プロフィール

  • 作者名:貫井徳郎(ヌクイトクロウ)
  • 性別:男性
  • 生年月日:1968年02月25日
  • 出身地:日本 / 東京都
  • 職業:作家

早稲田大学商学部卒。1993年『慟哭』で作家デビュー、『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞2010年に受賞。『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞。その他作品に『症候群シリーズ』、『明詞シリーズ』、『天使の屍』などがある。

作品一覧

  • あり得たかもしれない未来、今ぼくがいる場所
    -
    1巻110円 (税込)
    二年も付き合っていた彼女にふられた僕は、気分を紛らわせるために、駅前の広場に立ち寄りベンチに座った。すると、同じベンチの反対側から若い女性のすすり泣く声が聞こえてきた…。誰もが一度は思ったことのある「あの時、もしも…」を描いた、平凡なぼくの、ある一夜のお話。
  • 他人の不幸は蜜の味 平成ストライク(分冊版)
    3.3
    1巻220円 (税込)
    『平成ストライク』の分冊版になります。(平成30年史は含まれません) 貫井徳郎「他人の不幸は蜜の味」のみの商品です。

    試し読み

    フォロー
  • 二重露出
    -
    1巻220円 (税込)
    その公園に面した場所で営業していたのは、加倉喜直の蕎麦屋と、麻井春樹の喫茶店。二人とも長年持ち続けてきた夢を叶えた結果の店だった。それなりに充実した日々を送る二人の幸せは、ある日を境に揺さぶられることになる。それは、公園のトイレに住み着いたホームレスだった。10m先にまで届くほどの異臭を放つホームレスが、両店の客足を途絶えさせたのだ。追い詰められた二人は、自らホームレスを排除することを決意するのだが…。
  • 母性という名の狂気
    -
    1巻220円 (税込)
    幼い娘が何者かから虐待を受けているようだ…。光治は珍しく仕事から早く帰り、娘と一緒に風呂に入ってそれに気づいた。一方で佳美は、夫が浮気をしているのではないかと疑念を募らせる。そんな不安定な気持ちが、娘・亜紀へ向かう。強情を張る娘を叱りつけ、床に倒して額をこすり付ける。自分には母性というものがないのだろうか…と罪悪感にかられる佳美。光治はやがて娘への虐待の犯人が彼女であることを疑い始める。そして、凄惨な結末を迎えた光治・佳美の関係には背筋も凍る驚愕の事実が!?
  • そして天使は微笑む
    2.0
    1巻220円 (税込)
    中学1年生の弟・勝也がいじめを苦に自殺した。遺書にはいじめた奴らへの恨みが綴られていた。おれは、書かれていたことが事実であるのかを確かめるために、遺書で名指しされていた弟の同級生に会うことにした。そして、おれは、弟の死に隠された思いも寄らない真実にたどり着いてしまった…。
  • 思慕
    -
    1巻220円 (税込)
    客として訪れたステーキハウスのウェイトレス・里海に一目惚れした一毅は、この店で働こうと即座に決心する。彼女に近づくチャンスは初日に訪れた。就業後に歓迎会が開催され、一緒の方向に帰る二人は会話を交わすことに。しかし、間もなく里海には一流企業に勤める恋人がいることがわかり、意気消沈する一毅だったが、その恋人が二股をかけていたことが発覚する。「彼に対する復習のため」一毅を誘う里海。2歳年上の彼女の美しい肉体に翻弄され、一毅は願ってもないひとときを過ごすことができたが…。
  • 病んだ水
    3.0
    1巻220円 (税込)
    「早いもので、あの事件からもう4ヵ月の時間が流れました。…礼子さんが誘拐されたときのことを、私は今でもはっきりと憶えています…」。産業廃棄物処分場建設に携わる会社・サンセンの社長令嬢が誘拐された。犯人が要求した身代金は五十万円。その少なさに違和感はあったものの、受け渡しを指名された社長秘書は、犯人の指示通りに行動を開始する。しかし、結果的に金は忽然として消え、その二日後、娘の礼子は無事に戻った。そして四ヵ月後、秘書が礼子にしたためた手紙に記された事件の真実とは?
  • 殺意のかたち
    3.0
    1巻220円 (税込)
    六月十一日、錦糸町の公園で男性の死体が発見された。死因は毒死。他殺の疑いが濃厚となり、本所警察署の川添刑事は、本庁の捜査一課刑事・香坂と組んで、捜査を開始した。被害者の部屋で発見された現金書留の控えにあった、ある人物の自宅を訪ねたふたりの刑事は、そこで思いがけない事実を知るのだが…。ベテラン作家が贈る傑作短編ミステリー。

    試し読み

    フォロー
  • 被害者は誰?
    値引きあり
    3.5
    1巻339円 (税込)
    豪邸の庭に埋められていた白骨死体は誰なのか? 犯人が黙秘を貫く中、警察は押収した手記をもとに、被害者の特定を試みるが……。警視庁の桂島刑事から相談される、迷宮入り寸前の難事件の数々。それを解き明かすのは、頭脳も美貌も態度も規格外のミステリー作家・吉祥院慶彦(きっしょういんよしひこ)。痛快無比! 本格推理の傑作。
  • 鬼流殺生祭
    値引きあり
    3.5
    1巻381円 (税込)
    維新の騒擾(そうじょう)燻(くすぶ)る帝都東京の武家屋敷で青年軍人が殺された。被害者の友人で公家の三男坊九条惟親(くじょうこれちか)は事件解決を依頼されるが、容疑者、動機、殺害方法、全て不明。調査が進むほどに謎は更なる謎を呼ぶ。困惑した九条は博学の変人朱芳慶尚(すおうよしなお)に助言を求めるが……。卓抜な構成と精妙な描写で圧倒する傑作本格ミステリ。
  • 迷宮遡行
    値引きあり
    3.3
    1巻431円 (税込)
    平凡な日常が裂ける――。突然、愛する妻・絢子が失踪した。残されたのは1通の置き手紙のみ。理由が分からない。失業中の迫水は、途切れそうな手がかりをたどり、妻の行方を追う。彼の前に立ちふさがる、暴力団組員。妻はどうして、姿を消したのか? いや、そもそも妻は何者だったのか? 絡み合う糸が、闇の迷宮をかたちづくる。『烙印』をもとに書き下ろされた、本格ミステリーの傑作。

    試し読み

    フォロー
  • 転生
    値引きあり
    3.8
    1巻474円 (税込)
    自分に移植された心臓は、ドナーの記憶を持っているのか? 移植手術を受けた大学生の和泉は、これまでとは違ってきた自分の趣味や嗜好に戸惑う。突然夢に現れた恵梨子という見知らぬ女性の存在も気にかかりながら心惹かれてゆく。やがて和泉は夢の記憶だけを頼りに、タブーであるドナーの家族との接触を図り、恐るべき近代医学の闇に直面する。
  • 自薦 THE どんでん返し
    3.4
    1巻517円 (税込)
    名だたる本格ミステリの書き手があなたを仰天させる!ミステリには不可欠のラストの驚き、どんでん返し。6人の作家が自作から「これは」というどんでん返し作品を自ら選び、読者に届けます。どうぞみなさん、だまされてください。
  • 悪党たちは千里を走る
    値引きあり
    3.8
    1巻530円 (税込)
    「真面目に生きても無駄だ」。しょぼい騙しを繰り返し、糊口を凌ぐ詐欺師コンビの高杉と園部。仕事先で知り合った美人同業者と手を組み、豪邸の飼い犬を誘拐しようと企てる。誰も傷つけず安全に大金を手に入れるはずが、計画はどんどん軌道をはずれ、思わぬ事態へと向かってしまう――。スピーディな展開と緻密な仕掛け。ユーモアミステリの傑作。
  • 微笑む人
    3.5
    1巻545円 (税込)
    エリート銀行員の仁藤俊実が、「本が増えて家が手狭になった」という理由で妻子を殺害。小説家の「私」は事件をノンフィクションにまとめるべく、周辺の人々への取材を始めた。「いい人」と評される仁藤だが、過去に遡るとその周辺で、不審な死を遂げている人物が他にもいることが判明し……。理解不能の事件の闇に挑んだ小説家が見た真実とは!? 戦慄のラストに驚愕必至! ミステリーの常識を超えた衝撃作! 解説/末國善己
  • 失踪症候群 <新装版>
    3.4
    1巻550円 (税込)
    警視庁には、警察組織が扱いにくい事件を捜査する影の特殊工作チームが存在する。警務部人事二課の環敬吾が指令を送るのは、私立探偵・原田征一郎、托鉢僧・武藤隆、肉体労働者・倉持真栄、プロフェッショナルなメンバー3人である。若者の連続失踪事件。その背後にあるものを探るべく、チームは動き出す。最後のページまで興奮がとまらない、大人気「症候群シリーズ」新装版・三月連続刊行、第一弾!
  • プリズム
    3.6
    1巻550円 (税込)
    小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。

    試し読み

    フォロー
  • 警官の貌
    3.7
    1巻561円 (税込)
    警視庁捜査三課で盗犯一筋のベテラン刑事が見抜く真犯人は?(今野敏「常習犯」)ほか、警察小説のてだれによる傑作作品集。どれも新鮮な驚きに満ちた、珠玉の短編が揃っています。
  • 明日の空
    3.2
    1巻565円 (税込)
    桜が満開に咲き誇る4月。帰国子女の栄美にはその美しさを楽しむ余裕はない。何しろ今日、日本での高校生活の初日を迎えるのだ。「アメリカの話はなるべくしないように。日本人は、みんな一緒なのが好きなんだ」パパの忠告はしっかりと胸にしまってある。けれど予想に反して高校生活は心弾むものだった。ある日、栄美は気になる男の子と遊びに行く約束をしたのだが、なぜか二人は必ずすれ違ってしまい……。時は流れ、栄美は大学生となった。ある人との出会いをきっかけに、高校時代の大切な思い出と痛みの記憶はまったく別の形を見せてゆく――。「誰かのために」清廉な願いを名手が鮮やかに描く、忘れられない青春ミステリ。

    試し読み

    フォロー
  • 我が心の底の光
    3.8
    1巻572円 (税込)
    母は死に、父は人殺し、そんな峰岸晄は暗い少年時代を送っていた。孤独の闇の中で、晄が向かう先は――。八〇年代のこの国に生を享けながら、豊かさとは無縁に飢えて育ち、感情を殺して生きる晄の、心の底に差す光は何なのか? 全編を覆う「無温の世界」。身を震わせるラストの衝撃! 胸を撃ち抜く傑作長編!
  • 誘拐症候群 <新装版>
    3.5
    1巻594円 (税込)
    誘拐事件が連続して起きていた。しかし子供の家族がなんとか払える身代金を要求するため、表沙汰にはなっていない。今、警視庁人事二課・環敬吾は影の特殊工作チームに招集をかける。だがその時、メンバーの一人で托鉢僧の武藤隆は、知り合いの子供が誘拐された事件に巻き込まれていた――闇に潜む卑劣な犯人を必ず炙り出す! ページを捲る手がとまらない、大人気「症候群シリーズ」新装版・三月連続刊行、第二弾!
  • 愚行録
    3.5
    1巻605円 (税込)
    ええ、はい。あの事件のことでしょ? えっ? どうしてわかるのかって? そりゃあ、わかりますよ。だってあの事件が起きてからの一年間、訪ねてくる人来る人みんな同じことを訊くんですから。――幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。池袋からほんの数駅の、閑静な住宅街にあるその家に忍び込んだ何者かによって、深夜一家が惨殺された。数多のエピソードを通して浮かび上がる、人間たちの愚行のカタログ。『慟哭』の作者が放つ、新たなる傑作!

    試し読み

    フォロー
  • 光と影の誘惑
    3.4
    1巻616円 (税込)
    銀行の現金輸送車を襲い、一億円を手に入れろ――。銀行マンの西村は、競馬場で出会った男とすぐに意気投合した。ギャンブルに入れ込む自分を非難する妻から逃げたい。ひと旗あげたい。鬱屈するような日常に辟易した二人の男たちが巧妙に仕組んだ、輸送車からの現金強奪計画。すべてはうまくいくかのようにみえたのだが……。男たちの暗い野望が招いた悲劇を描いた表題作ほか、平和な家庭を突如襲った児童誘拐事件、動物園での密室殺人、ある家族が隠し続けた秘密など、名手が鮮やかなストーリーテリングで魅せる、珠玉の傑作中編ミステリ4編。

    試し読み

    フォロー
  • 天使の屍
    3.3
    1巻616円 (税込)
    思慮深かった中学二年の息子・優馬がマンンションから飛び降り、自殺を遂げた。動機を見出せなかった父親の青木は、真相を追うべく、同級生たちに話を聞き始めるが……。《子供の論理》を身にまとい、決して本心を明かさない子供たち。そして、さらに同級生が一人、また一人とビルから身を投げた。「14歳」という年代特有の不可解な少年の世界と心理をあぶり出し、衝撃の真相へと読者を導く、気鋭による力作長編ミステリー!
  • 崩れる 結婚にまつわる八つの風景
    3.5
    1巻638円 (税込)
    仕事もしない無責任な夫と身勝手な息子にストレスを抱えていた芳恵。ついに我慢の限界に達し、取った行動は……(「崩れる」)。30代独身を貫いていた翻訳家の聖美。ある日高校の同級生だった真砂子から結婚報告の電話があり、お祝いの食事会に招待されるが……(「憑かれる」)。家族崩壊、ストーカー、DV、公園デビューなど、現代の社会問題を「結婚」というテーマで描き出す、狂気と企みに満ちた8つの傑作ミステリ短編集。
  • サイドストーリーズ
    3.8
    1巻660円 (税込)
    『天地明察』『探偵はバーにいる』『鍵のかかった部屋』『さよならドビュッシー』『百瀬、こっちを向いて。』『ストロベリーナイト』『まほろ駅前多田便利軒』など、人気作のサイドストーリーが読めるアンソロジー。
  • 慟哭
    4.0
    1巻660円 (税込)
    痛ましい幼女誘拐事件の続発。難航する捜査。その責めを負って冷徹な捜査一課長も窮地に立たされた。若手キャリアの課長をめぐる警察内部の不協和音,マスコミによる私生活追及。この緊迫した状況下で,新しい展開は始まった! サイドストーリイに,黒魔術を狂信する新興宗教の生態や現代の家族愛を鮮烈に描きつつ,人間内奥の悲痛な叫びを抽出したこの野心作は,北村薫氏をして,書き振りは《練達》,読み終えてみれば《仰天》,と驚嘆させた,巧緻この上ない本格推理。

    試し読み

    フォロー
  • 新装版 修羅の終わり(上)
    値引きあり
    3.5
    1~2巻662円 (税込)
    記憶をなくした僕を戦慄させた奇妙な一言、「あなたは前世で私の恋人だったの」。謎の少女・小織の一言を手がかりに、失った記憶を探し始める。自分は一体何者だ?姉はなぜ死んだ?レイプを繰り返す警官・鷲尾、秘密結社"夜叉の爪"を追う公安刑事・久我、記憶喪失の〈僕〉が、錯綜しながら驚愕のクライマックスへと登りつめる。現在最も注目集める作家貫井徳郎の傑作本格ミステリー。<解説入り>
  • さよならの代わりに
    3.5
    1巻717円 (税込)
    「私、未来から来たの」。劇団「うさぎの眼」に所属する駆け出しの役者・和希の前に一人の美少女が現れた。彼女は劇団内で起きた殺人事件の容疑者を救うため、27年の時を超えて来たというのだ! 彼女と容疑者との関係は? 和希に近づく目的は? 何より未来から来たという言葉の真意は? 錯綜する謎を軽妙なタッチで描く青春ミステリ。
  • ミハスの落日
    3.6
    1巻733円 (税込)
    スペインはミハスに住まう大富豪に突如呼び寄せられた青年、ジュアン。面識もない老紳士が語るのはジュアンの亡き母との苦い記憶だった。三十年の月日を隔てて密室殺人の謎が明かされる表題作の他、青年と警察の視点で綴るストックホルムの悲劇的な殺人、疑惑の未亡人を探るサンフランシスコの保険調査員、ジャカルタで発生した連続娼婦殺人事件、カイロを訪れたアメリカ人美女の秘密など、ストーリーテリングの名手が異国を舞台にその土地で生きる人々の悲痛な叫びをすくい取る。あまねく襲う衝撃の結末が深い余韻を残す、至高のミステリ全5編。/解説=村上貴史
  • ドミノ倒し
    3.3
    1巻733円 (税込)
    地方都市・月影市で探偵業を営む十村は、亡くなった元恋人の妹から「殺人事件の容疑者となっている男の無実を証明して欲しい」と依頼される。久しぶりの依頼に、十村は旧友の警察署長も巻き込んで、癖のある月影市の住人たちを相手に早速調査に着手する。しかし調査を進めていくうちに、過去に月影市で起きた別の未解決殺人事件との奇妙な共通点が見つかり、さらに別の殺人事件との繋がりも浮かび上がる。ドミノ倒しのように真実を追えば追うほど異様に広がっていく事件。その真相に探偵が迫るとき、恐るべき結末が待ち受ける――。人間の歪みと捩れを浮き彫りにする、衝撃の長編ミステリ。/解説=三島政幸
  • プリズム
    3.4
    1巻770円 (税込)
    女性教師が自宅で変死-- 謎が謎を呼び、推理が推理を呼ぶ 貫井徳郎 本格ミステリの最高傑作! 女性教師はなぜ死んだ? 多重解決ミステリの神髄!! 小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。ホワイトデーにチョコレートを送った同僚の男性教師が容疑者として浮かび上がり、事件は簡単に解決すると思われたが……。浮かんでは消える容疑者たち。いったい誰が犯人なのか? 死んだ女性教師は何者だったのか。推理が推理を呼ぶ、超絶技巧の挑戦作であり、ミステリの常識を超えた衝撃作! 解説/千街晶之 【目次】 Scene1 虚飾の仮面 Scene2 仮面の裏側 Scene3 裏側の感情 Scene4 感情の虚飾 解説 千街晶之
  • 夜想
    3.7
    1巻784円 (税込)
    事故で妻と娘を失い、毎日を惰性で生きる雪籐(ゆきとう)。ある日落とした定期を拾ってくれた若い女性に、雪籐は胸を衝かれた。彼女は涙を流し「あんまりかわいそうなので、つい……」と言ったのだ。その女子大生・天美遙は、物に触れるとそこに籠もった“思い”を読み取る不思議な能力を持っていた。悩む人の相談にのる彼女の力をもっと広く役立てようと、雪籐は仕事をやめ、会をつくるが…これは新興宗教の誕生なのか? 魂の救済を描く、圧巻の感動巨編。
  • 女が死んでいる
    3.4
    1巻792円 (税込)
    二日酔いで目覚めた朝、ベッドの横の床に見覚えのない女の死体があった。俺が殺すわけがない。知らない女だ。では誰が殺したのか――?(「女が死んでいる」)表題作他7篇を収録した、企みに満ちた短篇集。
  • 壁の男
    4.3
    1巻800円 (税込)
    彼はなぜ絵を描き続けたのか? 〈最後の一撃〉が読者の心を撃ち抜く感動の傑作長編。 北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。 決して上手いとは言えないものの、その色彩の鮮やかさと力強さが訴えかけてくる。 そんな絵を描き続ける男、伊苅にノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが、寡黙な彼はほとんど何も語ろうとしない。 彼はなぜ絵を描き続けるのか――。 だが周辺を取材するうちに、絵に隠された真実と、孤独な男の半生が次第に明らかになっていく。 〈最後の一撃〉が読者の心を撃ち抜く感動の傑作長編。 解説・末國善己
  • 北天の馬たち
    3.5
    1巻836円 (税込)
    横浜・馬車道にある喫茶店「ペガサス」で働く毅志は、二階に探偵事務所を開いた皆藤と山南の仕事を手伝うことに。しかし、付き合いを重ねるうちに、毅志は皆藤と山南に対してある疑問を抱いていく……。
  • 殺人症候群 <新装版>
    3.9
    1巻847円 (税込)
    警視庁・人事二課、環敬吾が率いる特殊任務チームは、一見何の関係もない複数の殺人事件に関連性がないか捜査を開始する。「大切な人を殺された者が、犯人に復讐することは是か非か」という社会的テーマとエンターテインメントを融合させた読み応え抜群の徹夜本。サスペンス、社会派、ハードボイルド、そして本格ミステリー。あらゆる醍醐味を味わえる、シリーズ三部作の掉尾を飾るにふさわしき大作にして傑作! 装い新たに新登場!
  • 私に似た人
    4.0
    1巻850円 (税込)
    小規模なテロが頻発するようになった日本。実行犯たちは一様に、冷たい社会に抵抗する《レジスタント》と称していた。テロに走る者、テロリストを追う者……それぞれの心象と日常のドラマを精巧に描いた、第151回直木賞候補作、待望の文庫化。
  • 平成ストライク
    4.0
    1巻858円 (税込)
    JR尼崎駅で通勤電車を待っていたカメラマンの植戸は電車脱線の報せを受ける。その後、ホームで見かけた高校生が事故の取材現場にも現れて……(「加速してゆく」青崎有吾)。私は悪を倒すため、正義のために、彼のブログに殺害予告を書き込み続ける(「他人の不幸は蜜の味」貫井徳郎)。 平成に起きた、印象的な事件や出来事をテーマに9人の注目作家が紡ぐ衝撃のミステリ。今を手探りで生きる私たちの心に刺さる、珠玉の競作集!
  • 神のふたつの貌
    2.7
    1巻880円 (税込)
    ――神の声が聞きたい。 牧師の息子に生まれ、一途に神の存在を求める少年・早乙女。 彼が歩む神へと到る道は、同時におのれの手を血に染める殺人者への道だった。 三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは? 巧緻な仕掛けを駆使し、“神の沈黙”という壮大なテーマに挑んだ、21世紀の「罪と罰」。 ※この電子書籍は2004年に刊行された文春文庫を、新装版で刊行したものを底本としています。単行本は2001年9月に文藝春秋より刊行されています。
  • 乱反射
    4.1
    1巻880円 (税込)
    幼い命を死に追いやった、裁けぬ殺人とは? 街路樹伐採の反対運動を起こす主婦、職務怠慢なアルバイト医、救急外来の常習者、飼犬の糞を放置する定年退職者……小市民たちのエゴイズムが交錯した果てに、悲劇は起こる。残された新聞記者の父親が辿り着いた真相は、法では裁けない「罪」の連鎖だった!
  • 新月譚
    4.0
    1巻896円 (税込)
    ベストセラー作家はなぜ筆を折ったのか? 突然筆を折ったベストセラー作家・咲良怜花。その理由は、一人の男との煉獄のような恋愛関係だった。甘く残酷で痛ましい恋愛物語。
  • 灰色の虹
    4.0
    1巻899円 (税込)
    はじめてできた恋人と幸せな日々を送っていた江木雅史に、上司殺しの疑惑がかかる。前日、殺された上司との諍いを周囲が目撃していたからだ。無実を主張しても状況証拠からの疑惑は晴れず、目撃証言が決定打となり、懲役6年の刑に服する。出所後、家族も恋人も失ったことを知った江木は、絶望の末に復讐を誓う。狙うのは、真実を見誤った者たちだ。終わらない不幸の連鎖、果てしない人間の業に胸をえぐられながらも、読む手が止まらない。新潮文庫版を電子書籍化。
  • 悪の芽
    3.9
    1巻946円 (税込)
    大手銀行に勤める41歳の安達は、無差別大量殺傷事件のニュースに衝撃を受ける。40人近くを襲ってその場で焼身自殺した男が、小学校時代の同級生だったのだ。あの頃、俺はあいつに取り返しのつかない過ちを犯した。この事件は、俺の「罪」なのか――。懊悩する安達は、凶行の原点を求めて犯人の人生を辿っていく。彼の壮絶な怒りと絶望を知った安達が、最後に見た景色とは。誰の心にも兆す“悪”に鋭く切り込んだ、傑作長編ミステリ!
  • 罪と祈り
    3.9
    1巻957円 (税込)
    貫井徳郎史上 最も切なく 悲しい誘拐事件 スリルと感動のどんでん返しミステリ! 警視庁を震撼させた 世紀の誘拐事件の真実とは? 元警察官の辰司が、隅田川で死んだ。 当初は事故と思われたが、殴られた痕がみつかった。 真面目で正義感溢れる男が、なぜ殺されたのか。 息子の亮輔と幼馴染みの賢剛は、死の謎を追い、 賢剛の父・智士の自殺とのつながりを疑うが……。 隅田川で死んだふたり。 そして、史上空前の未解決誘拐事件の真相とは?  男たちの絆と葛藤を描く、慟哭の長編ミステリ! 解説/西上心太 【目次】 第一部 亮輔と賢剛 第二部 辰司と智士 第三部 亮輔と賢剛 第四部 辰司と智士 第五部 亮輔と賢剛 第六部 辰司と智士 第七部 亮輔と賢剛  解説 西上心太
  • 宿命と真実の炎
    4.3
    1巻972円 (税込)
    幼き日に、警察に運命を狂わされた誠也とレイ。大人になった二人は、彼らへの復讐を始 める。警察官の連続死に翻弄される捜査本部の女性刑事・高城理那は、かつて“名探偵” と呼ばれた元刑事の存在を気にしていた。彼だったらどう推理するのか――。人生を懸け た復讐劇がたどりつく無慈悲な結末。最後の1ページまで目が離せない大傑作ミステリ。
  • 後悔と真実の色
    4.0
    1巻972円 (税込)
    “悪”を秘めた女は駆除する――。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか? 男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作。
  • 邯鄲の島遥かなり(上)(新潮文庫)
    続巻入荷
    4.0
    全3巻1,100~1,210円 (税込)
    神か、仏か。人間離れした美貌の男、イチマツこと一ノ屋松造が神生島(かみおじま)に戻ってきた。松造は島に福をもたらすと伝えられる一ノ屋の末裔で、島の女と次々に契る。不思議なことに、彼の血を引く子どもは皆、身体のどこかに唇に似た形の痣が刻まれていた。「イチマツの子」たちはそれぞれの天命を背負って激動の時代を生き抜く。明治維新から現代まで。島に生きた一族の営みを描く大河小説が開幕。
  • 追憶のかけら 現代語版
    4.0
    1巻1,265円 (税込)
    600ページを一気読み!!! どんでん返しは 何回あるのか!? 終戦直後と現代が複雑に絡み合う 驚愕と感動のミステリ巨編! 話が四転五転六転する!? 絶望の泥沼からの脱出! 事故で妻を喪い、 失意のどん底にいた大学講師・松嶋は、 自殺した作家の未発表手記を入手。 離れ離れになった娘と一緒に暮らすために、 作家の自殺の真相を究明し、名を上げようとするが……。 複雑に絡み合った謎の果てに辿り着いた真実とは?  旧字旧仮名づかいの作中作が現代語となり 圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった、 圧巻のミステリ巨編! 解説/野地嘉文
  • 紙魚の手帖Vol.01
    続巻入荷
    5.0
    1~20巻1,500円 (税込)
    「ミステリーズ!」の後継誌ついに創刊。コンセプトは、国内外のミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーを刊行してきた東京創元社による「総合文芸誌」。『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞、第21回本格ミステリ大賞W受賞の櫻田智也が贈るシリーズ最新作。第21回本格ミステリ大賞の全選評も一挙掲載。さらに、第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」ほか、充実の創刊号。/【目次】『紙魚の手帖』創刊にあたって/【創刊記念特別エッセイ】投げ込みマガジン〈紙魚の手帖〉戸川安宣/【受賞作決定!】第31回鮎川哲也賞 選評  辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩/第18回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信/【第18回ミステリーズ!新人賞受賞作】三人書房 柳川 一●第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚/【第21回本格ミステリ大賞全選評】第21回本格ミステリ大賞受賞作決定!/第21回本格ミステリ大賞選考経過/受賞の言葉 [小説部門] 櫻田智也 [評論・研究部門] 飯城勇三/選評 小説部門/選評 評論・研究部門/【日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞第一作】白が揺れた 櫻田智也●ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、悲劇の真相は?〈エリ沢泉〉シリーズ最新作!/【読切】ゼロ 加納朋子●私の元にやってきたのは、カフェオレ色の天使だった。少女と犬の絆を描く最新ミステリ!/スフレとタジン 近藤史恵●コロナ禍の影響で志村さんが講師で始めた〈パ・マル〉の料理教室。タジン鍋を使うモロッコ料理を……。/フォトジェニック 秋永真琴●カメラを構える彼女の目に、この世界は、僕は、どんなふうにうつっているんだろう? 気鋭が贈る傑作掌編。/108の妻 石川宗生●点描の妻、夢見る妻、革命家の妻、お品書きの妻……様々な「妻」をお楽しみください。/セリアス 乾石智子●ひっそりと暮らす魔道師夫婦、彼らの秘密とは……/魚泥棒は誰だ? ピーター・トレメイン 田村美佐子 訳●修道院の厨房で起きた二件の事件をフィデルマが解き明かす/【INTERVIEW 期待の新人】千田理緒『五色の殺人者』/大島清昭『影踏亭の怪談』/【BOOKREVIEW】[文芸全般]瀧井朝世/[国内ミステリ]宇田川拓也/[翻訳ミステリ]村上貴史/[SF]渡邊利道/[ファンタジイ]三村美衣/『紙魚の手帖』創刊記念読者プレゼントキャンペーン/執筆者紹介/編集後記・次号予告
  • 私に似た人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルから勝手にミステリー系を想像していたが、いい意味で裏切られた。

    物語の主軸には、個人を恨むではなく、普通に生活ができない社会を憎む貧困層によるレジスタンスとそれを使嗾するトベという存在。
    上手く生きていけないのは、社会が悪い、バブルの恩恵ばかりを受けて皺寄せを若者が被っているという漠然とした思想が中心の話だが、割とリアリティがあってゾクゾクした。

    私はあまり、そういう考えに至ったことはないが十分に納得できるし、それを一つ上の立ち位置から教唆する人々の構図も現実味を帯びていてゾッとした。

    0
    2024年11月14日
  • 慟哭

    Posted by ブクログ

    物語は捜査一課長と新興宗教にはまった男の二軸から構成されているが、終盤には…。
    読み進めるうちに次の章が気になって、徹夜してしまったほど。この作品がデビュー作だなんて、凄すぎる。

    0
    2024年10月26日
  • 悪の芽

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ものすごく考えさせられる作品だった。
    自分の何気ない一言が他者の人生を大きく変えてしまうことがある。大人になった今でも、ましてや幼少期にそこまで想像力を広げるて生きていくことなんてできない。

    想像力の欠如こそ人間の弱さ。

    まさにその通りであると思う。悪の芽も善の芽も育てるのは人間の想像力だ。

    0
    2024年10月07日
  • ひとつの祖国

    Posted by ブクログ

    戦後、朝鮮半島のように東西2カ国に分断された日本を舞台にしたありそうな作品だが、展開がヌルい。サスペンスとも言えず、政治ドラマでもない。そのくせ505ページという(大)長編。とにかくさっさと読み終わろうと思った。
    が、気づいた。これは今の日本のどうしようもないジレンマを告発しているのかも知れない。米国に追随し、とても主権国家とは言えない状況を変えることができないままでは、国民は家畜としてしか生きられないぞと警鐘を打ち鳴らしているのだと。

    0
    2024年10月02日
  • 慟哭

    Posted by ブクログ

    読書好きの義父さんオススメの本。宗教にハマっていく松本さん、捜査一課長の佐伯さん。2つの話が繋がったとき、鳥肌だった。静かに興奮して一気に読んでしまった。映画化はできないなぁ。難しい単語多かったけど、語彙力アップして嬉しい(´ω`)

    0
    2024年09月30日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!