小熊英二のレビュー一覧

  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

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    大学受験に就活、就職してからは年功プラス人事考課で多分定年まで働く。。他の選択肢が持てない。日本社会のしくみにどっぷりな自分の生き方を指摘されたよう。
    その事を自覚できただけでも良かったと思う。
    日本のやり方ってどうもちぐはぐな印象なのは、欧米方式のつまみ食いだからというのは納得。例えば人事評価をすべての社員に適用していることとか、その理由とか。欧米では違うんだと、目から鱗だった。

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    2021年06月18日
  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

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    ネタバレ

    日本の雇用の仕組みとこれに接続させるための教育(特に学歴偏重)、これに隣接されている福祉制度の歴史を見渡すことができる名著。
    「昭和、平成の、日本社会の柱が雇用のあり方」との仮説で日本社会を論じている。自分は団塊ジュニア世代だが、団塊世代移行の人たち(親・親戚・友人家族ら)の顔を思い浮かべながら読んだ。社会学、組織論、文化論などあらゆる角度で読み応えのある一冊。

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    2024年05月12日
  • 平成史【完全版】

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    厚みがすごい。平成という時代が多様な時代であったためか、中身は骨太な思想がひとつ詰まっているというより、ぺらぺらな印象がしてしまうが、そのぺらぺらな時代をよくこのようにまとめ切ったな、という雑感をもった。日本のインターネットはタイムマシン的であり、アメリカの発展をなぞるようなものだという濱野智史の主張や、小熊英二のいうような、昭和のハコモノ的な、工業的な発展から、平成は情報通信的な、細かい技術的な発展があり、目に見えやすい変化ではなかったという指摘は興味深い。

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    2020年08月19日
  • 地域をまわって考えたこと

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    小熊氏が地方のいくつかの地域を訪れ住民に生活についてインタビューし、日本の「地域」の現在地点について考察した本。住民らのインタビューから、日本の「地域」の現在地点についてリアルな点を浮き彫りにさせており大変興味深いものだった。
    また、本書のインタビューでは地域に移住した人が大部分を占めており、一部は自分と同世代の人もいた。そのような人たちが、目的があってアクションを起こし移住に至ったことを知り、現在自分が抱える今後の人生の進路についても勇気付けられるものが多かった。そのほかにも、様々な立場の人がインタビューを受けており、それぞれの考えを聞けて新鮮さが何よりあった。

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    2020年08月19日
  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

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    雇用、学歴などの歴史が一通りわかる。分厚いけれども、この手のテーマに興味があるなら通読は難しくないと思う。

    コロナ禍後の働き方の変化を受けて読み直したところ、理解が深まった。

    古い会社や大きな会社にいて、組合に入っている人にもいいかもしれない。

    社内の頑張りで出世できるのがいいか悪いかは別にして、仕組みを知っておくと受け止め方の幅も広がると思う。

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    2023年08月07日
  • 私たちの国で起きていること 朝日新聞時評集

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    見識のレベルが桁違い  広く深い 軸が全くぶれない
    「人間の尊厳」 国民の分断 
    第一の国民①会社②地域 第二の国民③非正規

    議論の大切さ 基本方針を共通理解 本質論へ  
    グローバルに考え、ローカルに行動する 
    移民と自衛隊 どう位置づけるか合意ない 曖昧のつけ
    東芝の失敗 ①旧来の原発路線への固執②社内民主主義の不足③日の丸原発意識

    総合ビジョン 小手先の対処では全体整合性とれない 高齢化社会 経済成長 少子問題
    経済指標と民主主義指標 知的産業・高付加価値化 「人的資源」 が鍵
    人権意識・政治参加を通じて 自分の頭で考え、自発的に行動できる人材づくりがポイント
    国全体が、文句を言わず

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    2019年11月11日
  • 私たちの国で起きていること 朝日新聞時評集

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    参院選の投票日がせまった。誰に票を投じようか、今回はいつも以上に迷っている。安倍政権の信任投票と考えるのか、でもそうすると今まで絶対にあり得なかった候補者を支持することになるし、残る一人はNHK云々とまあ・・・。てなことを悩みつつこの本を読めば、自分自身も思考の停滞に陥っていると自覚する。減税と福祉を並行して求める矛盾、脱原発の機運の衰退。スウェーデン人の多くが、税とは社会への投資、将来への貯蓄と考えてるって、すごいな。椎名誠のエッセイを学者が著すならこのようになる、って感じ。

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    2019年07月12日
  • 社会を変えるには

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    新書にしては、かなり気合が入った分量である。500ページを超えている。ページ数は多いが、平易な言葉で解説してくれているので、非常に読みやすい。やはり新書である。
    社会を変えるにはどうしたらよいのか、どうすれば社会は変わるのか、過去の社会運動、社会思想を振り返りながら、説明している。ちなみに、著者は思想史は門外漢というが、過去の思想の解説は、非常に読みやすく、この部分だけでも一読の価値があると感じた。もう少し言うと、読みやすいのは、平易な言葉を使っているほかに、社会に対する見方が一般的ないし王道に近いからかもしれない。読んでいて、「そうそう」と思わず言ってしまうような書きぶりに感心してしまった。

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    2021年08月08日
  • 社会を変えるには

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    ゼミの先生のイチオシだったので、読みました。

    関係にお金を代替するやり取りの中では幸福は感じられない。お金は幸福への手段であって、それが目的になったとき、幸福は遠ざかる。デモも同じで、目的を達成するための手段が、いつの間にか目的にすり替わる。正義ある目的のために活動する政治家も、いつの間にか目的達成のための集票を目的とするようになる。だからこそ目的を見据えて行動する必要がある。
    聖と俗という考え方や、資本主義の発展についても詳しく書かれ、貨幣の発生や民主制などについても触れている。

    公と私、聖と俗という考え方は、キリスト教の根付いた国ではいまだに日常的なことで、仕事や家のことは俗、思想や儀

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    2018年06月14日
  • 社会を変えるには

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    現象学に基づく立場、構築主義
    人が動くことによって社会が変わらないということはむしろ不可能。
    なるほどその通り。
    結構アジられて、かつ社会運動史、思想史の概説もしてくれる。

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    2015年10月31日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    大学生が学生運動に傾倒するまでの流れが長年の疑問でした。

     この本は、学問気取りの文章ではなく、とてもわかりやすく社会の状況を解説しています。

     北方領土問題に関する記述は秀逸です。

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    2013年12月24日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    自分とは反対の立場からもちゃんと眺めて冷静に考える平等な物言いが好き。とても勉強になったしおもしろかった。

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    2013年11月22日
  • 社会を変えるには

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    「新書大賞2013 第1位」の話題作なので、もともと興味のある分野ではないが手にとってみた。

    3.11以後、脱原発のデモが広まったが、果たしてデモは社会を変えるに当たって最善の方法なのか。そもそも社会を変えるとはどういうことか。

    まずこれまでの世界の変遷(思想・哲学・政治において)を振り返る。

    正直言って消化不良で理解が不十分なので何度か読み返そうとは思うが、著者の「社会を変えよう」という気迫が感じられる大作であった。


    ―私の思いつくかぎりでは、答えは一つしかないようです。みんなが共通して抱いている「自分はないがしろにされている」という感覚を足場に、動きをおこす。
    そこから対話と参加

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    2017年10月13日
  • 社会を変えるには

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    分厚い新書であるが、とてもエキサイティング。
    個人的な志向性としては、行政セクターへ働きかけるイノベーターを目指しているので、
    ギデンズとベックの関係などが面白かった。

    第6章で論じられている「再帰性の拡大」がキーワードだと思った。

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    2020年04月03日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    時代感覚が秀逸で、具体的かつ明快だ。すばらしい。
    この明快さは他で見たことがない。

    Ⅰ.世代ごとの社会構造、政治、社会運動、思想の考察
    終戦時20歳のヒトは現在87歳 戦争の生々しい記憶は遠のく
    →平和の思想
    1945 終戦(貧しい第一の戦後、ベビーブーマー誕生)
    →急に豊かになった後ろめたさ(マイノリティ)

    1955 55年体制(高度経済成長、豊かな第二の戦後)
    安保、自民党ー社会党体制、豊かな人間の社会運動
    (塩辛いサヨク)
    →記号論、リアリティ、公、豊かさの仲での価値

    1970 バブル崩壊前 細かい社会運動(甘いサヨク)
    団塊ジュニア誕生
    →悪くなったことへの不満、戦争がおこればい

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    2012年07月27日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    ネタバレ

    うわーうーあー。
    ありがとうございます、小熊さん!って
    やっぱり言いたくなる本でした。

    現在まで日本で言われてきた歴史・思想・出来事について、
    広い視点で
    「いろいろあれこれ言ってるけど、
    こういう理由でこうなっただけだよね?」
    と整理された内容とわかりやすい例えでポンポン言われて、
    「はあ…そうですよね。それだけのことで…そうですよね。
    なんで今まで、あんなこんがらがった話になってたんでしょ…」
    みたいな反応になってしまう連続というか。

    とにかく視界がすっきりくっきりぶわーっと
    広がる気持ちよさったら!

    どんどん追加されるNEW視点。
    追加されまくりでこっちが全然追いつかなくて、軽いパ

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    2011年11月27日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    小熊英二ワールドをいろんなインタビュアーによって味見できる、そんな本でした。
    菅間正道さんは俺の師匠。
    いい質問繰り出してたぜ。

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    2011年07月07日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    「今」という時代の整理、
    「自分の頭」の中の整理、
    には
    小熊英二さんは
    ぴったりです。

    あふれる程の情報が氾濫する中で
    一つの羅針盤として
    読ませてもらっています。

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    2012年08月11日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    民主と愛国の著者小熊英二さんの新刊。歴史の捉え方、考え方について非常に示唆の富む本でした。歴史の忘却は避けられない。ではその時われわれはどうすれはよいのか。いやはや。難しいです。

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    2011年04月30日
  • 社会を変えるには

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    日本近代史、社会活動史の振り返りから入り、民主主義の歴史、哲学史を概説。その上で、現代の社会課題に対するには、組織に縛られず個人が自由になり、個々人の社会の位置付けが流動的な現代に合わせ、柔軟で流動的な活動が必要なのではとヒントを提示する。2012年の作品で、東日本大震災後の反原発のデモの活況を反映した内容となっている。様々な切り口で社会活動を考える基礎を教えてくれるという意味では、社会学の基本書というだけでなく、一般向けにも参考になる内容だと感じる。

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    2025年11月22日