小熊英二のレビュー一覧

  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    読む前は一時期話題となったフィリピンの密林から帰ってきた日本兵の話と思っていたが、本書はシベリア抑留から帰還した方の話だった。

    私の母方の祖父もシベリア抑留からの生還者であったが、今まで全く知らずに生きてきた。本書を通じてその経験者の生の体験を知ることができ、その過酷さや当時の背景を知ることができた。特に終戦時に関東軍が労務の提供を申し出ていたというのは驚愕したし、憤りを感じた。

    また、帰還後の生活にも多くの紙数を割いており、あまり知ることの無い庶民の戦後の生活を知ることができる。韓国人や台湾人なども強制的に日本兵として動員していたという事実も重い。昨今の軽々と在日排斥を叫ぶ人達はどのくら

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    2017年02月25日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    「五色の虹」「模範郷」と立て続けに個人的な話の本を読んで来ました。どれも興味深い本でした。この本は、戦中に特別な地位や役割があった者ではない、表現の能力に長けている作家でもない、著者の父親の戦中・戦後の話の聞き取りという点で個性のある本でした。戦後、著者の父親が戦中のことが書かれた本を読むものの個人的な体験を語る本には違和感を覚えることが多い様子が伺えました。だれが、どんな立場で、どこで、どのように、なにを思って敗戦を迎えたかは千差万別で、歴史の上で、ひとつの出来事でもひとつの思いでもあり得なかった。このような本は脈々と繋がる現在を考えるときに無視出来ない内容であると思いました。

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    2016年06月19日
  • 社会を変えるには

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    現象学に基づく立場、構築主義
    人が動くことによって社会が変わらないということはむしろ不可能。
    なるほどその通り。
    結構アジられて、かつ社会運動史、思想史の概説もしてくれる。

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    2015年10月31日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    大学生が学生運動に傾倒するまでの流れが長年の疑問でした。

     この本は、学問気取りの文章ではなく、とてもわかりやすく社会の状況を解説しています。

     北方領土問題に関する記述は秀逸です。

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    2013年12月24日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    自分とは反対の立場からもちゃんと眺めて冷静に考える平等な物言いが好き。とても勉強になったしおもしろかった。

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    2013年11月22日
  • 社会を変えるには

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    「新書大賞2013 第1位」の話題作なので、もともと興味のある分野ではないが手にとってみた。

    3.11以後、脱原発のデモが広まったが、果たしてデモは社会を変えるに当たって最善の方法なのか。そもそも社会を変えるとはどういうことか。

    まずこれまでの世界の変遷(思想・哲学・政治において)を振り返る。

    正直言って消化不良で理解が不十分なので何度か読み返そうとは思うが、著者の「社会を変えよう」という気迫が感じられる大作であった。


    ―私の思いつくかぎりでは、答えは一つしかないようです。みんなが共通して抱いている「自分はないがしろにされている」という感覚を足場に、動きをおこす。
    そこから対話と参加

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    2017年10月13日
  • 社会を変えるには

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    分厚い新書であるが、とてもエキサイティング。
    個人的な志向性としては、行政セクターへ働きかけるイノベーターを目指しているので、
    ギデンズとベックの関係などが面白かった。

    第6章で論じられている「再帰性の拡大」がキーワードだと思った。

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    2020年04月03日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    時代感覚が秀逸で、具体的かつ明快だ。すばらしい。
    この明快さは他で見たことがない。

    Ⅰ.世代ごとの社会構造、政治、社会運動、思想の考察
    終戦時20歳のヒトは現在87歳 戦争の生々しい記憶は遠のく
    →平和の思想
    1945 終戦(貧しい第一の戦後、ベビーブーマー誕生)
    →急に豊かになった後ろめたさ(マイノリティ)

    1955 55年体制(高度経済成長、豊かな第二の戦後)
    安保、自民党ー社会党体制、豊かな人間の社会運動
    (塩辛いサヨク)
    →記号論、リアリティ、公、豊かさの仲での価値

    1970 バブル崩壊前 細かい社会運動(甘いサヨク)
    団塊ジュニア誕生
    →悪くなったことへの不満、戦争がおこればい

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    2012年07月27日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    ネタバレ

    うわーうーあー。
    ありがとうございます、小熊さん!って
    やっぱり言いたくなる本でした。

    現在まで日本で言われてきた歴史・思想・出来事について、
    広い視点で
    「いろいろあれこれ言ってるけど、
    こういう理由でこうなっただけだよね?」
    と整理された内容とわかりやすい例えでポンポン言われて、
    「はあ…そうですよね。それだけのことで…そうですよね。
    なんで今まで、あんなこんがらがった話になってたんでしょ…」
    みたいな反応になってしまう連続というか。

    とにかく視界がすっきりくっきりぶわーっと
    広がる気持ちよさったら!

    どんどん追加されるNEW視点。
    追加されまくりでこっちが全然追いつかなくて、軽いパ

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    2011年11月27日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    小熊英二ワールドをいろんなインタビュアーによって味見できる、そんな本でした。
    菅間正道さんは俺の師匠。
    いい質問繰り出してたぜ。

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    2011年07月07日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    「今」という時代の整理、
    「自分の頭」の中の整理、
    には
    小熊英二さんは
    ぴったりです。

    あふれる程の情報が氾濫する中で
    一つの羅針盤として
    読ませてもらっています。

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    2012年08月11日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    民主と愛国の著者小熊英二さんの新刊。歴史の捉え方、考え方について非常に示唆の富む本でした。歴史の忘却は避けられない。ではその時われわれはどうすれはよいのか。いやはや。難しいです。

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    2011年04月30日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    オーラルヒストリーであり、著者の家族の話である。こうした身近な人間の体験記に極めて重要な価値があると思う。私自身、親族から聞いた戦時中の話から、右傾化しそうな思考に別の視点を与えられた経験がある。それは戦前には確かに朝鮮人を虐めていた人がいたというもので、本書にも通底する話だった。

    自虐史観からの脱却は重要だが、反感を持たれる理由を忘れてはならない。虐殺の数がウソだからといって虐殺した側が、偉そうに相手を見下すような発言をするのは何か違うのではないか。相互に詭弁を弄し合う中で対立し合う構図は、まるで認知領域の領土問題でもある。

    本書の語りは、例えば、水道は10世帯の共用水道で、持ち回り当番

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    2025年12月26日
  • 社会を変えるには

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    日本近代史、社会活動史の振り返りから入り、民主主義の歴史、哲学史を概説。その上で、現代の社会課題に対するには、組織に縛られず個人が自由になり、個々人の社会の位置付けが流動的な現代に合わせ、柔軟で流動的な活動が必要なのではとヒントを提示する。2012年の作品で、東日本大震災後の反原発のデモの活況を反映した内容となっている。様々な切り口で社会活動を考える基礎を教えてくれるという意味では、社会学の基本書というだけでなく、一般向けにも参考になる内容だと感じる。

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    2025年11月22日
  • 基礎からわかる 論文の書き方

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    ネタバレ

    ・IMRAD(72)
     ①導入 Introduction
     ②資料(対象)と方法 Materials & Methods
     ③結果 Result
     ④考察 Discussion
     ※素材を実験・調査した経緯や結果を書くのに適した形式(79)
    ・主題の設定(136)
     ①答えの出る問いを立てる(主題を問いのかたちで立てる)
     ②手に負える問いを立てる(具体的に調べられる対象から問いを探究する)
     ③データアクセスのある対象を選ぶ(自分が調査可能な対象を設定する)
    ・論文の審査ポイント(431)
     ①主題、対象、方法が設定されており、お互いに整合しているか。
     ②既存の先行研究や学問体系と

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    2025年09月02日
  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

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    よく海外サービスを日本に輸入して広がっている場面を見るが、採用や組織などいわゆる人事関連サービスは日本ならではの特殊な市場があると感じている。例えば、海外でよく使われる転職ツールはLinkedinだし、候補者も自ら応募して転職に踏み切るケースが多い。一方で日本はエージェントからの紹介やスカウトからの応募などどちらかというと受け身的な転職活動が多く、直近は新卒市場でも同様の傾向が見られるまでになりつつある。

    上記のような状況を事実として受け入れつつも内心「なんでそんなことになっているんだろう?」と理解しきれていなかったが、本書を読んだことでその疑問が多少なりともクリアになった感覚がある。人や組

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    2025年02月22日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    知らない論者も多いのだが,なかなか良い企画だったと思う。
    個人的に自由に最高の価値を置いているつもりなのだが,そもそも自由とは何か,きちんと考える必要がある。自由でないから自由という概念が必要となるという指摘はそのとおりだし,自由と秩序の関係も深める必要がある。
    学術会議の問題は解決されないまま世間からは忘れられてその動きは目的を達しようとしている。カネは出すけど口は出さないなんて器量をこの国に望むのはもう無理なのかもしれない。

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    2024年10月14日
  • 社会を変えるには

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    小熊英二(1962年~)氏は、東大農学部卒、岩波書店勤務、東大大学院総合文化研究科博士課程修了、慶大総合政策学部専任講師・助教授を経て、同教授。専攻は歴史社会学、相関社会科学。『社会を変えるには』は新書大賞(2013年)を受賞。その他、サントリー学芸賞、毎日出版文化賞、小林秀雄賞等を受賞。
    本書は、20世紀に入り、社会を変えたい、と思いながら、実際には変えられると思えない、或いは、そもそもどうしたら「社会を変える」ことになるのかわからない人が増える中で、「社会を変える」とはどういうことなのかを、歴史的、社会構造的、思想的に説いたものである。
    具体的には、日本社会の現状(第1章)、社会の変化につ

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    2024年02月05日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    今、私が自由だと思っているものは本当に自由なのだろうかと考えた。秩序はたしかに大事だけれど秩序以上に大事なものを蔑ろにしていないか。
    国は私を守ってくれるが同時に傷付けも見捨てもする。安易にぬるま湯に浸かっていることの危険性。
    これから先の時間を生きる人が傷付き見捨てられないように今を大事にしようと改めて感じた。

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    2024年01月29日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    ・いわゆる学徒兵や将校など、中産層ではなく、都市下層の商業者という「庶民」の視点から、淡々と当時のシベリア抑留を起点とした戦争体験が描かれている。
    過剰かつ感傷的な表現が少なく、全体がとても読みやすい文章で描かれており、当時の日本軍や戦争に対するある意味「冷めた」感情もまた、当時のリアルの一側面なのだろうと感じた。
    ・時代を経ていくごとにいわゆる高度経済成長の波に乗り変化する筆者の生活に、
    当時の社会全体の「希望」を感じた。
    ・・その延長線上にある現代日本は若者が「希望」を持てる国になっているか?果たして信義をもって人権を尊重する国になっているだろうか。
    そんな疑問を持ちつつ、読み終えた。

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    2023年07月01日