いただいた一冊。まあ面白そうだったのでありがたく読ませてもらいました。
人口論の話なんだけど、不勉強ながら原書は読んだことがないので名言はできないのだけど、なんでナイチンゲールが出てくるんだろう?オリバーの話もソワイエの話も、原書にはないよね。理解しやすいと思ったのだろうか。だったら個人的にはもっ
...続きを読むとマルサスの人口論を掘り下げてほしかったと思った。
これを読んだ人は、ぜひFACTFULNESSも合わせて読んでもらいたい。そしたらマルサスの言っていることは必ずしも正しいとは限らない事が分かるから。
もちろんマルサスは18~19世紀の人なので、現代人と比較するのは間違っていることは認識している。
それでも、マルサスの説は非常に説得力があり、本当のことなのではないか、と信じさせられる説得力がある。僕もFACTFULNESSを読んでなかったら、無邪気に信じていたかもしれない。
でも決して未来はそんなに暗いもんでもないし、人口が今までのペースで無尽蔵に増え続けるわけでもない。そしてネズミのように誰しもが無尽蔵に子供を作るわけでもない。だって、先進国では少子化が叫ばれてるのだから。マルサスの理屈で言えば、少子化なんて起こらないはずだからね。
FACTFULNESSはそのことに気づかせてくれる。ホンマに読んだほうがいいよ。
じゃあこの本は間違っていて価値がないのか、というとそんなことはもちろんない。これはこれで重要な内容をはらんでいる。格差や極度の貧困が解消されなかったら、人口論で語られている世界が訪れる可能性は十分にある。
それをちゃんと理解した上で、必ずしも未来は暗くない、でも暗い方向に倒れる可能性はいつでも持っている、ということを認識しておくことは重要だし、この本はそのことを示唆してくれている。
マンガなので読みやすいがゆえに、表面的なところだけを把握して理解しないままで終わる可能性が非常に高いのだけど、原書を読む、他の本の内容と組み合わせる、などでより価値が出る一冊だと思う。