小熊英二のレビュー一覧
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本書の目的は、運動を敬遠している、あるいは忌避感を抱いている人たちに、運動の魅力を伝え、運動をしてみようかなと思わせることである。最初に反原発運動こそがあらゆる運動が開花する肝である(となりえる)ことを主張し、その後なぜ過去の日本の左翼運動が破綻したのかをわかりやすく解説し、議会制民主主義に囚われることなく、運動によってこそ社会が変えられることを力説している。後半ではいろいろな社会変革理論をとりあげているが、著者が言うように、本書は運動の正解を示すようなものではなく、むしろ議論の叩き台となるようなものである。あくまでも本書は運動を行おうという人のための導きの糸に過ぎない。したがって、本書の評
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COURRIER JAPON
著名人の本棚
篠田真貴子さんの推薦図書より
「歴史的経緯とは、必然によって限定された、偶然の蓄積である」
本の終わりに差し掛かるところで、印象的な一文に出会った。
社会のしくみは何によって作り上げられてきたのか。
また、どうやって変えていけるのか。
私は、どんな風に変えていきたいのか。
流れゆく時間の中で、いまの世の中の必然性から慣習が生まれていく。
それは合意形成を経て恣意的に作られたものだ。
本書は日本の雇用環境のみならず、広く、福祉や教育、格差や差別、戦争や軍隊の影響や、人々の潜在的な意識、アイデンティティに至るまで、あらゆる面から日本社会が考察され -
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卒論は徒手空拳で望んだ様なものだったが、その頃にこの本を読んでいたら(20年も前の話なので不可能だが)、もう少ししっかりした卒論になっていたと思う。
本書の内容は仕事にも充分生かせると思う。提案書や稟議書、報告書に反映させる事が可能。
本文には「論文を書くことは人間の不完全さに気づくこと」とある。一生涯を論文(研究)に捧げた研究者は、人間(自分)の不完全さに真正面に向き合い続けた人なのかな、と感じた。
著者の著作は注が膨大な事が1つの特徴だが、本文中の「注記と要約」を読むとそれも納得出来る。
今後の著者の本を読む上でのガイドブックともなる一冊。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて -
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ネタバレ今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。
気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる -
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一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -
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- カート
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ネタバレ著者は「日本社会のしくみ」とタイトルした。しかし、それだけでは、本書の内容をイメージするには困難であるので、副題がたくさんついている。
「雇用、教育、福祉の歴史社会学」
「日本を支配する社会の慣習」
「日本の働き方成立の歴史的経緯とその是非を問う」
この「日本社会」という言葉を、「日本の労働社会」とか「日本の経済社会」とかいう意味合いで自身はとらえて読み進めた。
電子書籍で読んだので物理的な分厚さを感じることはできなかったが、新書にしてはかなりのボリューム。しかもすべての論拠に統計データが裏付けられており、直感的に述べたられたようないい加減さは全くなかった。
また、「日本のしくみ」を述 -
- カート
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試し読み
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「日本の地域をまわることによって、一つの地域にとどまらない、日本の地域一般がおかれている状況を構造的に理解したい」というのが、筆者による、本書執筆の動機だ。本書で紹介されているのは、いくつかを除けば、主に衰退しつつある、地方の市町村。それらの地域を何とか元気にしようとしている方たちの努力が、多く紹介されている。
たまたま本日の夕刊に、2015年から2020年にかけての各都道府県の人口の増減に関しての記事が載っていた。人口が増えたのは9都府県のみ。5年間で最も人口減少が大きかったのは秋田県の▲6.2%。また、全国にある1718の市町村の8割で人口が減っており、10%以上減少した自治体も245に上