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「生きて妻のもとへ帰る」
日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた......。
人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。
元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り――それが祖父だった。
「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻に志願したのか? 健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。
はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語!
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Posted by ブクログ
愛
献身性?
明確な悪役
新聞記者
行間を読み取れない男
多くの遺書には、愛するものに対する限りない思いが綴られているから。喜んで死にい者に、あれほど愛のこもった手紙が書けるものか。
宮部久蔵。
愛の尊さ?言語化できない。心が洗われる感覚。芯を持った人間はここまで美しいのか。周りに影響を与えるのか。
周りに流されず、自分の信念に生き、愛する人との約束を守るために。
昔の人はこうだったのかな。
今の人間は終わってるかもしれない。
死と隣り合わせ。その環境だからこそ生み出せる思考や局地をきっとまだまだ浅いところだけど少し触れることができた気がする。
全てに感謝。そりゃそうだよな。この世にプラスを残そうとするんだろうな、そういう思考?
明らかな悪役の新聞記者
こんな「行間を読み取れない男」にはなりたくない。最近考えている想像力が本質なのではないかという自分の理論をまた強固とするエピソードとなった。
やっぱり想像力、事実を読み取って、背景を感じ取る。それが本当に大事であり大切にしたいと考える。
P294
「繕いものをしている妻
自分のシャツの肘のところに繕いがしてありました。じっと見ると、一針一針丁寧に塗ってありました。
私はそれを見た瞬間、言いようのない愛情を感じたんです。この女、身よりもなく、器量も良くないこの女、俺の見繕いをし、俺のために食事を作ってくれる、この女―」
今見ると前時代的な発言かもしれないけど、この言語化できない愛にうわーってなった
大好きだって思うときって波紋みたいに広がっていくというか、愛情表現したくてたまらなくなってしまうんだよな
ただ可愛いとかでは全く思わない気がする。これで言うと献身性を感じたときなのかな。自分の中で、そういう気持ちになった時をメモして分析してみたいなって思う。
宮部さんみたいに芯を持って、何を大切にすべきかを大事にしながらブレずに来ていきたい。
Posted by ブクログ
【書名と著者】
永遠の0
百田尚樹
【目的】
百田尚樹への興味から。
小説家だと思っていた百田尚樹が60台後半にして政党を立ち上げて、2025年7月下旬をもって国政政党の要件をすべて達成するに至った。
いままで書名は聞くも読むに至らなかった著者の書籍を読んでみたいと思い、初めて読むなら気合が入ったデビュー作がよかろうと選んだ一冊。
【読後感】
心に曇天が広がるも、
戦争に臨む現場の悲痛、現場と人命を軽視する組織に振り回される悲惨さ、もしも戦争がなければ生きていたかもしれない方々、避けられたかも知れない戦争によりその後の人生が決定的に変わってしまった方々に思いを馳せるとともに、先人が命を懸けて残してくれた日本で安心して生活できることに心からの感謝をささげたいと感じた。(歴史小説、所詮は史実を扱ったフィクションではある のだが)
また、本書から17年を経て百田尚樹が国を憂いて立ち上がったことにも一定の納得感がある。
【印象に残ったポイント】
・永遠の0とは
作中に、大本営の指揮と現場の扱いは、まるで今の政治家と官僚が牛耳る政治ではないかとの旨の台詞があった。
読んでいて、いまの日本のようだと読み進めた矢先に出てきた台詞。日本が、歴史から学んでない、進歩が0ってことなのか?体制以外にも今の日本と重なる部分を感じ、わたしは日本の歴史からの学びが永遠の0なんじゃないか、と感じた。
それとも、零戦で散っていった同胞への思いを込めたものなのか。
それとも、永遠に戦争が0でありますように?
永遠の0→霊、永遠の霊=英霊への祈りか。
・人権意識とリアリズムのアメリカと、人命無視とリベラリズム(教条主義的)な日本
アメリカは兵あっての戦争、日本は兵を消費した戦争。武士道なんちゃらで撃墜した後のアメリカ兵には手出し無用→戦線復帰、一方日本は無茶な作戦で徒に兵(しかも熟練の)の命をすり減らす。勝つために手段があるのに、日本は手段が目的化していると感じた。
・雰囲気で人を動かす日本のマネージャー
特攻をせよとは言わず、志願するものは前に出よ。実質的に指示なのに、言いにくいことは言いたくない。ハッキリ言わずに相手を動かしたいマネジメント。これは今の日本にも通じると感じる。これは、日本特有なのか、海外でもあるのか、海外でもあるなら文化や言語や地域にどんな傾向があるのか、気になるところ。
・顔の見えない大本営と、顔の見える現場の個人
作中からは顔の見えない大本営。顔の見える現場の個人は紆余曲折あるが丁寧に描かれていた。一方で、大本営からは現場の個人の顔は見えず、人間性を捨象した数になってしまう。
数字でリソースを配分するエリートに対し、不十分なリソースで工夫が求められる辛い現場。
たとえば、今の日本でも工事はn人月、工期が危なくなると、いくらでn人月を追加!とか。
抽象的に数を見ている人たちは現場の具体が見えない構造がある。こいつらバカ、と言ってしまうのは簡単だが、今も数十年前もあまり変わっている気がしないので、いまの人間の認知能力の問題のような気もする。
組織という大きいウチのなかで、大本営~現場に至る各レイヤで顔を合わせる人間がウチ、そうでないとソト、だから想像することができず安易に抽象化して人間性を捨象してしまうのではないか。
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