桜庭一樹のレビュー一覧
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主人公の小林波間32歳は、胸に悪性腫瘍ができたため、摘出手術を前にして腫瘍を小さくする辛い点滴治療を受けていた。
通院の日に波間の目の前で、通り魔が幸せそうな若い女性を刺す事件に直面する。
その混乱した現場で、大学時代の同級生だった中川と偶然に出逢い、LINEのIDを交換して後日逢おうと約して別れるが、何故かその後逢うことができない。
あの出逢いは何だったのか不思議なのだが、ただLINEでのやり取りは可能だった。
そのうちに波間が住む東京と、中川が住んでいる東京とは、どうやら異なる世界らしいことを知る。
異なる東京の同じ場所からビデオ通話を繋げ、映像を観ながら会話を続けていた。
中川との偶然な -
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ネタバレマコとコマコ(母と娘)の逃避行。
親子というよりは、コマコを所有物、時にはいないものとして。絶対服従の関係。
10年間。
絶対服従は変わらないのだけれど、コマコも成長し、マコに対しての愛情に変化がでる。
マコがいなくなったコマコはそのあとをどういきるのか。
破壊行動、暴力。
止められない衝動。
マコはピンク、コマコは水色。
いろんなものを演じられるけど、自分は演じられなかったコマコ。
書くことから逃げた後に、出会った真田との関係。
きれそうで切れない、失ってしまうかもしれない、快適で柔らかな朝には戻りたくない、合わないし、自分を変えられないと思うのに、気になる存在。
コマコの本は読まない -
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同期に借りた。感想欄に高評価のコメントが多くて正直驚いた。とある田舎の超美少女を取り巻く物事(彼女の母親の優奈を元凶とした愛憎劇が結構な割合を占める。)が淡々と記されている。七竃と雪風の関係は好きだし美しいなと思うけれど2人の変に堅苦しくて古臭い話し方は気になった。かんばせって文面から意味は察せたけれど聞いたことない単語だった。最初ウザいなってムカついていた後輩の緒方みすずのことは最後ちょっと好きになった。七竃は淫乱な母親を恨んで忌み嫌っていると思っていたけれど案外そうでもないというか甘えたいという気持ちがあるのが以外だった。母親の優奈も別に七竃のことを嫌いでは無いわけだし奇妙な家庭だよね。一
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ノンフィクションのような内容だが、著者曰く 「確実な虚構を入れたから、あくまでも小説」だそうだ。
山陰で生まれ、小説家として東京で暮らすようになった著者。父の危篤により再び故郷へ戻り、実母との物理的距離が縮まる中、噴出してきた感情の数々・・・。
山陰という土地柄、典型的な田舎人間が多いようだ。曇りがちな天気も起因しているのか。
東京では人間関係に影響が出そうな表現、内容は口外するのを憚るが、 この地では無遠慮に口に出す。(著書より)
また、全体的な秩序維持の下には、個人の幸福は全力で押さえつけられる。
という表現に戦き、恐怖を感じた。
と共に、自分の故郷にもある共通点を思い出した。
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【あらすじ】
東京の新大久保駅近くに構える百人町第百ビル一階、元チキン屋の探偵事務所「道明寺探偵屋」。
社員は女子テコンドーの元オリンピック選手・真田紅(さなだくれない)と、元警視庁勤務の黒川橡(くろかわつるばみ)の二名のみのこの探偵社に、一人の謎の少女が飛び込んできた。
チキン屋と勘違いして飛び込んできたらしきその少女は、自らをハイタカだと名乗り、妙な流れから紅にボディーガードを依頼する。大金を所持しており、何者かに追われている“如何にも訳あり”な様子のハイタカを訝りつつも、紅は依頼を受けることになるが、案の定、事件に巻き込まれていく。
【感想】
読みやすく、疾走感があり、ラストもス