他のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
魔都ロンドンを舞台とした怪談集。
…なのだが、なんだか似通った印象を受ける作品が多いのがややマイナス。
あとがきにも書かれているが、いろんな意味で下心ある男性と、犠牲になる女性、彼らを含む三角関係…という話が多く、男性が医者という設定が共通しているものも。
一応、ストーリーや結末は異なっているのだけれど、なんか似た感じの話を繰り返し読んだ感じが短編集&ほぼ初邦訳のお得感を削ぐ。
とはいえ、面白い!は勿論ある。
「物理で倒す」系の「ウェラム·スクエア十一番地」、ロンドンを象徴する「犯罪」と「降霊会」の組み合わせ「降霊会の部屋にて」、
なんとなく美少女(ツンデレ?風味)ラノベな雰囲気のある -
Posted by ブクログ
ネタバレテッド・チャンほど感想を書くのが難しい作家はいないと思う。
個人的にやっぱり1番好きなのは元言語学徒なのもあるけれど、「あなたの人生の物語」。
異星人とのファースコンタクトという舞台設定で言語によるやり取りを細やかに描いて、最終的な物語の核を「異星人との言語を習得することによって認識に影響を及ぼす」というのところにもってくる発想は驚きしかない。
そんな奇想天外な設定で、家族の愛を切実に感じられる作品であり、読後の衝撃、感動は他の作品とは一線を画していて、まさにテッド・チャンという感想しか出てこない。
最近宗教について勉強している自分にとって「地獄とは神の不在なり」もかなり興味深かった。
天 -
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知識人の責任
著:ノーム・チョムスキー
訳:清水 知子
訳:浅見 克彦
合衆国が、既得権益保護のために世界規模の反革命運動の指導者になったことを本書は嘆いている。
ベトナム戦争のみならず、南米においても、第2のベトナム戦争を展開しようとしていることもだ
気になったのは以下です。
■知識人と学校についての考察
権力と権力を合理的に行使しようとするために忠義を尽くそうとしている、アメリカの知識人について、率先して、その政策の実行を支援していることについて恐ろしいと語っている。
アメリアのそれら知識人を批判するとともに、啓蒙と自らを導いていくための指針をもとめてさまようことになるだろうと -
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ネタバレ『あなたの人生の物語』についての感想
難しかった。自分の読む能力や経験値が、物語を純粋に楽しんだり感動できたりするほど成熟してないのがわかった。自分はまだ結婚してないし子供もいないから、主人公への感情移入が難しい境遇というのはある。
しかし、主人公がヘプタポッドの文字を最終的には習得して未来予知ができるようになった後、自分の子供が25歳で死別して夫とも離婚するという結末がわかっていても、その未来を選択するのは純粋に美しいと思った。きっと子供が亡くなるまでの日常はかけがえのない最高のものだったのだろう。悲しい結末が待っていても、それまでに最高の瞬間がいくつもあったからその未来を選んだ。ヘプタポッ -
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ネタバレ冒頭のディケンズはこういうのも書いてるんだなぁと思った幻想怪奇小説。
クリスマスツリーの描写が凄く細かくて素敵でほの怖い。
友人との約束で先に死んだ方がもう一人の元に姿を現すというのは、デカメロンにも類似の話があったのでふふっと。
・わが兄の幽霊譚
泊まった宿でセントバーナードが寄ってきたシーンが好き。
・海岸屋敷のクリスマス・イヴ
メアリさんの『自分としては、男と一緒になるならば、身の危険を感じることなく、その生き方を理解できる相手を選びたいのだ』が切実すぎて…。
・残酷な冗談
あんまりですわぁ…。
・本物と偽物
ケイトとの会話がほのぼのして小粋だったのになぁ。
というか、別に自分に襲いかか -
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チョムスキー氏と言えば、人間は生得的に文法を身につけるものとした生成文法理論が有名だと思うが、ベトナム戦争への反戦活動で54回も逮捕されたという逸話もある。私はこれを宇沢弘文の書により知ったのだが、そもそもベトナム戦争すら、私にとってはよく知らぬ事。しかし、そうした反戦の含意をもって『知識人の責任』とは、我田引水、商業主義的な識者の戒めにも通ずる、良心に訴えかける啓発書だ。
ー かつてジャン゠ポール・サルトルは、一つの時代のなかで、ヴェトナム戦争に反対する人間が知識人なのだ、といった。その意味では、チョムスキーは「知識人中の知識人」だといえるだろう。そしていま、私たちは、ブッシュ政権の「大義 -
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ネタバレテッド・チャンの作品は難解だが、印象深い。「息吹」に続いて本作もやっぱり心を動かされた。SFの域を超えてくる。特に表題作が好きだ。1回目読んだだけでは意味がわからず2回読んだ。まぁ、それでもわからないんですけどね(笑)
言語学者のルイーズは地球を訪れた宇宙人、ヘプタポッドの言語解読に挑む。彼らには目が7個足も7本、前後左右上下が無い。ルイーズは彼らと向き合ううちに、彼らの能力が地球人とは全く違うものだとわかってくる。
一方であなたの人生はこうだったわねと娘に語りかけるルイーズ。不思議な感覚と違和感。早い段階で娘の運命を読者は知らされるが、語り続けるルイーズは、何か人生を悟っているというか、卓越 -
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ネタバレブラム・ストーカーが吸血鬼モノの嚆矢だと思っていたのだが、先行する作品が存在することを知ったのは、数年前、『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』を読んだときのことだ。同作品は著者であるメアリー・シェリーが、バイロンらとともにレマン湖畔に滞在し遊戯的創作が提案されたときに着想を得たという。本書のタイトルになっている吸血鬼ラスヴァンは、バイロンの専属医であり、その場にも居合わせたポリドリの手になるもので、これをもって吸血鬼モノというジャンルが誕生したとされる。
紹介されている作品群には19世紀のものとは思えない瑞々しさがあり、現代の作品に見たあれやこれやが散りばめられていて驚かされる -
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テッド・チャン(1967年~)は、台湾からの移民2世として、ニューヨーク州に生まれ、ブラウン大学(コンピュータ・サイエンス専攻)卒。高校~大学時にも短編を投稿し続けたが採用されず、大学卒業後に創作講座のクラリオン・ワークショップに参加し、講師だったトマス・デニッシュに評価され、1990年のデビュー作『バビロンの塔』でネビュラ賞(米国の作家達が選ぶ、ファンタジー作品に与えられる賞)を受賞。これまでの作品は全て中短編で、1998年の『あなたの人生の物語』でネピュラ賞、2001年の『地獄とは神の不在なり』でヒューゴ―賞(米国の読者達が選ぶ、ファンタジー作品に与えられる賞)とネビュラ賞を受賞。本業はソ
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全部は読んでいない。GENESISが雑誌になって、ノリの良さが前面に出た感じ。これもまた良いな。
ゲラゲラ笑った青崎有吾さんのメカくらりは別枠として、高山羽根子さん、笹原千波さん、の作品が特に好きだった。
■笹原千波『手のなかに花なんて』
肉体を捨てて情報人格として生きることを選べる世界。花と料理と。
■柞刈湯葉『記憶人シィーの最後の記憶』
あれ、なんかいまいちだった。
■宮西建礼『冬にあらがう』
いつもの宮西さんの、高校生が静かに世界を救うモノなのだが、AIが絡んできた。私いまいちまだ人工知能なるもののすごさがわかってなくて。やっぱ人間その程度のことも考えるのやめちゃだめじゃない?検索 -
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「吸血鬼ドラキュラ」以前の傑作集ですから、もちろんドラキュラを超えるような小説があるはずありせん。更に吸血鬼に出てこない話もあったりするのですが、一番面白かったのは表題作、ポリドリの名作「吸血鬼ラスヴァン」。若き紳士オーブリーが旅の友に選んだラスヴァン卿。旅の途中でラスヴァンの正体を知るも山賊に襲われラスヴァンは「自分のことは誰にも話すな」と言い残して命を落とす。しかし死体は消えてしまった。その後ちらつくラスヴァンの影そして彼との約束。怯えるオーブリーにとって最悪の結末が待っていた!
話がよくできてますね。現実なのか神経症なのか。恐怖が募っていきます。
そしてドラキュラ以前のもう一人のスタ -
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ヴィクトリア朝英国の魔都、ロンドンを舞台とした、
幽霊譚のアンソロジー。本邦初訳の作品を中心に13篇を収録。
・ロンドンの地図
ザント夫人と幽霊 ウィルキー・コリンズ
・・・父娘が出会った未亡人の不可解な行動と、
邪な者への不可視な者の怒り。
C―ストリートの旅籠 ダイナ・マリア・クレイク
・・・旅籠の窓を叩いた音。それは鳥か?それとも?
そして不幸が。
ウェラム・スクエア十一番地 エドワード・メイジー
・・・代々の当主たちが去らざるをえなかった邸に、蠢く者。
シャーロット・クレイの幽霊 フローレンス・マリヤット
・・・生前も死してからも繰り返される愛人の訪問の恐怖 -
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ネタバレ聖書をどう読むか、作家や批評家が語る。
作家の池澤夏樹は文学によく引用される箇所を中心に紹介する。クリスチャンでない者には「イエス・キリストというのはたいへん優れたスピーチライターであり、コピーライター」(p.33)と見ることもできるという。
旧約聖書研究者の秋吉輝雄は、「清く正しい」新約聖書に対して旧約聖書は矛盾の塊であると指摘する。それは、旧約聖書が時制のないヘブライ語で書かれているからであり、過去に起きたことを記述したというよりも「いままさに眼前で行われている」(p.56)ことを文書に重ねているからだという。「まだ結末が確定していない現在の話」(p.56)である以上、矛盾が内包さ
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