小熊英二のレビュー一覧
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試し読み
Posted by ブクログ
小熊氏が地方のいくつかの地域を訪れ住民に生活についてインタビューし、日本の「地域」の現在地点について考察した本。住民らのインタビューから、日本の「地域」の現在地点についてリアルな点を浮き彫りにさせており大変興味深いものだった。
また、本書のインタビューでは地域に移住した人が大部分を占めており、一部は自分と同世代の人もいた。そのような人たちが、目的があってアクションを起こし移住に至ったことを知り、現在自分が抱える今後の人生の進路についても勇気付けられるものが多かった。そのほかにも、様々な立場の人がインタビューを受けており、それぞれの考えを聞けて新鮮さが何よりあった。 -
Posted by ブクログ
見識のレベルが桁違い 広く深い 軸が全くぶれない
「人間の尊厳」 国民の分断
第一の国民①会社②地域 第二の国民③非正規
議論の大切さ 基本方針を共通理解 本質論へ
グローバルに考え、ローカルに行動する
移民と自衛隊 どう位置づけるか合意ない 曖昧のつけ
東芝の失敗 ①旧来の原発路線への固執②社内民主主義の不足③日の丸原発意識
総合ビジョン 小手先の対処では全体整合性とれない 高齢化社会 経済成長 少子問題
経済指標と民主主義指標 知的産業・高付加価値化 「人的資源」 が鍵
人権意識・政治参加を通じて 自分の頭で考え、自発的に行動できる人材づくりがポイント
国全体が、文句を言わず -
Posted by ブクログ
新書にしては、かなり気合が入った分量である。500ページを超えている。ページ数は多いが、平易な言葉で解説してくれているので、非常に読みやすい。やはり新書である。
社会を変えるにはどうしたらよいのか、どうすれば社会は変わるのか、過去の社会運動、社会思想を振り返りながら、説明している。ちなみに、著者は思想史は門外漢というが、過去の思想の解説は、非常に読みやすく、この部分だけでも一読の価値があると感じた。もう少し言うと、読みやすいのは、平易な言葉を使っているほかに、社会に対する見方が一般的ないし王道に近いからかもしれない。読んでいて、「そうそう」と思わず言ってしまうような書きぶりに感心してしまった。 -
Posted by ブクログ
ゼミの先生のイチオシだったので、読みました。
関係にお金を代替するやり取りの中では幸福は感じられない。お金は幸福への手段であって、それが目的になったとき、幸福は遠ざかる。デモも同じで、目的を達成するための手段が、いつの間にか目的にすり替わる。正義ある目的のために活動する政治家も、いつの間にか目的達成のための集票を目的とするようになる。だからこそ目的を見据えて行動する必要がある。
聖と俗という考え方や、資本主義の発展についても詳しく書かれ、貨幣の発生や民主制などについても触れている。
公と私、聖と俗という考え方は、キリスト教の根付いた国ではいまだに日常的なことで、仕事や家のことは俗、思想や儀 -
Posted by ブクログ
「新書大賞2013 第1位」の話題作なので、もともと興味のある分野ではないが手にとってみた。
3.11以後、脱原発のデモが広まったが、果たしてデモは社会を変えるに当たって最善の方法なのか。そもそも社会を変えるとはどういうことか。
まずこれまでの世界の変遷(思想・哲学・政治において)を振り返る。
正直言って消化不良で理解が不十分なので何度か読み返そうとは思うが、著者の「社会を変えよう」という気迫が感じられる大作であった。
―私の思いつくかぎりでは、答えは一つしかないようです。みんなが共通して抱いている「自分はないがしろにされている」という感覚を足場に、動きをおこす。
そこから対話と参加 -
Posted by ブクログ
時代感覚が秀逸で、具体的かつ明快だ。すばらしい。
この明快さは他で見たことがない。
Ⅰ.世代ごとの社会構造、政治、社会運動、思想の考察
終戦時20歳のヒトは現在87歳 戦争の生々しい記憶は遠のく
→平和の思想
1945 終戦(貧しい第一の戦後、ベビーブーマー誕生)
→急に豊かになった後ろめたさ(マイノリティ)
1955 55年体制(高度経済成長、豊かな第二の戦後)
安保、自民党ー社会党体制、豊かな人間の社会運動
(塩辛いサヨク)
→記号論、リアリティ、公、豊かさの仲での価値
1970 バブル崩壊前 細かい社会運動(甘いサヨク)
団塊ジュニア誕生
→悪くなったことへの不満、戦争がおこればい -
Posted by ブクログ
ネタバレうわーうーあー。
ありがとうございます、小熊さん!って
やっぱり言いたくなる本でした。
現在まで日本で言われてきた歴史・思想・出来事について、
広い視点で
「いろいろあれこれ言ってるけど、
こういう理由でこうなっただけだよね?」
と整理された内容とわかりやすい例えでポンポン言われて、
「はあ…そうですよね。それだけのことで…そうですよね。
なんで今まで、あんなこんがらがった話になってたんでしょ…」
みたいな反応になってしまう連続というか。
とにかく視界がすっきりくっきりぶわーっと
広がる気持ちよさったら!
どんどん追加されるNEW視点。
追加されまくりでこっちが全然追いつかなくて、軽いパ