ノンフィクション - PHP研究所作品一覧

  • アトランティス・ミステリー プラトンは何を伝えたかったのか
    3.7
    現代から約一万二千年前、大西洋上にアトランティスという繁栄する島があった。だが次第に堕落し、神罰によって一昼夜にして海中に没してしまった――。プラトンが「全面的に真実の話」として書き遺した、アトランティス伝説である。地質学者やアマチュア研究者、はては霊能力者にいたるまで、数多の男たちがこの伝説の虜となり、様々な説を発表してきた。「アトランティスは実在した。いま大西洋に沈んでいる」「いや、クレタ島のことだ」「アイルランドだ」「南極だ」……。だが、どの説も決定的な証拠に欠け、いまだ定説はない。しかし、ヨーロッパ人が持つ先入観とは無縁であり、さらにプラトンの真意を見抜く歴史学者の眼を持つ著者が本書で展開する論説は、まさに「コロンブスの卵」と唸るに足る説得力を持つ。西洋古代史最大の謎を解き明かす、新鋭歴史家のデビュー傑作。 読者は、ページをめくるのがやめられなくなるはずだ。
  • 秋山好古と秋山真之 日露戦争を勝利に導いた兄弟
    5.0
    世界最強のロシア騎兵を防ぎ、戦史に名を残す激戦を繰り広げ「日本騎兵の父」と称えられた兄・好古。日本海海戦で無敵といわれたバルチック艦隊を破る秘策を立て、名将・東郷平八郎から「智謀湧くが如し」と絶賛された弟・真之。この兄弟を抜きにして日露戦争は語れまい。礼儀作法を重んじ、無欲恬淡、豪放磊落な好古と、形式にとらわれず、つねに本質を見極め才気走ったところがある真之。全く異なる性格のふたりだが、ともに共通していたのは、戦場ではつねに作戦のことを考え、作戦以外のことは気にかけなかったことだ。本書は、松山に生まれた兄弟の幼少期から真之の死、好古の中学校校長時代まで、真っ直ぐに明治を生き抜いたふたりのエピソード満載の一冊。『坂の上の雲』以上にこの兄弟に魅せられることは間違いないだろう。人間的な魅力溢れるこの兄弟の知られざる素顔に迫る人物評伝。

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  • 貧乏クジ世代
    3.4
    その数、なんと1900万人!「第2次ベビーブーマー」「団塊ジュニア」と称される一群を含む70年代生まれ、いま20代後半から30代前半の彼らは、ひそかに「貧乏クジ世代」とも揶揄される。物心ついたらバブル景気でお祭り騒ぎ。「私も頑張れば幸せになれる」と熾烈な受験戦争を勝ち抜いてきたが、世は平成不況で就職氷河期。内向き、悲観的、無気力……“自分探し”にこだわりながら、ありのままの自分を好きになれない。「下流社会」「希望格差社会」を不安に生きる彼らを待つのは、「幸運格差社会」なのか?

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  • インフォドラッグ
    3.5
    私たちの脳と心は、映像や音などふだん接する“情報”によって、大きな影響を受けている。薬物を濫用すれば依存症が発生するのと同じように、“情報”によっても依存が形成され、脳と心は深刻なダメージを受けることがある。本書では、このような脳と心をあやつる“情報”を「インフォドラッグ」と呼び、その接し方・扱い方に警鐘を鳴らす。 テレビゲームはとりわけ魅力的なインフォドラッグだ。親が放っておいたら、子どもたちはほとんどの時間をゲームに費やす。なぜなら、ゲームに夢中になっているときに脳内で放出されるドーパミンの量は、覚醒剤を注射したときに匹敵するからである。脳は二十歳ごろまでかかって形成される。未成年にとっては、テレビやゲームの暴力・レイプ・殺人シーンは、覚せい剤・コカイン・マリファナと同じだけの注意が必要である。ゲーム依存やネット依存――子どもたちをこの現代病から守らねばならない。

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  • 議員秘書
    -
    「おやじ」である政治家のため、票・金集めに東奔西走。そして疑惑問題の渦中でカギを握る……。はたしてその実体は黒子か、黒幕か!~ 本書は、普段、表舞台に登場しない「議員秘書」に光をあて、政界の深い闇に斬り込む。「公設」と「私設」の違いは? どのような人が秘書となるのか? どこでどのような仕事をしているのか? 給与はどうなっているか? 政治家との関係は? などわかりにくい政治の仕組みを明らかにし、それらを踏まえたうえで、「竹下流集金システム」を独力で作り上げた鈴木宗男氏の問題や田中真紀子の秘書給与流用疑惑問題、「口利きビジネス」などの真相を探る。さらに、政局を大きく揺るがした事件から知られざる秘書の実像に迫る。「リクルート事件」や「竹下派分裂」の陰で一体何が起っていたのか? 「金庫番」として重責を担った秘書たちの壮絶なドラマを描く。もう一つの日本政治の姿を浮き彫りにする涙と笑いの永田町活劇!!

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  • 砂漠の狐 ロンメル将軍
    3.0
    第二次世界大戦中の最も優秀なドイツ軍人として、史上最強とも言われる戦車軍団をつくりあげたロンメル将軍の名前を挙げる人は多いだろう。その優れた指揮能力と巧みな戦術は、アフリカ戦線で対峙した英米軍を震え上がらせ、神出鬼没な戦いぶりから「砂漠の狐」と恐れられた。本書は、祖国ドイツのために多大な戦功を上げながらも、最期はヒトラー暗殺未遂事件に連座して自殺に追い込まれる悲劇の勇将の生涯を描いた人物評伝である。ロンメルの生い立ちから始まり、「ブルー・マックス」と呼ばれるドイツ最高の勲功章を獲得した第一次大戦での活躍、そして護衛部隊指揮官として徐々にヒトラーとの関係が親密になっていった戦間期など、今まで触れられることの少なかった第二次大戦前のロンメルについても詳しく紹介している。著者が長年にわたって収集した貴重な写真資料や解説コラムも多数収録した、ロンメル・ガイドブックの決定版! 文庫書き下ろし。
  • 阿部正弘 日本を救った幕末の大政治家
    3.0
    開国維新を断行した救国の宰相・阿部正弘の生涯を描く長編歴史小説である。幼少期から次代の幕政を担うエースとして嘱望されていた阿部は、17歳で家督を継ぎ、25歳で老中就任、27歳にして享保の改革を推進した水野忠邦の失脚の後をうけて老中首座に就く。以後、周囲の期待に応え責務を果たしてきた正弘であったが、西欧諸国の相次ぐ通商要求、さらにはペリー来航という空前の国家存亡の危機に直面する。幕府の対応如何では、内乱あるいは欧米の植民支配に屈するという状況であった。阿部はまず、世界情勢を的確に把握することに努め、対外貿易等の策を慎重に施しながら、一方で国内の開国派・攘夷派の対立エネルギーを見事に封じ込め、国論を開国へと統一していくのである。一部の者から、瓢箪鯰、昼行灯などと酷評されながらも、為政者として如何にあるべきかを常に問い、国家の行末に命をかけた若き宰相を再評価する意欲作である。
  • 日本海軍の興亡 戦いに生きた男たちのドラマ
    3.8
    日本海軍とは、いかなる歴史をたどった組織であったのか。東郷平八郎、秋山真之、山本権兵衛、山本五十六、角田覚治ら、海軍史にその名を刻む名提督・名参謀の真実の姿とは。そして、戦史に残る、数々の名勝負・名場面は、どのような人々の決断によって、展開されていったのか……。本書では、勝海舟による創始から、日清・日露戦争の勝利によって、日本を世界の第一級国に押し上げた、“栄光の明治時代”、軍縮条約に対する意見の衝突によって、次第に組織に歪みを生じてゆく、“苦悩の大正時代”、そして、開戦反対派の努力もむなしく、太平洋戦争に参戦、あげくの果ての徹底的敗北により、組織解体に陥る、“悲劇の昭和時代”にいたるまで、波瀾に満ちた、日本海軍の興亡史を、代表的人物の言動を中心にしながら、ドラマチックに描き上げてゆく。「海軍に厳しい海軍ファン」である著者の目が、海軍の功罪をあます所なく示してくれる、海軍ファン必携の書。
  • 平成日本を震撼させた 重大事件未解決ミステリー
    2.0
    平成も四半世紀が過ぎようとしている。この間、55年体制の崩壊と政権交代、バブル経済の破綻と「失われた20年」。そして、阪神・淡路大震災と東日本大震災……。これらの変化により、地下鉄サリン事件や秋葉原無差別殺傷事件など、今まであまり見られなかった多くの人々を無差別に傷つける事件や、神戸連続児童殺傷事件など、動機が不明な少年事件も目立つようになってきた。また、PC遠隔操作事件のように、被害者どころか自分が加害者にされる可能性もあるのが、今という時代だ。犯罪の「数」こそ減っているが、「質」が変わってきている。本書は、「なぜ被害者家族の訴えは警察に届かなかったのか」「犯人の本当の動機は何だったのか」など、重大事件に隠された未解決の謎に焦点を当て、考察する。▽「現代の犯罪」から完全に逃れるのは難しい。だが、知識がある人とない人とでは危機管理に大きく差が出るだろう。平成という時代を安全に生きぬくための一冊。

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  • 藤堂高虎 家康晩年の腹心、その生涯
    3.5
    戦国末期の激動の時代を、己の天賦の才能を駆使しながらしたたかに生き抜いた藤堂高虎。浅井長政の下で初陣を飾った後、阿閉淡路守、羽柴秀長、豊臣秀吉と次々と主君を替え、関ヶ原の戦では家康に属し、ついに伊勢・伊賀22万石の主となった。その後も豊臣恩顧の外様大名でありながら、家康から親藩以上の厚遇を受け、10万石を加増されるに至る。乱世にあって、何を信じて生きるのか? 自己の生を忠実にまっとうする以外ない。“ゴマスリ大名”藤堂高虎像を真っ向から打ち破った野心作。
  • マリリン・モンロー 魅せる女の言葉
    -
    愛されるために何をする? 20世紀を風靡した悩殺の映画スターの素顔から学ぶ、「魅せる」人になるということ――。無邪気でセクシーな稀代の女優、マリリン・モンロー。「世界の恋人」と謳われた彼女の魅力は、今もなお人々を惹きつけてやみません。完璧なまでの美しい肉体と天才的なエンターテインメント性を持つ彼女は、ともすれば「可愛くてちょっと頭の弱いブロンド娘」ととらえられがち。しかし彼女にしてみれば、そのイメージすらも、愛されるために築き上げたひたむきな努力の証だったのです。本書では、モンローが残した60の言葉から、世界を魅了することを真剣に目指した彼女の新たな側面を描き出します。愛されながら、ひときわ輝く女性になるためのヒントをくれる1冊。 【項目例】●本物の女優になりたいのよ。お金や名声はどうでもいいの。 ●私は女としては失格よ。 ●2+2が4でなくてもいい、ということがわかって良かったわ。 ●私たち、地上にいる数少ない星は、ただ、輝いていたいだけなのです。
  • 偉人はそこまで言ってない。 歴史的名言の意外なウラ側
    -
    「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」(マリー・アントワネット)、「余の辞書に不可能の文字はない」(ナポレオン)……あの名言も、この名言も、実はそんなこと言ってない!? 世界史や日本史の授業で習い、映画や舞台でも決め台詞として使われている歴史的名言の数々。「さすが偉人!」と思わせる含蓄のある言葉たちですが、実はそのどれもに「ウソ」と「意外なウラ話」が隠されているのです。本書は、「ウソ名言」というかつてない切り口から、偉人の知られざる素顔を解き明かしたもの。残された素晴らしい名言からは考えられない、偉人たちの少し残念で、クスリと笑ってしまうようなエピソードが満載。 【目次より】●「それでも地球は回っている」(ガリレオ・ガリレイ) ●「ブルータス、お前もか……」(ユリウス・カエサル) ●「少年よ大志を抱け」(クラーク博士) ●「敵は本能寺にあり」(明智光秀) ●「板垣死すとも自由は死せず」(板垣退助) ●「I HAVE A DREAM.」(キング牧師)

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  • ネット・ウォーズ
    3.0
    インターネットをビジネスチャンスにつなげたニューリッチたち。「次なる一手」に鎬を削る勝ち組企業の数々。本書はベストセラー『ヘッジファンド』(文春新書)などの著作がある著者が、独自の取材力と、緻密にして大胆な分析で、熱き戦いの表と裏のシナリオを読み解く。インターネットへの取り組みの遅れや国家的危機管理の弱さからアメリカの一人勝ちを創出した日本であるが、個々人の高い潜在的能力と技術力で再逆転は十分に可能であるという。激動のネットワーク社会を生きる我々一人一人を励ます一冊である。

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  • 范蠡 越王句践の名参謀
    4.0
    「臥薪嘗胆」「呉越同舟」など、数多くの故事を生んだ中国春秋時代の呉と越の戦い。その戦いにおいて、卓抜した軍才と優れた政治手腕で越に勝利をもたらし、越王句践に覇をとなえさせた名将が范蠡である。しかしのちに王との確執から官を辞し、商人として巨財を築くもその富を周囲に分け与えるなど商人の鑑としても名を残した。いわば、軍師と豪商の二つの人生を成功させた稀有の才能をもった、中国の歴史上でも類稀な人物といえる。本書は、そんな范蠡の稀有にして波瀾に満ちた生涯を、雄渾な筆致で描き出した長編歴史小説である。日本でも、南北朝騒乱の時代、南北朝方の忠臣・児島高徳は、隠岐に配流された後醍醐天皇の館の庭の桜の木に「今の時代にも句践王を支えた范蠡のごとき忠臣がいます」と書して天皇を激励したという故事がある。中国のみならず、日本においても、その忠臣ぶりは著名だったのである。PHP文庫書き下ろし中国人物シリーズ。
  • 武田勝頼 宿命と闘い続けた若き勇将
    3.0
    1573年、甲斐の虎・武田信玄が上洛の志半ばで死去した。このとき勝頼28歳。信玄の四男であった彼は、兄達の自害や病死によって正式な後継指名を受けないまま家督を継ぐこととなった。もともと母系諏訪家の名跡を継ぐ予定だった勝頼には、強力な後ろ盾がいない。そのため家臣団に抑えがきかず亀裂が生じようとしていた。さらに急激に勢力を増してきた織田・徳川連合が、武田家の領地を脅かそうと何かとちょっかいをだしてくる。勝頼を取り巻く事態は予断を許さない状況にあった。そんな中、勝頼は巻き返しを図るべく高天神城を包囲する。父信玄さえも攻略できなかった難攻不落の城。これを落とせば綻(ほころ)び始めた家臣団が再び結束するかもしれない。そんな思いを胸に戦場に向かった勝頼は、怒涛の如く攻め立て見事攻略するのだった。名将信玄の跡を継ぐという宿命ともいうべき重責を担った若き武将の光と影を描く人物小説。
  • もっと知りたい! 長宗我部元親 「四国の雄」のすべてが楽しくわかる
    -
    戦国屈指の人気を誇る武将・長宗我部元親。半農半兵の一領具足を巧みに戦へと動員し、見事、四国全域にわたる領土拡大を果たし、天下取りの野望を抱いた知勇兼備の名将である。ここ数年の戦国ブームにともない、元親の知名度は急上昇中だが、「まだまだ逸話などが断片的に伝わるだけで、詳細がよく分からない」というのが現状ではないだろうか。本書は、元親がもっとも輝いていた「土佐統一戦から四国統一戦」に焦点を当て、その魅力のすべてを、独自の愉快なキャラたちがユーモアたっぷりに分かりやすく紹介する、新感覚歴史読本である。各章末には通説とは異なる新説を紹介する「コラム」を掲載し、また、巻末には一族・家臣はもちろん一般的にはあまり知られていない四国内の関連武将も多く取り上げた「人物事典」や、一度は訪れてみたい元親ゆかりの名所を厳選して紹介する「関連史跡」など、元親ファン垂涎の情報満載の一冊!
  • 雲は答えなかった 高級官僚 その生と死
    4.3
    『そして父になる』の是枝裕和監督、その原点となる傑作ノンフィクション! 本書は、世界的に評価される是枝裕和監督自ら、“原点”と位置付ける記念碑的作品である。初のディレクター作品となったドキュメンタリー番組『しかし…福祉切り捨ての時代に』(1991年)の放送後、取材を重ねて29歳で執筆したノンフィクションで、題材はある高級官僚の生と死。水俣病訴訟を担当し、1990年に自ら命を絶った官僚・山内豊徳の歩みを丹念に辿り、「人はいかに時代と向き合うべきか」を問うた普遍的な作品となっている。映画作家・想田和弘監督はこう評す。“読後感は、上質な小説か劇映画のそれに似ていて、(中略)是枝の手による「山内豊徳」像は、フィクションとノンフィクションの区別を越えた「表現」に昇華されている” 刊行から22年――。是枝監督の“原点”はいま、何を問いかけるのか。本書は1992年刊行の『しかし…』を改題し、2001年刊行の『官僚はなぜ死を選んだのか』をもとに加筆・修正したもので、今回の出版に際しては、是枝監督による「刊行にあたって」、想田和弘監督による「解説」を新たに収録。すでに読まれた方にも、再読を勧めたい。

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  • 世界の未解決事件53
    5.0
    ラストコンサートをやる気まんまんだったマイケル・ジャクソンは、なぜ復帰直前で急死したのか? ダイアナ元皇太子妃事故死の黒幕はやはり英王室なのか?本書は、世界に衝撃がはしった奇怪で不可思議な未解決事件を厳選し、その真相に迫ったものである。本書で扱った事件は、芸能向きの事件ばかりではない。世界でもっとも有名な連続殺人事件といわれる「ゾディアック事件」や世界中の人が目撃したのに、迷宮入りとなった「ケネディ大統領暗殺事件」等、残虐極まりない犯罪や政治がらみの未解決事件の裏側にも鋭く切り込んでいる。ところで、日本で起こる事件というのは、海外で先例が見受けられることが多い。たとえば、米国版オウム真理教といわれる人民寺院がおこした事件もそのひとつであり、私たち日本人と無関係とはいいきれない。本書で扱った事件を、いつ自分たちの身に降りかかるかわからないという想像力をもって読んでいただけたら幸いだ。

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  • プロ野球 運命の出会い 男たちの人生を変えたもの
    -
    それは必然だったのか、それとも偶然か――。男には、その後の人生を大きく変えることになる、「運命の出会い」というものが存在する。40年以上も続いた名将二人の戦い、三原脩と水原茂の“巌流島決戦”は、大学時代の対決がすべてのスタートだった。秋山幸司は、清原和博という甲子園のヒーローが入団してきたからこそ、天才的身体能力を存分に発揮するようになった。天才バッター・イチローは、球界屈指の名指揮官・仰木彬に出会ったがゆえに、持てる才能を開花させることができた。長嶋茂雄と王貞治は、同じ時期、同じ球団でプレーしたからこそ、ミスター・プロ野球と世界のホームラン王になった。野村克也のひと言があったからこそ、日本初のストッパー・江夏豊は誕生した。甲子園に行けなかったがゆえに、星野仙一は生涯最大の恩師、島岡吉郎監督と出会うことができた。男と男の出会いに纏わる熱いドラマを鮮やかに再現した20篇。

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  • 草莽崛起 通潤橋物語 名もなき人々の偉業
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 重要文化財「通潤橋」。熊本県にある壮大で美しいこの石造りの水路橋は、多くの観光客を魅了し続けた。2016年の熊本地震で被害を受けたが、橋は崩壊することなく、2018年現在、着々と復旧工事が続いている。120年にわたり乾いた台地に水を送り続けたこの橋は、飢えに苦しむ江戸時代の矢部郷の人々の希望の象徴であり、そして後世から見ても驚くほど高い技術に裏打ちされていた。本作は、不毛の大地を潤すべく、通潤橋建設に生涯をかけた矢部郷の惣庄屋・布田保之助が、石工、郷の庶民とともに困難を乗り越え、そして完成に至るまでの物語である。
  • パティシエ世界一 東京自由が丘「モンサンクレール」の厨房から
    -
    NHK連続テレビ小説「まれ」の製菓指導、辻口博啓――。そのスイーツの美味しさの秘密、つくり方、波乱の半生……包み隠さずに語った一冊。辻口博啓氏は、洋菓子界のワールドカップ「クープ・ド・モンド」において最年少記録となる弱冠29歳で優勝して“世界一のパティシエ”となり、自由が丘にパティスリー「モンサンクレール」をオープンさせた人物である。「行列のできるパティスリー」として、ご存じの方も多いだろう。本書は、そんな辻口氏に、フードジャーナリストの浅妻千映子氏が密着取材したものである。美しさと美味しさを兼ね備えたスイーツはどのようにして生み出されるのか? 実家の和菓子屋の倒産からいかにして世界一のパティシエとなったのか? ときには隠し味を初公開し、ときには波乱の半生を語り……。洋菓子の奥深さを知るとともに、世界の最前線で走り続ける人物ならではの熱いメッセージがつまった「味わい深い」一冊である。 (本書より)「プリンは、すごく評判いいですよ。自分で言うのもなんだけれど、完成度が高いと思う。ところで、隠し味が知りたいって? うーん。弱ったなあ。本当に初公開なんだけど……」

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  • 近代日本を創った7人の女性
    3.0
    “朝ドラヒロイン”に劣らぬほど、魅力的な女性たちがいた! 明治から戦後まもない頃まで、男尊女卑の風潮が強かった日本。女性にとって逆風の時代において、自らの手で、新時代を切り開いた7人の女性たちがいた。ある者は投獄され、またある者は騙されて異国の地で身売りされ……。苦境から立ち上がった彼女たちの波乱の生涯に、物語を超えた驚きと感動を覚える一冊。序章では、NHKドラマ『べっぴんさん』のモデルとなった坂野惇子の意外な一面についても触れている。【目次】より●津田梅子――近代女子教育の先駆者 ●羽仁もと子―日本初の女性ジャーナリスト ●福田英子――自由をもとめた東洋のジャンヌ・ダルク ●下田歌子――明治国家に愛された女子教育者 ●吉岡弥生――女性医師の道を切り開いた教育者 ●岡本かの子―剥き出しの愛を文学にたたきつけた作家 ●山田わか――数奇な半生を経て母性の力を訴えた思想家

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  • ほう統 孔明と並び称された蜀の大軍師
    3.0
    三国時代の幕開けの頃、荊州の都市・襄陽で、のちに鳳雛と称される大才の賢士が産声をあげた。少年時代はあまり評判を得なかったほう統だが、人物鑑識眼で有名な司馬徽が主宰する、私塾入門をきっかけに、めきめきと頭角を現しはじめる。さらにそこで、諸葛孔明と運命的な出会いを果たすこととなる。司馬徽の私塾を巣立った若者たちは、大志を抱きながらそれぞれの道を歩みはじめる。ほう統は、太守・劉表の病死により、いち早く荊州の動乱を予見し、呉都の郊外に居を移す。その地で期せずして、旧友・孔明と再会したほう統は、周瑜から呼ばれ、曹操への「火攻めの計」について意見を求められる。ほう統はたちどころに「連環の計」を具申し、自らその陣営に赴き、見事なまでに曹操を欺くことに成功する。結果、赤壁の戦いを大勝へと導くのである。諸葛孔明に優るとも劣らない蜀の大軍師の生涯を描く、長編歴史小説。
  • 岩崎弥太郎 国家の有事に際して、私利を顧みず
    3.3
    天保五年、土佐国に、わが国の海運の礎を築いた男児が生を享けた。後の岩崎弥太郎である。幼少時は非凡な文才を発揮したが、経済の表舞台に登場したのは慶応三年、土佐商会主任、長崎留守居役に抜擢された時である。その後、海援隊の経理を担当など、経営者としての本領を発揮していく。本書は、出生から、坂本龍馬ら幕末維新の英傑たちとの交流、そして三菱を大財閥に育て上げるまでの波瀾の一生を描いた評伝である。
  • 田中角栄 頂点をきわめた男の物語 オヤジとわたし
    4.7
    新聞社の政治部記者時代に田中角栄と出会い、以後23年間、敏腕秘書として勇名を馳せた著者が、政治の舞台からプライベートまで、天才政治家の生の姿を活き活きと描く。貧より身を起こし、不屈不撓(ふくつふとう)、小学校卒の角栄が、54歳の若さで日本の最高指導者に登りつめた秘密のカギは何であったのか? 秀才官僚はなぜ角栄に心服したのか? 憲政史上最大最強の人脈はどのようにつくられたのか? 刊行当時ベストセラーとなった著者渾身のデビュー作、待望の復刊本を電子化。『オヤジとわたし』を改題。 ○“左翼の季節”は終わった ○戦後デモクラシーが生んだ“人民の子” ○大平正芳との友情 ○なぜ小学校卒で総理大臣になれたか ○裁判にも終始一貫、背すじをのばして ○政治の根っこは“義理と人情” ○嫁は下からもらえ、婿は上からもらえ ○政治は国民生活の片隅にあるのがいい ○白か黒かでなく、真理は中間にあり etc.
  • 小澤治三郎 果断・寡黙・有情の提督
    -
    わが国において、かつての敵から名将とたたえられた人物は少なくない。ミッドウェー海戦に散った勇将・山口多聞、ルンガ沖夜戦の勝者となった田中頼三、陸軍の「小猿を抱いた将軍」宮崎繁三郎……。そうした中でも、抜きんでて高い評価を受けているのが、本書の主人公、「最後の連合艦隊司令長官」小澤治三郎である。空母機動部隊の必要をいち早く先見したその洞察力、不利な戦局下での逆転をねらった「アウトレンジ戦法」の考案に表れる企画力、いかなる情況でも諦めないその闘志など特筆すべき履歴は数多い。この小澤というきわめて魅力的な人物の生涯を、もっぱら精神的側面に重点をおいてアプローチし、今までの小澤伝にない、新たな魅力を発掘したのが、本書の特色である。特に戦後、生き残った指揮官として、自らの責任を受け止めながら生きてゆく彼の姿には、誰もが人間としての美しさを感じるであろう。単なる戦記を越えた読みごたえある伝記小説である。
  • タツキ 愛とボクシングに生きた男の半生
    -
    この10年でプロボクサーの数が2倍増となり、ボクシングは「見るスポーツ」から「やるスポーツ」に変化した。そこには、目的喪失の時代を生きる者が精神的な飢えを感じ、自分の存在意義に悩む時代背景があると、著者は指摘する。過酷なスポーツに挑戦し限界を知ることで、はじめて見えてくる「己の輪郭」。日本テレビ系列の「TheサンデーNEXT」で紹介され、視聴者の心を掴んだ刺青ボクサー・川崎タツキもボクシングに魅せられた1人である。人一倍の負けず嫌い。ケンカに明け暮れた少年時代。そして、ヤクザ稼業、薬物依存症という過去と決別し再生してきた不撓不屈の精神の持ち主。何事にもとことん納得するまで挑まずにはいられない「100%燃焼男」が「家族の愛」と「ボクシング」に出会うまでの人生には、いったい何があったのか――「どん底」から這い上がってきた男が勝ち取った「共感」と「感動」の半生記。『はぐれ者』を改題。

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  • 大橋鎭子と花森安治 美しき日本人
    -
    NHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のヒロインのモデルとなった、大橋鎭子(しずこ)。彼女とともに『暮しの手帖』を国民的雑誌に育て上げた天才編集者・花森安治。二人の魅力は、戦後の混乱期に、“庶民”としてたくましく、支え合い、人生を切り開いたことにありました。本書は、二人の激動の生涯を辿りつつ、新解釈でその実像に迫ります。小学五年生で父を失い、母と妹たちを支えるべく、家長として生きた鎭子。学生時代から編集者として才能を発揮しながらも、満洲出征など戦争の苦難を味わった安治。二人のすがすがしい生き方と、戦後の日本人の歩みが重なり合い、胸があつくなる一冊。

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  • 明智光秀と本能寺の変
    4.0
    「謀反人」になるはずのない名将がなぜ、信長を討ったのか?本書は、戦国史研究の第一人者である著者が、本来、名将と称されるべき実績を誇りながら、日本史上最悪の「謀反人」のレッテルを貼られてきた明智光秀の謎に包まれた人物像に迫ったものである。語られざる「金ヶ崎退き口」での武功、「近畿管領」とも称すべき要職への抜擢、本能寺の変前夜の動向…。そこから見えてきた光秀の実像と、本能寺の変の真相とは? なお、「文庫版まえがき」では、ここ数年の研究トピックスや2014年に新発見された「石谷家文書」について語られるなど、研究の最新動向を知ることもでき、光秀と本能寺の変を語る上で必読の書となっている。
  • 忠臣蔵99の謎
    -
    1999年のNHK大河ドラマに決まった忠臣蔵。実に300年も前に起こったこの討ち入り事件は、今日に至るまで日本人の心をとらえ続けてきた。しかしその間に、実際の事件とはかけ離れた逸話や虚構が付け加えられてきたのも事実である。たとえば「吉良上野介は意地の悪い悪人だった」「寺坂吉右衛門は幕府の隠密だった」「大野九郎兵衛は討ち入り第二陣として密かに待機していた」……なるほどこうした説には心動かされる面もあるにはあるが、確かな証拠があるかといえば、疑わしい。そこで本書では、事件の真相を解明すべく、なるべく多くの珍説・俗説をとりあげ、その真偽についての解明を試みた。「内匠頭はなぜ刃傷に及んだのか」「大石内蔵助が遊興にふけった理由」「吉良邸にはたしてからくり仕掛けはあったか」「上杉家はなぜ吉良を見捨てたのか」……など99項目にわたって謎を解明していく。図版も豊富に掲載して、見て楽しめる一冊である。
  • 大村益次郎 軍事の天才といわれた男
    3.5
    「戦は技。剣術と似たところがあります。幕軍はおそらく大挙して押し寄せてくるでしょうが、技を知らない烏合の衆にすぎません。結果は戦わずして見えているというものです」益次郎の言葉に周囲から唸り声が漏れた。――近代的兵制を取り入れ、幕府の長州征伐軍をこともなく退けた大村益次郎。戊辰戦争では新政府軍を勝利に導き、戦争の天才と称された男の生涯。
  • 日本人を震撼させた 未解決事件71
    3.7
    戦後一貫して、日本における殺人事件の検挙率は95パーセント前後で推移し続けている。しかしこれは、少なくとも20件に1件の割合で、解決していない事件が存在するとも言えるのだ。真犯人たちは、今も何食わぬ顔で社会に潜んでいるのは、紛れもない事実。本書は、そんな殺人などの凶悪犯罪を中心に『国鉄三大事件』『3億円事件』から『世田谷一家惨殺事件』『島根女子大生死体遺棄事件』まで、戦後から現代にかけての未解決事件を71取り上げ、様々な角度から推理する。2010年4月の法改正で、殺人事件に関しては時効が廃止された。覚えている人がいる限り、事件は終わらない。このような事件が一刻も早く解決されるために、また同じような悲劇を繰り返さないためにも読んでおきたい、戦後犯罪史考。

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  • 山県有朋
    NEW
    4.0
    伊藤博文とともに、「偉大なる明治」の基盤を確立した山県有朋――彼は、統師権の独立、帷幄上奏の慣例、軍部大臣現役武官制などで軍の政治的地位を高め、その武力を背景に短期間で大日本帝国を築き上げた。しかし、その仕組みゆえに、軍の独走を許し、大日本帝国は滅んだ……。“国家の悲劇”を生んだ、政略にたけた野望の人生を、見事に描き切る。
  • 西郷隆盛
    3.0
    討幕派の指導者として薩長同盟・王政復古の画策、江戸の無血開城など、近代日本の礎を築いた西郷隆盛。明治維新後、西郷を待ち受けていたものは、人間社会に必然な腐敗と醜い権力闘争であった……明治10年9月24日、城山にて自刃。維新最大の功労者でありながら、賊軍として非業の死を遂げるに至った理由とは何か。正義・人道を貫いた男の不撓不屈の生涯を鮮やかに描いた力作評伝。
  • 日露戦争名将伝 人物で読む「激闘の軌跡」
    3.0
    2004年は、日露戦争開戦100周年にあたる。自衛隊の海外派遣でゆれる現在だが、わずか100年前には世界屈指の軍事大国ロシアを相手に、日本は堂々と戦いを挑み、そして勝ったのだ。すべてにまさる強国を相手に日本が勝ち得た理由の一つに、戦争指導にあたる将軍たちの資質の差がある。司馬遼太郎著『坂の上の雲』には、大山巌、東郷平八郎、児玉源太郎といった名将たちの活躍が描かれているが、各戦場での勝利に、彼らの能力・器量が果たした役割は大きい。しかし日露戦争を描く場合、時系列に沿って語られることが多いため、こうした将軍たちの人物像を整理して理解するのはむずかしい。そこで本書では、人物ごとに見出しを立て、プロフィールから戦場での活躍までを読みやすく整理。写真満載で、名将とよぶべき17名を中心に、日露双方の将軍60名を収録した。通読すると、日露戦争全体の流れもよくわかるユニークな歴史読み物。
  • 回想 開高健
    4.0
    敗戦の傷痕が残る昭和25年、冬の大阪。「タニザワさんですかっ、ぼくカイコウですっ」。著者と開高健の交遊は初対面としては少々奇妙なこの一言から始まり、平成元年12月、開高が亡くなるその日まで続いた。開高が読みたいといえば、その本を自腹を切って購入し貸し与え、開高の小説「パニック」が昭和33年1月の芥川賞候補になれば、居ても立ってもいられず店じまいまで酒を飲み、早朝、受賞を知るや「放心」してしまう著者。言うことは何でも聞き、することは何でも許す、わずか1歳年長である著者の開高に対する母性のような友情……。それを支えたものは、身近に才能を見ることへの喜び以外の何物でもなかった。そんな友情を結べる友をもつことは、まさに人生の至福だったろう。「開高健が、逝った。以後の、私は、余生、である」。本書の最後はこう結ばれている。生涯の友が「傑出した個性」との40年の交遊を綴った、感動の回想録である。
  • 山本勘助101の謎 その実像から「川中島の戦い」の内幕まで
    3.0
    戦国時代には、さまざまな武将が登場し、活躍する。その一人である山本勘助は「稀代の軍師」として名が高い。甲斐の戦国大名・武田信玄に仕え、軍事作戦の立案や築城に才能を発揮したという。しかし、その実像はというと、謎の部分が多い。出生地はどこなのか? 青少年時代をどのように過ごしたのか? 剣の腕前はどの程度だったのか? どのような経緯で武田家に仕えるようになったのか? 妻や子供はいたのか? 等々である。本書は、そんな謎多き山本勘助の実際の姿を明らかにすべく、101の項目からアプローチしたものである。生い立ちや武芸のこと、仕官にまつわる逸話、参加した合戦、築城に関わった城、甲州流軍学、そして戦死した川中島の戦いの内幕などの実際を記述する。巻末に資料編として略年表、関係人物、関係史跡が付けられた本書は、今もなお多くの日本人の心を引きつけてやまない山本勘助という人物のすべてが網羅された一冊といえる。

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  • 日本人アスリート名語録 世界が驚嘆した「サムライ・なでしこ」の言葉185
    3.0
    香川真司、北島康介、澤穂希、吉田沙保里……。体格で大きなハンデがあるにもかかわらず、驚異のパフォーマンスで世界中を魅了する日本人アスリートたち。本書では、サッカー、野球から水泳、体操まで、あらゆる競技で活躍するアスリートたちの名言185を厳選し、解説を加えた。「誰よりも準備をし、誰よりも走って、誰よりも努力しているという自信はある」(サッカー/長友佑都)「普通のことをずっとやり続けることが大事」(陸上/福島千里)「自分のために頑張るよりも、みんなのために頑張るほうがたぶん強くなれる気がした」(卓球/福原愛)「明日もあるから、今日はまあいいかなって、終わりたくない」(体操/田中理恵)など、頂点をめざし戦う彼らから、人生に役立つ言葉を学ぶ!

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  • 継体天皇の謎 古代史最大の秘密を握る大王の正体
    3.3
    継体天皇――。この人物ほど、古代史ファンの関心をそそるテーマはあるまい。天皇との血縁がうすいうえに、都から遠く離れた北陸にいた田舎貴族が、なぜ皇位を継承できたのか。皇位継承に相応しい人物は、ほかにもっといたであろうに――。しかも、継体天皇は応神天皇の五世の孫にあたるという。この創作されたような立場が意味するものとは何か。謎に包まれた天皇、ミステリアスな天皇。それが継体天皇のイメージだ。本書は、『大化改新の謎』『壬申の乱の謎』『神武東征の謎』等、「謎シリーズ」で人気を博す新進気鋭の歴史作家である著者が、多くの資料を跳梁し、そこから浮かび上がってくる謎に、大胆な想像力をもって迫った、古代史ファン垂涎の一冊である。継体天皇とはどのような人物だったのか。前王朝を乗っ取った新王朝の始祖なのか。その面白さは、まるでミステリーの謎解きと同じだ。秋の夜長を過ごすパートナーとしてうってつけの力作である。

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  • 永遠なれ、日本
    4.0
    ゲーテの晩年の10年間をともに過ごした、ドイツ人の詩人で著述家のエッカーマン。本書はその著作『ゲーテとの対話』になぞらえて、石原氏自らが企画した、中曽根氏との対論集である。言うまでもなく、中曽根氏は元首相で現役の衆議院議員、石原氏は「東京から日本を変える」と訴える都知事である。この、こよなく日本を愛する政治家二人が本書で語り合っている内容は、安全保障と国防、アジアにおいて日本はどのような立場を採るべきかなど、日本という国のあり方についてである。ところが、本書はそうした、いわゆる政治的テーマの対論に止まっていない。お互いの人格を形成した青春時代の回顧、人間観や生死観、宗教や宇宙についての考え方ほど熱く語り合っているといってもよい。本書を通読すると、こうした確固たるバックボーンがあるからこそ、二人は数ある政治家の中、ブレのない政治家として存在していることがわかる。読み応え十分の対論集である。
  • 足利尊氏 乱世の行動学
    3.0
    室町幕府の初代将軍・足利尊氏。戦前は逆賊とされ、正面から語られることのなかった尊氏に、初めて本格的な光をあてたのが本書。己れの目的のために知謀と行動力の限りを尽くし、天下三分の乱世を雄々しく生き抜いた、新しいリーダー像がここにある。また、日本が今日のような日本になった直接の母胎として南北朝時代をとらえ、新しい時代論としても興味深い。

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  • 北方探検の英傑 近藤重蔵とその息子
    -
    江戸後期、数回にわたり千島方面を探検、択捉島に「大日本恵登呂府」という標柱を建てるなど、北方の開拓・防備に尽くした英傑・近藤重蔵。のち書物奉行となり、多くの著書を残したが、そのスケールの大きさと旺盛な研究心はかえって幕閣の反感を買い、ついには、長男・富蔵の殺傷事件に連座して悲壮な最期を遂げる――。綿密な文献調査と取材をもとに、重蔵と富蔵父子の愛憎に彩られた親子関係を浮き彫りにし、二人の足跡を辿った歴史巨編。

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  • チャンスのつかみ方 戦国時代の勝者と敗者
    -
    既成の秩序が崩壊し、下剋上の嵐が吹き荒れた戦国時代―この時、チャンスをつかみ取った者と、つかみ切れなかった者の差は一体どこにあったのか。時代の流れを見抜いた先見力、浮沈の瀬戸際の決断力、あるいは果てしない野望ゆえの悲劇…、本書には乱世に名を轟かせた21人の生き様を通して、激動の現代を生き抜く教訓がちりばめられている。

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  • 話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」 無事は有事のごとく、有事は無事のごとく
    4.4
    幕末きっての軍人であり、「廃藩置県」などの政治的難事業をやり遂げた稀有の政治家であり、一流の学識者でもあった西郷南洲。晩年こそ国賊として追われ、不遇の最期を遂げたが、「西郷こそ真のヒーロー」と今なお多くの人から慕われ続けている。本書は、維新後、かつての仇敵・元庄内藩士たちが、西郷の温かい人柄や教えに触れ、感激してまとめた43篇の遺訓集を、今日まで伝わる西郷のエピソードや談話などを交えながら、現代風の読み物に再編集したもの。「敬天愛人」「幾たびか辛酸をへて志はじめて堅し」「入るを量りて出るを制する」などの名言も、西郷から直接語りかけられているような気分で読めるはずだ。明治維新という激動期、“新しい日本の国づくり”のために、51年の人生のすべてを捧げた西郷の言葉から、ビジネスや組織運営のヒント、あるいは人生の苦悩を乗り越えるアドバイスを得る人も多いだろう。ビジネスマンの座右の書にしたい一冊。

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  • 鬼の帝 聖武天皇の謎
    -
    聖武天皇といえば、藤原不比等の孫であり、藤原氏に操られた「傀儡天皇」のイメージが強い。しかし、本書の著者の視点は異なる。聖武天皇は、歴史の敗者や闇の世界の人々(鬼)を取り込むことで、権力と対等に向かい合おうとした「鬼の帝」ではないかと推測する。また、日本の歴史の基層を築いたのは、藤原氏ではなく、聖武天皇その人にほかならないともいうのである。その一つの例が、天平12年10月26日、わずか400の兵をともに、忽然と平城京から姿を消し、伊賀、伊勢、美濃、不破、近江をめぐり、恭仁京、紫香楽京、難波京とわたり、平城京に遷都したのは天平17年5月。この足かけ5年にわたる「迷走」である。乱に対する恐怖からの逃走と捉える説もあるが、ある時から藤原氏による聖武天皇のコントロールが効かなくなっていることを考えると、この「迷走」の真意さえ謎なのである。気鋭の作家が聖武天皇の正体に迫る、古代史ファン垂涎の一冊。

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  • 坂本龍馬 男の行動論
    -
    幕末維新の革命児・坂本龍馬。薩長連合、大政奉還と近代日本の幕開けを演出したこの男は、激動する時代の流れに、何を見、何を考えたのだろうか。脱藩、海援隊結成、勝海舟・西郷隆盛との出会い、そして非業の死等の数々のエピソードを紹介しつつ、33年の生涯におけるその行動哲学と魅力を探る。
  • エディ 6人の世界チャンピオンを育てた男
    -
    藤猛、海老原博幸、柴田国明、ガッツ石松、友利正、そして井岡弘樹……。日本が誇る6人の世界チャンピオンを育てあげた名トレーナー、エディ・タウンゼント。ボクサーと共に生き、ある時は勝利の喜びをわかちあい、ある時は一緒に苦い涙を流し、最強の男たちを育てるためにすべてを賭けたエディ。ガンに侵され、愛弟子・井岡の初防衛戦の夜、勝利を確認して逝ったエディ。その壮絶な半生を克明に描いた感動のノンフィクション作品。
  • 吉田松陰とその門下
    -
    幽囚の身でありながら、その強烈なる“変革の思想”を実践に移そうとして刑死した吉田松陰。その短くも激しい生涯を支えていたものは何だったのか。また、松下村塾の主宰者として、幕末最高の教師とまで評価されるに至ったその教育の内容はどのようなものだったのか。本書は、吉田松陰の思想と生涯を克明に検証し、その実像に鋭くせまる力作評伝である。
  • 恩田木工 真田藩を再建した誠心の指導者
    -
    「人というものは、よき人が使えばよくなるものでござりまする。悪い人が使えば悪くなるものでござりまする」―財政難に苦しむ真田藩で藩主幸弘より家老職兼勝手掛を命じられ、藩政刷新、財政再建に向けて倹約令や治水事業など様々な改革に着手し、組織の再建を行った恩田木工。識見と才を持ち、「誠の心」を持った一人の指導者の波乱の生涯を通じて、真のリーダー像を描いた一冊。
  • 出口王仁三郎 あるカリスマの生涯
    -
    大日本帝国の行方が社会に暗雲を漂わせていた昭和初期。人心に不安渦巻くこの時代に「世界主義・人類愛善・万教同根」の理想を掲げ、その実現に邁進する男がいた―大本教の大成者・出口王仁三郎。度重なる弾圧にも屈することなく、彼を駆り立てたものは何だったのか。そして何が多くの信者の心を魅きつけたのか。後の新宗教にも多大な影響を及ぼした、一宗教家の破天荒な生涯を描く力作評伝。

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  • 神武東征の謎 「出雲神話」の裏に隠された真相
    3.3
    日本神話のなかでも、とりわけ謎めいているのが神武東征である。南部九州・日向の高千穂峰に降臨した皇祖神が、なぜ山を下って辺境の地「野間岬」に行き着いたのか。その末裔である神武天皇は、なぜ「日向」の地からヤマトを目指したのか。それらの難解な謎解きに果敢に挑んだのが本書だ。著者によれば、天から高千穂峰に舞い降りたという天孫降臨神話は非現実的であり、おそらく「野間岬」が天孫族の出現の地であっただろうと推察する。さらには神話が当時先進地帯でなかった「日向」の地から神武天皇がやって来たと設定した背景には、必ず何らかの事情が隠されているはずだ、と指摘する。それを解く重要な鍵こそ神武天皇の正体なのだと言う。「祟る鬼」と位置づけられた神武天皇の素顔に迫ることで次第に明らかとなる「出雲の国譲り」や神武東征の意外な顛末を知れば、読者は大いに驚かれるに違いない。天皇家の誕生とヤマト建国の謎がいま解き明かされる!
  • 戦国武将「できる男」の意外な結末(愛蔵版)
    5.0
    全国各地で多くの知将・猛将が覇を競った戦国時代。本書は戦国時代を生き抜いた武将たちの「意外な人生」に注目したものである。武田信玄・徳川家康といった、誰もが知っているような名将から知る人ぞ知る武将まで、波瀾万丈の人生を送った男たち。彼らの中には優れた才能を持ちながら非業の死を遂げたり、失意のうちに晩年を過ごした者も少なくない。逆にパッとしない前半生を送りながら、人生の後半になってその名を轟かせた者もいる。現代以上に実力主義だった戦国乱世、「できる男」たちの人生を決めたものは何だったのか? 歴史ファンのみならずとも読んで欲しい一冊。

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  • 日本海軍、錨揚ゲ!
    3.5
    21世紀の現代にいたるも、多くのファンを惹きつけてやまない日本海軍の魅力とは、一体どこにあるのか? 本書では、元海軍大尉で『山本五十六』『軍艦長門の生涯』『暗い波涛』など、海軍をテーマにした名作を多数もつ阿川氏と、戦史研究の第一人者であり、自ら「歴史探偵」を称する半藤氏が、お互いの愛してやまない日本海軍の魅力について、思う存分語り尽くす。軍艦の話、提督たちについての人物評、海軍の生活や用語にまつわる面白話、実際に戦った当事者たちから聞いた戦史のウラ話……などなど、ファンにはこたえられない顔合わせと内容で満ち溢れた、必読の海軍対談である。「空前絶後の巨大戦艦・『大和』と『武蔵』」「陸軍が嫌いだから海軍を志願しました!」「井上成美と一緒に酒は飲みたくない」「海軍用語のバカバカしいほどの面白さ楽しさ」「下級指揮官に多かった真の武人」など、26話を収録。在りし日の日本海軍の臨場感が味わえる本。
  • 吉田松陰 独り、志に生きる(PHP文庫)
    -
    外国の開国要求に対する藩や幕府の無定見に日本の危機を感じ、幕政批判を展開、幕藩体制の限界をいち早く見抜いていた吉田松陰。多くの門下生たちがその希有の世界観に啓発され、維新に目覚めた。時代を大きく転換させた、その「志」とは何か? 安政の大獄にたおれた、わずか30年の孤高の生涯を鮮やかに描き上げる。
  • “異色”創業者の発想 勝ち抜くための12ヵ条
    -
    高度成長期を経て経済の迷走が始まる頃、いくつかの名もない素人集団たちが次々に高収益の超優良企業にのし上がっていった。毎年創設数の三分の一が倒産するといわれる、激烈な企業生き残り競争。そこで問われる創業者の責任と先見力とは何か?彼らに成功をもたらした旺盛な行動力と誤りなき決断力とは。対象の本質に鋭く切り込む著者の洞察癌が、12人の冒険家たちの不屈の創業家魂を浮き彫りにする。

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  • ロシアから来たエース 巨人軍300勝投手スタルヒンの栄光と苦悩
    -
    革命の嵐の中、日本に亡命した白系露人の子・スタルヒン。生涯国籍なく、偏見と迫害に苦しみながら、ひたすら白球を投げ続けた男。天与の豪速球で巨人軍の大エースに成長、日本球界初の300勝をマークするが、やがて押し寄せる戦争の渦のなかで、追われるようにマウンドを去っていく……。時代と運命に押し流された父の奇跡を追う執念のノンフィクション。

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  • 上杉鷹山の経営学 危機を乗り切るリーダーの条件
    3.9
    江戸中期、幕府への領地返上を考えるほどの財政危機に瀕していた米沢藩を、斬新な藩政改革と藩士の意識改革で見事に甦らせた上杉鷹山――希代の名藩主として誉れの高い鷹山とは、いったいどのような男だったのか? そして、その経営手腕とは? 故ジョン・F・ケネディをはじめ、多くの実力経営者やトップリーダーが、尊敬する人物として名を挙げる上杉鷹山の、組織と人間の管理術の要諦を探る。

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  • 企業がよみがえる日 何が大企業を変えたのか
    -
    いかなる企業にも栄枯盛衰はある。隆盛を極めた巨大企業にも、かえってその巨大さゆえに急激な時代の変化に対応しきれず、衰退する例が多い。そして再びよみがえるためには発想の大転換とすさまじいまでのエネルギーが必要である。企業生き残りをかけて再生にチャレンジした5つの企業――新日本製鉄・日産自動車・ダイエー・全日本空輸・JR東日本――の熱い戦いを通じて、激動の時代の組織の在り方と企業復活のノウハウを探る、注目のドキュメント。

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  • 鬼才縦横 上巻 小林一三の生涯
    -
    阪急グループの創設者として日本起業史に不滅の金字塔を打ちたてた男・小林一三――だが、彼の青春時代からは、後年、実業界に君臨する姿を想像することは、到底できない。縁あって入行した三井銀行では、たちまち“落第サラリーマン”の烙印を押されてしまう。なぜなら、文学に興味はあっても、まったくの経済音痴。いかに楽をし、どう遊ぶかが彼の命題であったからだ。本書は、実業界の鬼才・小林一三の奔放な青春期を生き生きと描く。
  • 「史記」の人物学
    -
    中国を代表する歴史大著『史記』。そこに描かれる千年有余にわたる数千もの人間の営みは、一つの壮大なドラマを織りなす。男と男が力の限りを尽した項羽と劉邦の天下取りの対決、権力者の狭間でしたたかにかつ周到に生きた中堅諸将の見事な智恵、そして、ときに時代をも動かした女たちの華やかで冷酷な計略の数々…。そこには先人たちの様々な生きざまが凝縮され、あらゆる人生の起承転結が読みとれる。

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