小熊英二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
社会構造の変化とともに、社会運動がどのように変化していったのか。知らない情報も多く、面白かった。特に、古代ギリシアからひもとき、哲学、科学、そして20世紀の近代の行き詰まりまでを広く追いながら説明していく。ただ、説明が冗長な部分も多かった。また一番最後の章で、社会を変えていくにはどのような「戦略」が必要なのかを、社会運動における資源動員論を始め、様々な理論的研究も紹介しているが、戦略としては弱いのではないかと思った。民主主義の可能性を信じて疑わないその主張に共感できる部分も多いが、2016年現在の状況を見ていると、そんなに楽観視できないのではないかとも思う。2012年に出版されているので、それ
-
Posted by ブクログ
安保法案を可決させないためのデモを見ていて、そういやこんな本を買っていたなと読み始めました。
デモのことも扱われていますが、ロビイングや選挙のことなど多岐にわたり「社会を変えるには」どうしたらいいのか書いてあります。
今の俺の状況からすれば安保なんかより生活をなんとかしてほしいと思う方が強いですが、もっとみんな色々関心を持っていかなければ社会なんて変わらないだろうなってのが感想です。
あとデモの効果をどちらかと言うと冷ややかに見てましたが、冷ややかに見ていた理由もわかりました。
まぁこの先もデモに参加することはないだろうなぁ。
さてまずは生活をなんとかしなくては… -
Posted by ブクログ
社会運動の歴史をなぞり,その目的と問題点とを明らかにした上で民主主義の沿革を論じ,デモに代表される社会運動を肯定的に評価した本。
人口規模からすれば議会制民主制を採用することはやむを得ないが,デモに代表される直接民主主義的行動による刺激が必要不可欠であるとする。
また,タウンミーティングのような熟議民主主義にも好意的。
社会のとらえ方はウルリッヒ・ベックの『リスク社会』に,解決方法は,アンソニー・ギデンズの『第三の道』に依拠。
最終章は社会運動の理念から具体的戦略まで論じる。
デモを楽しむことを勧める部分は,一見,手段の目的化を肯定しているようにも思われるが,その真意は,参加者が,「個人」を超