桜庭一樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
幼い母娘の逃避行。幼いのはどちらもだ。彷徨いながら生き延びて、どこまでも理不尽な、だけども痛いくらいリアルな現実を目の当たりにしながら成長していく娘コマコ。そこは大人の、男と女の、エゴだらけ。母だけが絶対。それさえも母という大人の、女の、エゴなのに。それでも絶対なのだ。お母さんって偉大なんだ。覚えてない記憶にも、あなたはいる。母娘って、きっとなにより近い。血も性別も過程も。第一部 ファミリーポートレートで、そんな2人が過ごした日々を。
第二部 セルフポートレートでは、独りコマコが自分自身を消費することで生き延びていく。なんのために、誰のために…。元からない尊厳は、取り戻すこともできず、誇ること -
Posted by ブクログ
ネタバレ桜庭さんの最新作。マイケルがモデルになってるとは知らなくて、読み進めていくうちに「もしかして...?」と思って確認した。その事実を知ってからは、何度も「彼」の姿がマイケルと重なってしまって、何度も「あ、違う、彼は日本人だ...」「あ、彼の故郷は日本なんだっけ...」と、何度も軌道修正をする必要があった。実際、私はマイケルのことは漠然としか知らない。ただ、裁判や遊園地のことは、彼の音楽やダンスの素晴らしさを知らない私にも、十分すぎるほどのインパクトを与えた。作中の彼、「銀狐」は、繊細で傷付きやすく、読んでるとこっちが泣きたくなるほどにかわいそうな美しいこども。恵まれないこどもたちのために、そして