”の謎を探ったり。
そしてその謎の真相も、それ程驚くような内容でもなかったりする。
語り手としての瞳子は必要だったのだろうが、彼女自身の物語は何一つなかった。
そもそも、個人的にこういった「時代を生きた女性達」みたいなお話はそこまで好きではない。
赤朽葉家は女性がいなければどうしようもないのか?という疑問も湧く。
あまりにもあっさりと人々が死んでいくのも、味気ないものである。
それでも、読み応えはあったし話の展開の仕方は読み易かった。
直木賞を取った『私の男』も読んでみようかと思う。