他のレビュー一覧

  • 松本人志は日本の笑いをどう変えたのか

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    ・切ない中で、その切なさから脱出しようとしている人間の醜さが面白いし、でもその切なさから逃げられんという終わり方が、もう間抜け、切なさは間抜けであり間抜けはやっぱり笑いである。

    ・いつの時代も人間の本能は変わらない。

    ・サムイ、スベる、の言葉を開発し、面白くないことでさえおもしろくした。

    ・松本人志は、視覚的笑い、聴覚的笑いを超えて彫刻的笑い。

    ・コントのキャラにも過去までの広がりがあり、セットも描き割り的でなく奥行きがある。

    ・理性と野生がうまいことごっちゃになってるトーク・漫才がいい。

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    2025年12月05日
  • 現代用語の基礎知識 2025

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    この本の電子書籍が手に入って、なんとなく斜め読みしてみた。
    辞書のようなもの、、と思っていたら、違った。
    まず、文章を書いている人がすごい。

    著 / 小泉悠/上脇博之/武田砂鉄/塚田穂高/五野井郁夫/水無田気流/小嶋華津子/塩田祐子/小林美穂子/山本章子/鶴岡路人/立山良司/鈴木エイト/森山至貴/やくみつる/生島淳/常見陽平/ほか

    そうそうたるメンバーが、テーマごとに世相を切っていた。読み応えある文章。
    続いて、2024に流行った言葉の解説が続く。

    今は亡き森永卓郎さんも「貯蓄から投資」は危険な政策 と厳しく語っている。
    全体的に反政府的。
    最近言われるところの「右翼」が好まない言葉

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    2025年10月31日
  • Qpa×uno! エンタメアンソロジー よいこのイキものずかん

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    アンソロなので色んな作家さんの色んな動物達の組み合わせが読めるのだけど、なかでもスナネコ攻めヒョウ受けのネコCP最高。小さくて可愛い方が攻め、でっかくて強そうな肉食獣の方が受け。弱肉強食は自然界の摂理。この2人で一冊読みたい。お気に入りの作家さんを探すもよし、自分でもまだ知らない己の性癖を探すもよし。新たな世界に出会える一冊。

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    2025年10月17日
  • あなたの人生の物語

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    「メッセージ」を先に観た。映画を観た記憶およびこの作品を読んだ記憶を消して再度一から読み直したいと思えた初めての作品かもしれない。

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    2025年10月14日
  • あなたの人生の物語

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    映画「メッセージ」の原作である表題作が収められた、短編集である。
    どれも良い読書体験ができたが、やはり映画を先に見た私としては「あなたの人生の物語」が一番印象深い。

    地球外の知的生命体との交流によって目覚めを経験し、時間軸が狂うことで人生を理解することになる女性。
    過去から未来へ続いていく時間軸の中では、言わば知らぬが仏の状態で手探りの道になる。
    これが普通の考え方である。
    でも未来に起こることを知っていたら?
    それが悲しく耐え難い出来事だったとしたら?
    進もうとしている道をそれでも歩めるだろうか?

    覚悟と理解が必要だ。
    進むと決める覚悟。
    行くの?なぜ?その答えを自分で理解すること。

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    2025年09月27日
  • あなたの人生の物語

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    ネタバレ

    とても面白かった。
    一つ一つの短編が骨太であり、読むのに時間がかかってしまったが、楽しい読書体験だった。
    一つづつ振り返っていこうと思う。

    「バビロンの塔」
    この短編集の中で一番読みやすかった。
    情景描写が見事だった。

    「理解」
    詳細な描写に思わず読み込んでしまった。

    「ゼロで割る」
    一回読んだだけでは意味があまりわからなかったが、何回か読み直したり、考察サイトを見ることでやっと理解できた。
    レネーは自身が発見した形式的発見によって自分の中の既存の世界が崩れてしまい、自殺未遂をしてしまうほど追い込まれる。恋人であるカールは、自身がかつて自殺未遂をした際、その時の恋人に傷を癒してもらった経

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    2025年08月31日
  • あなたの人生の物語

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    SFが苦手でなければ是非読んで欲しい短編集
    異星人とのファーストコンタクト
    表題作「あなたの人生の物語」
    斜線堂有紀がオマージュ作を作り、神が実在する証拠にあふれた
    「地獄とは神の不在なり」
    SFな世界観でひたすら空高く目指す
    「バビロンの塔」
    バカSF
    「ゼロで割る」
    風刺SF
    「顔の美醜について」
    本当にレベルが高い豊かな読書体験が出来る
    難点は著者の作品がなかなか出ないこと
    富樫先生と共に待っています 感謝の正拳突き

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    2025年08月24日
  • 戦前日本モダンホラー傑作選 バビロンの吸血鬼

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     大正期から昭和10年代前半までに発表されたホラー短編を集めたアンソロジー。ただし、当時ホラー小説で中心的な存在だった<新青年>以外のものを収録している。要はマイナーな作品を集めたと言えるだろう。各編には、編者による作者の紹介と解説がついている。それぞれ、調べられる限りの詳細なものだと思われる。

     こうしたマニアックな本は、残念ながら増刷される可能性は低いと思われる。今買っておかないと後悔するかもしれない。積読でも良いから購入を薦める。
     
     なお、ホラー小説は「怪談」と違って、ジトーッと肌にまつわりつくような湿気がないように感じる。気候風土や生活様式の違いがあるのだろうか。

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    2025年07月30日
  • 戦前日本モダンホラー傑作選 バビロンの吸血鬼

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    大正から昭和初期にかけてに博文館の「新青年」意外の雑誌などに発表された怪奇・恐怖小説を集めたアンソロジー。
    「新青年」以外からとるという縛りゆえか、角田喜久雄と「豹の眼」の高垣眸を除けば(エロ関係の読み物で高田義一郎は知っていたが)知らない作家ばかりだが、逆にそれがこのアンソロジーをバラエティに富んだものにしている。

    収録作の中では、高田義一郎の「疾病の脅威」が後の赤塚不二夫を思わせるグロテスクなコメディで印象的。米村正一の「恐怖鬼侫魔倶楽部奇譚」は日本におけるスナッフ映画を題材にした先駆的な作品。岩佐東一郎「死亡放送」は明日死亡する予定の人物のリストがラジオ放送で読み上げられるという今時の

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    2025年07月19日
  • あなたの人生の物語

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    哲学空想系の脳汁でまくり短編集。
    読み切ってしまうのがもったいないと思いつつ、何度も心を落ち着かせながら拝読。

    少々クセありなので読み手を選ぶかもしれない。

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    2025年05月08日
  • 憑き狂い 現代怪談アンソロジー

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    憑き物のはなしばかり集めたアンソロジー。
    それぞれ味わい深いのだけれども、いちばんきになったのが冨士玉目『わたしはわたし』。これは祖父のアルバムを見たら自分の写真があって、しかも現在のあり得ない写真で、後ろに知らない女が写っていて徐々に侵食されているようなはなしだった。写真の中に怪異だが何かが潜んでいて精神に入りこまれたのか、自分の思っていた自分の顔が自分じゃなくなってきているはなしでめちゃくちゃ面白いと思った。
    とにかくこの短さで全体を把握できる文章力とかどの作家さんも素晴らしいと思う。現実にあることを創作じゃなく語るって面白すぎて震えるくらい好きだ。怪談好きになって良かったなぁと改めて思っ

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    2025年04月10日
  • あなたの人生の物語

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    ネタバレ

    短編集。「あなたの人生の物語」、「地獄とは神の不在なり」、「顔の美醜について」の3つが好き。
    「あなたの人生の物語」について
    突然現われたエイリアンとコミュニケーションをとろうとする言語学者の話だった。
    このエイリアンはヘプタポッドと呼ばれることになるのだけど、そのヘプタポッドがとにかく変。頭の下に足みたいな手が生えているので、僕の頭のなかではずっとタコさんウインナーがヘプタポッドだった。歩きかたも変わっている。目が頭の周りについているので前に進むときも後ろへ戻るときも方針転換する必要がないのだ。なので後ろに下るときは、こちらへ来たときの逆再生のように見えてちょっと気持ちわるい。
    時間の捉え方

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    2025年03月11日
  • 証言 初代タイガーマスク 40年目の真実

    匿名

    購入済み

    面白かった

    初代タイガーマスクをリアルタイムで知っている人は、読んで面白いと思います。
    佐山サトル氏が、当時タイガーマスクになる事をどう思っていたのかが分かります。
    証言者別に項目が分かれているので、読みやすいです。

    #深い #アツい

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    2025年03月05日
  • あなたの人生の物語

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    濃密な8篇の短編集。
    著者自身はアイデアが次々と湧いてくるタイプではないとしているそうだが、各作品で描かれる世界の構成力が半端ない。
    SF的なものの見方・考え方が図抜けているといってもいいかも。標題作もいいけど「地獄とは神の不在なり」の無常感は凄すぎる。

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    2024年11月30日
  • あなたの人生の物語

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    表題作が美しく切ない。ガイ・ドイッチャーの「言語が違えば、世界も違って見えるわけ」をSFにもってきた感じだけど、物語の構成がおしゃれ。

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    2024年11月20日
  • あなたの人生の物語

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    ネタバレ

    『ゼロで割る』
    本質的な理解などできない、意味がないということを、魂と同じように信じていたものから突きつけられてしまった孤独と、それが理解できず苦しむ孤独、分かり合えないものを数学的な視点と重ね合わせて描かれている。絶望と、伸ばした手の行き場がない苦しみがこの数学的問題に直面した数学者たちの痛みをわずかでも伝えてくれるような錯覚をいだいた。

    『あなたの人生の物語』
    どうやったらこんなお話が生まれるんだろう。ヘプタポッドたちの文字に関する化学的な部分の理解は私には難しくて理解しきれなかったけれど、結果としてそこにありながら過去、未来、現在が同時に同じように存在し、その全てを同じように知覚するこ

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    2024年11月07日
  • ギリシャ・ミステリ傑作選 無益な殺人未遂への想像上の反響

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    表題作を含む全15編のミステリ短編小説アンソロジー。もともとは『ギリシャの犯罪』という人気アンソロジーシリーズの第5巻に当たるものだそう。
    SF傑作選はギリシャ語→英語→日本語の重訳でしたが、こちらは直でギリシャ語→日本語っぽい。

    ミステリと聞いてパッと連想された「名探偵の華麗な解決劇」といった作品は少なく、犯人の視点に立った犯罪小説が多く収録されている印象。どれも1967〜74年の軍事独裁政権時代や2010年代の財政危機。移民、環境問題などに端を発しており、自国に対する息苦しさや無力感を漂わせる作品も多い。しかし、それでも中にはギリシャに対する希望や祈りを込めた作品も見られ、深い一冊である

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    2024年09月29日
  • シャーロック=ホームズ全集7 シャーロック=ホームズの思い出(上)

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    ネタバレ

    6つの短編集が集まった本。特に良かったのがグロリア・スコット号の話。探偵を志していなかったシャーロック=ホームズが大学生の頃の友達のお父さんに探偵向いてるよって言われたって話で、まずシャーロック=ホームズに大学生だった頃があるんだって驚き、探偵を目指してなかった時があるんだってことにも驚いた。

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    2024年09月01日
  • あなたの人生の物語

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    表題作、僕の読んだ中でいちばん美しい話だった
    自由意志が彼の中の大きなテーマなのだろうな
    僕はなくてもいいと、初めて思えた

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    2024年08月19日
  • あなたの人生の物語

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    ネタバレ

    映画「メッセージ」の原作が短編だったという理由と、映画で描かれたことを小説ではどのように表現されているのか、という好奇心で読み始めた次第だ。

    この作品は短編集で、8篇の物語で構成されている。当然ながら映画原作でもある表題作から読んでみたが、映画のような緊迫した争いごとは特に描かれていない。それよりも言語のデザインを逐次的から同時的に変えることで時間を超越するという発想にこそ重きを置いて、主人公のプライベートなエピソードはその補完として扱われているのだろうと初見では読み取ったのだが、いまひとつ自信のないまま最初の1ページ(「バビロンの塔」)から本作を改めて読み始める。

    「バビロンの塔」は円筒

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    2024年08月03日