【感想・ネタバレ】ギリシャ・ミステリ傑作選 無益な殺人未遂への想像上の反響のレビュー

あらすじ

ギリシャに形成されつつある新たなる迷宮。本書には、本格ミステリ、ノワール、警察小説など、各ジャンルのギリシャ・ミステリの精鋭たちの作品が収録されている。
回天するギリシャ・ミステリの世界へようこそ。

あなたは希望に胸膨らませた新人作家が大御所ミステリ作家のもとに持ち込んだ原稿を読む(「ギリシャ・ミステリ文学の将来」)。ナンシー・シナトラの曲が流れる中、ひとりの女と男の生涯を追体験する(「バン・バン!」)。現実とミステリの狭間をさまよう(表題作)。陽気な警官たちと観る、ブルース・スプリングスティーンのアテネ公演は最高だ(「《ボス》の警護」)。そして、最悪の愛が通りを駆け抜けてゆく――(「死ぬまで愛す」)。

二千年の時を経て、色合いを変え深度を増した迷宮が、あなたの前に扉を開く。
あなたはそこで怪物よりも不可解なものに遭遇するだろう。
混沌としたギリシャ・ミステリの謎に。

巻末に訳者による詳細な解説と「ギリシャ・ミステリ小史」を付す。

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Posted by ブクログ

表題作を含む全15編のミステリ短編小説アンソロジー。もともとは『ギリシャの犯罪』という人気アンソロジーシリーズの第5巻に当たるものだそう。
SF傑作選はギリシャ語→英語→日本語の重訳でしたが、こちらは直でギリシャ語→日本語っぽい。

ミステリと聞いてパッと連想された「名探偵の華麗な解決劇」といった作品は少なく、犯人の視点に立った犯罪小説が多く収録されている印象。どれも1967〜74年の軍事独裁政権時代や2010年代の財政危機。移民、環境問題などに端を発しており、自国に対する息苦しさや無力感を漂わせる作品も多い。しかし、それでも中にはギリシャに対する希望や祈りを込めた作品も見られ、深い一冊であると感じた。
巻末解説のギリシャミステリ史の概要も、とても興味深かった。文庫本にして1500円+税と、もはや少し前の単行本のような価格だけど……個人的には、やっぱり買ってよかった、と心から思った。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

作品紹介・あらすじ

ギリシャに形成されつつある新たなる迷宮。本書には、本格ミステリ、ノワール、警察小説など、各ジャンルのギリシャ・ミステリの精鋭たちの作品が収録されている。
回天するギリシャ・ミステリの世界へようこそ。

あなたは希望に胸膨らませた新人作家が大御所ミステリ作家のもとに持ち込んだ原稿を読む(「ギリシャ・ミステリ文学の将来」)。ナンシー・シナトラの曲が流れる中、ひとりの女と男の生涯を追体験する(「バン・バン!」)。現実とミステリの狭間をさまよう(表題作)。陽気な警官たちと観る、ブルース・スプリングスティーンのアテネ公演は最高だ(「《ボス》の警護」)。そして、最悪の愛が通りを駆け抜けてゆく――(「死ぬまで愛す」)。

二千年の時を経て、色合いを変え深度を増した迷宮が、あなたの前に扉を開く。
あなたはそこで怪物よりも不可解なものに遭遇するだろう。
混沌としたギリシャ・ミステリの謎に。

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ギリシャ人作家による15編の短編集。ギリシャ本国では「ギリシャの犯罪5」というタイトルで出版されていたアンソロジーとのこと。
うーん、正直あまり面白くはなかった。ミステリなんだけど、謎が解けた段階で、申し訳ないんだけれど「うーん、だから?」と思えてしまうような作品も少々。元々は「ボスの警備」という作品に興味があって購入したので、この本を手に取った動機自体が脆弱だったのだけれど。ちなみに「ボスの警備」はブルース・スプリングスティーンのコンサート警備を担当することになった犯罪捜査課の副主任の話。15編の中では他愛のない、微笑ましいくらいの作品。ブルースのファンだから読んでみたいと思った……ってのはやはり動機としては弱かったなとちょっと反省。

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2024年09月30日

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