小熊英二のレビュー一覧

  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

    Posted by ブクログ

     慶応義塾大学教授の小熊英二氏が、自らの父親である小熊謙二氏から聞き取った戦前・戦中・戦後の体験を記録した本です。当時の人々の暮らしや考え方などが誇張されることなく淡々と描かれています。「現実は映画や小説と違う」(p172)という謙二氏の言葉どおり、それらはあまり劇的ではないけれど、事実ということの重みを感じさせます。

     謙二氏が六〇歳を過ぎてから社会運動といえるものに関わり始めたことには、さすがに「社会を変えるには」の著者である英二氏の父親だと思いました。

     社会問題に対する謙二氏の言葉には、どきりとさせられるものがありました。
    「現実の世の中の問題は、二者択一ではない。そんな考え方は、

    0
    2017年08月06日
  • 私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集

    Posted by ブクログ

     俺の立場は反中央である。
     就活の結果、東京からはじき出されたという思いが今でも残り、地方生活が長くなった今となっては人口集中した東京の機能不全が目について仕方がない。
     地方から人口を吸いあげた上に、都民ファーストと称する傲慢さは都民に自覚がないのだろうか。

     ところでなのだが、保育園不足による待機児童の問題は、俺が持つ市民感覚からは完全に外れている。
     知人の話では、児童数の減少により保育園の経営が成り立たなくなり廃業が増えていて、遠くの保育園までの送り迎えが大変だという。
     こちらのほうが正しいと思う。
     待機児童の問題と俺の市民感覚のギャップが何かと考えると、つまりは保育園不足は東

    0
    2017年04月21日
  • 社会を変えるには

    Posted by ブクログ

    勿論、「社会を変える方法」というタイトルでも、マニュアル本のような「方法」が載っているわけではありません。「変えるきっかけになる」と著者が考えた本や事例などが色々と載っています。通常の新書の倍くらいの厚さがあります。
    特に4章からのギリシャ時代からルネッサンス、産業革命を経て現在の「再帰的時代」まで、議会制民主主義に至った解説は面白いです。事例の1つ「べ平連」の信条「組織ではなく運動である」は個人的に心に響きました。

    0
    2017年03月19日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

    Posted by ブクログ

    どんなに平凡に見える人にもそれぞれの人生があり、社会や時代といった背景を舞台にして語られる時、それは個人を超えた同時代のドラマにもなる。NHKにファミリーヒストリーという出演者の知られざるルーツをたどる番組があるが、これは父兼二の人生を中心に語られた社会学者小熊英二自身のファミリーヒストリーでもある。

    以前、辺見じゅん著「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を読みシベリア抑留の一端に触れ、過酷な環境を生き抜いた日本人捕虜の姿に感銘を受けた記憶があるが、今回この著書を通じてソ連全土に散らばった収容所ごとに環境は異なり、そこでの処遇も過酷さの中にも程度の差がかなりあったことを知った。歴史の多様性と複

    0
    2016年10月30日
  • 私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    新聞は時間的制約があって自分の関心の強い分野しかじっくり読まないので、このように論点がまとめられているのはありがたい。いま日本の社会でどのようなことが起こっていて、なにが大きな問題になり、政府や各種行政機関やあるいは市民団体や地域のコミュニティはどのように対応しているのかが分かってくる。大事なことは「お上」に丸投げしないことなのです。わたしたちひとりひとりが、もっと政治や社会にコミットしていかなくてはならないのですが、分かっていてもなかなか十分にはいかないのが現状でしょうか。

    0
    2016年09月10日
  • 社会を変えるには

    Posted by ブクログ

    社会構造の変化とともに、社会運動がどのように変化していったのか。知らない情報も多く、面白かった。特に、古代ギリシアからひもとき、哲学、科学、そして20世紀の近代の行き詰まりまでを広く追いながら説明していく。ただ、説明が冗長な部分も多かった。また一番最後の章で、社会を変えていくにはどのような「戦略」が必要なのかを、社会運動における資源動員論を始め、様々な理論的研究も紹介しているが、戦略としては弱いのではないかと思った。民主主義の可能性を信じて疑わないその主張に共感できる部分も多いが、2016年現在の状況を見ていると、そんなに楽観視できないのではないかとも思う。2012年に出版されているので、それ

    0
    2016年07月16日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

    Posted by ブクログ

    ソ連の捕虜になって「生きて帰ってきた男」の体験記なんだけど、その戦前と戦後の生活をその社会情勢とを交えてよくわかる。
    あまりにも淡々としていて、これがリアルなのか…
    抑留と結核療養の思うままにならない期間を経て、食べていくためにさまざまな仕事をし、裁判や運動に係わっていく。
    謙二にとっては下の下で生きてきたという一貫した姿勢。特別才能と幸運に恵まれていると思うが。
    多摩に住む私には身近に感じる部分も多くあり、自分の記憶する事柄なども微かに思い出され、戦後は終わっていないという人も未だにいるのが腑におちた。

    0
    2016年06月22日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

    Posted by ブクログ

    戦争の様子を、戦時だけでなくその前後、現代に致までひとりの目を通して語られる自伝。当時の生活がありありと描かれており、重要な資料だと思う。普段、読書しながら気になるところは書き留めて置くのだが、箇所が今までに無く多く、色々な学びが有ったと感じる。

    【学び】
    戦前は親が「日雇い」「月給取り」かで生活様式が大分違った。

    シベリアでの話。空腹時は、配給の雑炊を公平かで争い。
    最初の冬は飢えと寒さとの闘い
    二年目は共産主義思想に基づきお互いを凶弾

    その中でも、人間的な扱いをしてくれる点ではソ連軍は日本軍よりまし

    移動を頻繁にすると収容されている人達は団結出来ない。これは管理の常套手段

    日本は

    0
    2016年06月16日
  • 社会を変えるには

    Posted by ブクログ

    すっごい読みやすい。

    オレが求めてきたもの、たとえば、ビートニクス、ヒッピー、アシッド革命、キング牧師、マルコムX、ブラックパンサー党、フラワーチルドレン、反ベトナム戦争、反イラク戦争、アンベードカル、オルタナティヴ、ラヴパレード、個人情報保護法反対デモ、反原発デモ、ウォールストリート占領、暗号通過、ウィキリークス、サイファーパンクス・・・・・。

    要するに、オレは、社会を変革できる理論と実践を、いつも探してきた。

    0
    2017年02月19日
  • 社会を変えるには

    Posted by ブクログ

    近代日本社会の構造が分かりやすく書かれている教科書的な本。
    全517ページで通常の新書二冊分くらい。結構なボリュームがある。気になる章から読んでもいいと思う。

    以下メモ。
    「革新者と初期採用者の合計である16パーセントを突破すると、爆発的に普及がおこるという」(p.454)
    「社会を変えるには、あなたが変わること。あなたが変わるには、あなたが動くこと」(p.502)

    0
    2016年03月28日
  • 社会を変えるには

    Posted by ブクログ

    安保法案を可決させないためのデモを見ていて、そういやこんな本を買っていたなと読み始めました。
    デモのことも扱われていますが、ロビイングや選挙のことなど多岐にわたり「社会を変えるには」どうしたらいいのか書いてあります。
    今の俺の状況からすれば安保なんかより生活をなんとかしてほしいと思う方が強いですが、もっとみんな色々関心を持っていかなければ社会なんて変わらないだろうなってのが感想です。
    あとデモの効果をどちらかと言うと冷ややかに見てましたが、冷ややかに見ていた理由もわかりました。
    まぁこの先もデモに参加することはないだろうなぁ。
    さてまずは生活をなんとかしなくては…

    0
    2015年09月18日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

    Posted by ブクログ

    小熊英二氏の時評集。どれも短編なので、読み応えはあまりないが、その分小熊氏のいろんな考察をつまみ食いできると思えばなかなか良い本である。

    0
    2015年08月22日
  • 社会を変えるには

    Posted by ブクログ

    社会運動の歴史をなぞり,その目的と問題点とを明らかにした上で民主主義の沿革を論じ,デモに代表される社会運動を肯定的に評価した本。
    人口規模からすれば議会制民主制を採用することはやむを得ないが,デモに代表される直接民主主義的行動による刺激が必要不可欠であるとする。
    また,タウンミーティングのような熟議民主主義にも好意的。
    社会のとらえ方はウルリッヒ・ベックの『リスク社会』に,解決方法は,アンソニー・ギデンズの『第三の道』に依拠。
    最終章は社会運動の理念から具体的戦略まで論じる。
    デモを楽しむことを勧める部分は,一見,手段の目的化を肯定しているようにも思われるが,その真意は,参加者が,「個人」を超

    0
    2015年10月24日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

    Posted by ブクログ

    なるほどなあと感心したのが、もし北方四島が日本の統治下に入った時、そこの住民が「ロシア系日本人」として日本に編入することに繋がることによって様々な問題が発生することを指摘した事でした。無知な私は、北方領土といえば豊かな漁場や海底資源が眠っているかもしれないといったことにしか関心がいきませんでした。小熊氏は歴史や社会を研究しているのですが、そこにはそれぞれの時代に生きる人間への温かいまなざしが注がれていることを、私はこの時評集を通して実感しました。

    0
    2012年05月29日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

    Posted by ブクログ

    小熊英二氏の新聞/雑誌等に寄稿したものや講演録等の盛り合わせ。右派ポピュリズムの勃興の整理や、現行の歴史教育の限界の指摘もまとまっている。「日本の近代現代社会を問い直すツール」としての歴史教育は魅力的なのだが、制度や実施するために必要なリソースなどはどうなるのだろうか。

    0
    2011年04月28日
  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

    Posted by ブクログ

    働き方や会社の所属について考える上で非常に面白かった一冊。自分自身、会社に所属しながら、サラリーマンの不自由さを感じるが、そもそも日本に於いて会社とは何か、なぜ今こういう制度のもとにいるのか…を考えるきっかけになった。

    0
    2025年09月06日
  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

    Posted by ブクログ

    数字とか出典が多くて読むのは容易ではなかった。しかし、歴史や背景について詳細な説明があり、なぜ今の日本社会の仕組み、特に仕事や企業において、いかに形成されたか書いてあり面白かった。

    0
    2025年06月06日
  • 社会を変えるには

    Posted by ブクログ

    社会を変えるには
    2025.4.11

    the大学教授の講義って感じの本。
    私が動いたところで•・・・と考えるのはもう古い。デモをして何が変わるのだ?ではなく、デモをしてデモができる団体ができるのだ!という考え方に転換して重きを置くべきである。
    人は想像以上に相互に影響を与えているから、まず行動することは大事だと実感した。
    特にやりたいことは責任のない若いうちにやれ!は正しいに違いない。今を精一杯に生きようと勇気づけられた。

    0
    2025年05月03日
  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

    Posted by ブクログ

    「働けば報われる」──かつての日本社会を支えた信念だ。企業は終身雇用を掲げ学校は均一な教育を行い福祉は家族の中でまかなわれてきた。誰がその恩恵を受け誰が取り残されたのか。高度経済成長の裏にあった排除と抑圧を見逃してはならない。時代は変わり非正規雇用や教育格差、孤立する高齢者が増えるいまモデルはすでに限界を迎えている。だがそれは嘆くための材料ではない。社会のしくみはつくられたものならばつくり直すこともできる。過去を見つめることはよりよい未来への第一歩となる。

    0
    2025年04月10日
  • 基礎からわかる 論文の書き方

    Posted by ブクログ

    いわゆる文系的なテーマ論文ってどう書くのか?を知りたくて読み始めました。あまりその辺は理解できなかったものの、パラグラフライティングなど参考になる所は多かったです

    0
    2024年07月07日