桜庭一樹のレビュー一覧
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小説家の桜庭一樹さんが、小説を書くことによって作家の身の回りに起こる変化、そして、読者、批評家、ファンダム等まわりとの関わりについて一章ずつ丁寧に解説及び意見を述べた本。
僕は『わたしの男』から桜庭作品に入ったので、桜庭一樹さんは重厚な作家のイメージだが、デビュー当初の売れなかった頃(出版されても何も起こらなかったそうだ)やラノベが主だった時代(『Gosick』は後追いで読みました)を扱った1章は面白い。作家ってどうやって認知され売れ始めるんでしょうね。
また、読者やファンダムとの関わりを誠実・丁寧に語る2章、4章も面白いのだが、最も考えさせられるのは書評家・批評家との関係や力関係、役割や矜持について延べた3章だろう。こちらも誠実・丁寧に語られているのだが、他章より、より慎重に言葉を選んで意見を述べているように見える。終章でも触れられているように『少女を埋める』の批評を巡って、実際に批評家および掲載した朝日新聞と揉めた経緯がベースにあるからだろう。
出版後も気が抜けない作家の苦労がわかる興味深い本です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説家として、読まれる覚悟、読者と、ファンダムと、批評家と、小説を巡る色んな立場の関係性を考える本。
いくつか、心に残った箇所をピックアップ。
・よもやまばなし①
綺麗事でも、机上の空論でも、理想論だとしても、
実現不可能な正しさについて、真正面から叫び続けることが、作家としての義務。
この主張を読んで、桜庭一樹さんという作家さんを好きになりました。
・誤読、ということの定義
これも面白かった。なるほど。
・共話の件からの差別やハラスメントへの考察
共話、初めて知った言葉。
日本特有のコミュニケーション術。
一つの文を、二人でつくるような、会話の仕方。
作家さんを推しと思ったことないなぁ。
あ、新井素子さんが昔から好きだけど、これは、推しっていうか、バイブル的な?感じなので、、、
「推し」とは違う(^_^;) -
Posted by ブクログ
ネタバレモコ&猫
触れたい、近づきたいとは思わず、ただ見つめていたい男の話。これを恋や愛と言っていいのかは分からないけれど、感情ってそんな単純なものじゃなくて矛盾を含んだものだよな〜と。
このたびはとんだことで
死後に妻と愛人の争いを見守る男の視点で進む。女の愛とは重いものです、と言わんばかり。
青年のための推理クラブ
誰が現実ではどんな人で、誰になりきっているのか掴むのに若干苦戦。違う人格として過ごす空間が少女たちには必要だったんだなと。
冬の牡丹
今回はこれが一番刺さった。
かつては父に一番に認められている自分を軸に生きてきた、現代的で慎重で"残念な"美しい女性。でも途中から風向きが変わって、結婚していない彼女は家族から下に見られるようになる。どう生きれば良かったのか自問自答する彼女の姿が苦しい。"世間"みたいなものから外れたお隣さんの居心地の良さ。
五月雨
吸血鬼と吸血鬼と戦う町の人間の話。桜庭先生あるあるだけど、島根とか鳥取って妖怪とか怪奇みたいな伝承が根強く残ってたりするのかな?とか思ったり。
赤い犬花
これも良かった。両親の離婚のために一時的に預けられたどこかも分からない田舎で、姉を自殺で亡くした少年と一緒に、姉の死の真相を求めて険しい山奥を目指す話。家へ戻る最後に急に現実に戻る感覚になるんだけど、困難を共にした少年とのある種特別な絆が描かれていて良かった。普通の友達とは違う、特殊な環境や状況でできた友達の感覚ってなんか分かる気がする。
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貧しさの中で育った吉野ずっと裕福に生きてきた由乃の対比が最後で際立ったと思う、
前者→由乃と結婚して好きな仕事を選べて、好きに趣味に打ち込ることがてきるけど、ストーリー内での行為そのものだったり、その後の老いた人生だったりして、結局貧しさから逃げられない
後者→吉野とは対照的にずっと若々しく描写されている。ペットが亡くなった時に人間にするように葬式をするなど
また、裕福に育った沙漠も貧乏の中で育った由乃も共通して借金という日常のどこにでも潜んでいる落とし穴にかかってしまう恐ろしさを感じた。
しかし、他の作品にも言えることではあるが少し読みにくい文章なので3にした。 -
Posted by ブクログ
“先日あるアイドルのファンの方が、アイドルの発信するものを〝供給〟ということに抵抗が生まれてきたとお話されていました。
わたしも誰かのファンであるので、どきっとしました。
生きている人間のパフォーマンスなのに、楽しむあまり、相手を物のように扱ってしまうときがあると気づきました。”(p.151-152)
“そしてこの数年、さまざまな価値観が一新されつつあることをひしひしと感じています。
きっと大勢の人がいま体感しているであろう、小説を読むことと読まれることをめぐるあるおおきな変化について、なんとか言語化しようとして書いたのがこの本です。
わかってはいるけれど、まだ名前がついていないものに名付けていくのが、小説家の仕事の一つだからです。”(p.158) -
Posted by ブクログ
あぁ、人が死ななくてよかった。
まずそれが私の一言目で。他の作品と比べるとちょっとだけ読みにくいかもしれない。長旅の電車の中1/2ほど読んだせいだろうか、話の内容はあやふやで。
見た目というのがこの本のどちらかと言うとメインの話で、「大変遺憾ながら、美しく生まれてしまった」そして鉄道好きである七竃、同様の容姿と鉄道好きである共通点持つ雪風。その他七人の可哀想な大人たちの話。本当にタイトル通り。
雪風と七竃が名前を呼び合う文章。そして
「母をゆるさないことだけが、わたしの純情です。雪風」→「それなら僕は父をゆるさないことにする。」
このセリフが私の中で印象に残った。
優奈に関しては話の内容的にだいぶ好みは分かれるだろうし、決していい思いはしない。本当に可愛そうな大人、なのかもしれない。
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6人の作家さんによるアンソロジー
アンソロジーは買ったことがなかったのですが装丁のマンゴーかき氷に心奪われて手に取りました。
「停止する春」心に刺さる。また読み返したい
「チャーチャンテン」読んでいてワクワクした
「猫はじっとしていない」蜃気楼のような空気感のある話
私はこの3つがとても好みでした。台湾、香港旅行好きな方におすすめです。
なんとなく敬遠していたアンソロジーでしたが読んだことのない作家さんの魅力を知るきっかけになってたまにはこうやって新しく本を開拓していくのもいいなと思いました。
台湾で食べたマンゴーかき氷はほんとうにおいしかった。。また行きたいなぁ