小熊英二のレビュー一覧

  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    小熊謙二の生涯の軌跡をたどっていくことで戦前から戦中、そして戦後の日本の姿を描いている。著者の小熊英二(謙二の息子)があとがきで書いているように、本書が他の戦争体験記と異なるのは次の二点。
    ・戦時のみならず戦前と戦後の生活史がカバーされている点
    ・個人的な体験記に社会科学的な視点がつけ加えられている点
    本書は戦争というものが国だけではなく個人の人生をいかに破壊するかを物語っている。たとえば、謙二が戦前のように水道とガスのある生活に手に入れたのは1959年のことである。終戦から考えても15年近くの歳月を要しているのである。戦争とはかくも悲惨なものであるということは肝に銘じておく必要があるだろう。また、本書の主人公、小熊謙二の「ものを見る目」の鋭さにも注目して読むと面白い。

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    2017年05月27日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    読む前は一時期話題となったフィリピンの密林から帰ってきた日本兵の話と思っていたが、本書はシベリア抑留から帰還した方の話だった。

    私の母方の祖父もシベリア抑留からの生還者であったが、今まで全く知らずに生きてきた。本書を通じてその経験者の生の体験を知ることができ、その過酷さや当時の背景を知ることができた。特に終戦時に関東軍が労務の提供を申し出ていたというのは驚愕したし、憤りを感じた。

    また、帰還後の生活にも多くの紙数を割いており、あまり知ることの無い庶民の戦後の生活を知ることができる。韓国人や台湾人なども強制的に日本兵として動員していたという事実も重い。昨今の軽々と在日排斥を叫ぶ人達はどのくらいこの事実を知っているのだろう。

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    2017年02月25日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    「五色の虹」「模範郷」と立て続けに個人的な話の本を読んで来ました。どれも興味深い本でした。この本は、戦中に特別な地位や役割があった者ではない、表現の能力に長けている作家でもない、著者の父親の戦中・戦後の話の聞き取りという点で個性のある本でした。戦後、著者の父親が戦中のことが書かれた本を読むものの個人的な体験を語る本には違和感を覚えることが多い様子が伺えました。だれが、どんな立場で、どこで、どのように、なにを思って敗戦を迎えたかは千差万別で、歴史の上で、ひとつの出来事でもひとつの思いでもあり得なかった。このような本は脈々と繋がる現在を考えるときに無視出来ない内容であると思いました。

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    2016年06月19日
  • 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後

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    400ページ弱、新書としては厚い方だろう。
    「生きて帰ってきた」というタイトルの通り、ひと言で言えば、シベリア抑留を体験して帰国した元日本兵の一生ということになるのだが、本書はそれだけには留まらない。
    地味な体裁、淡々とした語りの奥に、昭和初期以降の庶民の暮らしが詳細に活写されている。
    大上段に振りかぶらず、地に足がついた、そして激情に流されることのない、一市民の人物史である。

    主人公は著者の父。息子がインタビュアーとなって父の語りをまとめている。
    このお父さんという人は、学があった人ではないのだが、観察眼があり、記憶力にも抜きん出たものがある。加えて、冷静で、自分に酔うようなところがない。
    著者は歴史社会学者である。父の語りを補足する形で、その時々の政治状況、国際情勢の流れを解説する。
    主体は庶民の生活ぶりを詳細に捉える「虫の目」、ときに社会全体を眺め渡す「鳥の目」といったところである。

    父・謙二の生まれは大正14(1925)年、北海道常呂郡佐呂間村(現・佐呂間町)である。その父の雄次は新潟県の素封家に生まれたが、家が零落して半ば流れ者のようにして佐呂間の旅館に入り婿となった。やがて謙二の祖父母は旅館を手放し、東京に出てきて零細商店を営む。謙二もそこに引き取られることになる。

    故郷に確たる根を持たない、上流階級でも知識層でもない、「表」の歴史に残りにくい庶民史が非常に興味深い。
    昭和初期に各地に建設された公設市場。「月給取り」と「零細商店」の子供たちの間にあった見えない壁。娯楽としての紙芝居や映画。地方出身者が増えて以降、目立つようになった盆踊り。
    時代は戦争へと向かい、経済状況が悪化していく中、物資の流通が滞り、人々の暮らしにも影響が出てくる。そうした社会情勢と庶民の肌感覚が複眼的に昭和初期という時代を捉える。

    進学率が上がりつつあった時代にあり、中学への進学を果たす。しかしさほど向学心に燃えることもないまま卒業・就職。時代が時代ならばそのまま「サラリーマン」人生を送るところだったのだろうが、ここで召集。父の本籍地だった新潟に配属され、満州に送られる。初年兵としてこき使われるうちに終戦。
    このあたりの内側からの軍隊生活の描写も、一兵士の実感と観察眼が生きていて興味深い。いわく、軍隊生活ではとかく連帯責任が問われ、あるはずの備品が足りないと隊が罰せられるため、余所の隊からの盗みやごまかしが横行していたとか、「軍人勅諭」といったものを暗誦させられるが、大意を汲んでもダメで一字一句暗記していないと殴られる等。
    敗戦時、体をこわしていた謙二は部隊から切り離され、あぶれものの集まりとしてシベリア行きとなる。この際、命を落としたもの、辛くも日本に帰ったもの、シベリアに行ったもの、収容所で帰国を待った年数は、それぞれの境遇でさまざまだったが、ちょっとしたことが運命を分けたようである。

    シベリアでは極寒の地で厳しい収容所暮らしを送る。最初の冬は極限状態で、栄養失調から、人としての感情もなくすような日々だったという。その後は生活状態自体は徐々に改善されていくが、一方で「民主運動」が起こってくる。ソ連人に気に入られようという狙いもあってか、「アクチブ」と呼ばれる共産主義礼賛者が幅をきかせ始めるのだ。こうした運動に心底熱中していたものもいたが、冷静に距離を置いているものも多かった。

    先が見えないと思われた収容所生活だが、帰国できる日がやってきた。
    しかし、帰り着いて父の故郷・新潟を訪ねたが、極貧の暮らしで、食べるものも満足には食べられなかった。職を転々とするうち、戦中戦後の無理と栄養不足がたたり、謙二は結核になってしまう。当時、結核は非常に恐れられた病気で、特効薬も出てきてはいたが、貧しいものに行き渡るほどの供給はなかった。金がなかった謙二は病巣に冒された肺胞をつぶす、苛酷な外科手術を受ける。もう少し前であれば死んでいたかもしれないが、もう数年後であれば、薬の供給が改善され、大手術を受けずに済んだかもしれない。その境目にあったのが、1950年代前半だった。

    何とか病棟を出た後、高度経済成長の波に乗り、謙二はスポーツ店の営業として、徐々に頭角を現してくる。時代の波に乗ったことに加え、冷静な観察眼が営業職には向いていたようだ。後には自身の会社も興している。
    現役を引退した後は、ふとしたことから戦後補償裁判に関わることになる。このあたりの経緯も非常に興味深い。

    全般として地に足のついた昭和・平成の庶民史で、読み応えがある好著である。
    時代に揉まれたとも言える人生、シベリア収容所や結核療養所など先の見えないときに、何が一番大切だと思ったかとの息子(聞き手)の問いに謙二が答える言葉は重く深い。
    必ずしも表の歴史に残ることはなくとも、人は生きていく。そのことの強さを思う。

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    2016年04月28日
  • 社会を変えるには

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    現象学に基づく立場、構築主義
    人が動くことによって社会が変わらないということはむしろ不可能。
    なるほどその通り。
    結構アジられて、かつ社会運動史、思想史の概説もしてくれる。

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    2015年10月31日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    大学生が学生運動に傾倒するまでの流れが長年の疑問でした。

     この本は、学問気取りの文章ではなく、とてもわかりやすく社会の状況を解説しています。

     北方領土問題に関する記述は秀逸です。

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    2013年12月24日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    自分とは反対の立場からもちゃんと眺めて冷静に考える平等な物言いが好き。とても勉強になったしおもしろかった。

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    2013年11月22日
  • 社会を変えるには

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    「新書大賞2013 第1位」の話題作なので、もともと興味のある分野ではないが手にとってみた。

    3.11以後、脱原発のデモが広まったが、果たしてデモは社会を変えるに当たって最善の方法なのか。そもそも社会を変えるとはどういうことか。

    まずこれまでの世界の変遷(思想・哲学・政治において)を振り返る。

    正直言って消化不良で理解が不十分なので何度か読み返そうとは思うが、著者の「社会を変えよう」という気迫が感じられる大作であった。


    ―私の思いつくかぎりでは、答えは一つしかないようです。みんなが共通して抱いている「自分はないがしろにされている」という感覚を足場に、動きをおこす。
    そこから対話と参加をうながし、社会構造を変え、「われわれ」を作る動きにつなげていくことです。(P439)


    --

    MEMO

    19
    ポスト工業化社会とは。みんなが「自由」で「多様」になっていく。これは先進諸国でほぼ共通しておきた現象です。

    53
    原発は一種の不良債権
    再稼働しても、廃棄物の貯蔵先がないことを考えると10年続かない
    電力会社が負債として計上することを先送りしてるだけ

    56
    古い仕組みのなかでも、その仕組みから利益を得ている人が少なければ少ないほど、変えるのは簡単になります。

    117
    進学率が15%を超えると学生はエリート層ではなくなって大衆化する。日本で15%を超えるのは1963年です。

    137
    全共闘やベ平連などの運動は、従来のピラミッド型ではなくネットワーク型の運動に変わってきた

    183
    日本でも、緑の党は台頭するか

    192
    この「われわれの代表」という感覚が持たれているかどうかは、人びとを納得させられるか、正統性があるかに大きくかかわります。

    209
    重要なのは、議論が盛り上がること。「みんなで決めた」という気がしてくることでみんなが納得する

    267
    技術というものは、それを使う発想と社会基盤がないと、社会を変えません。ただし、いったんそれが回り始めると、技術を手にした人の発想が変わり、社会を変えていきます。

    296
    自由主義は権力から自由になるのがいいという考え方。民主主義は、みんなで権力を作るのがいいという考え方。

    329
    学生たちの不満の根底にあったのは、「われわれは代表されていない」という感情でした

    338
    何より衝撃だったのは、科学と理性が発達した結果、行われたのが殺し合いだったことです

    398
    小さな単位で対話に参加できる仕組みを取り入れ、直接民主主義の活力で代議制を補完しないと、民主主義そのものが持たなくなってきた

    434
    現代の誰しもが共有している問題意識があります。「自分はないがしろにされている」という感覚です。

    465
    結局のところ、人間のやることですから、なかなか万能の理論などは出てきません。ただある理論がどういう前提で立っているかを知れば、それが適用できそうな領域の見当がつきます。

    491
    分担は、その人固有の属性ではなく、役割です。
    (メンバーが変われば役割も変わる)

    515
    新奇なものではなく、昔からあるものの使いまわしだからこそ、お互いに基盤になっているものを共有して議論でき、それが蓄積になっていくのが、ヨーロッパ思想の強みです。

    516
    日本でも最新西洋思想の輸入合戦をやる時代は終わっています。

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    2017年10月13日
  • 社会を変えるには

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    分厚い新書であるが、とてもエキサイティング。
    個人的な志向性としては、行政セクターへ働きかけるイノベーターを目指しているので、
    ギデンズとベックの関係などが面白かった。

    第6章で論じられている「再帰性の拡大」がキーワードだと思った。

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    2020年04月03日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    時代感覚が秀逸で、具体的かつ明快だ。すばらしい。
    この明快さは他で見たことがない。

    Ⅰ.世代ごとの社会構造、政治、社会運動、思想の考察
    終戦時20歳のヒトは現在87歳 戦争の生々しい記憶は遠のく
    →平和の思想
    1945 終戦(貧しい第一の戦後、ベビーブーマー誕生)
    →急に豊かになった後ろめたさ(マイノリティ)

    1955 55年体制(高度経済成長、豊かな第二の戦後)
    安保、自民党ー社会党体制、豊かな人間の社会運動
    (塩辛いサヨク)
    →記号論、リアリティ、公、豊かさの仲での価値

    1970 バブル崩壊前 細かい社会運動(甘いサヨク)
    団塊ジュニア誕生
    →悪くなったことへの不満、戦争がおこればいいのに。
    利益再分配

    1991外国人を受け入れない3種の労働者 バブル崩壊後
    (正社員、技術職、低賃金労働者)
    グローバル、公共事業体制(自民)、労働組合(社会)体制の崩壊
    2000以降表面化
    2012(現在)
    プレカリアート(非正規雇用者の運動)

    ・社会運動が欲求不満のはけ口だったり、つながりそのものだったりという視点は新鮮。実感としてもあっているようだ。確かに戦前にはそのような若者の運動はなかった。
    ・仕事以外の社会のつながり方という視点も新鮮。
    このようなノマド型近代人孤独(アイデンティティ)問題は、一部明治のエリート層を除くと、55年体制以降の問題らしい。核家族化もこの頃からの問題。今起こっていることの問題のほぼすべてが、この50年以内に起こっていることの結果と考えた方がいい。
    ・若者の失業率と麻薬、暴動の問題を的確に指摘していると思った。

    Ⅱ.ナショナリズムを中心にした話題。
    ・ナショナリズムのメカニズムは、「差をつけて評価されたい(独創的と思われたい)」という欲求と「まわりと同じでないと排除されそうで怖い」という感情を両立してくれるしくみである、というのは「なるほど」と思った。
    特にグローバリゼーションが進行する中で、不安感が歴史や伝統、ナショナリズムにアイデンティティを求め始めたと言う指摘は、100%ではないが、一面を言い当てていると思った。

    ・ナショナリズムを支える政治、組織のあり方自体が変化しているとの指摘。戦前の地域にあった中間共同体(企業、労組、商工会、農協)が崩壊し、面倒見のいい人たち(リーダー)が世代交代でいなくなって、投票行動やナショナリズムは原子化した個人の行動の結果となっている。
    (最近はいわゆるポピュリズム的ということ)

    ・小熊氏はナショナリズム自体は幻想にすぎず、フランスのように建国時に理念を明確にしていればそこに立ち返ることができるが(民族とは関係なく「自由、平等、博愛」を信奉していればフランス人という考え方はわかりやすい)、日本のようにそれがない場合に戦後の単一民族神話が生み出された(矛盾だらけだが)と指摘する。それは歴史教育によって形成される。

    Ⅲ.沖縄の考え方・歴史教育について
    ・沖縄の基地と公共事業(政府の補助金)で回っていた時代が終焉を迎え、冷戦も終わり、東アジア情勢の変化はあるものの、考え直す時期ではある。アメリカもアジア情勢(中国、北朝鮮等)が落ち着けば、コストをかけたくないはず、という指摘は「ずっとあるのが当たり前」という固定観念をほぐしてくれた。

    ・明治時代初期のクーデター政権は浮いていて、民衆の生活はほぼ江戸時代を色濃く残したものだった。
    明治政府は、「国語」「算術」「地理」「体操」「修身」「日本歴史」を多くの反対を押し切って義務教育(強迫教育)とした。黒船の脅威から「富国強兵」をめざし、「民は愚かに保て」でなく、全員軍隊で自覚を持って戦えるようにするためで、お国のために戦ってもらうためには「修身」「日本歴史」が必須だった。

    ・上記にもあるように、ナショナリズム、国とは幻想であって、学校で歴史を学ばないこれまでの先人たちは、国(日本人であるということ)を意識することはなかったのではないかという意見。そもそも7世紀以前には日本という言葉は存在しないのに、縄文人、弥生人、聖徳太子を日本人と呼ぶのはナンセンス。戦前は天皇を中心とした支配体制のための歴史、戦後は日本人の均質性(ナショナリズム・愛国心、共通認識)のための歴史?役に立たない歴史?

    ・柳田国男は1925年に普通選挙が施行されたのを受けて、文書に残らない庶民の歴史をつくろうとして、民俗学を始めた

    まだ未消化の部分もあるが、かなり刺激的な本だった。

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    2012年07月27日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    ネタバレ

    うわーうーあー。
    ありがとうございます、小熊さん!って
    やっぱり言いたくなる本でした。

    現在まで日本で言われてきた歴史・思想・出来事について、
    広い視点で
    「いろいろあれこれ言ってるけど、
    こういう理由でこうなっただけだよね?」
    と整理された内容とわかりやすい例えでポンポン言われて、
    「はあ…そうですよね。それだけのことで…そうですよね。
    なんで今まで、あんなこんがらがった話になってたんでしょ…」
    みたいな反応になってしまう連続というか。

    とにかく視界がすっきりくっきりぶわーっと
    広がる気持ちよさったら!

    どんどん追加されるNEW視点。
    追加されまくりでこっちが全然追いつかなくて、軽いパニック。
    どうにもならない、(私の)この頭の悪さ。

    書き留めておきたい内容も多すぎる…。

    『運動の中核になる人は、時間と知識のある人になりやすいのです。時間も知識もない人は運動をやる暇も、問題意識を持つ知恵も乏しい。いまのプレカリアート運動も、お金はないがある程度以上の知識があり、時間も何かと捻出できる人が中心になっているのかもしれません。では、所得も文化資本も低い人はどうなるのか。いまの日本ではそういう人たちは右にも左にもいかず、選挙のときはブームで自民党や民主党に投票したり、あっちにザーッ、こっちにザーッと漂っている状態ではないかと思います』

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    2011年11月27日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    小熊英二ワールドをいろんなインタビュアーによって味見できる、そんな本でした。
    菅間正道さんは俺の師匠。
    いい質問繰り出してたぜ。

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    2011年07月07日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    「今」という時代の整理、
    「自分の頭」の中の整理、
    には
    小熊英二さんは
    ぴったりです。

    あふれる程の情報が氾濫する中で
    一つの羅針盤として
    読ませてもらっています。

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    2012年08月11日
  • 私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集

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    民主と愛国の著者小熊英二さんの新刊。歴史の捉え方、考え方について非常に示唆の富む本でした。歴史の忘却は避けられない。ではその時われわれはどうすれはよいのか。いやはや。難しいです。

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    2011年04月30日
  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

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    興味深い内容ではあったが読むのがいささか大変だった。なんせ長い。
    大学院を出ることの意味が日本と諸外国でこれほど異なるとは知らなかった。このような形になっていった経緯も非常に興味深い。
    一方で、日本型雇用システムが作り上げられるに至った過程の記述が長く、それほど興味を惹かれる内容ではなかったのも事実。
    新書というより学術書みたいだったが、綿密な調査に基づいた記述内容に感心した。これから日本社会のしくみがどうなるか不透明だが、あまり明るい見通しは持てないなぁ、という個人的所感に変化はなかった。たとえ実現しなくても、せめて自分がどのような社会を理想に据えるのかは考えておきたいと思う。

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    2026年10月31日
  • 基礎からわかる 論文の書き方

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    論文の書き方はもちろん、ビジネスパーソンにも、重ための報告書やプレゼン資料を書くときにもとても参考になると思う(実際、筆者もそのように述べられている)。
    特に、卒論なんて出せばよかった昭和世代はこの本を読んで、今どきの学生さんたちはちゃんとこのように指導されて論文を書いているのだとアップデートするべき。もちろん、私も認識を改めました。

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    2026年08月17日
  • 基礎からわかる 論文の書き方

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    ネタバレ

    学問には型がある
    という帯に惹かれて購入。

    論文を書くことは人間の不完全さに気づくこと
    科学が権威になったらそれはもう科学ではない
    不完全さに気づき続けることが科学

    上記には強く同意。

    内容は文系の論文の書き方がメインで知らないことが多く大変勉強になった。
    文系の学問は前提がおおく、分野が異なると大きく方法論が異なる、どの学派かということが大事というのは非常に興味深かった。

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    2026年02月02日
  • 社会を変えるには

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    日本近代史、社会活動史の振り返りから入り、民主主義の歴史、哲学史を概説。その上で、現代の社会課題に対するには、組織に縛られず個人が自由になり、個々人の社会の位置付けが流動的な現代に合わせ、柔軟で流動的な活動が必要なのではとヒントを提示する。2012年の作品で、東日本大震災後の反原発のデモの活況を反映した内容となっている。様々な切り口で社会活動を考える基礎を教えてくれるという意味では、社会学の基本書というだけでなく、一般向けにも参考になる内容だと感じる。

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    2025年11月22日
  • 基礎からわかる 論文の書き方

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    ネタバレ

    ・IMRAD(72)
     ①導入 Introduction
     ②資料(対象)と方法 Materials & Methods
     ③結果 Result
     ④考察 Discussion
     ※素材を実験・調査した経緯や結果を書くのに適した形式(79)
    ・主題の設定(136)
     ①答えの出る問いを立てる(主題を問いのかたちで立てる)
     ②手に負える問いを立てる(具体的に調べられる対象から問いを探究する)
     ③データアクセスのある対象を選ぶ(自分が調査可能な対象を設定する)
    ・論文の審査ポイント(431)
     ①主題、対象、方法が設定されており、お互いに整合しているか。
     ②既存の先行研究や学問体系との関係が十分に検討されているか。
     ③明確な論拠と、明確な論理によって、論証がなされているか。
     ④設定された主題に即した結論が導かれているか。
     ⑤検討された先行研究の学問体系に対する貢献を明らかにしているか。
     ⑥論文の文章として基本的な質が保たれているか。
    ・提出前のチェックポイント(437)
     ①構成/論理の流れ
     ②注記漏れ/引用ミス/事実関係
     ③文章の乱れ/誤字脱字
    ・「論文を書くこと」は「不完全さに気づくこと」(457)

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    2025年09月02日
  • 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

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    よく海外サービスを日本に輸入して広がっている場面を見るが、採用や組織などいわゆる人事関連サービスは日本ならではの特殊な市場があると感じている。例えば、海外でよく使われる転職ツールはLinkedinだし、候補者も自ら応募して転職に踏み切るケースが多い。一方で日本はエージェントからの紹介やスカウトからの応募などどちらかというと受け身的な転職活動が多く、直近は新卒市場でも同様の傾向が見られるまでになりつつある。

    上記のような状況を事実として受け入れつつも内心「なんでそんなことになっているんだろう?」と理解しきれていなかったが、本書を読んだことでその疑問が多少なりともクリアになった感覚がある。人や組織の慣習というのはとても根深く、そう簡単に変えられるものではないのだな、というのを再認識した。

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    2025年02月22日