桜庭一樹のレビュー一覧
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ネタバレ今巻の舞台は首都 ソヴレムにある劇場“ファントム“、この場所でヴィクトリカはソヴュールでかつて起きた最大の殺人事件に挑むこととなる。
ある冬の日、ヴィクトリカの兄 グレヴィール・ド・ブロワ警部が聖マルグリット学園を訪れ、ベルゼブブの頭蓋の時と同様に、再び父 ブロワ侯爵の命令でヴィクトリカは学園から連れ出されることとなる。今回連れ出されたのは首都「ソヴレム」にある劇場“ファントム“、ここはかつてヴィクトリカの母親 コルデリア・ギャロが踊り子として働き、そしてブロワ侯爵によって連れ去られ、ヴィクトリカが誕生するきっかけとなった、灰色狼の母娘にとっては因縁の場所であった。
ここでブロワ侯爵はヴィクトリカにかつてソヴュールで起きた最大の未解決殺人事件、すなわちソヴュール王国 王妃ココ=ローズ殺人事件を解き、犯人が誰かを明らかにすることを課す。
一方でヴィクトリカが再び連れ出されたことを知った一弥は寮母ソフィとともにソヴレムへ向かうことになる。
果たしてココ=ローズを殺した犯人は誰なのか、そしてその真相に迫ったときヴィクトリカは驚愕の真実に辿り着く。
今巻はヴィクトリカの母親であるコルデリアの過去についての記述を含みながら話が進み、今回のココ=ローズ殺人事件と上手くリンクしていて読んでいて次はどうなるのかドキドキした。一弥とヴィクトリカの絆を感じさせる場面も多く盛り込まれていて、この二人はずっと一緒にいてほしいと個人的に願った。また徐々に2度目の嵐への突入を予感させる展開になってきたなと感じる。さらに個人的にはラストの部分で少し裏切られたなと感じられる展開もあり、やはりこの作品面白いなと改めて思った。
次巻はどんな展開が待ち構えているのか、ヴィクトリカと一弥は果たして最後まで一緒にいられるのか、期待したい。 -
Posted by ブクログ
パープル・アイと尖った犬歯の女の子の月夜。
貰われっ子と自分の外見がコンプレックスな月夜はお兄ちゃんを突然なくしてしまう。
お兄ちゃんの死に関する秘密と罪悪感、喪失感を抱きながら過ごすうち、死んだはずのお兄ちゃんを感じ出す。
大好きだった人の死から始まるので涙腺崩壊。
そりゃ、乗り越えられないだろう。
思春期だぜ?目の前で大切な人が死んじゃうんだぜ?
仕方ないよ。
ボロクソ言われてる主人公の性格も私はいるよこんな子いるよ。
こじらせちゃったンだけど仕方ねーよ、環境とかさ。
あと、能を参考にして思いついたって後書き仰ってたのでヒロイン像は多少は仕方ないんじゃない?
能とか文楽とか狂言とかの若い娘達は割と自己中心的で突っ走てて、自分に酔う感じなので。
それに月夜はそれによって親友を一人無くしたわけだからね。
ちゃんと割食ってるよ。
月夜を救うシーンでイチゴや家族が月夜を引っ張るのがまさに死の世界との境界から呼び戻す行為に思えてまたこれにボロボロ泣いた。
イチゴ、あんたいい事言うよ。
口悪いけど言ってることは月夜のこと思って言ってるだもんな。
あの2人組や月夜の外見は本当の花を見せにきたに繋がるんじゃないかなーと個人的に思ってるので読み比べもしたい。
まあ、外見を特殊にすることによって月夜の疎外感や異質なのを強調するだけかもしれんが。 -
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シリーズ最終巻。
コルデリア・ギャロによって監獄「黒い太陽」から脱出し、未来への希望を託されたヴィクトリカは、ブライアン・ロスコーとともに新大陸へ向かいます。ブロワ警部も、ヴィクトリカを戦争の道具としか考えていない父・ブロワ侯爵に背いて、ヴィクトリカの脱出に手を貸し、父にも妹にも力を借りず、みずからの力で生きていく決意を固めます。
学園に残ったセシルとゾフィ、イギリスに帰ったアブリル、「名もなき村」を出て書店に務めているアンブローズたちも、それぞれの居場所で力強く生きていきます。
そして、ヴィクトリカと離れ離れになった一弥は戦場に借り出されることになりますが、2人の心はしっかりとつながれていました。やがて戦争が終わり、ヴィクトリカはみずからの身体に刻み付けた一弥のメッセージに導かれて、彼の母国である東洋の島国にたどり着きます。そこで彼女は瑠璃たちに温かく迎え入れられ、一弥の帰国を待ち続けます。
エピローグには、新大陸で「GLAY WOLF探偵社」を開いたヴィクトリカと一弥の、仲睦まじい様子が描かれています。
ついに完結です。運命に翻弄されながらそれぞれの場所で生きていくキャラクターたちの姿を点描していくという構成からは、映画を見ているような印象を受けました。 -
Posted by ブクログ
聖マルグリット学園のヴィクトリカのもとを、ブロワ警部が訪れます。彼は父であるブロワ侯爵から、ヴィクトリカを連れて帰るように命じられていました。首都ソヴレムで娘と対面したブロワ侯爵は、10年前に王妃ココ=ローズが殺害された事件の謎を解くように命じます。そんなヴィクトリカを追って、一弥やセシル先生、寮母のゾフィさんまでもがソヴレムにやってきますが、今度の事件の背後には大きな闇が隠されていることに感づいたヴィクトリカは、彼らを事件に巻き込んではならないと考えるようになります。
折しもソヴレムにある劇場「ファントム」では、王妃の生涯を描いた「ソヴレムの青い薔薇」が上演されることになっていました。この劇では、2人の役者が王妃の役を演じることになっていました。ヴィクトリカたちはファントムの関係者に聞き取りをおこない、事件の謎に迫ります。
そしていよいよ開演の当日、ヴィクトリカとともに観劇に出かけたブロワ侯爵は、そこでヴィクトリカの推理を聞くことになります。ですが、王妃を殺害した犯人については、ヴィクトリカは口を閉ざします。じつは彼らの近くに、ヴィクトリカの推理に耳を傾けていた男たちがいました。科学アカデミーのジュピター・ロジェと、彼が「陛下」と呼ぶ紳士です。2人は、真実に近づきすぎたヴィクトリカの命を奪おうとしますが、そこに一弥が駆け付け、ヴィクトリカを守ります。そしていよいよ、ヴィクトリカの謎解き第2段が始まります。
今回はミステリ要素がいつもよりしっかりしていたように感じました。もちろん、ウサギや鳩を追いかけて可愛らしく動き回るキャラクターたちも楽しめます。 -
Posted by ブクログ
ある日一弥は、「灰色狼」の末裔に夏至祭の参加を呼びかける新聞広告を発見します。ブロワ警部がヴィクトリカのことを「灰色狼」と呼んでいたことが気になった一弥は、その広告をヴィクトリカに見せますが、それ以降、彼女は考え込んでしまい、いつも以上に一弥のことなど気にも留めないようになってしまいます。
ところがその夜、一弥は学園からこっそり抜け出そうとしているヴィクトリカを発見します。彼女を放っておくわけにはいかないと、一弥もヴィクトリカについて行くことにします。やがて彼女がたどりついたのは、灰色狼たちの住む「名もなき村」でした。
じつはヴィクトリカの母コルデリア・ギャロはこの村の出身で、20年前に前村長のシオドアを殺害した疑いで村から追放されていたのでした。その後彼女はブロワ侯爵の妾となり、ヴィクトリカを産んだのです。ヴィクトリカは、母の冤罪を晴らすため、村の探索を始めます。しかし、彼らとともに村を訪れていた美術大学の学生2人が、夏至祭の最中に、村の中で何者かによって殺害されてしまうという事件が起こります。ヴィクトリカは、現在の事件と20年前の事件の解決に挑むことになります。
「名もなき村」と村長たちの最後のシーンが印象的でした。