桜庭一樹のレビュー一覧
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ネタバレベルゼブブの頭蓋からヴィクトリカを助け出し、聖マルグリット学園への帰途、彼等の乗るオールドマスカレード号で奇妙な人々と出会う。そんな中殺人が!暴走するオールドマスカレード号、錯綜するソヴュールの2大勢力オカルト省と科学アカデミー、そして形見箱とは?エンディングに向けての伏線が出揃った感あり。シリースを通して古典ミステリの様式美をなぞる文体、トリックが共通項であったが、この1篇は事件発生から真相解明、事件の終結への構成が際立っていた。気に入った1文を紹介したい。
~それは戦場においては、大人の男たちから弱さと糾弾されるべきもの、後世の歴史家によって〝間違った選択"として記録されてしまうものであろう。しかし、君。久城にはそういう〝正しい弱さ"とでいったものがある。わたしはそれを、高潔と呼ぶのが~
真犯人に向けてヴクトリカが放った言葉。
互いの感情に気付きつつ深まる二人の絆、いよいよクライマックスである。 -
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険しい山々に囲まれた聖マルグリット学園。その広大な敷地の奥の奥に迷路庭園を潜り抜けた者だけがたどりつく小さな家がある。その童話の世界のような場所で囚われの妖精-少女ヴィクトリカ-は寂しく、想いを巡らしていた。まだ見ぬ書物について。世界のカオスについて。そしてとある少年のことについて。
GOSICKⅢ
日本からの留学生久城一弥は風邪をひいたヴィクトリカを置いて、一人ソヴュール王国の首都ソヴレムを訪れる。姉、アヴリル、セシルのお使い-青い薔薇-を手に入れる為に。巨大な高級デパート「ジャンタン」で買い物をする彼は闇の奥に光る人形の瞳を目撃する・・・。
今回の注目pointは「ヴィクトリカがいないこと」です。ジャンタンに訪れた一弥はこの高級デパートに潜む闇に一人で挑むことになります。電話でヴィクトリカの助言を仰ぐことになりますが、基本その場で起きる出来事には一人で立ち向かいます(ドリルもいますが)。
また「ヴィクトリカの感情の変化」もpointです。ヴィクトリカは風邪をひいた為に弱気になっているのか一弥に対して素直に感情を示します。これが第3巻までで一番の変化でしょうか。また一弥のヴィクトリカへの変化としては格闘技の本を兄から貰っている点からも推測できます(アブリルにも気を回しなさいw)。
そして、ソヴレムにおける事件と闇に挑む一弥に関わるキャラクターも印象的。そもそもGOSICKはホラー要素が満載が魅力の一つだと思うんですが、そこに絶妙に関わるアナスタシア、ルイジ、老婆・・・。良いです。またブロワは今回ただの嫌な野郎では無く刑事としての何かを見せてくれます、まあそこには彼なりの意地があるようですが。
この「青い薔薇の下で」はGOSICK要素抜群な気がします。事件の真相を暴く展開も納得です。
余談
しかしセシルは一弥を可愛がっているのに「あの子が犯人」なんて言いますかねw -
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クリスマス当日、ヴィクトリカが所望したのは15個の謎。必死で謎を集める一弥は村に起こりつつある異変に気づく。それは大いなる変化、すなわち2度目の嵐の前触れに他ならなかった。迫る別れと自分の運命を正しく予感したヴィクトリカは、一弥にある贈り物をする。一方ソヴレムではブロワ侯爵が暗躍、娘ヴィクトリカを武器に権力を握ろうとしていた・・・。
GOSICKⅧ上
いよいよGOSICK完結へ・・・。
この最終巻上は非常に読み応えがあります。なぜならこの上と次の下でGOSICKが遂に完結してしまうからです。したがってあまりここでは述べないほうが良いと私は思います。やっぱり是非読んで欲しいですから・・・。
このGOSICKⅧ上の最大の読み所はやはり「ヴィクトリカと久城が本当に離れ離れになる所」だと思います。聖マルグリット学園から多くの学生が消えていく中、遂にアブリルも帰ってしまいます。そして久城にも国の迎えがやってきて、強制送還に・・・。突然のことで苦しむ久城だけど、それでもヴィクトリカに手紙を残します。一方ヴィクトリカにも遂にブロワ侯爵の手が伸びて・・・。とにかくこの箇所はGOSICKを楽しみ、理解する上でとても大切な所だと私は思います。
またもう一つ言えることは「この上は下(完結)に繋がるような完璧な終わり方をしている」ということ。最後コルデリアがブロワ侯爵にステイルメイト!と静かな声で告げるシーンは一気に私の気持ちを下に持っていきました。 -
Posted by ブクログ
桜庭一樹の文章は小説であっても、この本のような雑多なエッセイであっても、ち密な計算に基づいたリズムを感じられるから読んでいて気持ち良い。
本書は一応、日々の(膨大な!)読書記録を中心にした作家の日常を描くエッセイということになっているけれども、一冊を通して登場人物の関係性も含めて小説のようにも読めるから面白い。
特に桜庭氏の名コンビとして面白おかしくバカ話をして絡んでくる編集者のK島さんという存在は、この先、単なる作家と編集者という関係だけでなく、そのうち恋愛関係に発展してしまうのではないの?という予感を感じさせる。気のせいか?
ともあれ、紹介される書籍の数々が本当に面白そうに紹介されるので、「いづれ読むリスト」を作ってしまうほど。(以下、私的な備忘録だ)
『それからはスープのことばかり考えて暮らした』(吉田篤弘)
『淑やかな悪夢~英米女流怪談集』
『午後四時の男』(アメリー・ノートン)
『樹霊』(鳥飼否宇)