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Posted by ブクログ
【書名と著者】
幻庵 下
百田尚樹
【目的】
百田尚樹の本を一通り読んでみるキャンペーンを勝手に開催してるから。
とくに本書は囲碁に関してほぼ知らない読者にどうやって面白く読ませるのだろうという興味から。
名人碁所の争いは風雲急を告げ、幻庵はどこに至るのか気になる一冊。
【読後感】
とにかく、凄く厚みのある本を読んだ。百田尚樹作品の中で、ほかに三世代にわたる群像劇はない。作中で流れる時間と人生のままならなさと盛者必衰の理を感じた。
幻庵の一生を走馬灯のように追体験した、ような気分になった。
そして、碁打ちたちの生きたさまが夢幻かのような結末を迎え、儚くもスッキリする。
【印象に残ったポイント】
・盤の外では何やってもダメ主人公
弟子に勝たせて俺が名人や!と閃くも結果は悲惨なことに。
ダメなところが妙に微笑ましく、こんなところから江戸のスターたちの中から、主人公に選ばれたのかも?と空想した。
・時流が大事、極論は巡り合わせなのか
名人碁所、力だけではなれない。
謀を巡らせても、人も謀を巡らせる。
・血を吐いてでも打つ
わたしは自分の仕事に対して才もないし、ここまで打ち込めもしない。
才能と環境に恵まれたとはいえ、命を賭けて打てることに敬意が持った。
・人生、どう生きたか
盤の外ではいいとこなし、盤の中でも油断して見損じて、時流を得なかった。
結果が伴わなくても、自分がどう生きたか納得できれば人生に悔いはないのだろうと思う。
・名人碁所とは何だったのか
令和の世にはない名人碁所、この絶大な力と名声は当時の世にいないとわからないのだろうけれど、いまの名人とは明らかに異なる。
・時代が移り変わる儚さ
名人碁所どころか、碁を推奨する幕府すらなくなった。
かつて幻庵が見た開国はエポックメイキングな出来事だが、比べると平和の世は変化が早く激しいと感じる。
Posted by ブクログ
百田尚樹『幻庵 下』文春文庫。
幕末期、後に幻庵と呼ばれる囲碁界の風雲児の生涯を描く長編小説の下巻。
中巻の終盤から下巻の展開は面白い。短気者の自分には上巻から中巻にかけてのゆっくりとした展開が耐えられないだけなのかも知れない。
結局、因碩らを策略に嵌めた丈和が名人碁所となり、因碩の名人碁所への道は断ち切られる。
人生には必ずそういう場面がある。その後捨て鉢になり、自分を見失うか、さらなる高みを目指すかで未来は違って来る。人生の山と谷、それを機微と感じ、どのように振る舞うかで、その後の人生は決まる。
もはやこれまでかと思われた因碩にも好機が巡って来る。昇段を巡る丈和の悪事が露呈し、丈和は名人碁所から隠退する。因碩は自ら名人碁所を願い出るが……
本体価格660円
★★★★
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