あらすじ
※本書はTeamバンミカスより配信されていた『破戒(まんがで読破)』と漫画内容に変更はございません。ご購入の際はご注意ください。
生きたい。このままずっと…普通の人間として
封建的身分差別が残る明治時代。青年教師・瀬川丑松は父の戒めを守り、素性を隠し暮らしていたが、同じく被差別部落出身の解放運動家・猪子蓮太郎の生き方に感化されてゆく。ある日、丑松の素性を疑う人物が現れ、生活は一変する…。「差別」という人間に根ざす社会悪を描き、漱石からも激賞を受けた自然主義文学の傑作を漫画化。
まんがで読破シリーズ 第2巻
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「まんがで読破」シリーズはまだ数冊しか読んでいないが、どの作品も素晴らしく感じている。まさに我が国の漫画文化の高さを証明してくれていると思う。本作も同様である。原作は28年前に読んでいるのだが、あまり覚えていない。初読とほとんど変わらない。印象が薄いのは部落問題が身近に感じられなかったせいだろう。私は北海道出身で、被差別部落なる存在を知ったのは社会に出てからだ。ただ結構な長編であったのは記憶しているので、この程度の厚さの漫画で収めきれるのかと初めは思った。しかしそれは杞憂であった。この漫画作品には感情を揺さぶられるものがある。登場人物に絵が与えられ、漫画的手法で情感が表現されると、読者は共感しやすくなる。明治の時代背景と、瀬川丑松の苦悩が直裁に伝わってくる。覚えていないから、原作と比較することはできないが、この作品単体でひとつの名作と言えるのではないか。原作の性質上、トーンは暗いが、救いのない暗さではない。丑松、猪子蓮太郎、土屋銀之助、お志保・・・それぞれがあの時代を必死に生きている。この作品には人間への信頼がある。愛がある。そして立ち止まって考えさせられる。もう一度原作が読みたくなった。
Posted by ブクログ
土族とか華族とか平民とか、私の知ったことじゃないですよ。
人々の心情がうまく表現され、とても熱くなった、身分を隠し生きてきた丑松、息子の事を思いひっそりと暮らし死んでいった父、自分でみせていたであろう父の幻覚を消し去り、床に手をつき告白する場面など息をのんだ。
ラストは身分差別など関係なくその人自身の生きかたに優しい未来がみえる形がえがかれており重い内容でありながらも読後感がさっぱりする作品。
Posted by ブクログ
明治の頃の身分に対する感覚って、こんな風だったんだ。あまりにもきつく、ひどい。
展開やまとめがうまく、とても面白い。
このシリーズに、いつも感心。感謝している。
主人公の教員丑松、その父、手癖の悪い住職、養女のおしほ、その父、活動家猪子、腹黒い新進政治家高柳、丑松の排除を目論む校長とその腰巾着勝野。素性を知った人々のそれぞれの反応。
そこで織りなす腹黒い人間のエゴと美しい心。一人の中に両方持つ人も。人とは愚かなりとも尊い。
子どもたちやおしほなどに見送られながら、新たな旅立ちをする丑松。原作ではアメリカへ、ここでは、東京かな。
Posted by ブクログ
制度と現在の差を感じる本であった。弱者と感じている生まれや身分だからこそ、同胞のために勇敢に世の中に対して叫ぶ必要は必ずしもあるわけではく、そもそもその人自身がどう生きたいかを決められるということをわたしに気が付かせてくれた。
読みやすさがあり、文庫本もまた内容を少し忘れかけた頃に読みたい
Posted by ブクログ
初めて読んだ。差別はなぜ起こるのだろうか。今も色んな形で差別はあるけれど、結局みんな同じ人間。誰かが上で、誰かが下なんてそんな組織だけの話。ある人は幸せで、ある人は生きづらいそんな社会であってはいけない。相手の立場になって考える人が増えれば、差別に加えて誹謗中傷もなくなってみんなが生きやすい社会になるんじゃなかろうか。
Posted by ブクログ
【1回目】数点まとめて買ったものの、長らく積んでおいたもの。もしかすると、読んでいたかもしれないが、記録がない。主人公は、部落出身の小学校教員。子どもたちにも慕われる、理想に燃えた青年である。身分を隠し通すことを強く希望していた父が死去すると、自問自答が激しくなる。やがて、彼を心良く思わない教員がその来歴を知ることとなり、父兄たちにも波紋が広がる。未だ克服できていないこの問題を考える際に、必ず参照したい古典的作品で、マンガ化は大成功だったと思う。
Posted by ブクログ
『破戒』という聴き慣れない言葉に興味が湧いて読んでみたくなった。
イラストの質としてはクセが強めなので、中には受け付けないという人もいるだろうと思う。そんな理由で今回の『破戒』は万人向けにはおすすめしない。
しかし、このイラストだからこそ表現できている部分があると感じてもいる。
なぜなら、原著の古典文学作品はその多くが、非常にリアリティを持って描かれている気がするからだ。
だから、人間のおぞましさや浅はかさ、汚らしさなどをうまく表現してこそ再現性が高いといえる。
その点でこのイラストは最適だと思う。
人間の怖さ、弱さ、儚さ、汚らしさが見事に描かれていて感情を揺さぶってくる。
『破戒』については自分なりに答えを出せた。これは武道でよく使われる『守破離』をよく表現したものだと解釈した。
ただ言われた戒律を守ることを破り、そして離れていく。その先に、覚悟という言葉の裏に隠れた自由がある。
ボクらは、大人になって何年と経つが、本当に大人だと言えるだろうか?
未だ『守破離』の『守』にいるだけの、大人のフリした大人が現代の日本にも少なくない気がした。
Posted by ブクログ
主人公の穢多である事を隠して学校の教師をしているが、最後にはバレて学校から追放される。
未だに封建的身分制度が残る明治時代。身分で人を差別するのは今の日本では考えられないが、少し昔までは残っていたと思うと今の日本が恵まれているとつくづく思う。
Posted by ブクログ
明治末期、日本の自然主義文学の始まり。人間の内面を追求する文学の始まり。そして、私小説の始まり。
100年前から特に時代は進んでないですね。多少豊かになって、他人のこと一々に気にしなくなったぐらい。
貧しくなったらまた差別は戻るんだろうね。
Posted by ブクログ
明治時代にまだ残る不条理な差別に対し、ひた向きに隠し通すか、立ち向かうかの葛藤がよく伝わってくる。
島崎藤村に興味を持ったので、ほかの作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
そもそもタイトルがかっこよすぎる! 「戒めを破る!」
人種差別の話でした。市民平等が唱えられている世の中でも結局残る身分差別。
自分の本当の身分を隠しながら生きていくことを決意する主人公が、結局最後はそんな世の中に対して戦う決意をするお話です。
そもそもそういうことに関わりのないゆとりな僕ですが、実際に自分がこういう状況だったら本当に戦えるだろうか?絶対無理だなと思わずにはいられないからこそ、矛盾を感じながらも自分の身分を必死で隠し通し、安泰に生きようとするこの主人公に感情移入できます。
ですが、この主人公もそうですが、結局頭でわかっていても行動に移していない限りそれはただの机上の空論でしかないわけで、なにも意味はないのかもしれませんね。
命を賭けてまでそうしたことが出来るかと言われれば絶対に出来ない僕なので何を言ってもそれこそ意味はないのですが、こうした人達のこういった熱い思いっていうのは少しうらやましいと思いました。
でも、自分の正しいと思うことをするっていうのはヒトラーの時もそうでしたが必ずしも正しいことではないかもしれないし、本当に難しいですね〜。
いまいち評価の良くない「まんがで読破」シリーズですが、これは全体的に評価が良いみたい。僕も良いと思う!
Posted by ブクログ
「僕は絶対にあの戒めを破りません」
穢多であることを隠してきた主人公の話。
身分を隠し通せという父からの戒めを守っていた時の主人公。身分がバレさえしなければ普通の暮らしを送れることに理解しつつも、隠し通そうとする姿は苦しそうであった。
Posted by ブクログ
明治時代
身分がなくなった世の中でも
エタヒニンは差別されていた
→屠殺を行ったりするひとたち
決してその素性をばらしてはいけない
という父からの戒めを
最後の最後で、主人公は破る
→それが「破戒」
一生に秘訣とはこの通り簡単なものであった。「隠せ」
→この小説はこの一語(ひとこと)に尽きた。
■思うこと
差別をいじめを完全になくすことは難しい、それは人間の本質的な仲間になりたい、そして異質なものから傷つけられたくないという心の裏返しのように思う
→何よりも痛みを知ることが大事
■豆知識
三人の子供を餓死させながら書いた小説らしい。。まじか。。
Posted by ブクログ
島崎藤村の破戒。いつか読もうと先送りにしてきて、漫画で読めるというので手に取り一読。ストーリーは追えた。
あっという間に読めてしまうので、我が身に置き換えて考えるとか、味わうとかするには漫画は不向きだなと感じた。
活字を追いながら、頭の中で立体的に人物を想像し、彼らが動くのを見て、話すのを聴いて、物語の中に自分も入っていく。そのプロセスを普段はしていて、そこに喜びがあるのだと分かった。
臨場感がたまらない。活字の力、想像力の力は、素敵だ。
でも、漫画でなければ知らないままだったかもしれないので、これはこれとしてありがたかった。
Posted by ブクログ
封建的身分差別が残る明治時代。
青年教師・瀬川丑松は父の戒めを守り、素性を隠し暮らしていたが、同じく被差別部落出身の解放運動家・猪子蓮太郎の生き方に感化されてゆく。
ある日、丑松の素性を疑う人物が現れ、生活は一変する…。
「差別」という人間に根ざす社会悪を描き、漱石からも激賞を受けた自然主義文学の傑作を漫画化。