桜庭一樹のレビュー一覧
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ネタバレ語り手がどんどん変わっていく形式。
自分が美しいがゆえに物心がついた時から
周囲の人から視線を集めている。
高校生ながら、自分を見て消費するな
って台詞がでるのはずーっと見られてきた
からこそでる台詞なのかなと思った。
高校生で考える言葉ではないよなあ。
唯一、心を開いている雪風も、
成長するにつれて自分と顔が似ている…
つまり、血がつながっているということ。
自分の母親と雪風の父親と何があったのか
想像するのは簡単ということになる。
そんな雪風のことを好きだったのか
そういう直接的なことは書かれていなかったけど
お互い見つめあって、名前を呼び合っていたのを
見て、そういう気持ちがあったのかなあとも
思わずにはいられなかった。
そんな人と血が繋がっていると分かれば…
自分の母が、自分の住む地域の人と
誰かのお父さんやおじさんだったりする人と
寝ていたと分かったらどうするだろう。
七竈も雪風も後半になるにつれて
お互い、どんな気持ちで会っていたのだろう。
それでも母のことを少しでも
母親と呼びたくて、母親らしいことをしてほしいと
思う七竈がかわいそうで仕方なかった。
七人の可愛そうな大人というタイトルだけど
私は、てっきり優奈と寝た
男たちのことかと思ったけれど、
多分、優奈、多岐、梅木、田中先生、
田中先生の妻、多岐の夫、祖父
になるんじゃないかなあと思った。
でも被害にあたのは優奈意外だけど
優奈も優奈で心が枯れていたんだよなあ。
すこし大人びたような不思議な口調の
七竈は一人で生きていくがゆえに
そういう口調になってしまったのかな。
誰の視点をとっても
救われた人がいないようなお話だったきがする。 -
Posted by ブクログ
出ていかないし、従わない
「少女を埋める」も「キメラ」も、わかりあえないものと無理に分かりあう必要はないということ、誰にも何にも従う必要はなく、自分で自分のいる場所を決めることの大事さを伝えてくれた わたしたちはいつのまにか少女を埋める側かもしれないし埋められる側かもしれない
「少女を埋める」論争について読み進めるうちうっすら記憶が蘇ってきた 「自伝的随想のような、不思議な中編」だからこそこの話が作者の体験を描いたものだと思われてしまう確率は高いはず
読書において、誰にでも「読みはひらかれている」し、「その解釈は読者による」が、あくまでその解釈は自身の範囲にとどめておくべきだと思う きちんとそこを分けることが批評家としての基本姿勢なのでは -
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かわいくておばかな由美子ちゃんセンセ。かわいそうでかわいい皆の愛玩動物。そんな由美子ちゃんと、わたしは退屈な放課後から逃げ出した。二人きりの駆け落ち。向かう先はじごくゆきっ。(表題作)
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の後日談を含む7編を収録した短編集。……との事ですが、『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を読んだのがかなり前でしたので、どの話がどう繋がっていたのか申し訳ないですがよく分かりませんでした。とりあえず、そちらを読んでいなくても物語的には問題ないと思います。
桜庭一樹さんは、思春期の潔癖さ、頑なさを書くのがとてもお上手だと思っていて、この本でもそれが表れています。若いキラキラした感性、ばかな大人を嘲笑う優越感、”特別”でありたい気持ち、いざ大人になってみると、ガワだけで内面は幼い頃から何も成長していないと気付いてしまった絶望、でもそれを隠して大人ぶる虚栄。
グロテスクで後ろめたくて情けなくて、目を背けてしまいたいものを可愛らしくデコレーションして差し出されたようなやるせなさを感じ、辛いけどそこが魅力でもある。
特に心に残った作品を2つ紹介。
『A』
2050年代、かつて一世を風靡した伝説のアイドルを復活させるため、ある女性を訪ねる広告代理店の職員の話。「アイコンの神」として祭り上げられる象徴としてのアイドルの姿に、”消費”される”商品”としての悲哀を感じます。私も推し活している身なのであまり突っ込んだことは言いづらいですが。
『ゴッドレス』
同性愛者の父にコントロールされて生きてきた女性の話。本当に読むのが辛い。
父は暴君だが、うつくしい庇護者でもある。憎いけれど、憎しみだけでは言い表せない渇望のような感情がもどかしくて苦しい。 -
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齢を重ねるに連れ、他人を理解できたと思うことがどんどん減ってきた。
人と同じ物を見ても感じることは
こんなにも違うのか
同じ言葉を受け取っても全く別の意味にとらえることもあるのかと
経験を積めば積むほどその違いの大きさに呆然としてしまうのだ。
だから自ずと、口に出して言わないことも増えている気がする。
言わなかったことの方に、本当に大切だと思うことがあったとしても。
私の周りにもパラレルワールドがあるといいな。
そこの世界ではもう会えなくなってしまった人も
元気で生きていて
一緒に旅行に行ったりお散歩したりしてるのかな。
そう思ったら嬉しくて泣けてきたわ。。。 -
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主人公の小林波間32歳は、胸に悪性腫瘍ができたため、摘出手術を前にして腫瘍を小さくする辛い点滴治療を受けていた。
通院の日に波間の目の前で、通り魔が幸せそうな若い女性を刺す事件に直面する。
その混乱した現場で、大学時代の同級生だった中川と偶然に出逢い、LINEのIDを交換して後日逢おうと約して別れるが、何故かその後逢うことができない。
あの出逢いは何だったのか不思議なのだが、ただLINEでのやり取りは可能だった。
そのうちに波間が住む東京と、中川が住んでいる東京とは、どうやら異なる世界らしいことを知る。
異なる東京の同じ場所からビデオ通話を繋げ、映像を観ながら会話を続けていた。
中川との偶然な出逢いから始まったお付き合いは、波間にとって心と身体が癒やされる時だった。 波間の困難な病気などは些細な出来事で、世の中は淡々と日常が進み、個人と社会との繋がりは曖昧で見え難い。
そんな時、世界中に恐怖を巻き起こす感染症が、中川が住む東京でも一挙に流行し、医療崩壊が起こっている事実を知らされる。
そのために2020年開催のオリンピックも、延期が検討されているとのことだ。
その後には大国が小国へ理不尽にも侵攻し、激しい戦いが引き起こされた。
それとは対照的に、波間の住む東京は、何の変化もなく淡々とした日常が続いている。
そして徐々に中川とのLINEも通信が滞るようになり、いっ時は密接にお付き合いをしていた彼の存在も希薄になって行く。
この物語は、パラレルワールドという設定の基、人の心の危うさ、儚さ、意思とは異なる心の動き、そして複雑さがテーマとなっている。 -
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ネタバレマコとコマコ(母と娘)の逃避行。
親子というよりは、コマコを所有物、時にはいないものとして。絶対服従の関係。
10年間。
絶対服従は変わらないのだけれど、コマコも成長し、マコに対しての愛情に変化がでる。
マコがいなくなったコマコはそのあとをどういきるのか。
破壊行動、暴力。
止められない衝動。
マコはピンク、コマコは水色。
いろんなものを演じられるけど、自分は演じられなかったコマコ。
書くことから逃げた後に、出会った真田との関係。
きれそうで切れない、失ってしまうかもしれない、快適で柔らかな朝には戻りたくない、合わないし、自分を変えられないと思うのに、気になる存在。
コマコの本は読まないと言っていたのに、関係がギクシャク、彼女を変えてしまった(もとに戻りつつある、戻っただけ)その原因を知るためか、コマコの本が部屋の中に。コマコは、見て見ぬふり。
最後までどうなるか、途中で別れてしまうのか気になって読んだ。
第二部の文字に眠るは、少し苦手だった。
嘘の話をつくって語るシーンが多くて。
出会いの場面は良かった。
いろんな人と出会って、この時はわからなくても鍛冶野さんが語った意味や、繋がりをふりかえる、作家として動き出す(作家になるんだろうなと思った)大事な章なのだろうと思ったから、時間がかかったけれど、嘘の物語をとばさず読んだf(^_^;
ポルノスターの彼女との出会い。
父親から連絡がくるのをずっと待つ。
来ないんだろうな、最後がどうなるかは想像通りだったけど、彼女の叫びがつまった章。
p681-12~16
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同期に借りた。感想欄に高評価のコメントが多くて正直驚いた。とある田舎の超美少女を取り巻く物事(彼女の母親の優奈を元凶とした愛憎劇が結構な割合を占める。)が淡々と記されている。七竃と雪風の関係は好きだし美しいなと思うけれど2人の変に堅苦しくて古臭い話し方は気になった。かんばせって文面から意味は察せたけれど聞いたことない単語だった。最初ウザいなってムカついていた後輩の緒方みすずのことは最後ちょっと好きになった。七竃は淫乱な母親を恨んで忌み嫌っていると思っていたけれど案外そうでもないというか甘えたいという気持ちがあるのが以外だった。母親の優奈も別に七竃のことを嫌いでは無いわけだし奇妙な家庭だよね。一般的に美化されがちな恋を『ぐじゅぐじゅに腐った醜くて利己的な感情』って表してるのがなんか良かった。全体を通して何も起こらないし綺麗なのか汚いのかよく分かんないけれどぼんやりと儚い感じの話だった。