小熊英二のレビュー一覧
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ネタバレ・IMRAD(72)
①導入 Introduction
②資料(対象)と方法 Materials & Methods
③結果 Result
④考察 Discussion
※素材を実験・調査した経緯や結果を書くのに適した形式(79)
・主題の設定(136)
①答えの出る問いを立てる(主題を問いのかたちで立てる)
②手に負える問いを立てる(具体的に調べられる対象から問いを探究する)
③データアクセスのある対象を選ぶ(自分が調査可能な対象を設定する)
・論文の審査ポイント(431)
①主題、対象、方法が設定されており、お互いに整合しているか。
②既存の先行研究や学問体系と -
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よく海外サービスを日本に輸入して広がっている場面を見るが、採用や組織などいわゆる人事関連サービスは日本ならではの特殊な市場があると感じている。例えば、海外でよく使われる転職ツールはLinkedinだし、候補者も自ら応募して転職に踏み切るケースが多い。一方で日本はエージェントからの紹介やスカウトからの応募などどちらかというと受け身的な転職活動が多く、直近は新卒市場でも同様の傾向が見られるまでになりつつある。
上記のような状況を事実として受け入れつつも内心「なんでそんなことになっているんだろう?」と理解しきれていなかったが、本書を読んだことでその疑問が多少なりともクリアになった感覚がある。人や組 -
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小熊英二(1962年~)氏は、東大農学部卒、岩波書店勤務、東大大学院総合文化研究科博士課程修了、慶大総合政策学部専任講師・助教授を経て、同教授。専攻は歴史社会学、相関社会科学。『社会を変えるには』は新書大賞(2013年)を受賞。その他、サントリー学芸賞、毎日出版文化賞、小林秀雄賞等を受賞。
本書は、20世紀に入り、社会を変えたい、と思いながら、実際には変えられると思えない、或いは、そもそもどうしたら「社会を変える」ことになるのかわからない人が増える中で、「社会を変える」とはどういうことなのかを、歴史的、社会構造的、思想的に説いたものである。
具体的には、日本社会の現状(第1章)、社会の変化につ -
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本書の目的は、運動を敬遠している、あるいは忌避感を抱いている人たちに、運動の魅力を伝え、運動をしてみようかなと思わせることである。最初に反原発運動こそがあらゆる運動が開花する肝である(となりえる)ことを主張し、その後なぜ過去の日本の左翼運動が破綻したのかをわかりやすく解説し、議会制民主主義に囚われることなく、運動によってこそ社会が変えられることを力説している。後半ではいろいろな社会変革理論をとりあげているが、著者が言うように、本書は運動の正解を示すようなものではなく、むしろ議論の叩き台となるようなものである。あくまでも本書は運動を行おうという人のための導きの糸に過ぎない。したがって、本書の評
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COURRIER JAPON
著名人の本棚
篠田真貴子さんの推薦図書より
「歴史的経緯とは、必然によって限定された、偶然の蓄積である」
本の終わりに差し掛かるところで、印象的な一文に出会った。
社会のしくみは何によって作り上げられてきたのか。
また、どうやって変えていけるのか。
私は、どんな風に変えていきたいのか。
流れゆく時間の中で、いまの世の中の必然性から慣習が生まれていく。
それは合意形成を経て恣意的に作られたものだ。
本書は日本の雇用環境のみならず、広く、福祉や教育、格差や差別、戦争や軍隊の影響や、人々の潜在的な意識、アイデンティティに至るまで、あらゆる面から日本社会が考察され -
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卒論は徒手空拳で望んだ様なものだったが、その頃にこの本を読んでいたら(20年も前の話なので不可能だが)、もう少ししっかりした卒論になっていたと思う。
本書の内容は仕事にも充分生かせると思う。提案書や稟議書、報告書に反映させる事が可能。
本文には「論文を書くことは人間の不完全さに気づくこと」とある。一生涯を論文(研究)に捧げた研究者は、人間(自分)の不完全さに真正面に向き合い続けた人なのかな、と感じた。
著者の著作は注が膨大な事が1つの特徴だが、本文中の「注記と要約」を読むとそれも納得出来る。
今後の著者の本を読む上でのガイドブックともなる一冊。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて -
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ネタバレ今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。
気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる -
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一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -
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