桜庭一樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の名前に「海野藻屑」「腐野花」などと平気で付けるような御仁である、桜庭一樹の作品にいわゆるリアリティを求めるのは間違っている。
・・・のだけれど、この作品に関してはミステリとしての整合というか様式を意識したようで、物語の辻褄が合う、具体的には登場人物それぞれの行動に対する背景が想像できて、分かりやすいといえば分かりやすかった。一方で、いつもの桜庭作品のもつある種ファンタジックな世界観がやや失われたような感もした。赤い風景が見えるとか、ヒッチコックをモチーフにするとかはあるのだけど。
あと、「お金」という身近にあるものをテーマに選んだことで、背徳的な関係を描いた『私の男』、母娘という逃 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一弥とヴィクトリカはなぜアメリカに渡ったのか?
前シリーズのラストを読んだときから気になっていたのですが、戦後の日本に欧人のヴィクトリカの居場所はなかったのですね。
新大陸でいったいどんな生活が始まるのか?
楽しみに読み始めたら、いきなり事件に巻き込まれますか・・・
なんだかとても二人らしいけど、平穏な日常は訪れないのかと心配になります。しかし、平穏に過ごしていてもちょっとでも気になることがあったら、一弥は進んで揉め事に顔を突っ込みそうなのでそもそも平穏な日常なんて望めそうにありませんね。
兎も角、幸せに暮らせている姿を見守れるシリーズとして続いてくれるといいな。