あらすじ
愛するその「手」に抱かれてわたしは天国を見る--エロスと魔法と音楽に溢れたファンタジック連作集。榎本正樹によるインタヴュー集大成「桜庭一樹クロニクル2006-2012」も同時収録!!
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これはがっつり趣味突っ走りの、暗黒童話でした。
お父さんの話が怖い。全ての女の行きつく先を見せつけられてるようで苦しい、でも読む手が止まらない、清々しいほどの残酷なお話でした。
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装丁の美しさは文庫になっても変わらず。
半分は「道徳という名の少年」、もう半分は桜庭さんのインタビュー集。
インタビューの内容が今までの作品の背景や書こうと思った理由が詳細に書かれていて面白かった。
卒論で凄く使えそうと思ってしまったw
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一家系の官能的で甘美な愛の物語集 心に残る作品です
戦地へ赴くジャンの物語「ぼくの代わりに歌ってくれ」がとてつもなく好きです
桜庭一樹クロニクル(インタビュー集)も必読
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大人のための童話・お伽話のような芸術作品。装丁も素敵。
「道徳という名の少年」だけど、その生い立ちや背景は、道徳とかけ離れた、醜く美しい背徳の世界。
言葉は少ないのに、的確にテンポよく丁寧に綴られていく。
非現実的でありながらも、異世界に夢のように違和感なくすっと入り込んでいく感じ。
そう、これこそが小さな子どもが純粋に絵本に求めるような読書の世界だったことを思い出した。
久々の桜庭一樹ワールドに短時間だけど、どっぷり浸かってしまった。
生い立ちの設定であったり、名前の付け方であったり、時代や世界観、言葉ひとつひとつの選び方も、独特でとても真似できない。
ストーリーに「タブー」「エロス」「残酷さ」「呪いのような血筋」をふんだんに取り入れながらも、拒絶を感じさせずに、しっとりした甘美な愛情や切なさだけをもたらす。
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後半半分は桜庭一樹インタビュー。2006年から2012年、『少女七竈~』から『無花果とムーン』まで、過去作品も含めて、インタビュー形式の自己作品解説みたいになっています。それがめっちゃおもしろい。作家の頭の中。桜庭ファンのみならず、作家志望の方とかにもおすすめかも。
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タイトルのとおり、道徳という名前を付けられた少年の周りの人々の話。どす黒い童話のようなお話。
今まで読んできた桜庭一樹作品が濃縮された感じ。
不道徳な一族の中で、道徳という少年だけが、名前のとおりだった。
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一緒に収録されているインタビューのほうが長くて、少し物足りない感じもしましたがおもしろかったです。
この静かできれいな文章の雰囲気が好きです。
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桜庭さんの短編って珍しい。短編とはいっても、すべての話が続いてるように書かれているから、完全な短編じゃないのかも。不道徳で官能的で美しいです。インタビューは既読の作品についての部分のみ読みました。桜庭さんの生み出す世界の仕組みがほんの少しだけ見られて楽しかったです。
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道徳とは何か。不道徳と人々に思われている人は、ある意味ではその人の中では道徳を貫いているのではないだろうか。
さて、5編の短編集は時空と世代を超えて、それぞれの世界で人々を魅了するほど美しい男子・女子の登場で幕を開けるのだ。しかしその美しさは決して永遠のものではないと知るのは後の話なのだ。
ファンとしては、もう少し読みたかった。インタビューで桜庭氏の世界観に触れるのはもう少しあとでいいかな。
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桜庭さんのこれでもかってくらいの筆量とか、ぬめっとした文章の羅列の中毒なので、
少し物足りないかも。
でも短編でも桜庭は桜庭さんなんだなぁと。
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桜庭一樹さんにしては珍しい連作短編集だなぁ…と思いながらも、やっぱり桜庭さんらしい作品だなぁという印象を受ける。歴史を描き続けること、親子との不思議な絆を描くこと、家族という呪縛からの逃亡を描くこと、そして死を描くこと。その書き味というかそういうものが彼女独特だから好きだ。それを再確認させてくれる作品。
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購入後に気が付いたのですが、作品よりインタビューのほうが長かったです。
ですが、作品は期待通り、インタビューは最初に考えていた以上に面白くて、楽しむことが出来ました。
中でもジャングリン・パパの愛撫の手がすごく面白かった。
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『赤朽葉家の伝説』や、『青年のための読書クラブ』等、南米文学を思わせる作品が今までありましたが、これは、一際濃厚に南米の雰囲気を感じます。
物語の舞台も、明言されてはいないものの、どうやら、南米そのもののようです。
後半は、2006年から2012年にかけての、桜庭一樹さんへのインタヴューが掲載されています。
どの作品についてのインタヴューも興味深かったのですが、「山にいる死者は善き死者で、海にいる死者はおそろしい死者」というイメージが、すごくよくわかりました。
山陰のDNAなのかしら。
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インタビューが読みたくて購入。
「ジャングリンパパの愛撫の手」以外は以前に読んだことがあるけれど、変更されているところがいくつかあるような気がする。
小説も、インタビューも、面白かった。
2013.04
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桜庭一樹得意の、見知らぬ異国の空気がぷんぷんただよう寓話的な短編。〈呪い〉なのか〈才能〉なのか、とにかくそれに似た何かが親子何世代にもわたって受け継がれて行く…というストーリーも、桜庭一樹っぽい。
読んでる間に時代の感覚がぐにゃぐにゃした渦の中に吸い込まれ、ぐんぐんお話の中へ吸い込まれてしまった。おもしろい。
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ジャングリン・パパの愛撫の手がとても好き。
桜庭節というか、桜庭一樹さんの作品を読む時はいつもそういう期待がある。今回の作品でもその期待は裏切られませんでした。満たされました。
インタビューは、最初は「インタビューのが長いよ!」と思ったけれど、冷静に、落ち着いて読むと、とても素敵なインタビューだった。
彼女の作品でまだ読めていないものもたくさんあるし、ちゃんと読んでいきたい。そしてこれからも満たされたいです。
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桜庭一樹の作品を読むたび、あーそれそれ! そういうの! と涙が出そうになる。
リズムがよくて甘くて苦くてグロテスク。砂糖菓子。
ミニマルケス。
男女。というより、男の女性化。
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これは桜庭さんファンは単行本もってても絶対買うべき!なぜってインタビュー集がうれしすぎる……文庫の半分以上が今までの作品それぞれについてのインタビュー。
文庫のデザインも素敵ではあるけど、単行本のそれには到底敵わないので(『道徳の〜』はいちばんと言ってもいいくらい綺麗)、単行本と両方揃えるのがおすすめ。榎本さんが気付いていくような、もしくは桜庭さんが意図した本質のイメージには近づけていないことも多いんですが、それはそれで面白くていいなあと。
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前半が小説、後半が著者インタビュー。
美しい女性が4人の美しい娘を産んだ後に町を出てやがて戻って来る。戦争が始まると女性は太り狂って朽ちていく。娘たちは娼婦となり、末っ子の娘は美しい弟と結婚する。歌い手の美少年は人気者となるが、その手に抱くのはプラスチック玩具。
美しい人が朽ちたり欠陥を持っていたりして、エロさと退廃さの連鎖がいい。
インタビューもまたいい。
ラノベを原点として少女を描き続け、また故郷の鳥取を何度も小説の舞台とした背景などが語られていて、ファンには興味深い内容。
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前半は小説、後半はインタビューです。小説は戯曲のような内容でした。世代が変わりながら短い話が続いています。
全体を通して、作者に「道徳とは」を問いかけられているのかもしれない。
父のない子を産むこと、血の繋がった姉弟で結婚すること、夫の父と3人で愛を共有すること、殺すように歌うこと、自分の作品を世に示すことなく死ぬこと。桜庭一樹の思う不道徳てんこ盛り、なのかな。
わかりやすいストーリーを楽しみたい方にはオススメしないです。
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本の前半分が小説で、後ろ半分がインタビューという構成で、小説部分の短さに驚きました。
「道徳という名の少年」はいくつもの時代にまたがる昔話のようで面白かったです。代々の一族は美しいかんばせを持っていても、晩年凄く太るのも興味深いです。道徳には打ち勝てずとも、楔は打ち込めた気がします。
インタビューも面白かったです。既読の作品も、未読の作品もわくわくしました。「私の男」の構成は『ペパーミントキャンディー』なんだ、ソル・ギョング観ねば。
桜庭さん、小説もかなり読まれると思っていましたが、映画やドラマもかなりご覧になられてて範囲が広いな…すてき。未読の作品を読みたくなりました。
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再読。前半は表題の連作短編集。後半はインタビュー集。不思議な短編を不思議なまま読むもよし。不思議なままだと納得がいかなければ、最後の榎本正樹氏の解説を読むとよい。深い分析に圧倒される。そのインタビュー集は、桜庭さんの思考や作品が生まれた経緯などが率直に語られている。時系列で読んでいくと作品同士の関わりがわかって面白い。
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本編は移動中に読み終わる位なので、ちょっとした暇には持って来い。
母から、娘へ、
娘から娘へ、
父から息子へ、と
物語が続いて行く。
ファンタジーの世界のようで、やはり哀しい。桜庭さんの世界だなーと。
その後インタビューになるが、桜庭さんの世界感を少し理解できるような…。
桜庭さんが影響を受けたものが、自分の知っているものだったりして、色々と想いを馳せた。
個人的に”あのはな”が出て来たのは感激でした。(笑)桜庭さんの作品を読みたくなるインタビューでした。
Posted by ブクログ
メモ:未読の作品のインタビューは読んでない。
桜庭作品はGOSICKから入ったからか、それ以外の作品に感じるなにかにずっと違和感というかもやもやしてたけどちょっと謎が解けた気分。
これも母親と名前の物語で、解説にもあったけどすごく桜庭さんの世界が凝縮された一冊だと思う。
というかGOSICKって完結してたのか...武田日向さんのイラストが好きでビーンズ文庫で揃えてるせいか全然知らなかった...
早く続きでないかなー
Posted by ブクログ
短編集。
世代が変わっていく連作になっている。
独特な雰囲気の作品がほとんどだが、ちょっとファンタジーっぽい感じ。
しかし、決して明るい話でもなく、ハッピーエンドでもないので、読む際は注意。