桜庭一樹のレビュー一覧

  • 読まれる覚悟

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    小説家の桜庭一樹さんが、小説を書くことによって作家の身の回りに起こる変化、そして、読者、批評家、ファンダム等まわりとの関わりについて一章ずつ丁寧に解説及び意見を述べた本。

    僕は『わたしの男』から桜庭作品に入ったので、桜庭一樹さんは重厚な作家のイメージだが、デビュー当初の売れなかった頃(出版されても何も起こらなかったそうだ)やラノベが主だった時代(『Gosick』は後追いで読みました)を扱った1章は面白い。作家ってどうやって認知され売れ始めるんでしょうね。

    また、読者やファンダムとの関わりを誠実・丁寧に語る2章、4章も面白いのだが、最も考えさせられるのは書評家・批評家との関係や力関係、役割や矜持について延べた3章だろう。こちらも誠実・丁寧に語られているのだが、他章より、より慎重に言葉を選んで意見を述べているように見える。終章でも触れられているように『少女を埋める』の批評を巡って、実際に批評家および掲載した朝日新聞と揉めた経緯がベースにあるからだろう。

    出版後も気が抜けない作家の苦労がわかる興味深い本です。

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    2025年05月08日
  • 掌の読書会 桜庭一樹と読む 倉橋由美子

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    2023年。
    桜庭一樹が選んだ倉橋由美子の短編集。スノッブで鼻につくという人もいたが、私は好きだなぁ。エロを書いても上品だ。
    あらためて年表を見て、60年代に人気を博し、子育て中はあまり書かなかったよう。そういえば、子育てしてたら、先進的な倉橋さんが子育て中心になるなんて・・と言われたみたいなエッセイがあったなぁ。先鋭的には見えたよねぇ。60年代のバイブルだったのかぁ、知らんかった。

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    2025年05月12日
  • 読まれる覚悟

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    ネタバレ

    小説家として、読まれる覚悟、読者と、ファンダムと、批評家と、小説を巡る色んな立場の関係性を考える本。

    いくつか、心に残った箇所をピックアップ。
    ・よもやまばなし①
    綺麗事でも、机上の空論でも、理想論だとしても、
    実現不可能な正しさについて、真正面から叫び続けることが、作家としての義務。
    この主張を読んで、桜庭一樹さんという作家さんを好きになりました。

    ・誤読、ということの定義
    これも面白かった。なるほど。

    ・共話の件からの差別やハラスメントへの考察
    共話、初めて知った言葉。
    日本特有のコミュニケーション術。
    一つの文を、二人でつくるような、会話の仕方。


    作家さんを推しと思ったことないなぁ。
    あ、新井素子さんが昔から好きだけど、これは、推しっていうか、バイブル的な?感じなので、、、
    「推し」とは違う(^_^;)

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    2025年04月22日
  • 少女七竈と七人の可愛そうな大人

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    ちょいと深いストーリーが理解できずに完読。日常の生活から逸しているが、日常の生活リズムも感じられる。この違和感がファンには魅力なのかな? サラッと読ませていただきました

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    2025年04月19日
  • このたびはとんだことで 桜庭一樹奇譚集

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    ネタバレ

    モコ&猫
    触れたい、近づきたいとは思わず、ただ見つめていたい男の話。これを恋や愛と言っていいのかは分からないけれど、感情ってそんな単純なものじゃなくて矛盾を含んだものだよな〜と。

    このたびはとんだことで
    死後に妻と愛人の争いを見守る男の視点で進む。女の愛とは重いものです、と言わんばかり。

    青年のための推理クラブ
    誰が現実ではどんな人で、誰になりきっているのか掴むのに若干苦戦。違う人格として過ごす空間が少女たちには必要だったんだなと。

    冬の牡丹
    今回はこれが一番刺さった。
    かつては父に一番に認められている自分を軸に生きてきた、現代的で慎重で"残念な"美しい女性。でも途中から風向きが変わって、結婚していない彼女は家族から下に見られるようになる。どう生きれば良かったのか自問自答する彼女の姿が苦しい。"世間"みたいなものから外れたお隣さんの居心地の良さ。

    五月雨
    吸血鬼と吸血鬼と戦う町の人間の話。桜庭先生あるあるだけど、島根とか鳥取って妖怪とか怪奇みたいな伝承が根強く残ってたりするのかな?とか思ったり。

    赤い犬花
    これも良かった。両親の離婚のために一時的に預けられたどこかも分からない田舎で、姉を自殺で亡くした少年と一緒に、姉の死の真相を求めて険しい山奥を目指す話。家へ戻る最後に急に現実に戻る感覚になるんだけど、困難を共にした少年とのある種特別な絆が描かれていて良かった。普通の友達とは違う、特殊な環境や状況でできた友達の感覚ってなんか分かる気がする。

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    2025年03月20日
  • 読まれる覚悟

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    ネタバレ

    小説に限らずあらゆるエンタメ、あるいはクリエイティブな活動をしている人の発信を自分はどう受け取っているか考えさせられた。解釈の自由と偏見をはき違えた無自覚な加害者ではないか。「自分が間違っていたと理解する」アップデートを忘れずにいなくては。

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    2025年03月09日
  • 読まれる覚悟

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    人間は皆同じような感性を持っているんだなぁ。作家、プロ野球選手、画家、etc、世の中に凄く才能があると認められている人間でも、噂や風評を気にかけるんだ。私みたいな単なる凡人と同様以上に、そんな感性が敏感なんだ、と感じた。そんな批判を受けて、より強く立ち上がるのがプロで、めげるのが一般人なのかも。 この本から桜庭さんの本を大量に購入して読み出しています(笑) 参考文献の購入にも繋がっています、ひょっとしてこの本は、蟻地獄的な一冊だったかも(≧∀≦)

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    2025年03月05日
  • ばらばら死体の夜

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    貧しさの中で育った吉野ずっと裕福に生きてきた由乃の対比が最後で際立ったと思う、

    前者→由乃と結婚して好きな仕事を選べて、好きに趣味に打ち込ることがてきるけど、ストーリー内での行為そのものだったり、その後の老いた人生だったりして、結局貧しさから逃げられない


    後者→吉野とは対照的にずっと若々しく描写されている。ペットが亡くなった時に人間にするように葬式をするなど

    また、裕福に育った沙漠も貧乏の中で育った由乃も共通して借金という日常のどこにでも潜んでいる落とし穴にかかってしまう恐ろしさを感じた。

    しかし、他の作品にも言えることではあるが少し読みにくい文章なので3にした。

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    2025年03月04日
  • 読まれる覚悟

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    作者と読者、批評家、書評家、ファンダムなどとの関係について、困ったこと腹がたったこと誤解や誤読について述べていて、こうありたいという願いも込めて書かれていて、作家さんも大変だと思った。

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    2025年02月18日
  • 読まれる覚悟

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    “先日あるアイドルのファンの方が、アイドルの発信するものを〝供給〟ということに抵抗が生まれてきたとお話されていました。
    わたしも誰かのファンであるので、どきっとしました。
    生きている人間のパフォーマンスなのに、楽しむあまり、相手を物のように扱ってしまうときがあると気づきました。”(p.151-152)


    “そしてこの数年、さまざまな価値観が一新されつつあることをひしひしと感じています。
    きっと大勢の人がいま体感しているであろう、小説を読むことと読まれることをめぐるあるおおきな変化について、なんとか言語化しようとして書いたのがこの本です。
    わかってはいるけれど、まだ名前がついていないものに名付けていくのが、小説家の仕事の一つだからです。”(p.158)

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    2025年02月16日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

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    ネタバレ

    桜庭一樹さんが作り出す残酷で美しい世界観が大好きだが、この作品は淡々と話が進んで行き、引っかかる部分が少なかった。
    ただ、文章が綺麗でどんどん読み進めることができる点や、独特の台詞回しは健在で良かった。

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    2025年02月08日
  • いつか、アジアの街角で

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    好きな感じの短編集だった。
    特に好きだなと思ったのは、宮下奈都の「石を拾う」と角田光代の「猫はじっとしていない」だった。
    心の底から突き上げてくる怒りをマグマと表現していたり、喪失感からくる寂しさを埋める旅をしてみたり、心の模様を石や猫をモチーフにして上手に描いているところが良かった。
    好きになった作者の他の作品も読んでみたいと思った。

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    2025年02月07日
  • 推定少女

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    ネタバレ

    巣篭カナ
    十五歳の女の子。過失致死もしくは過失致死未遂でパトカーに追われている。逃走中にの白雪」を拾う。

    白雪
    カナがダストシュートに逃げ込んだ時にいた先客。雪のように真っ白な体。白雪という名前はカナの命名した。

    カナの母

    カナの義父

    カナのゲーセン仲間のお兄ちゃん

    水前寺千晴
    カナと白雪が東京で出会った銃器マニアの中学生。一人っ子で、都内の有名な私立中学校の三年生。

    綾小路麗々子
    誘拐された女の子。

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    2025年01月31日
  • 少女七竈と七人の可愛そうな大人

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    あぁ、人が死ななくてよかった。
    まずそれが私の一言目で。他の作品と比べるとちょっとだけ読みにくいかもしれない。長旅の電車の中1/2ほど読んだせいだろうか、話の内容はあやふやで。
    見た目というのがこの本のどちらかと言うとメインの話で、「大変遺憾ながら、美しく生まれてしまった」そして鉄道好きである七竃、同様の容姿と鉄道好きである共通点持つ雪風。その他七人の可哀想な大人たちの話。本当にタイトル通り。
    雪風と七竃が名前を呼び合う文章。そして
    「母をゆるさないことだけが、わたしの純情です。雪風」→「それなら僕は父をゆるさないことにする。」
    このセリフが私の中で印象に残った。
    優奈に関しては話の内容的にだいぶ好みは分かれるだろうし、決していい思いはしない。本当に可愛そうな大人、なのかもしれない。

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    2025年02月01日
  • 桜庭一樹のシネマ桜吹雪

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    いろいろな作品が紹介されているが、アマプラでは追加料金が発生するのもあるし、そもそもラインナップにないのも困ったものだ。

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    2025年01月18日
  • ばらばら死体の夜

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    金が人をどん底に突き落とすのは他人事とは思えず、ドキドキ(悪い意味で)しながら読みました。
    ヒタヒタと寂しい時にお金を使いたくなる気持ちもよく分かります。その時のやりきれない孤独感の描写が怖いけど、綺麗さもありました。

    ただ、解の行為はどうだったのかな?と思いました。

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    2025年01月09日
  • いつか、アジアの街角で

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    *あの街の空気が呼びおこす遠い記憶と、かすかな希望、そして――
    人気女性作家6人による、心に染みる珠玉のアジア・アンソロジー*

    どの作家さんのお話もそれぞれの特徴が良く出てるけど、
    全編一様にアジア調の空気が漂っているので統一感もありつつ、
    独特な浮遊感も楽しめる不思議な短編集。

    特に良かったのは、中島京子さんの「隣に座るという運命について」。
    ふわふわと柔らかくて、キュートな登場人物たちと優しい読後感が好き。

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    2025年01月06日
  • いつか、アジアの街角で

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    6人の作家さんによるアンソロジー
    アンソロジーは買ったことがなかったのですが装丁のマンゴーかき氷に心奪われて手に取りました。

    「停止する春」心に刺さる。また読み返したい
    「チャーチャンテン」読んでいてワクワクした
    「猫はじっとしていない」蜃気楼のような空気感のある話

    私はこの3つがとても好みでした。台湾、香港旅行好きな方におすすめです。
    なんとなく敬遠していたアンソロジーでしたが読んだことのない作家さんの魅力を知るきっかけになってたまにはこうやって新しく本を開拓していくのもいいなと思いました。

    台湾で食べたマンゴーかき氷はほんとうにおいしかった。。また行きたいなぁ

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    2025年01月28日
  • いつか、アジアの街角で

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    6作家の短編集。

    どの作品も作家さんならではの内容でした。

    大島真寿美のチャーチャンテンがいちばんテーマにも合って良かったな。著者作、最近見かけないな、そろそろかしら。

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    2024年12月18日
  • 赤×ピンク

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    相変わらず桜庭一樹さんの作品は形容しがたいなにかだなあって思いますね。
    最初泥試合してる時、なにを読んでいる?と思ったけれどすぐに受け入れ読み進めた。
    皐月の行動がずっと不可解だったけれど、章を跨ぎ納得。
    3作全て形容しがたいなにかだった。

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    2024年12月17日