小熊英二のレビュー一覧
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まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える
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著者の父で、「立川スポーツ」創業者・経営者でもあった小熊謙二の戦争体験・戦後の生活史体験の聞き取りの記録。1925年生まれの小熊謙二は、北海道・佐呂間に生まれ、北海道に残った父と離れて東京の祖父母のもとで育ち、早稲田実業学校卒業後に富士通信機に勤めるが、1944年に徴兵のため召集。電信第17連隊の二等兵として満洲に送られる。敗戦後は牡丹江でソ連軍に投降、シベリア送りとなり、1948年3月に帰国するまでチタの収容所で強制労働を強いられた。
日本敗戦後は貧困にあえぎ、職を転々とする中で結核に罹患。1956年に退所後は東京学芸大で職員として勤務していた妹・秀子を頼り、多摩に向かう。その後、つてを -
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小熊氏が地方のいくつかの地域を訪れ住民に生活についてインタビューし、日本の「地域」の現在地点について考察した本。住民らのインタビューから、日本の「地域」の現在地点についてリアルな点を浮き彫りにさせており大変興味深いものだった。
また、本書のインタビューでは地域に移住した人が大部分を占めており、一部は自分と同世代の人もいた。そのような人たちが、目的があってアクションを起こし移住に至ったことを知り、現在自分が抱える今後の人生の進路についても勇気付けられるものが多かった。そのほかにも、様々な立場の人がインタビューを受けており、それぞれの考えを聞けて新鮮さが何よりあった。 -
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ネタバレ社会学の研究者である小熊英二さんが、自身の父(小熊謙二氏)が辿った、戦争、勾留、闘病、労働などの人生を、膨大な資料、インタビューから理解・構築し、詳述した一冊。著者自身があとがきに書いており、かつ読み始めるとすぐ理解できるように、これは単なる「戦争体験記」ではない。随所に、当時の日本の状況を表す統計データやその他の文献引用などがなされており、小熊謙二氏という1人の人生を通して、戦前から現在に至るまでの日本社会の変化に触れられる。まさに、1人の主体としての「経験」と、それを客観的に、ときには批判的に補足・検証する「資料、データ」とを結合させた研究活動であると言えよう。
もちろん、本書の内容を読み -
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見識のレベルが桁違い 広く深い 軸が全くぶれない
「人間の尊厳」 国民の分断
第一の国民①会社②地域 第二の国民③非正規
議論の大切さ 基本方針を共通理解 本質論へ
グローバルに考え、ローカルに行動する
移民と自衛隊 どう位置づけるか合意ない 曖昧のつけ
東芝の失敗 ①旧来の原発路線への固執②社内民主主義の不足③日の丸原発意識
総合ビジョン 小手先の対処では全体整合性とれない 高齢化社会 経済成長 少子問題
経済指標と民主主義指標 知的産業・高付加価値化 「人的資源」 が鍵
人権意識・政治参加を通じて 自分の頭で考え、自発的に行動できる人材づくりがポイント
国全体が、文句を言わず -
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面白くって2日で読んだわー!
著者の父親の聞き書きを基にした、20世紀前半に生まれた名もない日本人男性のライフヒストリー。
北海道への移住、上京、就学と就職、徴兵。シベリア抑留。帰国後の困難な再就職と結核治療。景気の上昇。結婚と仕事の成功。マイホーム。
昭和初期、小学校を出たら日銭稼ぎでも働くのが当たり前だった。話者は早稲田実業中学に通ったが国公立の滑り止め的存在。月謝を払って高等教育を受けられる人は限られていた。
庶民レベルでは戦争賛美はみんな案外冷ややかだった。学校の先生や一部のインテリは批判的だった
シベリアでは零下35度になると、屋外作業が中止になったが冬でもダムの凍結除去など外で働か -
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新書にしては、かなり気合が入った分量である。500ページを超えている。ページ数は多いが、平易な言葉で解説してくれているので、非常に読みやすい。やはり新書である。
社会を変えるにはどうしたらよいのか、どうすれば社会は変わるのか、過去の社会運動、社会思想を振り返りながら、説明している。ちなみに、著者は思想史は門外漢というが、過去の思想の解説は、非常に読みやすく、この部分だけでも一読の価値があると感じた。もう少し言うと、読みやすいのは、平易な言葉を使っているほかに、社会に対する見方が一般的ないし王道に近いからかもしれない。読んでいて、「そうそう」と思わず言ってしまうような書きぶりに感心してしまった。 -
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ゼミの先生のイチオシだったので、読みました。
関係にお金を代替するやり取りの中では幸福は感じられない。お金は幸福への手段であって、それが目的になったとき、幸福は遠ざかる。デモも同じで、目的を達成するための手段が、いつの間にか目的にすり替わる。正義ある目的のために活動する政治家も、いつの間にか目的達成のための集票を目的とするようになる。だからこそ目的を見据えて行動する必要がある。
聖と俗という考え方や、資本主義の発展についても詳しく書かれ、貨幣の発生や民主制などについても触れている。
公と私、聖と俗という考え方は、キリスト教の根付いた国ではいまだに日常的なことで、仕事や家のことは俗、思想や儀 -
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小熊謙二の生涯の軌跡をたどっていくことで戦前から戦中、そして戦後の日本の姿を描いている。著者の小熊英二(謙二の息子)があとがきで書いているように、本書が他の戦争体験記と異なるのは次の二点。
・戦時のみならず戦前と戦後の生活史がカバーされている点
・個人的な体験記に社会科学的な視点がつけ加えられている点
本書は戦争というものが国だけではなく個人の人生をいかに破壊するかを物語っている。たとえば、謙二が戦前のように水道とガスのある生活に手に入れたのは1959年のことである。終戦から考えても15年近くの歳月を要しているのである。戦争とはかくも悲惨なものであるということは肝に銘じておく必要があるだろう。