小熊英二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
確かに、昔のように『資本家』と『労働者』等のように単純なカテゴリーの分類が出来なくなっている。それなのに民進党は未だに「連合」なるものの影響下にある。古い枠組みの中で活動する組織では、社会を変えることは不可能だろう。
右翼・安倍の言いなり自民党に変わりうる政党には程遠い。
しかし対岸の米国では、一人の大統領で社会が大きく変わろうとしている。しかも人種差別主義者で自国第一主義者という、アメリカの矜持を捨て去った人間により。
なんだか世界が全て自国第一主義に変わり始めている。英國のユーロ離脱、ロシアのクリミア併合、中国の海洋進出、そして今回のトランプショック。
社会を変えると言っても、悪い方向にな -
Posted by ブクログ
戦後日本の社会運動の歴史を振り返るとともに、自由で多様なポスト工業化社会においては従来の社会運動を理解するためのカテゴリーが無効となったことなどが、西洋の政治思想における自由主義と民主主義の歴史にも言及しつつ、わかりやすく解説されています。ただし本書は、単に分かりやすい解説書というだけではありません。じっさいに声をあげ、社会を変えていくための具体的な戦術についても、ある程度説明されています。
著者の本はどれも分厚いのですが、新書なのに本書も500ページ超というヴォリュームです。分厚いだけに多くのテーマがあつかわれているのですが、概説としてもちょっと不十分な印象です。とくにフッサールの現象学か -
Posted by ブクログ
約10年前の時評集、政治学者でなく社会学者の分析がユニークで説得力!。「新しい歴史教科書をつくる会」が広く支持されていったのは、「エピソード混じりで物語として楽しく教えたい」という現場のニーズに合っているというのはその通りだと思うのだが・・・。なぜサヨクが心をつかめないのかと繋がる。1955年頃までは保守が護憲、革新が憲法反対・改正の立場だったのが、逆転して現在に至るとの謎解き説明がそうだったのか!と実に興味深い。ラズロ氏の国民と住民と市民の定義が出てくる。市民とは「特定の地域において政治に参加できる者」とは考えさせられる。北方領土が日本に返還された場合のロシア系日本人にどう対応するかを考えて
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Posted by ブクログ
「新書大賞2013」を受賞した作品。だけどそこまでよい作品とも思えなかった。なぜなら、あまりにも理想論、建前論に寄りすぎているからだ。内容は大半が社会運動史の概説に近く、理論的なことをダラダラと述べているだけの部分も多い。歴史や方法を知ることが社会を変えることの第1歩なのはそのとおりかもしれないが、しかしいくら高邁な理想を掲げていても、できうるかぎりの方策を講じてみても、じっさいには限界があってなかなか社会は変えられないのである。その好例が、著者がたびたび言及している原発問題だろう。あの事故いらいスッカリ日本じゅうに原発を嫌悪するムードが漂い、世論調査においてもつねに反対派が多数派を占めるよう