他のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全部よかった。テクノロジーの進化に対し適応していく人間の意識や社会の変容を、感傷的にロマンチックに綴る、ハズレなしのSF短編集。翻訳もよいのでしょうが文章が柔らかく軽やかで読みやすい。生々しさと熱を感じさせながらも、冷徹な視点が貫かれています。
「逆行の夏」水星で暮らすぼくの元に、月からクローンの姉がやってくる。新しい家族の形と性のありかた。鮮やかな舞台描写がイメージを刺激する、さわやかな短編。
「さようなら、ロビンソン・クルーソー」今回一番好きです。二度目の子供時代を、冥王星の地下にあるリゾート海浜で送る少年。謎の女性の訪れを契機に、子供でいられる時間の終わりが見えてくる。少しずつ見えてくる -
Posted by ブクログ
ジョン・ヴァーリイはどうしているんだろう、と思っていた矢先の日本オリジナル短編集の登場。1970年代から80年代に独特な未来世界でSFファンの魂をつかんだ作家だ。代表作の〈八世界〉シリーズは地球が異星人に侵略され、月や火星など八つの世界で人類が生き延びているという設定。身体改変技術が発展し、衣服を替えるように性別を替え、身体を環境に適合させ、身体を脱ぎ替える世界。
1990年代以降、ヴァーリイはハリウッドの脚本執筆で成果が上がらず(映画化されたのは『ミレニアム/1000年紀』くらい)、翻訳も先細りして現在に至っているようだ。
本書も既訳作品とその新訳で、1975〜84年のものであり、新し -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
乱立する高層建築、街中に張り巡らされた電線、均質な郊外風景。戦後の日本で、経済政策優先の都市開発が生み出した無味乾燥な“景観”を私たちはどのようなものとして受容してきたのか。マンション景観訴訟や景観法、景観行政などの従来の政策や議論が見落としがちな景観の社会的な意味や歴史的な形成過程について考察して、景観を語る言説に刻まれている歴史性や政治性を具体的に浮き彫りにする。生活者の主体性を排した都市計画や、理念への羨望と現実での絶望との間で循環する議論を回避して、近代日本で“景観”がどのように形成され変容し、そしてその過程でそれをどのように内面化してきたのかを探 -
ドラマ&映画化作品
コンセプトがわからないという声が各所でちらほらとありますが、
BUNGO -日本文学シネマ-という題で放送されていた短期ドラマと
同シリーズで映画化された作品を集めたものです。
数年前に短期ドラマを見てそれっきりでしたが、
最近になり原作をじっくり読みたいと思い出したとき、
こういう短編集になっていると知り(紙で)購入しました。
これら全部をそれぞれに読もうとすると、
(特に短編は)ちょっと苦労するので
こんな短編集はありがたいですね。
もっと増えてほしいです。
映像の方もおすすめですので興味のある方はぜひ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夏来健次氏編訳による19世紀ヴィクトリア朝期の英国を舞台にした幽霊譚アンソロジー・シリーズ。「クリスマス」「ロンドン」に続く第3弾は「幽霊屋敷」がテーマ。本を一棟の屋敷に見立て、章立てを翼、各作品を部屋とした構成がユニーク。全13編収録。
発表されたのはどれも19世紀中盤~末頃のためか、舞台になる"屋敷"の殆んどはいわゆるカントリー・ハウス……郊外や田舎にある貴族の豪壮な邸宅になる(例外は高級住宅街の一軒と思しいホワイトヘッド「幽霊屋敷」、荒涼としたウェールズの海岸に立つ灯台が舞台のウッズ「岩礁の幽霊灯台」か)。
とはいえ出現する幽霊―その姿が可視不可視はさておき― -
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