小熊英二のレビュー一覧
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慶応義塾大学教授の小熊英二氏が、自らの父親である小熊謙二氏から聞き取った戦前・戦中・戦後の体験を記録した本です。当時の人々の暮らしや考え方などが誇張されることなく淡々と描かれています。「現実は映画や小説と違う」(p172)という謙二氏の言葉どおり、それらはあまり劇的ではないけれど、事実ということの重みを感じさせます。
謙二氏が六〇歳を過ぎてから社会運動といえるものに関わり始めたことには、さすがに「社会を変えるには」の著者である英二氏の父親だと思いました。
社会問題に対する謙二氏の言葉には、どきりとさせられるものがありました。
「現実の世の中の問題は、二者択一ではない。そんな考え方は、 -
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俺の立場は反中央である。
就活の結果、東京からはじき出されたという思いが今でも残り、地方生活が長くなった今となっては人口集中した東京の機能不全が目について仕方がない。
地方から人口を吸いあげた上に、都民ファーストと称する傲慢さは都民に自覚がないのだろうか。
ところでなのだが、保育園不足による待機児童の問題は、俺が持つ市民感覚からは完全に外れている。
知人の話では、児童数の減少により保育園の経営が成り立たなくなり廃業が増えていて、遠くの保育園までの送り迎えが大変だという。
こちらのほうが正しいと思う。
待機児童の問題と俺の市民感覚のギャップが何かと考えると、つまりは保育園不足は東 -
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どんなに平凡に見える人にもそれぞれの人生があり、社会や時代といった背景を舞台にして語られる時、それは個人を超えた同時代のドラマにもなる。NHKにファミリーヒストリーという出演者の知られざるルーツをたどる番組があるが、これは父兼二の人生を中心に語られた社会学者小熊英二自身のファミリーヒストリーでもある。
以前、辺見じゅん著「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を読みシベリア抑留の一端に触れ、過酷な環境を生き抜いた日本人捕虜の姿に感銘を受けた記憶があるが、今回この著書を通じてソ連全土に散らばった収容所ごとに環境は異なり、そこでの処遇も過酷さの中にも程度の差がかなりあったことを知った。歴史の多様性と複 -
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社会構造の変化とともに、社会運動がどのように変化していったのか。知らない情報も多く、面白かった。特に、古代ギリシアからひもとき、哲学、科学、そして20世紀の近代の行き詰まりまでを広く追いながら説明していく。ただ、説明が冗長な部分も多かった。また一番最後の章で、社会を変えていくにはどのような「戦略」が必要なのかを、社会運動における資源動員論を始め、様々な理論的研究も紹介しているが、戦略としては弱いのではないかと思った。民主主義の可能性を信じて疑わないその主張に共感できる部分も多いが、2016年現在の状況を見ていると、そんなに楽観視できないのではないかとも思う。2012年に出版されているので、それ
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戦争の様子を、戦時だけでなくその前後、現代に致までひとりの目を通して語られる自伝。当時の生活がありありと描かれており、重要な資料だと思う。普段、読書しながら気になるところは書き留めて置くのだが、箇所が今までに無く多く、色々な学びが有ったと感じる。
【学び】
戦前は親が「日雇い」「月給取り」かで生活様式が大分違った。
シベリアでの話。空腹時は、配給の雑炊を公平かで争い。
最初の冬は飢えと寒さとの闘い
二年目は共産主義思想に基づきお互いを凶弾
その中でも、人間的な扱いをしてくれる点ではソ連軍は日本軍よりまし
移動を頻繁にすると収容されている人達は団結出来ない。これは管理の常套手段
日本は -
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安保法案を可決させないためのデモを見ていて、そういやこんな本を買っていたなと読み始めました。
デモのことも扱われていますが、ロビイングや選挙のことなど多岐にわたり「社会を変えるには」どうしたらいいのか書いてあります。
今の俺の状況からすれば安保なんかより生活をなんとかしてほしいと思う方が強いですが、もっとみんな色々関心を持っていかなければ社会なんて変わらないだろうなってのが感想です。
あとデモの効果をどちらかと言うと冷ややかに見てましたが、冷ややかに見ていた理由もわかりました。
まぁこの先もデモに参加することはないだろうなぁ。
さてまずは生活をなんとかしなくては… -
Posted by ブクログ
社会運動の歴史をなぞり,その目的と問題点とを明らかにした上で民主主義の沿革を論じ,デモに代表される社会運動を肯定的に評価した本。
人口規模からすれば議会制民主制を採用することはやむを得ないが,デモに代表される直接民主主義的行動による刺激が必要不可欠であるとする。
また,タウンミーティングのような熟議民主主義にも好意的。
社会のとらえ方はウルリッヒ・ベックの『リスク社会』に,解決方法は,アンソニー・ギデンズの『第三の道』に依拠。
最終章は社会運動の理念から具体的戦略まで論じる。
デモを楽しむことを勧める部分は,一見,手段の目的化を肯定しているようにも思われるが,その真意は,参加者が,「個人」を超