桜庭一樹のレビュー一覧
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これはさすがに……。
物語としてはよく収まっていて、その意味でこの上下巻はあくまでエピローグなのだと見ることが出来る。ミステリーとしての要素は限りなく薄くなり、それぞれの行き道を描いた物語、なのである。
彼らの結末にはひとまず安堵するところであるが、しかし、さすがに思ってしまう。すなわち「これはありなのか?」と。
誰もが、二つ目の嵐がなんであるかわかっていたのだし、その終末というと二人の年齢は……と指折り数えたところだろうが、その予想を裏切る展開を組んでいる。が、それはあまり、フェアに感じられなかった。
だから、物語としては楽しんだが、その点に疑問が残った結末だった。この二つ目の嵐の -
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ネタバレステキタイトル選手権が開かれれば上位にくるはず。
しかし内容は。……。
カネの問題に切り込む、という姿勢のためか。
ともかく徹頭徹尾カネ、カネ、カネの話ばかり皆が皆している。
さらには多重債務に陥ったときの対処法までレクチャーしてくれたりして。
一体、こんなに日々カネの話ばかりする?
謎な女がいて、謎な生き方をしている。
その裏側にはセオリー通りのカネ絡みの平々凡々な失墜のお話があるばかり。
うーん。その月並みさが狙いなのか。
サイコパスっぽい男や、犯されながらもマニキュアの乾き具合の心配をする序盤が素晴らしかっただけに。
ただし一点、最後の最後にぞっとする場面があって、そこは素敵だった -
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主人公の名前が「駒子」ってことで、私と同じ名前なので読まなきゃ!って感じで読みました。
前半は駒子が母「眞子」の子分として(「まこ」の子供だから「こまこ」なんだって! なんだなんだ?!)育っていく様子でした。
母は殺人を犯してしまい、二人で逃げてたどりついた村で生活し、また追っ手が迫ってきたら逃げて…という日々で。
前半はかなりドキドキしました。
おぞましい雰囲気のシーンも多くて、えーーーん、最近こういう感じの本ばかり読んでいるーー!と思いましたが。
そして後半は「まこ」の子分ではなくなった後、つまり少女時代から大人になった駒子の物語でした。
しかし、後半はわりとありふれた人生で、とにかく長 -
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一度目に読んだ時レビュー書いてなかった!
ということで感想は再読のものですが。
すごく、面白かったです。1巻からどんどん面白くなる。1回目に読んだ時はやっぱり謎解きにばかり目がいってて、でもこの巻は歴史的背景(史実も架空もあわせて)の一端が現在の事件として発覚するってかんじだから、やっぱり2回目読んでこそだなあと思います。
もしくは続けて読んでるからというのもあるかもだけど。
ほんとこの世界観の深さや、かといって難解なわけではなく惹きつける描写はたくさん読んでるひとだからこそ書けるんだなー、としみじみ実感します。続刊も引き続き読み直すー。