Teamバンミカスのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
白鯨「モビー・ディック」との戦いを描いた、海洋冒険小説。ワンピースの白ひげが乗る海賊船「モビー・ディック号」の由来でもある。人々の生活を照らすため船に乗る船員たちと、そうではなく、昔対決し、足を引き千切られた怨みを晴らすべく白鯨を探し続け復讐しようとする、船長・エイハブ。最終的には、白鯨を見つけて戦闘するものの、ほとんどの船員が殺されてしまう。船上の志が不一致だと、大海原へ出る資格はおまえらにない、ということなのだろうか。ところでこの小説、主人公・イシュメルの存在が、前半は際立つものの、後半はまるで音沙汰がない。きっと、作者・メルヴィルは、エイハブ船長の、栄光でも賞賛でもない、己の誇りのため、白鯨への憎しみをじっくり描きたかったのだろうと思う。
-
Posted by ブクログ
キュルケゴールなんて世界史で名前だけ知っていて、一生読まないだろうなって思っていましたが触れる機会がありました。
このシリーズの良いところは内容をサクッと理解できるというだけでなく、網羅性の高さゆえに絶対に触れないだろうなというジャンルにまで触れることができる点だと思います。
内容の方は非常に深かったです。果たして絶望とは何なのか?自分とは何であるのか?オリジナルストーリーを用いての説明なので非常に読みやすい。
作中では本当の自分と向き合うということが課題となっていますが、現代社会こそまさにこれが最重要の課題だと思います。それだけ自分探しというのが難しくなっているということですね。
本当の自分(自分自身の自己)と向き合う勇気を持つことが大切。
自己が自己である責任に気付かない、責任から逃げる、責任に怒るという3つの絶望があり、それこそが「死に至る病」である。
そのため、自分自身と向き合って、自分自身の価値観を持ち、自分を信じることが大切なんだということが書かれています。
人間の本質に迫った良書だと思います。 -
Posted by ブクログ
文学コミック作品。
作品解説にもあるように、現代の視点に絡めて、解りやすく表現している。思春期の若者には共感する部分があるのではないだろうか。
また、難しいと感じていた『死に至る病』も、キルケゴールの人生と絡める事で理解しやすい。
同時に、『エヴァンゲリオン』のサブタイトルにこれが用いられた理由も理解できるのではないだろうか。
自己と向き合う、内面へと沈み、ありのままの自分を受け入れた上で、変わろうとする自己の姿、その再生への道。
学生時代、岩波文庫版を読んで感銘を受けつつも、「第三の絶望」部分で挫折した私には補完できた部分でき非常に良かった。 -
Posted by ブクログ
今日、ヒトラーについての言説は多々あり、本書の原著については、第二次大戦当時のドイツ人にとっての必読書、そして、青少年にとっても教科書以前に読むべき書のように位置づけられていたように認識している。
史実が語る稀有の独裁者ヒトラーの人物像と、特にホロコーストというドイツが行った歴史的な虐殺行為への恐怖から、これらの原点とされる『わが闘争』について、興味は引かれていたものの内容に触れようと文献を探すことはためらわれていた。また、それ以前に、この本の内容が現在に残されているとは思ってもいなかった。
それが、まんがにまとめられて出版されたことには驚いた。まんがであれば敷居も高くない。私はすぐに購入した。
本書に記されているヒトラーのユダヤ人批判は、現在も同様に行われているものである。もちろん、現在において「それではユダヤ人を抹殺せよ」などといった極端な議論になるはずもないが。
ともあれ、ずっと気になっていた本に接することができたのは、非常に有意義な経験であった。いつも本シリーズの企画はありがたいと思っていたが、今回は原著の性格が性格だけに、シリーズの中でも最も価値を感じた一冊であった。 -
Posted by ブクログ
ファウストに同じく積読状態だったので。
個人的にはファウストより好き。
考えてることをことごとく言語化されていってて、読んでて爽快。
おれはウェルテルとは仲良くなれる数少ない人間のひとりかもしれないwww
「僕らは本来のみなぎる力を失ったまま永遠に閉じ込められ、人間の活動一切はただ自らの惨めな生存を延長させることと、無目的な欲望の満足しかない。
人は自らを捧げられる対象を自分の魂の目標を見つけることなく、たかだか目先の飴やら人の鞭やらで動かされている。誰もその実情をわかっていない。」
「正論だけが世の中にきれいに埋まっていくとは限らない」
たまんないっすwwww
すごくおすすめ。 -
Posted by ブクログ
「そして貨幣はあたかも人間や商品の価値を決定する神のようにふるまい始める」
貨幣の成り立ち、資本主義が生み出す経済的格差、経済発展、商品付加価値の向上および景気サイクル。
このような金と資本主義の原点を見直す事が出来る一冊。
漫画と侮るなかれ、だと思う。
資産バブルとは違う、実態経済の過熱を資本主義が引き起こすということは致し方ないことであり、逆回転後の批判もあるかとは思うが、その競争課程で生まれた商品の高付加価値化を無視しての主張は受け入れがたい。
公平だとか維持だとかそんな「安定」はあり得ないと思う。
参加者は「人間」なのだから。
個性があるかぎりそれを理想として動くのは無理がある。
本書はシンプルなだけに、ポストサブプライムを生きる上で非常に考えさせる一冊。