桜庭一樹のレビュー一覧
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ネタバレ治療を続けながら自分の生活をゆっくり立て直していく数年間の間に、主人公の気持ちが目まぐるしく複雑に変化していく。
元気で明るくて前向きな病人という面だけを見せ続ける社会的な義務
少数派が社会に受け入れていただくため、説明し、努力を重ね、理解してもらわなければならないような義務
そんな謎の義務感にかられたり。
そういうのもういいかなと思ったり。
でも、心が疲れて抗わなくなったり。
自分の言葉が、暴力的に誰かの心を打撃してしまう可能性を考え出して沈黙するしかなくなったり。
複雑なままに終わった。
特に理由はないが、しばらく桜庭一樹から離れていただけに、このNEW桜庭ワールドは、本当にNE -
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ネタバレ野兎走りの次に覚えてた話。
トリックとか動機とかミステリとしては緩いけど、ヴィクトリカが可愛いしサクッと読む分には丁度良い^^
いつもは開いてるけどシオドアの気分次第で時々閉まる程度の鍵なら到底密室とは呼べないのに、視野が狭い上に頭が固くて前時代的なセルジウスが結論を出すのが性急過ぎたせいでコルデリアが無実の罪で追放されたなんて遣る瀬無いな。
同じ我が儘でもヴィクトリカのは可愛いと思えるのにアブリルのは何か無理…
それに人の郵便物勝手に開けたり生垣の枝鉈でへし折ったり色々有り得なくて嫌い…そういうキャラも必要なのはわかるけど(ー ー;) -
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美しく生まれてしまった少女『七竈』
同様な容姿の幼馴染みの友『雪風』
孤高の2人の青春を可愛そうな大人達が惑星の如く干渉してくる。
雪の街旭川を舞台に繰り広げられる痛切でやさしい愛の物語
17歳から18歳のあいだになにが起こる?
本文中に出てくるこの言葉にその時期にタイムスリップした様な気がした。
夢があってもなくても、美しくてもそうでなくても、非凡でも平凡でも・・・
「とくべつな自分と。とくべつすぎる自分と。みんな、そういう自分とむきあって~怒涛のように変化していく季節なのだ」本文中
自分もそんな季節を過ごしたのだと、遠い昔の事の様な、昨日の事の様な、思いになりました。
主人公の少女『七竈』 -
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「東京ディストピア日記」を読んでからの「私小説」。時系列がつながっているので、切り替えがうまくできなくて、「少女〜」も日記のように読んでしまい、さらに「キメラ」で戸惑いをおぼえた。立つ場所によって見え方は違う、ということを考える。
お父さまが亡くなられるまでとその後やお母さまとの関係を物語った「少女〜」は、親と子の関係や、地方の閉鎖性、残り続ける家父長制の枷を、桜庭さんはこう感じているのだな、と他人の視線を借りる興味深さ。桜庭さんの危機感とのズレがある、文芸時評を書かれた鴻巣友季子さんや掲載紙である朝日新聞とのやり取りも、同じように。
「記憶というものは、どこをどう覚えているか、人によってひ -
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ネタバレ語り手がどんどん変わっていく形式。
自分が美しいがゆえに物心がついた時から
周囲の人から視線を集めている。
高校生ながら、自分を見て消費するな
って台詞がでるのはずーっと見られてきた
からこそでる台詞なのかなと思った。
高校生で考える言葉ではないよなあ。
唯一、心を開いている雪風も、
成長するにつれて自分と顔が似ている…
つまり、血がつながっているということ。
自分の母親と雪風の父親と何があったのか
想像するのは簡単ということになる。
そんな雪風のことを好きだったのか
そういう直接的なことは書かれていなかったけど
お互い見つめあって、名前を呼び合っていたのを
見て、そういう気持ちがあったの -
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出ていかないし、従わない
「少女を埋める」も「キメラ」も、わかりあえないものと無理に分かりあう必要はないということ、誰にも何にも従う必要はなく、自分で自分のいる場所を決めることの大事さを伝えてくれた わたしたちはいつのまにか少女を埋める側かもしれないし埋められる側かもしれない
「少女を埋める」論争について読み進めるうちうっすら記憶が蘇ってきた 「自伝的随想のような、不思議な中編」だからこそこの話が作者の体験を描いたものだと思われてしまう確率は高いはず
読書において、誰にでも「読みはひらかれている」し、「その解釈は読者による」が、あくまでその解釈は自身の範囲にとどめておくべきだと思う きちん