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武家の三男坊が囲碁に抱いた見果てぬ夢。 史上最強の名人になる。 幕末前夜、囲碁に果てしない大望を抱いた男がいた。 「古今無双の名人になる」──この男、服部立徹、幼名・吉之助こそ、後に「幻庵」と呼ばれ、囲碁史にその名を燦然と輝かせる風雲児だった。 鎬を削るは、本因坊家の丈和、安井家の知達ら。 囲碁の天才たちによる触れれば血が吹き出るような熱き激闘、その歴史の幕が上がる! ※この電子書籍は2016年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
【書名と著者】 幻庵 上 百田尚樹 【目的】 百田尚樹の本を一通り読んでみるキャンペーンを勝手に開催してるから。 とくに本書は囲碁に関してほぼ知らない読者にどうやって面白く読ませるのだろうという興味から。 【読後感】 複数の世代に渡る囲碁サーガ群像劇。 囲碁のルールをほぼ知らなくても(最初は辛い...続きを読むが)読めてしまう。 ある意味、例えるなら小説版ヒカルの碁といってよい。 他の百田尚樹の著作に比べると説明が難解かつ、コラム的に外出ししているのは囲碁を知らない人を楽しませる工夫なのかなと感じた。 (一般に説明を会話で読ませる傾向あり) 名人を諦めたものの碁界の壁として立ちはだかる義父の一代記、少年時代の幻庵とライバルたちとの切磋琢磨、各家元の関係や事情、これらが描かれて先が気になるところで上巻は終わりを迎える。 【印象に残ったポイント】 ・囲碁を家業とする家に縁が与えられる点 プロゲーマー、しかも公務員。こんな制度は他国にあったのだろうか? ・名人碁所の権威 囲碁や将棋のタイトルは、いまの感覚だとプロが大会に自由に出て取るもの。だが、江戸時代は家元に生まれて他と隔絶した打ち手でなければならないこと。一人で強くなるのは大変だし、好敵手がいたら他と隔絶することが難しい。 ・囲碁の才能の見分け方、一流棋士の慧眼 現代の採用面接は難しいけど、囲碁の内弟子を見抜く目は確実。なかなか不思議。 ・文字で魅せる熱いバトル 囲碁のことはわからなくても、盤面でどのような切った張ったが繰り広げられるかはなんとなく伝わる。 時間制限なし、体力気力の続く限り考え抜いて打ち続ける。 これを絵ではなく文章で魅せられることが素直にすごいと感じた。
囲碁は全く分からないんだけれども、それでも十分楽しめた! 棋譜は理解できなくても、その戦いがどれだけ激しく難しいものかは伝わってくる。 主人公の登場までは師匠の話やその時代の囲碁についてなど、長くはある。 現代と比較した比喩なども出してくれるので分かりやすかった。 上巻最後では衝撃的な出来事が… 続...続きを読むきを読むのが辛いけど、気になる!
江戸時代の囲碁の話 ・囲碁の強さに差別は無い ・本当に強い人だけが生き残る ・色んな強さがある 私自身、将棋は指せるが囲碁は出来ない。ヒカルの碁は全館読破ぐらいの知識しか有りませんが、本書を読むと囲碁を打ちたくなります。 中国から伝来してきた囲碁は江戸時代に日本で進化を遂げた、服部因徹、高野丈...続きを読む和、安井仙知 名人級の腕を持ちながら名人にならなかった漢達と至高の一手を目指す天才達の物語! 中巻に期待します! 百田尚樹さんは永遠の0にて囲碁の話をしていたような気がします。本書を見た時に、あの頃から書きたかったんだろうなぁと思いました。
プロローグ 第一章 鬼因徹 第二章 仙人の碁 第三章 天才少年 囲碁 白石と黒石 相手の石を囲んだら取れる。取った石の数が多いほうが勝? 位の認識しか無いのに読めるだろうか… 細かい打ちまわしはなんとなく通り過ぎても、勝者はわかるし、何を目標にしているかもわかる。子供のうちからの練習が大事なこ...続きを読むとなんだ。
まるでドラゴンボールだ。 時は幕末、きら星のごとく碁の天才情念が次々と現れる。 こいつが最強とおもうとすぐにまた新たな才能がそいつをうちくだく。 惜しむらくは家督襲名制のため、ほぼだいたいみんな似たような名前になってしまい誰が誰だか区別がつかない点。 それとこれはドキュメンタリーかルポルタージ...続きを読むュの書かれ方になっており小説というよりは歴史の教科書を読んでいるかのようである。ただ淡々と事実を地の文でつづられている。
囲碁に興味があるかかつ、司馬遼太郎のような歴史小説が好きな人は良いかもしれません。 囲碁の小説は少なく個人的には楽しめましたが、登場人物が多い事、囲碁対局ページ数が多く変わり映えしないのが難点です。
幕末の時代、囲碁の風雲児と呼ばれた幻庵の生涯を語った物語。 どこまでが史実で、何が創作なのかわかりません。 なので、どちらかというと囲碁ドキュメンタリといった感じです。 囲碁の知識がないと、読み進めるのは辛そう 上巻では、 本作の主人公となる吉之助が因淑と出会い、その内弟子となります。 同様に生涯...続きを読むのライバルとなる丈和、知達といった囲碁の天才達が現れてきます。 ここで語られる人物たちの対局が描かれますが、正直、読むのは辛い。 囲碁用語でいろいろ語られていますが、正直そのすごさがわからない(笑) 棋譜も描かれていますが、それがどう凄いのか分からない(笑) 囲碁を通したスポコンものと思いきや、そんな感じでもありません。ただ、本書から読み取れるのは、囲碁の世界の厳しさです。そして、各家を存続させるための厳しさ。 中巻に続く
自分は将棋や囲碁のルールが全く判らへんのやが、1ヶ月以上かかって何とか上中下3巻完読や。囲碁好きには堪らん小説やろなぁ。しかし麻雀好きな自分にとっては、阿佐田哲也の牌符が有る小説の方が馴染むな。
百田尚樹『幻庵 上』文春文庫。 幕末期、後に幻庵と呼ばれる囲碁界の風雲児の生涯を描く長編小説の上巻。 囲碁については全く知識が無いのだが、時折、著者による解説が入るので、何とか追いて行けそうだと思ったのだが、物語は進まずに兎に角長い。何度も同一人物との対局が描かれるので、飽きてさえ来る。格闘技小...続きを読む説や剣豪小説の場合の真剣勝負は生死に関わるので、闘いは一度きりであったり、インターバルがあるのだが、囲碁の場合は違うようだ。
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