講談社 - う作品一覧

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  • 数字と踊るエリ 娘の自閉症をこえて
    3.6
    娘の自閉症がわかった日、僕の運命は一変した。 数字を偏愛し、奇妙な質問と造語をくりかえすエリ。 他人の感情を理解できず、小学校には適応できない。 でも僕と妻は、決してあきらめなかった。 自作の教科書で入学直前までくりかえした、学校生活のシミュレーション。 通学する娘に毎朝つきそい、自宅では毎日、深夜まで訓練用の教材を手作りする。 「この子はきっと、成長してくれる」―その思いだけが、僕たち家族の支えだった。 自閉症と言われた我が子が家族の力で驚異的な成長をとげるまでの9年間の記録。 【著者からのメッセージ】 この2年半、新著を出すことが出来ませんでした。ひたすら、『数字と踊るエリ』の原稿を書いては直し、また改稿するということを繰り返していました。書き始めたときには、「日本で初めての家庭療育成功記を書いてやる」という思い込みや意気込みがありました。しかし、書いてゆくうちに「これを実名で発表していいのだろうか?」と恐ろしくなりました。苦しんだあげく、こういう形になりました。 「はじめに」にも書きましたが、特定のアプローチの効用を宣伝しようという意図は僕には全くありません。ましてや、僕たちの選んだ道を正しい選択肢として提示しようなどとはさらさら思っていません。  僕はただ、この本を、一つのケースとして、提示したいと思いました。だから、記録をたどりながら、事実をありのままに書くということに徹しました。  これは、ある家族の苦闘の歴史です。自閉症に特別な関心をお持ちでない方にも是非手にしていただきたいと思いました。読みやすい構成にするために僕に可能な努力は尽くしたつもりです。  本書が、この本を手にとって下さる方に、ご自分のご家族のあり方にまで思いを寄せるささやかなきっかけとしてお役に立てることを祈っています。
  • 子どもに伝わる魔法の「ほめ方」「叱り方」 モンスター三つ子男子の母ちゃんが見つけた
    値引きあり
    5.0
    ★「すごいね」「えらいね」は禁句です。 子どものやる気が育ち、親子の言い合いが激減する 最強の「ほめ方」「叱り方」ルール ★オンラインセミナー、個別カウンセリングは募集開始で即満席!  カリスマ言葉がけコーチの言葉がけメソッド初公開 ゲームばかりしている我が子にこんな言葉をかけてはいないでしょうか? 「いつもゲームばかりしてるんだから!」 テストで100点取ってきた子どもを 「すごいね!」とほめていないでしょうか? じつは、どちらも、子どものやる気をなくすNGな言葉がけです。 では正解は?  あるいは「学校に行きたくない」と子どもに言われたら? その答えが本書にあります。 この本の著者は、学級崩壊主犯者の三つ子男子を育てた経験から現在、多くの親子のコミュニケーションを改善するカウンセリングを行い、絶大な支持を集めている言葉がけコーチです。キャパオーバーで育児ノイローゼになりかけた「母ちゃん」が、育児の「もうムリ!」の極致から編み出した魔法の言葉がけルールを初公開。 「聞く力」「ほめ力」「叱り力」「話し合う力」「ずぼら力」「我が家のルール力」「親が大切にしていることを伝える力」。 ーー子どものやる気を育てて、みずから考えて行動する子どもへと成長させる方法をこの「7つの力」に分類して教えます。 子どもをつい怒ってしまったり、イライラ命令してしまう。 言うことを聞かない子どもとすぐ言い合いになってしまう。 かといって子どもとの関係はなかなか改善せず、「理想の親になれない……」と落ち込んでしまう。 幼児期、反抗期、受験期の子どもを抱え、子どもとのコミュニケーションに頭を抱えているお母さん、お父さんは必読です。 三つ子育児ならではのドタバタ奮闘記が盛りだくさん。「実録!三つ子事件簿」マンガ収録で、多胎児ママでなくても、「こんなに大変そうでもなんとかなるんだ」と気持ちがラクになるはずです。
  • 女人禁制
    値引きあり
    4.0
    男女同権はすくなくとも社会通念上は、あたりまえの前提となって久しい。 だが、日本の各地には、女性の立ち入りを禁止する聖域や、特定の神事には女性を参加させないという慣行が現在も存在している。 そして、大相撲の土俵についての「禁制」は、たびたび物議をかもしてきた。 「女人禁制」とはいかなる背景から生まれ、変化する政治や社会の中で受け継がれてきたか。 なぜ、時に激しい批判にさらされながらも、人々はそれを守ろうとするのか。 女性たちは禁制をどのように受容し、あるいは抵抗し、つくり変えてきたのか。 「差別」として批判をする人々と、「伝統」として守ろうとする人々。 この対立構図は、当事者達にとって調停不可能であり、今後も継続することが予想される。 本書では、文化人類学的分析を柱にしつつ、宗教学、民俗学、歴史学、国文学、社会学など様々の分野の成果を取り込んで、 暗黙の前提を覆し、賛成か反対か、伝統か差別かという二分法を乗り越える視点を提示するものである。 第一人者が、真の解決に不可欠な知見を、この一冊でわかりやすく示す! 【本書の内容】 学術文庫版の刊行に際して 女人禁制の現在―プロローグ 女人禁制への視角 大峯山の現状 山と女性 女人結界 仏教と女性 穢れ再考 あとがき 二十年の後に―学術文庫版あとがき
  • ぺんたと小春のはじめての歳時記
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「ぺんたと小春のめんどいまちがいがし」が大人気のぺんたと小春の歳時記が、登場!! フォロワー10万人突破! のTwitterで大人気のかわいい写真がいっぱい! 未掲載写真も多数収録!! お正月、節分、ひなまつり、端午の節句、七夕、十五夜、クリスマス……。 日本には、数多くの年中行事があります。 七五三が子どもの成長をおいわいするイベントであるように、伝統行事には、 世代をこえ時代をこえて伝えられてきた、たくさんの願いが込められています。 ぺんたと小春が、そんな行事の数々について紹介していきます。 小学校受験では「おうちで季節の行事を楽しんでいますか?」は定番の質問です。 季節のイベントに興味を持ち、楽しみながら体験できると学びにもつながり、 日々の暮らしがより色鮮やかになるのではないでしょうか。 「月の満ち欠け」「二十四節気」「各月の異称」など知識ページも豊富で、 ぺんたと小春の楽しい4コマまんがもついています! おこさまにとっての「はじめての歳時記」にぴったりの1冊です。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 図解と動画でわかる! 剪定「コツ」の教科書 名人庭師のCODIT理論で基本が身につく!
    値引きあり
    3.0
    1巻660円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 リモートやステイホームで家にいることが多くなり、今まで植木に関心のなかった人が木々に目を向けるようになり、自分で手入れをしてみようとか、手入れを植木屋に依頼してみようと思っているようです。 しかし一方で、一般の方が安易に樹木の手入れをすることで、「素人切り」の被害に遭う木々が増えています。加えて、素人よりもひどい「自称植木屋」の横行が木を傷めている要因にもなっています。 はさみとのこぎりがあれば誰にでも木は切れますが、木はそれを拒むことが出来ません。黙って耐えてはいますが、実は、間違った切り方により木が枯れたり、枯れないまでも大きなダメージを負うことがとても多いのです。 そこで、この本でまず知って欲しいのは剪定方法の1つが、CODIT論(Compartmentalization of Decay In Tree)です。未だに植木屋でも知らない人がいるのですが、最も大事な正しい切断方法です。 さらに、「切り戻し剪定」を理解し、個々の樹種の特性に応じることができれば、大きくなりたい木とうまく折り合いを付けて互いに生きやすい住環境を作ることが出来るでしょう。 本書では、図解と動画で剪定の基本を解説しています。 「安ければいい」「さっぱり切りさえすればいい」として、結果として木を傷めたり枯らしたりするのではなく、「正しい剪り方」を理解し、自分で切っても極力木を傷めずに翌年も健全に花を咲かせ、気が成長できるようにします。 また、業者に依頼するときも、「正しく剪れる植木屋」を見極められるようにします。 代表的な庭木の剪定も樹種別に解説します。 例)アジサイ アセビ イヌマキ ウメ オオデマリ カキ コニファー類 サクラ、サクランボ   サツキ、ツツジ サルスベリ シマトネリコ ジューンベリー ツツジ ツバキ類 トサミズキ   ナンテン ハクモクレン ビワ フジ ミカン類 ヤマボウシ ヤマモモ ユキヤナギ 竹類 など ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 国民とは何か
    3.0
    「国民の存在は日々の人民投票である」―― この有名な言葉が見出される本書は、エルネスト・ルナン(1823-92年)が今からちょうど140年前、1882年3月11日にパリのソルボンヌで行った名高い講演の記録です。 文献学者として出発したルナンは、その手法を用いて宗教史に取り組み、コレージュ・ド・フランスの教授に就任しましたが、イエスを「比類なき人間」だと断言したことで物議を醸しました。その主張は1863年に『イエスの生涯』(邦訳・人文書院)として出版され、たちまち大ベストセラーとなって名を馳せます。 そんなルナンが、なぜ「国民」について論じることになったのか? そのきっかけは普仏戦争(1870-71年)での祖国フランスの敗北にあります。第二帝政の崩壊、パリ・コミューンの騒擾、そしてアルザス・ロレーヌの割譲といった政治的悲劇を目のあたりにした宗教史家は、にわかにナショナリストとしての顔を見せ始め、政治的な発言を積極的に行うようになりました。その白眉とも言うべきなのが、敗戦から10年あまりを経て行われた本書の講演にほかなりません。 振り返れば、フランス革命に起源をもつとされる「国民国家」の根幹をなす「国民」とは、いったい何なのでしょう? ルナンは、人種、言語、宗教、さらには利害の共通性、国境など、さまざまな要因を検討した上で、それらのいずれも「国民」を定義するには不十分であることを明らかにします。そうして至りついたのが「国民とは魂であり、精神的原理です」という主張でした。国民という「魂」を形成しているものは二つ――過去の栄光と悔恨の記憶、そしてともに生きていこうとする意志です。これら二つを現在という時の中に凝縮した形で述べた定義が、冒頭に挙げた「国民の存在は日々の人民投票である」だったのです。 本書は、フィヒテの『ドイツ国民に告ぐ』(1808年)と並ぶ「国民」論の古典中の古典として読み継がれ、アーネスト・ゲルナー『国民とナショナリズム』(邦訳『民族とナショナリズム』岩波書店)、ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』(邦訳・書籍工房早山)など、20世紀のナショナリズム研究を生み出す基礎になりました。その流れは、グローバリズムの進展の中で逆説的にも国民国家が存在感を増している今日もなお継続されています。 にもかかわらず、本書は日本では文庫版で読むことができずにきました。最適任の訳者を得て実現した明快な新訳は、現代世界を理解するために不可欠の1冊となるはずです。
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
    4.3
    2003年にヒトゲノムの解読が完了したが、これで「遺伝子」がわかったのかというとそうではない。DNAにコードされている遺伝子の構成が判明したことで、ヒトゲノムの複雑さがかえって判明してきた。また、DNAに遺伝子はコードされているが、それらは非コード配列やそのコピーである多様なRNAなどによって、たくみに制御されていることがわかってきた。「遺伝子」とは、それらの制御機構を抜きにしては語れないし、「遺伝子」の概念は新たなステージで考える必要があるのではないだろうか?  本書では、メンデルの実験から、ワトソン、クリックによる二重らせんモデルの発表など、「遺伝子」をめぐる科学史を追いかけながら、「遺伝子」の正体を問い続ける。ゲノムの解読は終わりではなく、「遺伝子とは何か?」という、古くて新しい問いとその答えをめぐる研究の始まりであることを明らかにする野心的な一冊。
  • 楽器の科学 美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」
    3.7
    弾く人も聴く人も、科学の視点で音楽を楽しもう! ピアノ、バイオリン、トランペット、マリンバ……「魅惑の響き」はどう作られるのか? 楽器の個性を生み出す「倍音」とは? 音色を美しくする「共鳴」とは? バイオリンの最重要パーツ「魂柱」とは? 楽器の素晴らしさを引き出すコンサートホールの条件は? そして、プロが考える「最高の楽器」とは? フランスで最も栄誉ある音楽勲章を最年少受章した著者が楽器の秘密を解き明かす! 〈もくじ〉 プレリュード──音楽は「五線譜上のサイエンス」 第1楽章 作曲の「かけ算」を支える楽器たち──楽器には5種類ある 第2楽章 楽器の個性は「倍音」で決まる──楽器が奏でる「音」の科学1 第3楽章 楽器の音色は「共鳴」が美しくする──楽器が奏でる「音」の科学2 第4楽章 「楽器の最高性能」を引き出す空間とは?──コンサートホールの音響科学 第5楽章 演奏の極意──世界的ソリスト10人が教えるプロの楽器論 ※本書は、1979年刊行のブルーバックス『楽器の科学──角笛からシンセサイザーまで』(橋本尚著)とは内容が異なります。
  • 小梅の七つのお祝いに
    3.3
    1巻1,265円 (税込)
    「泣いちゃいそうだよ」シリーズの小林深雪先生が推薦!「いちばんに推したのは、このファンタジーです。主人公の小梅といっしょに冒険を楽しみました。」(講談社児童文学新人賞選評より) 【第61回講談社児童文学新人賞佳作受賞作】 小梅は小学一年生の女の子。両親は共働きだし、お姉ちゃんは中学受験でいそがしい。七五三のお祝いの年なのに、お祖母ちゃんの入院まで重なって、七五三が先延ばしになってしまいました。そんな十一月の日曜日、遊び場にしている小さな神社で見つけたのは一頭の黒牛。牛を追った小梅が迷いこんだ先は、お祭りのようににぎやかな天神様の一本道でした。 お餅屋のおかみさんをしている牛、体の大きさを自由に変えられる神様を名乗る男の子、しゃべる案内係の黒牛に、嘘と本当をとりかえることのできる鷽(うそ)鳥。不思議で楽しい出会いを重ねながら、小梅は天神様の本殿を目指します。途中、大きな池を渡る三つの橋で自分の過去と現在を見つめ、奥底に隠した自分の心と向き合ってから、小梅は未来へ一歩前進します。 さあ、小梅は本殿で天神様と会うことができるのでしょうか。そして、ひとりの力で、この異世界の出口にたどりつくことができるのでしょうか。 ふしぎな旅を通じて描かれた少女の成長ーー日本的で個性豊かな舞台設定に、選考会でも多くの賛辞が寄せられたファンタジー小説です。一本道で待ち受けるもののけたちの魅力溢れる姿は必見です。
  • おじいちゃんちの たうえ
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 椎名誠さん絶賛!! なんて素直でここちのいい絵本だろう。 今日は「田植え」の日! 一家総出で行う田植えのようすと、春の田んぼの気持ちよさを描きます。 なんて素直でここちのいい絵本だろう。日本人のふるさとのような世界なのに、わたしたちの日常から遠ざかり、大人も忘れてしまったような「田んぼ」と「稲」とそれをとりまく、じつに大変な農家の仕事。周辺の山の緑と、むかしから変わらず生きようとする田園の生物と、ねばり強くものを作っていく農家の人たちの「よろこび」と、それと同じくらいの「苦労」を、この絵本は、とてもわかりやすく、しかも優しく力強く伝えてくれる。これから日本を作っていくぜんぶの子どもたちに、この絵本を読んでもらいたい、と思った。――椎名誠 ※よみきかせ 3歳ごろから  ひとりよみ 6歳ごろから ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 結婚失格
    3.7
    「ちゃんと愛せていたんだろうか……?」「そうだった そういうとこが好きだった 傷つけ合って別れた人の」――男にとって別れはいつも「寝耳に水」。家の鍵は取り換えられ、妻の雇った弁護士から身に覚えのない非難の文書が……。親権をめぐる裁判所での話し合いは、想像を絶する冷酷な展開に……。子どもたちに会いたい! 男女の温度差が激しいとされる「離婚」を、男の視点で描き、賛否両論を呼んだ、あまりに率直で赤裸々な、衝撃の実録小説!
  • 「即興詩人」の旅
    4.0
    画家・安野光雅が「無人島に持っていく一冊」と公言してはばからない、森鴎外訳の『即興詩人』。童話作家アンデルセンの自伝的名作を、100年前に日本に紹介した鴎外の雅文体の美しさに魅せられ、波乱万丈のラブストーリーに胸躍らせて、物語の舞台のイタリア各地を巡った紀行画文集。「声に出して読みたい」原文をたっぷりと引用しながら、ローマから始まる『即興詩人』のストーリーと、画家の紀行文と美しいスケッチと。1冊で3回楽しめる、安野光雅イタリア紀行画文集。 ◎「カプリ島を去るとき、もうこの島に来ることもないだろうな、と思ったものですが、わたしは、また同じ道を行くかもしれません。何年か先、すっかり年をとって、杖でもついて、おろおろとあのあたりを歩いているのじゃないか、という予感がします」(あとがきより)
  • シンデレラは探さない。(1)
    完結
    4.4
    妹と一緒に見上げたお城のようなタワマン。たとえそこにお姫様が住んでいようと、俺たちとは関係のない存在…ではなかった! 俺はこのお城に住む真堂礼とふとしたきっかけで出会い、そして知った。目の前にいる礼は、お姫様ではなく、学園のアイドルでもなく、ただの可愛い女の子なんだと――。WEBで人気の青春ストーリー、待望の漫画化! ★原作小説、講談社ラノベ文庫より発売中!
  • 戦争と平和の船、ナッチャン
    3.0
    みなさんは「病院船」を知っていますか? 大きな事故や災害が起きたとき、海からかけつけて、大きな船が丸ごと病院になってしまうというものです。日本は、まだ病院船を持っていません。しかし、東日本大震災が起きたとき、病院をはじめ多くの建物がめちゃくちゃに壊れてしまった現実を目の当たりにして、けがをした人々の治療をするためにも、こうした船を持つ必要があるのではないかという議論が起こりました。 それから9年の月日が経った2020年から、新型コロナウイルスが日本全国をおそいました。爆発的に感染者が増え、現在ある病院だけで患者に対応できるのか不安になっていくなか、ふたたび「病院船は必要なんだ」という声があがりました。 これは、「ナッチャンワールド」という高速フェリーの波瀾万丈の”船生(せんせい)”の物語です。ナッチャンの夢、それは「病院船になりたい」という夢です。オーストラリアで生まれたナッチャンは、お客さんを乗せて津軽海峡を行ったり来たりする観光フェリーでしたが、燃料の価格が高くなったためにフェリーとして使われなくなり、自衛隊に貸し出されて戦車や装甲車を訓練場に運ぶ仕事につきました。「平和の船」は、またたく間に「戦争の船」に様変わりしたのです。望まないのに「戦争の船」となったナッチャンは、病院船になれるのでしょうか? 長年にわたって防衛省の取材をしてきたジャーナリストが、実在するナッチャンワールドという船を主人公にして、戦争と平和のはざまにある今の時代を伝える、一風変わったノンフィクションです。
  • Juliaで作って学ぶベイズ統計学
    -
    ◆◆数式とコードの距離が近いJuliaで一生モノの考え方を身につけよう!◆◆ 線形代数、微積分、最適化、確率・統計の基本的な計算から、 ハミルトニアンモンテカルロ法、階層ベイズ、状態空間モデルの原理までをていねいに解説! [サポートページ] https://github.com/sammy-suyama/JuliaBayesBook [主な内容] 第1章 Juliaの基礎 1.1 Juliaとは 1.2 基本文法 1.3 パッケージの利用 1.4 グラフの描画 第2章 数値計算の基礎 2.1 ベクトル・行列計算 2.2 統計量の計算 2.3 統計量と確率分布のパラメータ 2.4 微分計算 2.5 関数の最適化 2.6 最適化によるカーブフィッティング 2.7 積分計算 第3章 確率計算の基礎 3.1 表を使った確率計算 3.2 式を使った確率計算 3.3 連続値における周辺分布と条件付き分布 3.4 確率的試行のシミュレーション 第4章 確率分布の基礎 4.1 確率分布とは 4.2 Juliaでの確率分布の扱い(Distributions.jl) 4.3 離散型確率分布 4.4 連続型確率分布 4.5 統計モデルの設計 第5章 統計モデリングと推論 5.1 ベルヌーイモデル 5.2 線形回帰 5.3 ロジスティック回帰モデル 第6章 勾配を利用した近似推論手法 6.1 なぜ勾配を利用するのか 6.2 ラプラス近似 6.3 ハミルトニアンモンテカルロ法 第7章 発展的な統計モデル 7.1 ポアソン回帰 7.2 階層ベイズモデル 7.3 状態空間モデル
  • スマートな悪 技術と暴力について
    4.0
    いま、あなたの周りには、いったいいくつのスマートデバイスが存在するだろうか。もしかしたら、あなたのポケットにはスマートフォンが入っているかも知れない。あるいはあなたの腕にはスマートウォッチが巻かれているかも知れない。スマートスピーカーで音楽を聴き、スマートペンでメモを取っているかもしれない。スマートグラスをかけているあなたの家を、スマートロックが守っているかも知れない。そんなあなたはスマートシティに住んでいるかも知れない。  私たちの日常には多くのスマートなものが浸食している。私たちの生活はだんだんと、しかし確実に、全体としてスマート化し始めている。しかし、それはそうであるべきなのだろうか。そのように考えているとき、問われているのは倫理である。本書は、こうしたスマートさの倫理的な含意を考察するものである。 (中略)  もちろん、社会がスマート化することによって私たちの生活が便利になるのは事実だろう。それによって、これまで放置されてきた社会課題が解決され、人々の豊かな暮らしが実現されるのなら、それは歓迎されるべきことだ。まずこの点を強調しておこう。しかし、このようにスマートさに内在的な倫理的価値を認めることは、いささか性急であるようにも思える。なぜならそのとき、スマートさがもたらしうるネガティブな側面が覆い隠されてしまうからである。  ……スマートさがそれ自体で望ましいものであるとは限らないのではないか。むしろ、スマートさによってもたらされる不都合な事態、回避されるべき事態、一言で表現するなら、「悪」もまた存在しうるのではないか。そうした悪を覆い隠し、社会全体をスマート化することは、実際にはとても危険なことなのではないか。超スマート社会は本当に人間にとって望ましい世界なのか。その世界は、本当に、人間に対して牙を剥かないのだろうか。  そうした、スマートさが抱えうるネガティブな側面について、つまり「スマートな悪」について分析することが、本書のテーマだ。 (中略) ……本書は一つの「技術の哲学」として議論されることになる。技術の哲学は二〇世紀の半ばから論じられるようになった現代思想の一つの潮流である。本書は、マルティン・ハイデガー、ハンナ・アーレント、ギュンター・アンダース、イヴァン・イリイチなどの思想を手がかりにしながらも、これまで主題的に論じられてこなかった「スマートさ」という概念にこれらを応用することで、日本における技術の哲学の議論に新しい論点を導入したいと考えている。(「はじめに」より)
  • 新しい〈ビジネスデザイン〉の教科書 新規事業の着想から実現まで
    -
    「新規事業を立ち上げろ」――そんな無茶ぶりに対応したい。「何か新ビジネスをはじめたい」という漠然とした想いを形にしたい。できます! 「ビジネスとは何か」からはじめて、事業の着想から提案・実現まで役立つ手法を一気に解説します。本書を読めば、必要な武器――(1)ビジネスの基礎知識、(2)チャンスを見抜く洞察力、(3)優れたコンセプトのつくり方・選び方、(4)事業の仕組みづくりの方法、(5)計画と実践の道筋――が全部そろいます! 【主な内容】 PART I 知識  CHAPTER 1 ビジネスをデザインしよう  CHAPTER 2 創造的思考のトレーニング PART II インサイト  CHAPTER 3 顧客理解  CHAPTER 4 未来の社会を予想しよう  CHAPTER 5 製品やサービスの全体像をつかもう PART III コンセプト  CHAPTER 6 新しい製品・サービスのコンセプトを考えよう  CHAPTER 7 新しい製品・サービスのコンセプトを選択しよう  CHAPTER 8 コンセプトを可視化しよう PART IV 事業化  CHAPTER 9 市場投入の計画を立てよう  CHAPTER 10 新しい製品・サービスの価格を考えよう  CHAPTER 11 ビジネスモデルを描こう  CHAPTER 12 新しいビジネスのコストを見積もろう  CHAPTER 13 ビジネスとしての収益性を評価しよう PART V 行動計画  CHAPTER 14 ビジネスプランを書こう  CHAPTER 15 ビジネスをプレゼンしよう  CHAPTER 16 新しいプロジェクトを立ち上げよう  CHAPTER 17 ワークショップを企画しよう
  • これからのロボットプログラミング入門 第2版 Pythonで動かすMINDSTORMS EV3
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ★ビジュアルプログラミングからオブジェクト指向プログラミングへ。さあ、はじめよう!★ MicroPython ver2.0に対応した改訂版。LEGO MINDSTORMS EV3を用いるロボットプログラミングもPythonで自由自在! ソースコードの解説が丁寧だから大丈夫。プログラムを書いて、すぐロボットが動くからSTEM教育の導入としても最適。センサ、機構、ライントレース、Open Roberta Labなどの発展的な話題も豊富。 いま、テキストベースのプログラミング言語Pythonが注目されています。人工知能(AI)を応用したアプリケーション開発やビッグデータ解析、ロボットアプリケーション開発などの分野でよく使用されており、さらに初心者のプログラミング学習にも向いています。したがって、Pythonを学ぶことは、ロボットプログラミングを始めたい人にとって大いに意味があります。 本書では、EV3ソフトウェアとPythonでプログラムを書きます。2つのプログラムの対応がよくわかるように、EV3ソフトウェアのプログラムを説明した後に、Python のプログラムを説明します。Pythonのプログラムの説明では、EV3ソフトウェアのプログラム中のブロックに相当する手続きがどこで使われているかについても説明します。 【主な内容】 1章 はじめに 2章 プログラミングの準備をしよう 3章 ロボットプログラミングをはじめよう 4章 ロボットを動かしてみよう (基本プログラム/ ステータスライトを光らせる/ 音を鳴らす/ ディスプレイに文字を描画する/ モーターを回転させる) 5章 センサーを使って動かそう (EV3 で使用できるセンサー/ タッチセンサーを使おう/ カラーセンサーを使おう/ ジャイロセンサーを使おう/ 超音波センサーを使おう/ モーター回転センサーを使おう) 6章 オリジナルロボットを作ろう (ロボット製作のための力学・機構/ 力学・機構のための数学的準備/ 力学の基礎/ 基本的な機構/ 車輪移動機構/ ロボットアームとエンドエフェクター) 7章 実践してみよう (ボタンを押してすぐに実行する/ 複雑な動作をプログラミングするためのテクニック/ ライントレース/ 線の検出) 8章 Open Roberta Lab (Open Roberta Labとは/ 画面の説明/ プログラミング/ 保存と読み込み/ シミュレーター/ ロボットの設定/Open Roberta Lab からEV3 を動かす) 付録A リファレンス ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ディズニー みんなが知らないシンデレラ なぜトレメイン夫人は冷酷な悪女になったのか
    4.5
    大人気「みんなが知らない」シリーズ最新作! 今度の主人公は、あのシンデレラの継母、トレメイン夫人。 思いやりのある優しい女性だったトレメイン夫人は、なぜ冷酷な女に変わったのでしょうかーー? 夫亡き後、二人の子供と穏やかに暮らしていたトレメイン夫人。 ある日親友のプルーデンスから、「魔法の地」から来たという謎の紳士、サー・リチャードを紹介されます。 再婚相手を探しているというサー・リチャードに一目で心惹かれたトレメイン夫人は、彼との再婚を決めます。 でも亡き夫が残した「おとぎの国の本」には、「魔法の地」に嫁いだ女性は悲惨な人生を送ると書かれていたのでした。 心配する侍女の助言も聞かず、トレメイン夫人は「魔法の地」へ嫁いで行きますがーー? だれもが知るあのヴィランの、恐ろしくも悲しい物語―――! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 女の敵
    -
    たぐいまれな美貌にめぐまれたがために、女はより深い悲しみに哭かねばならないのか? 不幸な星のもとに生まれた女は、清純な魂をもつがゆえに、現代のさまざまな、「女の敵」に翻弄されながら生きねばならないのだろうか? 大正時代の孤高な作家といわれた黒木亮二を父に、瀬戸内海に臨む岡山県の片田舎に600年の歴史を誇る平家一門の旧家の一人娘を母にもつ黒木小露は、人生の暗い谷間に行きくれながら、渡り鳥のように女の幸福を追い求めるが、男の愛の暴力にすべてを奪われてしまう。――昭和動乱期のなかに哀しみを埋没させられた女の悲劇を描いた雄篇。
  • 今日の男
    -
    探偵小説家・山河幾太郎は、鋭い推理力と神出鬼没の行動力を駆って、銀座のネオンの蔭に巣食う麻薬密輸団の秘密をあばこうとした。身分を偽って14万ドルの遺産を相続しようと企む美しい魔女、その遺産を狙う謎の男、密輸団の首領、殺された女にからまる国際スパイの巧妙なトリック……。わが和製ルパン・山河幾太郎は、不気味な殺気がただよう暗黒街に颯爽と挑戦する。
  • わしは、わしの道を行く
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    敗戦の日本に、羽織袴のいでたちで姿をみせた15歳の少年――豊臣筑前守秀吉(ひできち)こそ、ブラジルの千万長者・秀右衛門が、「何事も修行のためでござる」と故国に送りかえした可愛い孫だった。はげしい流転の世相が、少年を包む。捨て子の加奈子、旧高利伯爵の庶子・元和、没落した元宮様の娘・和子、さらに元満鉄総裁の娘・啓子……。音をたてて崩れさる古い社会にあがく人々の中で、どこか超然と次元のちがう生き方を貫く筑前守。「2億円くらい孫に使わせてみよう」と、祖父が後をおって帰国した時、奇怪にも彼は行方をくらましていた――痛快しかも辛辣な巨匠の作品。
  • 決定版 獣拳戦隊ゲキレンジャー ひみつ超百科
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 獣拳戦隊ゲキレンジャー、超百科で大活躍! ゲキレンジャーは激気(ゲキ)をみなぎらせて激獣拳をふるう激獣拳ビーストアーツの拳士だ。臨獣拳アクガタをつかう臨獣殿の怪人たちにゲキレッドたちが立ちふさがる。ゲキレンジャーのゲキワザ、ゲキビーストが獣拳合体した巨大拳士・ゲキトージャ、ゲキファイヤーのゲキワザをチェックしよう。激気を超える伝説の力、過激気をみにつけたスーパーゲキレンジャーのひみつものっているよ。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 決定版 全スーパー戦隊 超ロボ・必殺わざバトル100超百科
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 秘密戦隊ゴレンジャーから獣拳戦隊ゲキレンジャーまでの歴代スーパー戦隊のヒーローたちは、これまでどんな戦いをくりひろげてきたのか。また、どんな必殺わざやメカ、ロボが活躍しているのだろうか。スーパー戦隊のひみつを紹介しながら、100大バトルを超特集! 戦士の超わざ、ロボの超パワーもみのがせない! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • はしっこアンサンブル(1)
    完結
    4.6
    『げんしけん』の木尾士目が新たに描く工業高校×合唱の青春物語! 声にコンプレックスを抱える藤吉晃。声変わりから極端に低い声になった彼は、「声を使わない仕事に就けるかも」という理由もあって工業高校に進学した。しかしそこで、合唱部を作ろうと意気込む同級生・木村仁と出会う。木村は藤吉の声に魅力を感じ、「一緒に合唱やろう!!」と誘ってきた! リアルな工業高校の日常と、歌で人の心が繋がってゆく青春模様です!
  • バトルスタディーズ 超合本版(1)
    無料あり
    5.0
    1~6巻0~3,795円 (税込)
    「強育」は愛、栄光への通過儀礼。生きる術は全て「PL野球部」で学んだ。18人で天下を獲ろう。俺たちの前に、道はできる。元PL球児が描く超リアル高校野球漫画! ロングセラーにしてなお重版続々。 作者自身が高校野球を通じて得た、生きる術を熱く叫び、野球ファンのみならず共感の嵐。 野球を愛する全ての人たちに捧げます!
  • 恋慕奉行(上)
    -
    母の形見の印籠1つを抱いて江戸へでてきたお柳には、正体のわからない、不吉な影がつきまとっていた。大事な印籠は僅かな隙に盗まれ、折角きまった奉公口も次々とこわされ、千住の宿場女郎に身をおとす破目となった。――見えない、呪(のろ)いの糸が、お柳を縛っている。もし、町同心・水木半九郎に夜釣りの道楽がなかったら、お柳はとうに死んでいたろう。半九郎の鋭いカンは、暗闇に嘲笑う覆面の武士の正体を見破った。彼の名は、阪田権太夫。町奉行・大岡越前守に不敵な挑戦を宣し、江戸を恐怖の巷(ちまた)に落とす男。越前守の弱点――恋の過ちを衝くだけに、名判官の苦渋は深かった。<上下巻>
  • 旅情密集
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    ここを永住の地と決めている人が、はたしてどれだけいるだろうか。新しい都会生活の様式=団地。10数万人がそれぞれに群がり生きている。鉄筋の壁を隔てて恋人同志が暮していることもあれば、挨拶を交さない隣同志もあろう。職業も生活も千差万別。そして、やがてはまた離ればなれになっていく……。 この巨大なマンモス・ビルの中に住む人々の哀歓を、1話1話にまとめて大きな反響を呼んだ、沢野久雄氏の評判小説。
  • 神宝聖堂の危機
    -
    若き呪い師と争乱の張本人は、真正面対決へ! 神宝聖堂の王国に乱を成すフマイヨ王の真のねらいとは? 力をためる若い呪い師と幼い姫たちは試練を受け止められるのか? 超古代ファンタジ-巨編、愈々佳境に! ーー若い大神官・リバスが神宝聖堂を護(まも)るギセア王国の幼姫・ファネラには、未開花の神賜力が備わっていた。敵王・フマイヨは、ファネラを妻に奪い取ろうと企み、霊の力を用いて戦士・カナーンの命を脅(おびや)かし、ファネラを敵国へと連れ出す。リバスらはファネラを連れ戻そうと、敵国に忍び込むが……。「神宝聖堂」シリーズ続編、傑作ファンタジー・ノベル。幼姫を妻に奪い取る敵王の陰謀を打ち破れ!
  • それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影
    値引きあり
    4.8
    多くのファンと研究家に衝撃を与えた『鴎外の恋─舞姫エリスの真実』(講談社)の続篇。、小説『舞姫』のヒロイン「エリス」のモデルとなった鴎外の恋人を発見した著者はその後も調査を続行、ついにその実像に到達する。新たに突き止められた驚きの諸事実、鴎外と別れてからの「エリス」の後半生とは。 真実を索める者に神は微笑む。別離後、ドイツに帰った「エリス」はどのような人生を送ったのか? その後、鴎外との間にはなんの交渉もなかったのか? ふたたび記録の森をさまよう著者に射した光は、ついに文豪の愛した女性の生身の姿を照らし出す。  2011年に講談社から刊行された『鴎外の恋─舞姫エリスの真実』は多くの鴎外研究家、ファンに衝撃を与えました。徹底したリサーチの結果、小説『舞姫』のヒロインであるエリスが1866年9月15日にシュチェチン(現在はポーランド領)で生まれ、1898年から1904年まで帽子製作者としてベルリン東地区に在住したことが確認された「エリーゼ・マリー・カロリーネ・ヴィーゲルト」であること、鴎外と知りあった頃は20歳か21歳だったことは、まず間違いありません。従来唱えられてきた「エリス人妻説」「エリスはユダヤ人説」は完全に意味を失ったといえましょう。  六草さんはその後も入魂の調査を継続。日本からベルリンへ帰る船中での諸事実から「エリス」が二度の大戦の戦禍をくぐり抜け1953年8月4日に没したことまで突き止めました。そしてついにエリーゼ・ヴィーゲルトの風貌に接するときがやってきます。本書は鴎外と別れてからの「エリス」の後半生と人物像についての驚きの新事実に満ちています。
  • トゥーンタウンで ミッキーと あそぼう! めくって だあれ (ディズニーブックス)
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 あの、東京ディズニーランドのミッキーたちが登場する絵本です。 ミニーやドナルド、チップとデールなど、東京ディズニーリゾートの人気ものたちと絵本でいっしょに遊びましょう。 舞台は、ミッキーたちが暮らすまち、トゥーンタウンです。 見ているだけでワクワクするような街並みに、ミッキーたちが次々と現れます。 「これはだあれ?」などと言いながら、ページをめくりましょう。 お子さんの笑顔を引き出す、お気に入りの一冊になること、間違いありません! この絵本は、東京ディズニーランドのミッキーたちの写真で構成しています。 すべてこの絵本のために撮影したものです。 おうちでいつでもミッキーたちと会うことができます! 対象:2歳くらいから ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 犬になったら好きな人に拾われた。(5)【電子限定! かなりHな描き下ろし漫画付き特装版】
    4.7
    【電子限定! かなりHな描き下ろし漫画付き!】水着姿の犬飼さん&猫谷さんと『臨海学校』へ行こう! 全コマ犬目線VR風ラブコメ第5巻!! 勇気を出して犬飼さんを誘い、臨海学校へ一緒に行けることになったポチ太。犬飼さん、猫谷さんで海をエンジョイ…と思いきや"アイツ"も一緒のグループになる事に!? さらに犬飼さんまでワンちゃんになってしまい…!? 犬飼さん、その電信柱はダメ!!! ビーチバレーにカレー作り、『犬ひろ』第5巻で最高の夏を楽しもう!!
  • 統計学が見つけた野球の真理 最先端のセイバーメトリクスが明らかにしたもの
    3.8
    野球の必勝法とはなにか? 統計学的にその答えを追求し、メジャーリーグの「お荷物」を 常勝軍団に変身させ、一躍その名を知られた「セイバーメトリクス」。その進化はとどまる ところを知らず、野球場で起きているあらゆることを「数字」にするため新しい指標が次々 に考案されている。さらにテクノロジーの発達は、選手やボールの動きの精密な計測を可能 にし、それらビッグデータの解析によって、野球というスポーツの本質さえ解き明かそうと している。はたして野球とは、どのような競技なのか? 日本のセイバーメトリクス研究の 第一人者がRSAA、wRAA、UZR、UBR、フレーミングなどの新指標を駆使しながら、本当 に勝利に結びつくプレーと戦術について考察する。 大谷翔平の「二刀流」はMVPに本当に値するのか、スワローズ&バファローズの史上初の W下剋上はなぜ起きたかも、数値を見れば一目瞭然! ・投手の評価は「守備」や「運」に大きく左右されている ・打者の本当の貢献度を「得点」に換算してみると ・守備の「うまさ」をどうすれば正確に測れるか ・盗塁は70%以上成功しないと「赤字」である ・犠牲バントの「損益分岐点」は出塁率でどのくらいか ・球審のジャッジは実はかなり「恣意的」である ・「勝負強さ」をどう数値化するか などなど、野球の見方がいやでも変わる新知見満載! 目次 序 章 セイバーメトリクスの歴史――草創期から「革命」まで 第1章 セイバーメトリクスの原理――どのように「数値化」するのか 第2章 投手の指標――どこまでが「責任」なのか 第3章 打撃の指標――「得点創出能力」をいかに表すか 第4章 セイバーメトリクスの可視化――「下剋上」の原動力とは 第5章 パークファクター――野球は「場所」によって変わる 第6章 守備の指標――「未開の領域」に光を当てる 第7章 走塁の指標――「足」でどれだけ稼げるのか 第8章 総合指標――「二刀流」を評価する 第9章 セイバーメトリクスの革命――テクノロジーが明かす真実 第10章 プロ野球の未解決問題――これからのテーマ
  • ゼロから学ぶ量子力学 普及版 量子世界への、はじめの一歩
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 不確定性原理とはなにか? 粒子と波動の二重性とは? 電子のスピンやもつれってなに? 「場」の量子論って?  「量子」と聞いたときに感じる、あなたの「頭のもやもや」をすっきり解決します! この本の目標:シュレディンガー方程式の「意味」を多角的に理解する! 「量子力学」について、世の中にはさまざまな参考書があります。でもたいていの教科書には、量子力学が「何」であるかは書かれていません。シュレディンガー方程式を解くための解法テクニック「ハウツー」ではなく、量子力学の「ホワット」に的を絞って解説していきます。 こんな方におすすめです。 ・生まれてはじめて「量子力学」の世界を覗いてみたい人 ・学生時代に習ったことはあるけど、頭のもやもやして、本当の理解ができなかった理系出身者 ・講義の途中、ふと「これって、どういう意味なの?」と思ったけど、先生にも、同級生にも聞けずにいる学生の方 量子力学の「歴史的な理解」、実は研究者でも「うまく理解できない部分がある」ことを明らかにし、その上で、必要とされる「数式や計算」を省略せずに、微積分や三角関数の基礎からていねいに解説。さらに理解が難しくなるポイントは、対話形式の文章でおもしろく解きほぐしていきます。 アインシュタインだって戸惑ったという「量子の世界」に、この本をもって飛び込んでみましょう!
  • 文庫版 地獄の楽しみ方
    4.1
    「あなたの世界」は言葉ひとつで変わってしまいます。    SNS炎上、対人トラブル――あらゆる争いは言葉の行き違いから起きています。  言葉の罠にはまらないため、語彙を増やして使いこなすわざを身につけましょう。  小説家・京極夏彦が指南する、地獄のようなこの世を楽しく生きていくための「言葉」徹底講座。
  • 人生のサバイバル力
    4.0
    《教えて!佐藤優さん》 何のために勉強するのか? 歴史から何を学ぶか? これからの時代をどう生きるか? 君たちに必要なのは、人生で壁に出会ったとき、それを打ち破るためのいろんな知識=「総合知」を身につけることだ。 佐藤優が次世代に手渡す、ハードな世界を生き延びる知恵! 大人前夜の君たちへ。学校では教えてくれない本物の知恵を伝える白熱授業。 〈目次より〉 1 何のために勉強するのか 人生で役に立つ知識とは/「悪」について知っておこう/つらい過去には向き合わなくていい/医者と弁護士がゴールではない/「入学歴社会」が終わるとき/論理の力を身につける/知っておくべき「大学とお金」の話/自分が嫌いなことは覚えられない 2 歴史から何を学ぶか 母が経験した沖縄の戦争/学校では教えない歴史がある/時間についてークロノスとカイロス/歴史は解釈によって変わる/差別はなぜ生まれるのか/サバイバルに必要なのは「総合知」  3 君たちはどう考えるか ものの見方についてー『君たちはどう生きるか』を読み解く1/パラダイムとは「ゲームのルール」/二つの「ものの見方」を行き来しよう/人間は無意識に動かされる/AI時代に何を勉強するか  4 これからの時代を、どう生きるか 人間の結びつきについてー『君たちはどう生きるか』を読み解く2/人類史はどのように発展してきたか/文明は後戻りできない/資本主義の基本的な構造を知る/賃金はどうやって決まるか/経済の論理に対抗する、新しい可能性/理解しあうために必要なこと
  • アンチ整理術 Anti-Organizing Life
    3.9
    整理・整頓は何故必要なのか?   大学の研究室、芸術家のアトリエ、漫画家の作業場……。 素晴らしい作品が生まれているのは凄まじい散らかりようのなかだ。 物理的な整理ではなく、自分自身の内側と「環境」を整理・整頓してみよう。 人気作家が語る、自由に楽しんで生きるために大切な創造的思考と価値観。
  • 叡智のひびき 天風哲人 箴言註釈
    -
    たとえ病に侵されようとも、あるいは運命に悩まされようとも、それを克服しようとはせず、安らかに超然としていられることが、天風哲学の理想とする「積極心」なのである。──このほか、「報償を目的としない生活」「正しい思いやり」「不平不満を感じたときの対処」「自己を厳格に批判すべきこと」「人生のいっさいを感謝、感激に置き換えること」「人生への態度の積極化」「心を消極的に絶対しないこと」「人の世のために尽くすこと」……など、人生を正しく大切に生きるための、中村天風の信念から迸り出た言葉を収めた珠玉の指南書。
  • これからの生活どうなる? に備える 年金生活ビギナーのための家計練習帳
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「老後資金が2000万円不足する!」「老後の資金が足りません」 年金生活者の夫婦の年間世帯平均年収に対し、平均支出はオーバー。不足分は貯蓄から取り崩しているという家計調査からの報道されています。全国平均のデータで、年金収入も支出も人によって異なりますが、「年金収入だけでは足りずに、貯蓄を取り崩している」という状況は多くの世帯で共通した悩み。 そんなニュースを見たり聞いたりして、年金生活者や定年がそろそろ見えてくる年代になると「年金だけで本当に足りるのだろうか?」「この貯蓄額で大丈夫だろうか」など、心配が増えてきます。心配するよりも自分の家計を知って、生活を見直すことが大切。 「退職金や老後資金は減らさない」「老後資金を増やすのは難しいけれど、減らさないのは簡単!」 と著者の深田氏は言います。 そのために必要なのは、毎日のお金流れ、毎月のお金の流れ、1年のお金の流れを知ること。自分の家計状況を把握し、安心して日々を過ごすための1冊です。ざっくりお金の流れを知っておくだけで、気持ちがラクになります。 年金生活者が知っておきたい、知りたい・年金の仕組み・定年後の住宅ローンの見直し・年金の繰り下げ受給のメリットと注意点・介護保険・相続などの知っておきたい情報もわかりやすく掲載します。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ディズニー こどもずかん 英語つき
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    1巻1,265円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 どんどんことばが増えていく! おしゃれでかわいいディズニーのイラストがいっぱい詰まった、こどもずかん登場! ミッキーたちと一緒に、楽しく読んで遊んで学べる絵がいっぱいの図鑑です。 どうぶつ、くだもの、やさい、のりもの、うみのいきもの、たべもの、みのまわりのもの、みにつけるもの……と、こどもに身近なものがかわいいディズニーのイラストで200以上も描かれる豪華図鑑。 通常の項目に加え、「きもち(感情)」や「きせつ」「あいさつ」なども人気キャラクターたちが紹介します。 本の中には、ディズニーの人気者たちもたくさん登場。 鮮やかな色で描かれたディズニーの絵は、幼児の認識力を育むのに最適。 楽しくイラストを見たり、名前を音読したり発音しながら、ものの名前や色、形が自然に身に付きます。 知育にもことばあそびにも、モノを覚えることにも、親子のコミュニケーションにも最適な一冊。 すべてのイラストには日本語・英語の名前が付き、さらに、英語はネイティブの発音に近いよみがなも掲載。強く読むアクセントの部分は、大きく太い字に、軽く発音する部分は、小さく細い字で表記。 <登場するキャラクターたち> ミッキーとなかまたち アナと雪の女王 ディズニープリンセス くまのプーさん カーズ トイ・ストーリー モンスターズ・インク リトル・マーメイド など ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 美しき母への讃歌
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    代々の豪商の家に嫁ぎ、 日出夫を22で生んだ母。若旦那育ちの父は事業がうまくいかず、飲んでは母に暴力をふるい、やがて女と出奔してしまう。日出夫は小学5年、そのときから母子の貧乏が始まった。村に移り住み、製糸工場で働く母。日出夫を中学にやりたいが、その金がない。日出夫は進学をあきらめようとしたが……。母の大きな愛、それに応えようと成長する息子。学び舎、友、恋、青春の日々。
  • 春風まぼろし谷(上)
    -
    江戸の謎といわれる笠松屋敷に奉公した孤独の美女・お信乃は、偶然にも禁制の離れをのぞいてしまった。世にも怖ろしい光景が、お信乃の眼前に展開する。妖気をはらむ屋敷の主(あるじ)笠松半太夫とは何ものだろう。さらに、彼をうかがう若い素浪人、怪童、乞食大名、女忍者との激烈な争いは? 事件の一切の鍵は、伝説の秘境・まぼろし谷と、そこに住む霧姫さまの上にあった……。<上下巻>
  • パリ近郊の小さな旅 イル・ド・フランスの魅惑
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    魅惑の写真とエッセイ、もうひとつ上のフランスの旅。ヴェルサイユ、フォンテーヌブロー、パリ近郊の旅の魅力をあなたに! ーー休日の昼下がり、さてどこへ出かけようか……。芸術家たちの愛したバルビゾンの村、シャルトルのステンドグラス、木洩れ日の中を歩くフォンテーヌブローの森、そして忘れてはならないのがヴェルサイユ宮殿。パリ20区を卒業したあなたに、美しい写真とエッセイで、パリの達人がご案内するとっておきの小さな旅(プチ・ジャーニー)!!
  • 今宵、囚われの君を。
    完結
    4.5
    産業革命前夜ごろ、ヴァイリチカ王国の王家はある趣味に興じていた。 それは、吸血鬼の末裔を捕え、いたぶり、剥製にするというもの…。 吸血鬼の末裔であるイズミは、ある日、最愛の兄・イツキを失ってしまう。 王家に剥製として眠るであろうイツキを弔うべく、城に乗り込むものの、あっさり捕まってしまうイズミ。 そんなイズミの前に現れたのは、兄の友達だった王子・レオンハルトで、なんと体の関係を持ってしまい――…。 家族をなくした吸血鬼の末裔×憎むべき仇である王子様 愛憎入り混じる復讐恋愛譚
  • タマロワ ~100%金目当て 資産35億のイケメンを巡る訳アリ女達の玉の輿バトルロワイヤル~ 【電子限定特装版】(7)
    完結
    5.0
    描き下ろしの特別編&えちえち袋とじイラスト集も収録された小冊子付き特装版! "ここだけでしか読めない" 最終回の【その後】が描かれた特別編&描き下ろし袋とじイラスト集も収録の超豪華仕様!!! 【※この小冊子付き特装版は電子のみの配信となります】 【あらすじ】 凶悪犯罪者との最終対決!ゲームの勝利は誰の手に!? 資産35億を持つイケメン実業家の独身男性を、ワケありの美女たちがあんな手やこんな手で奪い合う「玉の輿婚活バトルロワイヤル」、通称「タマロワ」。ニートで借金持ちの後藤優奈は、どん底人生からの逆転を目指して、この番組への参加を決意したが、手違いで「元犯罪者」も紛れ込んでいる超過激な「裏・タマロワ」に申し込んでしまった…! ”金持ち男”、凶刃に伏す!?優奈をかばい東詩織に刺された五十嵐雅貴。”金持ち男”を瀕死に追いやってなおゲームを進めようとする東の狂気に、独り立ち向かう優奈の命運はーー!? 玉の輿婚活バトルロワイアル『タマロワ』、これにて完結! 最後に笑うのは誰だ!?
  • サン=テグジュペリの世界 〈永遠の子ども〉の生涯と思想
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    ☆それが〈目に見えないたいせつなこと〉だったのか。☆ 「星の王子さま」を生み出した思想とは? 波乱の生涯と作品世界をつなぐ決定的評伝。 サン=テグジュペリは、言わずと知れた『星の王子さま』の作者です。 この子ども向けの小さな物語は、いまもなお世界中の多くの人びとが読み続け愛し続けていますが、その魅力の秘密はどこにあるのでしょうか。 この作品でくりかえし語られる〈目に見えないたいせつなこと〉とはいったい何なのでしょうか。 サン=テグジュペリは、自分の子ども時代を忘れることができなかった、おとなになりきることができなかった人間と言えるでしょう。 彼は、おとなの世界にほかならないこの現実社会を、つねに居心地の悪さ、窮屈さを感じながら、いわばよそ者として、不器用に生きねばなりませんでした。 失敗と挫折、混乱や波瀾に満ちたサン=テグジュペリの生涯は、どこかドタバタ喜劇めいており、それ自体として見ても面白いものです。 ですが、彼自身はこうした人生を懸命に生きることを通して、おとなの世界である現実社会、近代という時代にたいする批判意識を研ぎ澄ましていました。 そして同時に、みずからの内面空間そのものとしての子ども時代の世界のヴィジョンを明確化していったのです。 本書は、こうしたまったくあたらしい視点から書かれた、『星の王子さま』『夜間飛行』をはじめとする作品群の世界をより深く味わえるようになる、サン=テグジュペリの評伝の決定版です。 [本書の内容] はじめに  第一章 子ども時代(一九〇〇―一九一二) 第二章 青春の惑い(一九〇九―一九二六) 第三章 飛行士にして作家(一九二六―一九三一) 第四章 波瀾の時代(一九三一―一九三九) 第五章 戦争(一九三九―一九四〇) 第六章 亡命(一九四〇―一九四三) 第七章 最後の任務(一九四三―一九四四) おわりに  サン=テグジュペリ略年譜
  • おはなしSDGs 質の高い教育をみんなに 未来のハッピースクール計画!
    -
    1巻1,210円 (税込)
    【物語の概要】 ――みんな、勉強って好き? 六年生のみくるは、おこられたくないからしているけど、本当は、勉強なんか大っキライ! 最近は、学校と習い事がいそがしくてイヤになってきたし、仲良しだったミキちゃんも学校でみかけなくなってしまったし……。 ある日とうとう限界がきて、習い事をサボリ逃亡。行きついた先の図書館で、一人で勉強しているミキちゃんにバッタリ! ミキちゃんは、学級崩壊したクラスが嫌で、学校に行くのをやめたみたい。ミキちゃんにさそわれて「SDGs 未来計画コンクール!」に向けて夢の学校をデザインすることになったみくる。でも、どういう学校だったら、みんな楽しく勉強できるんだろう――? ●シリーズ「おはなしSDGs」の刊行趣旨 2015年、国連で、「Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標」(SDGs)が採択されました。2030年までに17のゴールを設定し、先進国も新興国も途上国も、国も企業もNPOも個人も、垣根を超えて協力していこうという取り組みです。日本の学校現場も、より良い未来をつくっていくための指針としてSDGsを子どもたちに伝えるべく、授業に取り入れ始めました。 このシリーズは、大人でも理解の難しいSDGsの概念について子どもたちにわかりやすく伝えるため、すべて「物語」のかたちでつくられています。キャラクターたちが織りなすストーリーを読んでいくうちに、自分の何気ない行動が世界とつながっていることを実感できるつくりにします。小学校高学年以上を対象といたします。 ●シリーズ「おはなしSDGs」の特色 ・各児童文学賞受賞作家やベストセラー作家など、現代を代表する一流童話作家の書き下ろし作品です。「物語の楽しさ」を第一に書かれた作品は、どの一冊をとっても、すぐれた児童小説として楽しむことができます。 ・実力のあるイラストレーターによる挿絵が多数掲載され、確実に物語を読み通す手助けとなります。 ・各巻とも、SDGsが掲げる17のゴールのうちの一つがテーマとなっており、いま世界が協力してその目標に向かわなくてはならない理由が自然と理解できるストーリーが展開されます。 ・本文中に、物語とリンクさせるかたちで、関連する図表、グラフ、年表などが入ります。さらに、各巻の巻末で、テーマとしたSDGsのゴールについてくわしく解説しますので、テーマ学習の教材としても使用できます。 ・SDGs全体について解説する「総論編」も刊行します。さまざまなゴールをテーマにした物語と、「総論編」を併読することで、SDGsについての理解がさらに深まるように設計されています。 ・80ページ(一部カラー)。朝読書にもぴったりのボリュームです。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 賭の季節
    -
    映画スター・上杉悠子邸の玄関先に倒れていた死体――それは、悠子にそっくりの女であった。熱狂的なファンの「自殺」として片づけられたこの事件に、木島刑事は疑問をもつ。「捜査の邪道かもしれないが……」彼は心に殺人事件を描いてみた。悠子には幼くして別れた双生児の姉・竹村久子がいた。死体は、この久子なのだろうか、あるいは悠子その人なのかもしれぬ。刑事は、付人の西条悌子とマネージャー・藤岡謙にあたった。捜査が、華やかな女優生活の裏にひそむ「影の女」の存在を知った時、事件は意外な終末を迎える。巧妙なトリックを用い、「女の賭」を描く本格推理。
  • 入門 現代の量子力学 量子情報・量子測定を中心として
    4.0
    【今世紀の標準!】 次世代を担う物理学徒に向けて、量子力学を根本的に再構成した。原理から本当に理解する15章。学部生から専門家まで必読の一冊。 【目次】 第1章 隠れた変数の理論と量子力学 第2章 二準位系の量子力学 第3章 多準位系の量子力学 第4章 合成系の量子状態 第5章 物理量の相関と量子もつれ 第6章 量子操作および時間発展 第7章 量子測定 第8章 一次元空間の粒子の量子力学 第9章 量子調和振動子 第10章 磁場中の荷電粒子 第11章 粒子の量子的挙動 第12章 空間回転と角運動量演算子 第13章 三次元球対称ポテンシャル問題 第14章 量子情報物理学 第15章 なぜ自然は「量子力学」を選んだのだろうか 付録
  • 漆花ひとつ
    3.9
    必死に足掻いて生き続けるのさ。この国の政がどうあろうともーー。 時は平安末期ーー。宮廷を覆う不穏な影。 猛き者たちの世へ時代が移ろう中で、滅びゆくものと、生き続けるもの。 直木賞受賞作家がつむぐ、至高の短編集。 「武者の世の訪れを告げる都。権力者に翻弄されつつ必死に生きる中・下層の人々を活写した、濃密で情感あふれる歴史物語」(創価大学教授/NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」時代考証 坂井孝一)
  • シナプス
    4.3
    1巻1,716円 (税込)
    覚醒するんだ、わたしーー。 常識、嫉妬、欲望、理想etc. 今の自分を束縛するものと訣別したとき、世界が変わる! 『アイドル、やめました。』『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の著者が描く、 悩みながらも一歩前へ進もうとする人々全てに捧げる応援小説。 【収録作】(全四話) 「シナプス」幼い頃から心の支えだった作家・宮原の担当編集者になった塔子は、彼との不倫関係が会社にバレて退職を選択する。新天地の週刊誌編集部で待っていた過酷な現実とは? 「風俗嬢A」花屋でバイトをしながら人気女優を目指す31歳の紗英は、同業の彼氏とも崩壊の危機。そんな崖っぷちな彼女に与えられた役は、名もなき風俗嬢だった。 「MILK」営業成績優秀ながら、部下の俊太郎と報われない恋を続ける楓。心に傷を負った彼女が目にしたのは、レズビアン風俗のサイトでーー 。 「海の見えるコールセンター」有名映画プロデューサーとの不倫をスクープされたアイドル・早瀬マリカは、引退後、新潟で平凡な暮らしを送っていたはずだった。しかし、そこにも週刊誌の魔の手は伸びて......。
  • 不完全でいいじゃないか!
    3.7
    若き精神科医の挑戦。心の奥の叫びを素直に受け入れよう……気鋭の精神科医と患者さんたちとの交流から見えてくる本当の治療ーー白衣を着ないで診察するぼくのスタイルは、できないことがたくさんありますという無言の表明です……。患者に対して、医者に過度の期待をするな、と警告する若き精神科医・伊波真理雄。自らの過去をさらけ出し、患者と本音で対峙して見えてきたものは、いったい何だったのか。感動のルポ。
  • さざなみ
    3.4
    絹子さんと俺がこっそり仕掛けた<小さな親切>の波紋の行方。ちょっとミステリアスで、心がほっこりする長編小説ーー三つ揃いを着て、雇主を「貴人」と思うこと……。借金まみれで自己破産寸前に追い込まれた「俺」は、住み込みの執事として雇われることに。賄いとガードマンと秘書にかしずかれて、銀杏(いちょう)屋敷に住まう謎の若き女主人・絹子さんの、無理難題に応えようとして、思いついた「波紋のチンギスハンのシマウマ作戦」の反響は? ◎(沢村さんの作品の)登場人物の多くは本作の「奥山史嗣」のように品行方正なほうなのに、「罪(黒)」に分類されるような行動もとってしまう。人間は、善悪の両方をあわせ持つものだから。共感できる心象風景と、人物の背景に広がるリアルな世界を、沢村さんは、興趣に富んだミステリー仕立てで書いている。本作ではなんと、「波」を小説にした。――<青木千恵「解説」より>
  • 人間・社会・法(長崎純心レクチャーズ)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 欧米に比べ、法意識が弱いと言われる日本人。私たちにとって法・法律とは何か。著者はまず、法と法律を明確に区別し、国家が定める法律を根拠づける広い意味での法の存在を指摘する。その上で日常生活の中から法や法律の問題を取り上げ、その意義や役割を平易に解説。更には近代国家の成立後わずか一五〇年で西洋法の導入に成功した日本における法の継受の歴史を辿ると共に、日本の法学を批判的に検討、法整備支援や法教育など新しい課題をも紹介する。基本的人権は私たちの生活や社会の仕組みを作る様々な法律の中に規定されているとの考えに基づき、人間と社会と法の関係を説き起こす講演。法に馴染みの薄い人文系読者にも良き入門書となろう。 【目次より】 「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子 目次 はじめに 私たちの生活と法律 法律に対する無関心 生活と法律 法律による規律の意味 人が規範に従う種々相 I 法と法律の区別 日本人は法が嫌いか 言葉の区別 区別の歴史 規範とはなにか、その分類 法と法律の一応の定義 日本人は「法律嫌い」 法への関心 法と道徳 ソフト・ロー 法教育 II 人間・社会における法と法律 一 人間・社会の諸側面 二 法律の規律のしかた 抽象的に 三 法律の規律のしかた 具体的に 四 人間活動と法・法律 a 生存の維持 経済 b 人類の存続 家族 c 人類の安全の確保 d 学問・芸術 e 宗教 III 日本における法・法律と法学 一 日本法の歩み 二 日本の法学の特色 三 まとめ 注 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 星野 英一 1926~2012年。法学者。東京大学名誉教授。東京大学法学部卒業。文化功労者。 著書に、『民法概論 I 序論・総則 改訂版』『民法概論 II 物権・担保物権 合本再訂版』『民法概論 III 債権総論[補訂版]』『民法概論 IV 契約 合本新訂版』『家族法』『借地・借家法』『民法の焦点PART1総論』『民法のすすめ』『民法のもう一つの学び方[改訂版]』『法学入門』『心の小琴に』『法学者のこころ』『ときの流れを超えて』『人間・社会・法』などがある。
  • 学問と信仰(長崎純心レクチャーズ) 一法学者の省察
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 日本国憲法をはじめ世界中で保障される基本的人権.今日われわれは,なぜそれを絶対的に且つ無条件に尊重すべきかという根拠を合理的に説明することができない.本書は,啓蒙時代以降自らを絶対化しオールマイティーとなった理性が,信仰を失ったことで現在どのように懐疑主義にむしばまれ、弱体化してしまったかを,自然法論の歴史を例証に説得的に描きだす.学問と信仰の相違点と共通点を明らかにする必要をとき,両者補い合ってこそ人間は真に豊かな知恵を授けられると語る,ユーモアにあふれた明快な講演. 【目次より】 「長崎純心レクチャーズ」について   片岡千鶴子 序言   稲垣良典 目次 第一日 学問の発展と理性 はじめに 言葉遣いと専門用語について 理性とは何か、その働き 理性の邪道 いかにして私たちはものを自然に認識するか いかにして学問は発展するか ディコトミーの四種類 各専門分野の方法論のディコトミー 研究されるもののディコトミー――その一、人間とペルソナ 学問の課題になったペルソナ概念の成立 法と道徳というディコトミー 存在と当為、現実と価値 その他、学問の内容に関するディコトミー 法的・社会的制度に関するディコトミーの増加 学問の可能性と限界 第二日 自然法論の歴史における理性と信仰の役割 はじめに 西洋文化における自然法論の登場 自然法(論)の第一段階の「神聖化」 自然法(論)の第二段階の「神聖化」(キリスト教化) 中世神学者とローマ法学者の自然法の異なる理解 理性と信仰を区別したスコラ学者の自然法の捉え方 自然法論の世俗化の最初の徴候 ホッブズの世俗化されていない思想とその自然法(論) カントの「自然法」イコール「理性法」 理性による「聖」と「俗」の融合(ヘーゲル) 現在の理性の衰弱とその原因 世俗化と理性の衰弱の結果 自然法論は生き残るか 第三日 学問と信仰と人間 はじめに 学問の他に知恵もある 二種類の知識 信仰とは何か 信仰、信頼、信念 信仰と宗教 西洋の法律と法学の内容となったキリスト教的な要素 宗教を対象にする学問 宗教哲学という学問 弁神論と神学 「哲学的信仰」もあるか 日本人の「宗教なしの信仰」 信仰と学問に共通する点 学問に対する信仰の相違点と利点 注 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 ヨンパルト,ホセ 1930~2012年。スペイン出身。法哲学者、カトリック司祭。上智大学名誉教授。 ボン大学法学博士号取得。専門は、自然法。 著書に、『法と道徳』(共著)『法哲学入門』『法の歴史性』『法と道徳』(共著)『人民主権思想の原点とその展開』(共著)『カトリックとプロテスタント 』『刑法の七不思議』『人間の尊厳と国家の権力』『法哲学案内』『日本国憲法哲学』『教会法とは何だろうか』『学問と信仰』『道徳的・法的責任の三つの条件』『正義の感覚・理論・実現』『知恵・ユーモア・愛』『人間の尊厳と生命倫理・生命法』『死刑』『法哲学で学んだこと』など多数。
  • 市場経済の哲学(現代自由学芸叢書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 優柔不断で場当たり的とみえる戦後の日本人の生き方を普遍的な言葉として語る時、市場経済は一つの社会哲学たりうる――これが本書のメッセージである。自由社会の枠組としての市場経済に参加することによって、公共的なバランス感覚を身につける。それが、覇権を求めない国民が民族の相対性を自覚した時に求める実践としての哲学である。多様な生を切り拓こうとする生活者の視点から市場経済の哲学を構想する現代自由学芸の騎士がわれわれに生きる勇気を呼び覚ます。 【目次より】 序文 第一部 市場経済についての対話 プロローグ 第一章 市場経済の本質:競争・対話・コミュニケーション 問題の提起:自由競争とは? 自由競争とルール など 第二章 市場経済と市民社会:理性・空気・寛容 市場の理性と市民の理性 公共性への疑問 など 第二部 市場倫理学 第一章 市場倫理学の基礎 第一節 倫理問題について 自由のルール化と合理的信頼の形成 ジレンマの中の自己決定と信頼 第二節 市場倫理とはなにか? 市場倫理と市場原理 市場倫理と共同体の倫理 など 第二章 市場倫理の概念 第一節 市場倫理の規範構造 フェアな競争の感覚 公正の概念 企業家精神 など 第二節 市場経済の批判者達 アウタルキーの概念 市場経済の限界 第三章 市場経済と合理的信頼 合理性の概念 オープンな信頼の概念 第三部 寛容論 第一章 なぜ寛容が必要なのか? 第一節 寛容と社会参加 寛容と不寛容の深層心理 など 第二節 多元主義について 多様性と秩序 寛容の戦略 第二章 寛容の戦略 第一節 生活者の参加のための戦略 戦略の概念 参加の概念 生活者の概念 など 第二節 生活者の概念とAgencyの概念 第三章 寛容の目的 第一節 寛容の三つの立場 寛容と不信 賢慮の立場 真理の立場 など 第二節 寛容の戦略とその目的 第四章 誰がこの戦略をどのように担うのか? 第一節 戦略の担い手 自由の相互調整とミルの原理 など 第二節 《国家》と中立性 リベラルな中立性について 寛容の戦略と《国家》の中立性 第三節 寛容の限界 寛容の限界 不寛容と原理主義 注 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 桂木 隆夫 1951年生まれ 。法学者。学習院大学法学部教授。早稲田大学政治経済学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科基礎法学専攻博士課程修了。法学博士。専門は、法哲学・公共哲学。 著書に、『自由と懐疑、ヒューム法哲学の構造とその生成』『自由社会の法哲学』『市場経済の哲学』『自由とはなんだろう』『ことばと共生』『保守思想とは何だろうか』などがある。
  • 福沢諭吉 文明と社会構想(現代自由学芸叢書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「この間、日本の家族の変化は驚くほどである。フェミニズムは、近代という時代に生きる中で女性が感じてきた生きにくさは、女性が家族という領域に縛り付けられてきたことに起因すると論じた。しかし、家族の抱える問題は、女性だけをめぐる問題ではなく、近代という時代の作り出した社会構造全体に関わるものであろう。私たちは、いま、社会全体の構想を必要としている。本書で提示する福沢の議論が、そのヒントになることを願って議論を始めたい。」家族の関係および家族と社会との関連に注意しながら、福沢の議論を綿密に読み直し、福沢の文明論に迫る。 【目次より】 序 凡例 第一章 『文明論之概略』と文明化の道 第一節 基本的人間像と社会契約論 第二節 『文明論之概略』における転換 第三節 日本の独立と文明化の戦略 第四節 非合理な「情」と外向きの国権論 第五節 文明史の原理の再確認 第六節 立論の転換 第七節 学者と経世家への分裂 第二章 文明化のなかの女性と男性 第一節 文明化における女性のあるべき姿 第二節 男性の品行に関する現状改革論 第三節 男女交際のあるべき姿とその方便 第四節 人間のあるべき姿と人間関係の原理論 第五節 近代化のなかの家族 第三章 文明における個人と家族 第一節 西洋文明化における女性と家族 一 独立した〈個人〉の権利と女性 二 女性をめぐる家族内の人間関係 第二節 近代を超える福沢諭吉の思想 一 福沢の社会構想と家族 二 近代政治理論の到逹点 三 福沢の社会構想の意味 注 あとがき 文献リスト ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 中村 敏子 1952年生まれ。政治学者。北海学園大学名誉教授。 東京大学法学部卒業、北海道大学大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。 専門は、福澤諭吉研究と女性と家族の政治理論。 著書に、『福沢諭吉 文明と社会構想』『トマス・ホッブスの母権論』 訳書に、キャロル・ペイトマン『社会契約と性契約』などがある。
  • 哲学概説
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 われわれは、自ら、何らかの形で人生を決めなければならない。思想の伝統に立ってわが道を見定めようと試みたユニークな入門書。 【目次より】 まえがき 序論 一 自己であること 二 自由 〔イ〕自然であること 〔ロ〕心の「平静」 〔ハ〕意志の自由 〔ニ〕自由と必然 〔ホ〕有限者の自由 三 自由と自由を超えるもの 四 生きることを決めること 五 哲学 一 問題 一 発端 二 禁断の木の実 三 一つであることと二つであること 四 それ自身での存在 五 相対するもの 六 「在る」と「無い」 二 客観 一 ギリシア的客観 二 在るがまま 三 実体 一 ギリシアの実体論 二 近代の実体論 三 唯物論 四 実体から主観へ 四 主観 一 主観問題の意味 二 デカルト 三 カント 四 フィヒテ 五 リッケルト、フッセル 六 経験論 七 主観の意味 八 自然 〔イ〕古典的自然 〔ロ〕近代的自然〔i デカルト、ベーコン ii 自然主義、人間主義〕 〔ハ〕カント的自然 〔ニ〕実証主義、プラグマティズム 〔ホ〕新カント旅、現象学派 〔へ〕ヘーゲルの自然科学観 五 時間 一 時間の含む問題 二 カントの時間論 三 ヘーゲルの時間論 四 ベルグソンの時間論 五 キルケゴールの時間論 六 ハイデッガーの時間論 七 アウグスティヌスの時間論 八 ヤスパースの時間論 九 道元の時間論 六 空間 一 空間の含む問題 二 近代的空間論 三 世界 〔イ〕ヤスパースの「世界」論 〔ロ〕ハイデッガーの「世界」論 四 ハイデッガーの空間論 七 存在 一 全体 〔イ〕カントの全体観 〔ロ〕ヘーゲルの全体観 〔ハ〕ヤスパースの全体観 二 無からの創造 三 普遍論争 四 ライプニッツの単子論 五 カントの存論論 六 フィヒテとシェリングの存在論 七 ヘーゲルの存在論 八 キルケゴールの実存 九 サルトルの存在論 一〇 フォイエルバッハの存在論 一一 マルクス主義の存在論 一二 ニーチェの存在論 一三 ハイデッガーの存在論 〔イ〕現存在 〔ロ〕存在 一四 無 八 結び ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 樫山 欽四郎 1907-1977年。哲学者。早稲田大学文学部哲学科卒。文学博士。元早稲田大学文学部教授。専門は、ドイツ近世哲学、実存哲学。 著書に、『ドイツ精神の生成』『論理学』『哲学叙説』『ヘーゲル精神現象学の研究』『哲学概説』『ヘーゲル論理学の研究』『悪』『随想集 あたりまえのこと』『樫山欽四郎哲学論集 哲学の課題』など、訳書に、ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ『知識学新序説』フォイエルバッハ『将来の哲学の原理』ヘーゲル『精神現象学』など。
  • 現代金融論(現代経済学選書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 現代日本の金融構造とその歴史的経緯を概観し、貨幣の需要と供給に関してマクロとミクロの両面から総合的に考察、その理論体系を簡潔に説明して、金融論の基礎を与える。さらに資産価格の決定のメカニズムを明らかにするとともに、金融派生商品(デリバティブ)の特質とその多様な取引を解説し、最後に将来において重要な役割を果たすと思われる電子マネーを分析して、その問題点と課題を示す。不良債権処理や間接金融から直接金融への転換に見舞われているわが国の金融界、そして単一通貨ユーロの出現と中国のWTO加盟に象徴される世界経済の変化を考えるうえで、金融政策の効果や国際金融理論までをも射程に入れた本書は、扱われているテーマの広さと理論的な信頼性において、金融経済に関心をもつ多くの学生や社会人にとって、今日求めうる最良のテキストとなろう。 【目次より】 まえがき 1 金融現象の基本構造 1.1 金融現象の本質 1.2 貨幣の機能と金融取引 1.3 金融システム 2 わが国の金融構造 2.1 高度成長を支えた金融システム 2.2 金融自由化・国際化へ 2.3 新しい金融制度への動き 3 貨幣供給と金融機関の行動 3.1 貨幣制度と銀行券 3.2 預金通貨の供給 4 家計および企業の金融行動 4.1 家計の金融行動 4.2 企業の金融行動 5 貨幣需要のマクロ的定式化とミクロ的基礎 5.1 マクロ的定式化 5.2 貨幣需要のミクロ的基礎 6 金融市場の理論 6.1 債券価格と利子率 6.2 株式価格 トービンのq理論 6.3 効率的証券市場 6.4 金融契約 7 金融政策 7.1 金融政策の目的と手段 7.2 IS-LM分析 7.3 物価水準の決定 7.4 合理的期待と経済政策 8 国際金融 8.1 外国為替と国際収支 8.2 国際金融市場 8.3 為替レートの決定理論 8.4 開放マクロ経済と金融政策 9 金融派生商品(デリバティブ) 9.1 金融脈生商品(デリバティブ)の一般的特質 9.2 金融先物取引 9.3 金融オプション取引 9.4 オプション価格決定理論(プレミアムの決定モデル) 9.5 スワップ取引 9.6 デリバティブに関するリスク管理 10 電子金融 10.1 電子決済 10.2 電子マネーの特徴 10.3 電子マネーの問題点と課題 10.4 金融政策への影響 付表 参考文献 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 塩澤 修平 1955年生まれ。経済学者。慶應義塾大学経済学部教授。慶應義塾大学経済学部経済学科卒業、同大学大学院経済学研究科修士課程修了。専門は理論経済学。博士(経済学)(ミネソタ大学)。 著書に、『現代金融論』『経済学・入門』『デフレを楽しむ熟年生活』『現代ミクロ経済学 中級コース』(共編著)『説得の技術としての経済学』『基礎から学ぶ ミクロ経済学』などがある。
  • 実存と教育
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 現実存在としての人間を教育するとはどういことなのか?現実存在としての人間を正しく教育することを問うことは、教育の根本問題である。ヤスパースの実存哲学のなかから特に教育哲学を体系的に展開し、教育全般にたいする視座を与えようとする意欲的な試み。 【目次より】 序 第一章 緒言     第二章 ヤスパース哲学の体系と特色 第三章 包括者思想への接近 第四章 ヤスバースにおける科学性 第五章 実存と教育 序説 第六章 ヤスバースにおける教育の意味 第七章 政治の理念と教育の理念 第八章 教育目的論 ヤスパースに即して 第九章 平和と愛国 第十章 現代人の幸福 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 斎藤 武雄 1904-1995。哲学研究者。東京文理科大学哲学科卒。弘前大学文理学部名誉教授。文学博士。 著書に、『現代人の幸福と道徳』『ヤスパースにおける絶対的意識の構造と展開』『ヤスパース研究』『実存をめざして』『実存と実践』『実存と教育』『実存の真理を求めて』『ヤスパースの教育哲学』『ヤスパースの政治哲学』など。
  • ヨーロッパ 時空の交差点
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 ひとは、場所に教えられる。パリの街角で、文人や芸術家の筆音に耳を傾ける著者は、人里離れたトルコ南部の松林でローマ土器のかけらと出会い、村人の暮らしに想いを馳せる。皇帝ユスティニアヌスが帝都コンスタンティノープルに収集させたギリシャ古典群に学び、コペルニクスがイタリアで学んだギリシャ古典の来歴をたどろうとする。それは、ときと場所に縛られて生きるわれわれにとって、時空の交差点をめぐる旅となった。ビザンツ研究に始まる著者の「旅」は、国民国家の枠にとらわれない歴史と現代を巡る往還となる。その道すがら、ヨーロッパ=地中海世界の各地に、個性ある文化と歴史をたずねた。簡潔な文体で伝える「旅」のエッセイにして、興趣あふれる旅の手引き。英独仏に視野が限られがちなヨーロッパ観を、ローマ帝国および、アラブ・イスラム世界をも含んだビザンツ帝国へと導き、未知のヨーロッパ像を提示する。西洋史はもちろん、現代EUの課題を考える際にも豊かな示唆を与えよう。『創文』連載を全収録。 【目次より】 目次 I 文化の回廊 共生する空間 共鳴する魂 日溜まりの祝福 凜と聳える 平和の祈り 緋色の誓い 文化の回廊 女神の加護 集いの緑蔭 地上花あり 咲き映えり 仰ぎ見る峰 聖ニコラオスの島 II 聖者の祝福 聖者の祝福 憩う海辺の時 谷に翔る風 祝祭の広場 新緑の都で 異邦の民に カロゲロス 聖堂の傍らで 継がれる想い 祈りと加護 フィロビブリ III 帝国と慈善 ディダスカロス 境域に生きる 帝国と慈善 休息と安寧 馬上のキス 帝国の統治について アンナの想い 燦然と 烈日のもと 秋霜に生きる 天への階梯 IV 大地の相貌 自然を友に 池の畔の蛙たち 地域を描く 大地の相貌 神々の山裾に 逸楽と超俗 コーラを想う ブレヒ! 灯明の残り香 村の生活 満点の星々に V 歴史の軌道 コペルニクスの転回 平和の架け橋 描かれた紫衣 揺るがぬ矜恃 時空の座標 時を刻むなかで アクイレイアの残照 豊かな共生 エビデンス 歴史の軌道 オイノペドン 広場の平和 都市と慈善 大王の遺風 文化を運ぶ石畳 共鳴する偉業 富知のネクサス 地図 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 大月 康弘 1962年生まれ。 歴史学者、経済学者。一橋大学大学院経済学研究科教授。専門は、東ローマ帝国史、ヨーロッパ経済史。 一橋大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了、同大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。経済学博士。 著書に、『帝国と慈善 ビザンツ』(日経・経済図書文化賞)『ヨーロッパ 時空の交差点』 『コンスタンティノープル使節記』(リウトプランドの原文全訳+註および論文) 訳書に、ピエール・マラヴァル『皇帝ユスティニアヌス』ベルナール・フリューザン『ビザンツ文明』マガリ・クメール/ブリューノ・デュメジル『ヨーロッパとゲルマン部族国家』(共訳)などがある。
  • 人生の星の輝き 哲学からの問いかけ
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 人生の輝きが見えるのは、誰なのだろう。どのような時に、人は世界の輝きを見、また自らの生の輝きを見ることができるのだろう。そして、その輝きの中に見えてくるものは、いったい何だろうか。本書は、人生のスタート地点に立った者が、孤独のうちに問う、「私とは何か」「生きる意味とは何か」「人を信じることができるか」という問題をともに考え、答えを探る。自らを苦悩の淵へと追い込む嫉妬心や恐怖心、優柔不断な心に向き合い、古来の哲学者・文学者の言葉を導きに、これら負の部分の構造をつまびらかにしていく。学生との対話を源泉として、折々に綴られた各章は、人との出会いの不思議な恵みを語り、読者を生の喜びへと静かに誘う。 【目次より】 はじめに 1 私とは何か あなたとは何か 2 私はあなたを信じる 3 生きる意味について 4 喜びの形と悲しみの形 5 優柔不断論 6 嫉妬の構造 夏目漱石の『こころ』における試論 7 恐怖の構造 8 犠牲と献身 トマス・アクィナスにおける展開 9 出会いと別れ おわりに ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 荒井 洋一 1949年生まれ。哲学者。東京学芸大学教授。九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得。文学博士。専門は、西洋中世思想史、中世キリスト教哲学。 著書に、『人生の星の輝き』『教養の源泉をたずねて』 『アウグスティヌスの探求構造』など、 訳書に『アウグスティヌス著作集19/II: 詩編注解4』(共訳)などがある。
  • 人間の内なる社会 社会哲学的考察
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 〈人間の内なる社会〉という独自な視点を導入し、個人と社会の対立を超えた第三の領域を示した新しい社会思想概説。 世界は激しく変化し、日常生活もまた価値観の多様性に晒されている。われわれはそれらの身近な現実をいかに理解したら良いのであろうか。本書は伝統や習俗、常識などに依存することなく、社会と人間の関わり方を歴史的・主題的に根本から考察する。〈社会の内なる人間〉という伝統的視点から〈人間の内なる社会〉へと独自な展開を試みることにより、個人と社会の対立を超えた第3の領域としての《間柄》の存在を現象学的に明らかにする。転換期の最中に書き下ろされた新しい社会思想概説。定評の『倫理学講義』の姉妹編。 【目次より】 はしがき I 人間存在の社会性 1 人間存在のパラドックス 2 「間」の範疇および「相互性」「間柄性」「共同性」 3 個人と社会との関係 4 社会思想とそのダイナミックな歴史的展開 5 「社会の内なる人間」と「人間の内なる社会」 II 社会の内なる人間 1 社会の所与性と原関係性 2 「閉じた社会」と「開いた社会」 3 古代社会の特質 4 古代社会の対立する二類型 5 「閉じた社会」から「開いた社会」へ III 世俗社会からの解放と「神の国」の理念 1 国家社会を形成している根源への問い 2 キリスト教の社会学説 3 中世社会の成立とその特質 4 アウグスティヌスのキヴィタス学説 5 トマス・アクィナスの法思想 6 キリスト教共同体の終焉と近代への移行 IV 人間によって形成される社会 1 近代社会成立期における人間像の特質 2 近代の合理主義と理性的自律 3 プロテスタンティズムの職業倫理と聖俗革命 4 社会契約説の展開 ホッブズの社会契約説 ロックの社会契約説 ルソーの社会契約説 5 カントの社会学説 V 伝統社会と近代社会 1 共同体の歴史的発展と現代の問題 2 共同体の弁証法的理解 3 共同体の構成論的理解 4 共同体の類型論的理解 VI 近代的主観性から間主観性へ 1 近代の理念とその崩壊 2 近代的主観性に立つ個人主義的合理主義の諸形態 3 カントの超越論的主観性と実存哲学の主体性の問題 4 近代主観性の哲学における他者の喪失と発見 5 現象学における他者知覚の理論 6 対話の哲学 VII 人間の内なる社会 1 日常生活の間主観的性格 2 人間の内なる社会 3 関係行為と人間の内なる社会 注 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 金子 晴勇 1932年生まれ。倫理学者。聖学院大学客員教授。京都大学文学部卒。同大学院博士課程中退。文学博士。専攻は、キリスト教思想史専攻。 著書に、『ルターの人間学』(学士院賞)『対話的思考』『宗教改革の精神 ルターとエラスムスとの対決』『アウグスティヌスの人間学』『恥と良心』『ルターとその時代』『対話の構造』『近代自由思想の源流』『キリスト教倫理入門』『倫理学講義』『愛の秩序』『聖なるものの現象学 宗教現象学入門』『マックス・シェーラーの人間学』『ヨーロッパの思想文化』『人間学から見た霊性』『宗教改革者たちの信仰』『霊性の証言 ヨーロッパのプネウマ物語』『ヨーロッパ思想史 理性と信仰のダイナミズム』など、 訳書に、C.F.v.ヴァイツゼカー『科学の射程』(共訳)マルティン・ルター『生と死について 詩篇90篇講解』C.N. コックレン『キリスト教と古典文化 アウグストゥスからアウグスティヌスに至る思想と活動の研究』エラスムス『対話集』など多数。
  • 現代倫理学の冒険(自由学芸叢書) 社会理論のネットワーキングへ
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 メンバーの自由・平等・福祉をバランスさせる〈まともな社会〉のあり方をどう構想するのか――ロールズに始まる現代正義論は、この問いをめぐって果敢な論争を繰り広げている。著者はまず、その闘技場(アリーナ)へと読者を案内する。ついで学問の社会復帰を進めようとしている応用倫理学の現場からのレポートが記され、結びの架空対話編では、現代倫理学が切り拓いた地平が軽妙な語り口で描かれる。〈関連分野への越境と同時代への応答〉を実践し、規範的な社会理論のネットワーキングを志す現代自由学芸の騎士が綴った、冒険物語。人物データベースを併戴。 【目次より】 まえがき 第一部 現代正義論の構図 序章 正義論への招待 第一章 最大多数の最大幸福 功利主義 第二章 公正と平等 リベラリズム 第三章 国家と市場 自由至上主義 第四章 伝統と解釈 共同体論 第五章 ケアと正義 フェミニズム 第六章 福祉と自由 センの到達地点 まとめに代えて 第二部 応用倫理学の展開 序章 応用倫理学の挑戦 倫理学の社会復帰をめざして 第一章 民主主義と自由主義のパラドックス 第二章 自由・秩序・所有 第三章 リベラリズムの継承と克服 第四章 市民的不服従と新しい社会運動 《抵抗の根拠》を求めて 第五章 現代生物学とバイオ・ポリティックス 「社会生物学論争」をめぐって 第六章 介護・世話・配慮 《ケア》を問題化するために 結び マジカル・ミステリー・ディスコース フーコー、ハーバーマス、ロールズとの会話 啓蒙とカントをめぐって 正義と権力をめぐって 道徳と倫理をめぐって 注 プロフィール●現代の倫理学者たち アロー/バーリン/ブラント/コーエン/ドゥウォーキン/フーコー/ギリガン/ハーバーマス/ヘーア/コールバーグ/マッキンタイア/ノージック/ヌスバウム/オーキン/ロールズ/セン/テイラー/ウォルツァー/ウィリアムズ/ウィルソン 文献表(欧文・邦文) ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 川本 隆史 1951年生まれ。哲学者。東京大学名誉教授、国際基督教大学教授。東京大学文学部倫理学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程を単位取得退学。文学博士。専門は、倫理学・社会哲学。 著書に、『現代倫理学の冒険』『ロールズ 正義の原理』『共生から』 『ケアの社会倫理学』(編著)『マイクロ・エシックス』(共編著)『応用倫理学の転換』(共編著)など、 訳書に、アマルティア・セン『合理的な愚か者』(共訳)キャロリン・マーチャント『ラディカルエコロジー』(共訳)マイケル・ウォルツァー『解釈としての社会批判』(共訳)ジョン・E・ローマー『分配的正義の理論』(共訳)ジョン・ロールズ『正義論』(共訳)などがある。
  • 愛と死について
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 人がその一生で歌い続けるのは「愛の歌」であり、それは美しい思い出として蒼い宝石のように輝く。著者は詩人の心でその輝きをみつめ、その中に潜む愛と死について考察する。著者とともに流麗な調べにのって愛の彷徨におもくむであろう。 【目次より】 第一部 愛と死について 一 愛について(一) 二 愛について(二) 三 友情について 四 孤独について 五 死について 六 歳月について 七 別れについて 八 手紙について 九 告白について 十 愛の詩について 第二部 文学に現われた愛と死 一 ゲーテの世界 二 サン・テクジュペリの世界 三 人間的信の悲劇 シェイクスビア『オセロー』 四 情熱と神話 ルージュモン『愛について』 五 トルストイにおける芸術と自然 六 人間的愛の悲劇 ドストエフスキィ『カラマーゾフの兄弟』 七 キェルケゴールにおける詩と沈黙 八 キェルケゴールにおける愛と死 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 佐々木 徹 1941年生まれ。哲学者、評論家。追手門学院大学名誉教授。専門は哲学・比較思想比較文化論。 著書に『愛と死について』『美は救済たりうるか』『西谷啓治 その思索への道標』『魔的なるもの 美と信の問題』『こころの橋 - 詩と小品』『愛と別れについて』『近代文学と仏教』(共著)『悲の思想 文学にみる生老病死』『木下恵介の世界 愛の痛みの美学』『東山魁夷を語る』(共著)など。
  • 中国の科学思想(中国学芸叢書) 両漢天学考
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 中国の科学は西欧の近代科学と違い、神秘のベールに包まれてきたが、歴史上の三大発明や紙の発明、さらに中国の三大科学(天文暦数学・医学・農学)と三大技術(紡織・陶磁器・建築)など巨大な結果を生みだしてきた。中国の科学思想は漢代を中心に基本の枠組が形成され、以後二千年にわたり影響を与え続けた。本書はその中で中核的な役割を果たしてきた天文暦学の思想的分析により、中国人の科学的思惟の原型である、自然現象と社会現象を統一的に捉えようとする思考構造を明らかにする。 【目次より】 プロローグ 序章 中国の自然科学 一 中国科学と天文暦数学 二 漢代の科学 I 術数学 一 ビクゴラスと「数」の論理 二 術数学と数の二義性 三 経学と術数学 四 術数学とビタゴラスの数論 II 受命改正制 一 受命改制と顕頭暦 二 経今文学と三正説 III 太初改暦と司馬遷 一 太初改暦 二 司馬遷と史官の伝統 IV 劉畝の三統哲学 一 劉敵とその学術 二 三統暦の数理構造 三 劉畝の三統説と五行説 四 三統暦と経学 五 王葬革命と三統説 V 揚雄と『太玄』 一 揚雄と擬経 二 太玄暦の構造 三 八十一首の陰陽消息説 四 七百二十九賛の太玄占 五 『太玄』の構造 VI 後漢の四分暦と察蘊の律暦思想 一 後漢の四分暦と察蘊の律暦意 二 六十律 三 四分暦 四 律暦意の構造 終章 天学 エピローグ 注 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 川原 秀城 1950年生まれ。中国思想研究者。東京大学人文社会系研究科名誉教授。 京都大学理学部数学科卒業、同文学部哲学科(中国哲学史専攻)卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。専門は東アジアの儒学。 著書に、『中国の科学思想 両漢天学考』『毒薬は口に苦し』『朝鮮数学史』『数と易の中国思想史』など、 訳書に、杜石然『中国科学技術史 上・下』(共訳)銭宝そう『中国数学史』 高橋亨『朝鮮儒学論集』(共編訳)などがある。
  • 制度論の構図(現代自由学芸叢書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「秩序問題」という社会理論の問題の立て方は、根本のところで間違っていたのではなかろうか。近代の社会科学は人々の主観を超えたところに社会の客観的把握の根拠を設定してきたが、著者はそれを否定して、制度とは人々の主観的な意味世界に究極の根拠を置く理念的実在であるとする。意味の体系としての社会は、あたかも暗い宇宙空間を背景にしてただ一つ青く輝く地球のように、宙に浮かんでいる。個人主義的社会実在論ともいうべき構図をとることによって、制度にまつわるさまざまな謎を鮮やかに解明する現代自由学芸の騎士による、新たな構想力の論理をめざす旅の物語である。 【目次より】 まえがき 目次 第一章 制度という問い 一 行動様式と構想力 二 新制度学派 三 市場と組織 四 組織とは何か 五 制度論の課題 第二章 パーソンズにおける秩序問題 一 功利主義的社会理論 二 「秩序問題」のイメージ 三 秩序問題の認識論的傾向 四 パーソンズの「解決」 第三章 秩序問題のゲーム論 一 囚人のジレンマ 二 淘汰 三 社会秩序の進化論 四 無政府状態の秩序 五 協調解と制度 六 合理性と規範性 第四章 コンヴェンションヘの懐疑 一 ゲーム論における公共財 二 コンヴェンションの概念 三 自己継続性 四 共有知識 五 合理的行為の体系 六 コンヴェンションの限界 第五章 規範の意味論 一 同調への期待 二 規範とサンクション 三 「すべし ought」という言明 第六章 ルールの実在論 一 法の概念とルール 二 ハートと言語ゲーム論 三 クリプキの懐疑論 四 ルールとは何か 第七章 社会的世界についての知識 一 集合意識と集合体 二 一次理論 三 アニミズムと経験主義 四 社会的世界の「客観性」と二次理論 第八章 方法論的個人主義を超えて 一 行為論の幻想 二 社会的世界の理論負荷性 三 組織の概念再考 第九章 制度の概念 一 意味の体系 二 行為の体系 三 モノの体系 四 解釈 五 三体系の関連構造 六 制度の類型 第十章 二次理論としての制度論 一 共同主観性と独我論 二 一次理論における自明視の構図 三 私的な制度の共同性 四 秩序問題から制度論へ 注 あとがき 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 盛山 和夫 1948年生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。専門は、数理社会学。東京大学文学部卒業、 同大学院社会学研究科社会学専門課程博士課程退学博士(社会学)。 著書に、『制度論の構図』『権力』『社会調査法入門』『統計学入門』『リベラリズムとは何か』『年金問題の正しい考え方』『社会学とは何か』 『経済成長は不可能なのか』 『社会学の方法的立場』『社会保障が経済を強くする』など、 訳書に、タルコット・パーソンズ『人間の条件パラダイム 行為理論と人間の条件第四部』などがある。
  • 生きる環境の模索 苦悩する知
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 生命倫理、環境倫理などの諸問題に目を据えながら、さらに〈真に人間として生きることはいかなることであろうか〉という私たちにとって永遠の究極的な問題に迫る。現在、世界的に見れば、飢えと戦乱に苦しむ地域もあるのに、日本では、物質的な豊かさに溢れ、経済的効率性に社会が支配されている。その中に見失われた人間性の取り戻しこそ、いま、何よりも必要なことである。内面的な豊かさとしての生の充実を求めて、改めて、自己自身に対して、意識を深く向けなおすべき時であろう。 【目次より】 序章 苦悩する知 生きる環境を考える A 生命を考える 一章 実存としてのいのち メタフュジックスからメタバイオロジーへ 二章 生命と倫理 技術化された時代における問題点 三章 実存思想と生命倫理 四章 生命倫理という問題 五章 生命倫理と倫理学 B 環境を考える 六章 環境倫理学の可能性 七章 環境問題の背景と将来 八章 失われた感性 実存的人間学からの一考察 終章 悲劇とは何か 有限存在の事実性 注 あとがき 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 浜田 恂子 1932年生まれ。倫理学者、哲学者。関東学院大学名誉教授。 東京大学文学部独文学科・倫理学科卒業。同大学院博士課程単位取得満期退学。文学博士。 著書に、『倫理学入門 倫理学についての対話』『キルケゴール 主体性の真理』『歌舞伎随想』『生きる環境の模索 苦悩する知』『死生論』『近・現代日本哲学思想史』『二つの『忠臣蔵』 続歌舞伎随想』『入門 近代日本思想史』『歌舞伎勝手三昧』などがある。
  • エゴイストの共存(現代自由学芸叢書) 人間・倫理・政治
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 あらゆる人間は、エゴイストである。では、エゴイストたちは如何にして社会的共同生活を成り立たしめることが出来るのか? 本書は、人間の本性という根源的レベルから出発し、功利性原理の立場から人間・倫理・政治の統一理論を構築しようとする、現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。人間存在そのものの自己矛盾から生ずる、社会規範の最大の難問――「エゴイストは、そのエゴイズムのためにエゴイズムを抑制しなければならない」に挑み、明快な議論と大胆な推理によって幸福主義の新しい政治哲学を展開する。 【目次より】 まえがき 目次 第一章 心理的幸福主義の妥当性 序言 第一節 幸福の概念 (一) 思想史的省察 (二) 言語的事実 (三) 導出 第二節 心理的幸福主義 (一) 必然的帰結 (二) 弁証 (三) 心理的幸福主義者 第二章 政治の本質と人間 序言 第一節 政治の全体像 第二節 ホンネとタテマ工 第三節 政治と倫理 結語 第三章 超倫理的政治論の倫理性 序言 第一節 「全体の幸福」の二類型 (一) ラスコーリニコフの思想 (二) 善の分化 第二節 政治的アモラリズムの正当根拠 (一) 「日常倫理」と「非常倫理」 (二) マキアヴェリ (三) ホッブズ (四) 政治的アモラリズムの倫理性 第三節 「非常倫理」の問題性 第四章 集団的行為の倫理的パラドクス 序言 第一節 単に集団なるが故の倫理性 第二節 「倫理的パラドクス」の発生 第三節 二つの形態 第四節 「自我の拡大」との結合 第五節 人類にとっての意味 第五章 平和の政治倫理学 序言 第一節 従来の平和論の根本的欠陥 (一) 価値論の欠如 (二) 権力論の欠如 第二節 平和の理論的基礎 (一) 平和論の前提と課題 (二) 反戦行動の倫理的正当性 (三) 反戦行動の実践的可能性 第三節 平和の究極的制度 第四節 若干の参考意見 結語 註 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 平尾 透 1948年生まれ。元奈良産業大学教授。京都大学法学部卒業。同大学院法学研究科に学ぶ。専門は、倫理学。 著書に、『統合史観 自由の歴史哲学』『エゴイストの共存』『功利性原理』などがある。
  • 商業・専制・世論 フランス啓蒙の「政治経済学」と統治原理の転換
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 エコノミーの概念が統治と深く関わった時代、「政治的なもの」と「経済的なもの」の関係はどのように揺れ動いていたのであろうか。本書は、18世紀フランスの言説空間において、富や市場の問題と統治形態や社会編成の問題とを含んだ「政治経済学」の思想的展開を、1760~70年代における穀物取引論争をコンテクストとして論じる。アダム・スミスとも通底する経済的自由主義を唱えながら中央集権体制を理想化したフィジオクラット運動の指導者フランソワ・ケネー。その弟子で、師の政治理論を「合法的専制」という衝撃的な概念へと発展させたル・メルシエ・ド・ラ・リヴィエール。穀物取引自由化の理念をフィジオクラットと共有しつつも、他方でその政治理論からは距離を置き、世論という考え方に期待を寄せたチュルゴーとコンドルセ。さらには二人と同様に世論の重要性を捉えながらも自由化には反対の立場を貫いたネッケルの思想を順にひもとく。長らく政治思想史の大舞台において、モンテスキューやルソーの脇役と位置づけられ、看過されてきた思想家たちに光を当て、フランス啓蒙主義の政治哲学研究に新たな一ページを開く業績。 【目次より】 凡例 序論 第一章 「政治経済学」の言説空間としての穀物取引論争 第一節 穀物取引論争の概要 第二節 穀物取引論争の布置 第二章 経済的自由主義と専制政治 ケネーの「政治経済学」 はじめに 第一節 ポリス批判と「自然な流れ」の擁護 第二節 合理的経済人の理念と新たな秩序観 第三節 経済的自由の享受と後見的権力 小括 第三章 合法的専制の構想と世論の観念 ル・メルシェ・ド・ラ・リヴィエールの「政治経済学」 はじめに 第一節 自然的秩序・明証性・合法的専制 第二節 マブリのフィジオクラット批判 第三節 合法的専制における世論の問題 小括 第四章 「一般均衡」の発見と合理的経済主体の不在 チュルゴーとコンドルセの「政治経済学」………八八 はじめに 第一節 自由化と「一般均衡」の理論 第二節 理論から実践ヘ リモージュでの「実験」 第三節 一七七四年の自由化立法 第四節 合理的経済主体の不在 説得から強制へ 小括 第五章 世論と市場に対する為政者の技法と苦悩 ネッケルの「政治経済学」 はじめに 第一節 世論 抗い難い事実 第二節 市場の理論と現実 第三節 介入主義、あるいは技法としての政治経済学 第四節 ふたたび、抗い難い世論について その両義性 小括 結論 注 あとがき 文献一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 安藤 裕介 1979年生まれ。立教大学法学部准教授。立教大学法学部政治学科卒業、同大学院法学研究科に学ぶ。専門は、政治思想史・政治哲学。著書に『商業・専制・世論』、訳書にジョン・ポーコック『島々の発見』(共訳)、ピエール・ロザンヴァロン『良き統治』(共訳)などがある。
  • ナチスと教会 ドイツ・プロテスタントの教会闘争
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 <愛の宗教>であるキリスト教が大きな影響力をもっていたナチス支配下のドイツにおいて,なぜ,想像を絶する「ユダヤ人大量虐殺」,「障害者安楽死計画」,「侵略戦争」が遂行されえたのだろうか.本書は「政治と宗教」,「戦争批判と平和の創造」,「人間の尊厳」という問題意識を根底に据え,キリスト教会とナチス政権の複雑な関係を解明し,<第三帝国>崩壊後の「ドイツ教会闘争」の総括、「シュトゥットガルト罪責宣言」の成立過程を鮮やかに描き出した渾身の書。 【目次より】 まえがき 第一章 独裁国家と教会 ナチス政権初期の福音主義教会 一 ドイツ近現代史とキリスト教会 二 ヒトラーの政権掌握とナチス教会政策 三 教会闘争のはじまりと告白教会の形成 四 告白教会のヒトラーあて建白書 五 教会闘争と抵抗の問題 補遺1 マルティン・ニーメラー 右翼民族主義から実践的平和主義へ 補遺2 神学の諸潮流と支持政党 創造秩序の神学・自由主義神学・弁証法神学 第二章 ナチスのユダヤ人迫害とプロテスタント教会 はじめに ヒトラーの反ユダヤ主義 一 ナチスの政権掌握とユダヤ人迫害の開始 二 外国教会からの抗議 三 ユダヤ人問題に対するプロテスタント教会の基本姿勢 四 ナチス政権初期のユダヤ人迫害に対するプロテスタント教会の対応 五 ディートリヒ・ボンヘッファーとユダヤ人問題 六 アーリア条項の導入問題 七 「水晶の夜」とプロテスタント教会 八 グリューバー事務所のユダヤ人救援活動 九 古プロイセン合同告白教会の抗議表明 おわりに プロテスタント教会の光と影 第三章 ナチス安楽死作戦と内国伝道 ドイツ・キリスト教社会福祉の試練 はじめに 一 内国伝道の歴史 二 「生きるに値しない生命」の抹殺構想と内国伝道 三 ナチス安楽死作戦と内国伝道 むすびにかえて 第四章 テオフィール・ヴルム監督の抵抗 戦時下ドイツ教会闘争の一齣 はじめに 一 テオフィール・ヴルムのプロフィール 二 ナチ「安楽死作戦」との闘い 三 ユダヤ人迫害に対する抗議 おわりに 第五章 戦争末期の古プロイセン合同告白教会 序 ドイツ教会闘争と古プロイセン合同告白教会 一 シュレジエン教区告白会議 二 ブレスラウ告白会議 三 バルメン宣言一〇周年声明 おわりに 第六章 シュトゥットガルト罪責宣言への道 ドイツ教会闘争の終幕 はじめに 一 シュトゥットガルト罪責宣言の前史 二 シュトゥットガルト罪責宣言の成立 三 シュトゥットガルト罪責宣言の意義 むすびにかえて 補遺 ドイツで体験した教会生活 ボーフムの福音ルター教会 総括 あとがき ドイツ福音主義領邦教会地図 年表 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 河島 幸夫 1942年生まれ。政治学者、西南学院大学名誉教授。東北大学法学部卒業後、神戸大学大学院で学ぶ。博士(法学)。専門は、ドイツ政治、戦争と平和。 著書に、『戦争・ナチズム・教会』『政治と信仰の間で』『ナチスと教会』など、 訳書に、W・フーバー/H・E・テート『人権の思想』D・ゼンクハース『ヨーロッパ2000年』などがある。
  • レヴィナス 犠牲の身体
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 一人のユダヤ人哲学者として戦争と暴力の時代を生き抜いたエマニュエル・レヴィナス(1906-1995)は、戦後ヨーロッパを代表する倫理思想家として広く知られている。〈他者〉に対する「責任」と「善意」の重要性を説いた哲学者レヴィナス――だが、その思想は、けっして無害でナイーブな道徳論に埋没してしまうものではない。そこに伏在している挑発的かつ複合的な思索の可能性を読み取るべく、本書では、これまであまり語られることのなかったレヴィナスにおける「犠牲」の問題に焦点を当てる。レヴィナスがその知的源泉とした現象学的思考とユダヤ的思考、この二つの要素に鋭く目配りしつつ、一貫した身体論的精査を通じてレヴィナス思想の根本問題に迫ろうとする、新たな哲学的探究の書。 【目次より】 凡例 略号表 序論 レヴィナスの思想における暴力の問い 第一章 生成する自我 存在論から出発して 第一節 主体の誕生 第二節 糧の享受 生について 第三節 欲求の基本構造 第四節 享受の志向性から身体の問いへ 第二章 生活世界と身体 第一節 元基内存在の分析 第二節 欲求の発展形態 第三節 居住としての内部性 第四節 身体の曖昧さ 第三章 意志の冒険 第一節 言語と作品の分割 第二節 意志の二元性 作品・暴力・死をめぐる考察 第三節 裁かれる主体 第四章 近さとしての自己自身 第一節 問いの更新 第二節 存在概念の再定義 第三節 近さから強迫へ 第五章 犠牲の身体 第一節 逆行性の諸問題 第二節 顔の裸出 第三節 苦しみにおける差異 第四節 贈与された主体 第六章 責任の問題をめぐって 第一節 イサクの犠牲 諸解釈の葛藤 第二節 レヴィナス神論の概略 第三節 困難な責任 第四節 愛の宗教の挫折 第五節 有限者の無限責任 結論 あとがき 注 文献表 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 伊原木 大祐 1975年生まれ。思想研究者。京都大学准教授。京都大学法学部卒業。パリ第十大学にてDEAを取得。京都大学大学院文学研究科博士後期課程指導認定退学。京都大学博士(文学)。 著書に、『レヴィナス 犠牲の身体』、共訳書にジャン・グレーシュ『『存在と時間』講義』などがある。
  • 投票方法と個人主義 フランス革命にみる「投票の秘密」の本質
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 なにゆえ「投票の秘密」は厳格に要請されるのだろうか? 秘密投票制は、「近代選挙法の公理」とみなされてきた。まさにそれ故に関心をよせられることのなかったこの問いは、近代における個と共同体、個人と民主政治のあり方を考える絶好の素材を提供する。秘密投票制をいちはやく憲法原則として規定したフランス革命を舞台に、固定観念にとらわれることなく、「投票の秘密」という憲法原理が、どのように、なぜ定着していったかをダイナミックに描いた本書は、憲法学、歴史学の双方に新たな視座を提示し、近代個人主義また近代そのものを改めて問いなおす。 【目次より】 はしがき 序章 「投票方法」が描きだすもの 本書の課題 第一節 「投票方法」と個人主義 問題の所在 第二節 「投票方法」研究の意義 「投票の秘密」が描きだすもの 第四節 学説状況 学説の空白 第五節 個別課題 学説の批判的検討をとおして 第一章 喝采による投票 vote par acclamation 全員一致主義と多数決の導入 第一節 喝采による意思決定・批判 アントレグ 第二節 マルエの議員資格審査 第三節 喝采による投票の存続 第四節 時間短縮の手段としての喝采による投票 第五節 喝采による全員一致から筆記による多数決ヘ 教会法をめぐる議論を参考に 第二章 秘密投票 scrutin secret 発声投票の自覚的排除 第一節 筆記投票による「投票の秘密」と現実 第二節 最初の憲法委員会案 旧体制の実践の継承? 第三節 筆記投票による「投票の秘密」の確立 第四節 「投票の秘密」制度化の試み 「集会」における「秘密」投票とその限界 第三章 発声投票vote a haute voix  「自由人の投票方法」 第一節 国民公会議員選挙 第二節 パリ市長選挙 第三節 ジロンド憲法草案 第四節 一七九三年憲法 第五節 発声投票の意義と性格 第四章 「投票の秘密」の憲法への定着 一七九五年憲法と「投票の秘密」 第一節 「投票の秘密」の憲法原則化 一七九五年憲法第三一条 第二節 一七九五年憲法における市民=個人像の現実と理想 第三節 国民公会における「秘密投票」採用の意味 終章 投票方法と個人主義 まとめにかえて 第一節 投票方法と個人 第二節 「投票の秘密」の本質 投票方法と主権原理の「ねじれ」 第三節 投票方法とフランス革命の構造 フランス革命期諸憲法と展望 註(序章─終章) 史料・文献一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 田村 理 1965年生まれ。憲法学者。明治大学教授。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。法学博士。専門は、憲法学、フランス憲法史。 著書に、『投票方法と個人主義』『フランス革命と財産権』『国家は僕らをまもらない』『僕らの憲法学』などがある。
  • ルネサンス精神への旅 ジョアッキーノ・ダ・フィオーレからカッシーラーまで
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 ルネサンス精神への旅は、ルネサンスとは何であり、如何にあったかという根本的な問から発する旅である。中世の神秘主義者で預言者ジョアッキーノ・ダ・フィオーレから始まり、近代の合理的思考を旨とする哲学者エルンスト・カッシーラーに至る旅。この間に流れた時間は七、八百年間。その間、西欧人の思考はどのように変遷したのか。ルネサンスはこれに如何に関わるのか。その社会的特徴は如何なるものであったのか。著者はこの時代に発達した科学的方法論や、日記、伝記などの文学作品を取り上げて、ヒューマニズム(人文主義)の諸相を明らかにして、ルネサンス精神の根幹に触れようとする。また著者は、実際に旅したイタリアの地を語る。それは周知のローマやフィレンツェだけでなく、オルヴィエートやリヴォルノでもあったりする。ローマでは、ペトラルカが桂冠詩人となり、革命家コーラ・ディ・リエンツォが蜂起し、ゲーテがジャニコロの丘に憩う。フィレンツェではフィチーノがプラトンを思い、ピーコが諸々の知を夢見る。彼らはロレンツォ・デ・メディチの庇護を受けた哲学者である。内陸都市オルヴィエートでは、シニョレッリの壮大なフレスコ画中のルネサンス的人体表現に中世思想を見出し、海港都市リヴォルノでは、天正遣欧使節やカルレッティの時代に立ち返って、近世日本を思い、近代西欧の行く末を考える。これは紛れもなく身体とともに精神の旅である。 【目次より】 緒言 Iキリスト教と世界 第一章 ジョアッキーノ・ダ・フィオーレとコーラ・ディ・リエンツォ 第二章 ルーカ・シニョレッリの反キリスト 第三章 ラウデージのコンパニーア 音楽史上の位置と意義を巡るノート II 社会とヒューマニズム文化の諸相 第四章 ペトラルカとフィチーノにおける聖アウグスティヌス キリスト教・異教間の要としての教父 第五章 フマニタス研究とアグリコラ ルネサンス・ヒューマニズムの成立と発展 第六章 パラゴーネと科学的方法論 第七章 日記・伝記・系譜 一 イタリア・ルネサンス期の日記 西欧の古記録が語るもの 二 東西の日記 その共通性と独自性 三 西欧における伝記文学の伝統 ルネサンスの役割と貢献 四 西欧社会における名字と系譜 III ルネサンスと近代 第八章 近世ヨーロッパとメディチ家 第九章 ジョヴァンニ・ピーコの『演説』考 「英雄の恋」とその意義 第十章 ゲーテとイタリア・ルネサンス 特に不死性を巡って 第十一章 カッシーラーの思想とルネサンス観 あとがき 注 参考文献一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 根占 献一 1949年生まれ。西洋史家。学習院女子大学名誉教授。専門はルネサンス文化史、思想史。 早稲田大学第一文学部(西洋史)、同大学院文学研究科修士課程、同大学院同研究科博士課程満期退学。文学博士。 著書に、『イタリア・ルネサンスの霊魂論』(編著・編訳) 『ロレンツォ・デ・メディチ』(マルコ・ポーロ賞)『東西ルネサンスの邂逅』『フィレンツェ共和国のヒューマニスト イタリア・ルネサンス研究 [正]』『共和国のプラトン的世界 イタリア・ルネサンス研究 続』『ルネサンス精神への旅』『イタリア・ルネサンスとアジア日本』『ルネサンス文化人の世界』など、 訳書に、クリステラー『イタリア・ルネサンスの哲学者』(共訳)『原典イタリア・ルネサンス人文主義』(共訳)『原典ルネサンス自然学』(共訳)ハービソン『キリスト教的学識者』(共訳)などがある。
  • ホッブズ 人為と自然 自由意志論争から政治思想へ
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 17世紀のヨーロッパに生きた思想家は、いくつもの難題に直面していた。人為と自然、精神と物体、そして認識と存在。キリスト教共同体とコスモロジーの動揺は、一方では人間を自己の存在の主体としつつ、他方では存在のもろさを露呈させたからである。しかも、人間存在には強さと弱さが共存するという自覚に、自然についての学の展開が重なり合う。まさにホッブズは、人間は精神を持つ肉体として自ら決定できる、しかし物体の運動には全て法則がある、という両立困難な二側面に正面から向き合った。だからこそ彼は、言語のありかたと物体の運動から根源的に考え抜き、人間の情念にも眼を向ける。そして、決定論を直視しつつも、人為的な秩序を作り出そうと苦闘する。自由意志論争から論を起こし、ホッブズの政治思想における精神の役割を探究する本書は、スコラ哲学の伝統を視野に入れつつ、大陸の合理主義的哲学と共通の地平に立ってホッブズの政治思想を捉えようとする、独創的な業績である。 【目次より】 凡例 序論 一節 問題の所在 二節 研究史 三節 本書の構成 一章 ジョン=ブラモール 一節 自由意志論争の背景 二節 スコラ哲学の継承 三節 ブラモールの政治思想 四節 中世哲学史におけるブラモールの位償づけ 二章 自由意志論争におけるホッブズの視座 一節 研究史と分析視角 二節 自由と強制 三節 熟慮と選択 四節 国家と個人 五節 三つの視座に関する思想史的考察 三章 制作と二つの自然 『物体論』をめぐって 一節 三つの原因概念 二節 運動一元論の難点 三節 制作と二つの自然 四節 制作の条件 四章 情念論とその政治的射程 一節 運動としての位相 二節 主観的経験という位相 三節 人間的位相 四節 情念と政治 五章 政治思想における人為と自然 一節 自然法と理性 二節 日常言語としるし 三節 人為と自然 結論 自然の変容と国家の制作 補論 ホッブズ研究史の一断面 はじめに 一節 ソレルのホッブズ解釈 二節 ザルカのホッブズ解釈 おわりに 註 あとがき 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 川添 美央子 1970年生まれ。政治思想史家。慶応大学教授。慶應義塾大学法学部卒業。慶應義塾大学法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。専門は、西洋政治思想史。 著書に、『ホッブズ 人為と自然』などがある。
  • 政治の隘路 多元主義論の20世紀
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 本書は、政治学の視野から、自由民主主義体制の中心理論である多元主義論の歴史的展開を、哲学的分野から実証的分野まで広範な領域を射程に収め通史的に分析する。フィッギス、バーカー、ラスキをはじめとする20世紀初めのイギリス多元的国家論が、第二次大戦後隆盛を極めたアメリカ多元的民主主義論を経て、フーコーに代表される近年のポスト・モダンへと到る流れを克明に描写し、いまや隘路にはまりつつある20世紀の政治の成果と限界を浮かぶ上がらせ、ボーダレス化する冷戦後の世界に鋭い問いを投げ掛ける。 【目次より】 序 政治が失おうとしているもの 序章 二〇世紀末の多元主義論 一 多元主義とリベラル・デモクラシー 二 多元主義と「政治」 三 本書の構成 第一章 イギリス多元的国家論 一 伝統の形成とリベラリズムの革新 二 多元的国家論の萌芽 三 伝統の再生へ 多元的国家論の諸相 (1) ジョン・N・フィッギス (2) アーネスト・バーカー (3) ハロルド・J・ラスキ (4) G・D・H・コール 四 多元的国家論の終息 第二章 多元主義論の変転 一 アメリカにおける多元主義論の受容 (1) 「国家」と「人民」 (2) 病理から批判理論へ 二 多元的国家論への対応 (1) 初期の受容と論点の形成 (2) 選択的受容と全面的批判 三 多元主義論と「科学」 四 多元主義論と「政治」の動揺 第三章 多元的民主主義論と政治科学 一 多元主義論の定着と政治科学の台頭 (1) 多元主義論の定着 (2) 政治科学と多元主義論 二 ロバート・A・ダールと多元的民主主義論 (1) 市場社会主義からポリアーキーへ (2) ポリアーキーの定式化 (3) ポリアーキーの分析 (4) 多元的民主主義論における「政治」 三 多元的民主主義論への批判 四 多元的民主主義論の変容 (1) 問題の析出 (2) 多元的民主主義論の修正 (3) 「保守化」批判の功罪 第四章 多元主義と多元化 一 文化的多元主義論と市民社会論の射程 二 多文化主義論と「政治」の相克 (1) 多文化主義論と集団の権利 (2) 「差異の政治」と集団のアイデンティティー 三 ポスト・モダニズムと「主体」の問題 (1) 個人のアイデンティティーと集団のアイデンティティー (2) ボスト・モダニズムの「主体」批判 四 ポスト・モダン多元主義論 (1) 「リベラル・プルーラリズム」への批判 (2) ポスト・モダン多元主義論の諸要素 終章 政治の陰路と政治的想像力 註 あとがき 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 早川 誠 早川 誠(はやかわ まこと) 1968年生まれ。政治学者。立正大学法学部教授。専門は、政治理論。 東京大学法学部卒業後、東京大学大学法学政治学研究科修了。 著書に、『政治の隘路』『代表制という思想』など、 訳書に、ロバート・ダール『政治的平等とは何か』などがある。
  • 存在の光を求めて ガブリエル・マルセルの宗教哲学の研究(1)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 実存理解と宗教信仰を結節させ「実存から存在へ」を究極目標とした彼の哲学に光をあてる。 20世紀フランスに生きた哲学者・劇作家、ガブリエル・マルセル(Gabriel MARCEL,1889‐1973)について、その思想とキリスト教(カトリック)信仰とをめぐって、著者なりの解釈を施しつつ、その一側面を論じようとするものである。 【目次より】 まえがき マルセル著作略号一覧 第一部 実存から信仰ヘ 第一篇 カミュの無神論について 第二篇 サルトルの無神論について 第三篇 マルセルの回心をめぐって 第二部 信仰と哲学 第一篇 「問題」と「神秘」 第二篇 「神の存在証明」を超えて 第三部 「前神学」的な宗教哲学 第一篇 パスカルとマルセル 第二篇 マルセルとブーバー 第三篇 マルセルとプロテスタント信仰 第四部 存在の光を求めて 第一篇 「不安」と信仰 第二篇 「苦悩」と「不安」 初出一覧 マルセルについてもっと知りたい方のために マルセル紹介文献一覧 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 小林 敬 哲学者。酪農学園大学教授。博士。 著書に、『存在の光を求めて』『人間の絆を求めて』などがある。
  • 近代日本の国際関係認識 朝永三十郎と「カントの平和論」
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 この世界とは何か、を説明しようとする時、意識するとしないとにかかわらず、思い浮かべ、考えざるを得ない問いがある。それは、「人間とは何か」「国家とは何か」「国際関係とは何か」という3つの問いである。これらの問いが織りなす「世界のできあがり方」の構造を、本書は<自我・国家・国際関係>と呼ぶ。現在も世界の人々を拘束し続ける、この認識論的機制の近代日本における形成過程を、明治末から昭和前半期に活躍した哲学史家、朝永三十郎の「文脈設定者」としての思想的苦闘から描き出す。「国際関係とは何か」という、国際関係研究の根源への問いを問うには、世界国家の可能性を封じ込めた瞬間を把捉しなければならない。カントの『永遠平和のために』の単なる解説書とされてきた朝永の『カントの平和論』における、「国際」と「国家」の矛盾、という議論に、その瞬間は埋蔵されていたのである。学問領域を横断し、理論と歴史、思想と実証を交錯させて根源への問いへ挑み、21世紀の世界の見方、考え方を広く問いかける。 【目次より】 はじめに 第一部 背景と枠組 第一章 国際関係認識とはなにか 第二章 国際関係認識の研究枠組 第三章 カントと近代国際関係認識 第二部 朝永三十郎と『カントの平和論』 第一章 近代日本と朝永三十郎 第二章 『カントの平和論』の成立過程 第三章 自己申告上の契機 第四章 初期の朝氷 一九〇二~〇九年 第五章 留学とその後一九〇九~一六年 第六章「カントの平和論』前後及び晩年 一九一七~五一年 第三部 近代国際関係認識の原的形成 第一章 朝永三十郎の意味 第二章 カント解釈の系譜学 朝永以後 第三章 自我・国家・国際関係 あとがき 注 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 芝崎 厚士 1970年生まれ。国際関係研究者、国際政治学者。駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授。東京大学教養学部教養学科卒業、同大学院総合文化研究科国際社会科学専攻、学術博士。専門は、国際文化論、国際関係思想。 著書に、『近代日本と国際文化交流 国際文化振興会の創設と展開 1934-45年』『近代日本の国際関係認識』『国際関係の思想史』などがある。
  • アリストテレスの第一哲学
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 アリストテレスの第一哲学は、普遍的な学としてのオン(存在)の学と神学という二側面からなる。オンの学はあらゆる学問の基礎をなし、それを基に自然学や倫理学など部分的な諸学としての特殊学が成立する。神学はこれら諸学を統一する要をなし、更にオンの学と神学とは実体論を介して関連づけられる。これら存在・神・実体の諸概念の関連を全体的に考察するとともに、プラトンのイデアの離存性との対比を交えつつ、アリストテレス哲学の基本構造を明らかにした本格的業績。ヨーロッパの学の基本に関わる本書の考察は広くヨーロッパの思想文化を考えるうえでの基本文献となろう。 【目次より】 著作名略記一覧 序 第一章オン(on)の学について 1 第一哲学におけるオンの学と神学との関係 2 pros en(プロス・ヘン)形式 3 基礎論としてのオンの学 部分的な学との関係で など 第二章 実体論1 実体の三層について 1 より先ということの意味の確定 2 第一実体(e prste ouiia)は三つの層において言われる 3 属性的存在との対比で、基体(可感的実体)は第一実体と言われる 4 基体を第一実体とすることから、基体の構成要素たる形相を第一実体とすることへの移行 5 形相は質料より先とされている箇所 6 形相は質料より先であることの根拠 その一 など 第三章 実体論2 「普遍的なものは実体ではない」ということについて 1 プラトンのイデア論をアリストテレスはどのように捉えているか 2 『形而上学』Z巻一三章で、「普遍的なものは実体ではない」ということがどのように論じられているか 3 「普遍的なものは実体ではない」ということについての別の観点 類と質料との類比関係 など 第四章 神学 自然概念が神概念との関係でいかに規定されているか 1 不動の動者とピュシス(pusis)について 2 ピュシスについての規定 3 総観されたピュシス など 第五章 神学2 現実態の質を問うこと、自足性概念、倫理学との関係で 1 『自然学』Th巻と『形而上学』L巻とにおける神概念 2 運動とは何か 3 魂の働きは運動ではない など 第六章 アリストテレス哲学におけるヒュポテシスについて 1 ゆるやかな意味では、ヒュポテシス、定義、テシス(thesis)は区別されていないこと 2 ヒュポテシスと同類の語あるいは事柄 3 アリストテレス哲学における原理的命題がヒュポテシスとされている具体例 注記 あとがき 使用文献表 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 池田 康男 1938年生まれ。哲学者。高知大学名誉教授。京都大学大学院文学研究科博士課程退学。専門は、ギリシア哲学。 著書に、『アリストテレスの第一哲学』など、 訳書に、アリストテレス『トピカ』アリストテレス『生成と消滅』アリストテレス『天について』などがある。
  • 共和国のプラトン的世界 イタリア・ルネサンス研究 続
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 古代のレトリック、弁論の伝統を受け継ぐ中世では、弁論術が書簡作成に応用された。ところが、キケロや小プリニウスの書簡発見は、新思想・新感情を織り込む自由な自己表現をルネサンス書簡に与えることになる。フィチーノはヒューマニズムの先達、ぺトラルカ以来の書簡文学の系譜に属しながら、プラトン主義を基盤に形而上学的内容に富む、夥しい数の書簡を認めた。人間関係を教えるこれらの書簡から、ルネサンスの思想的特質を読み解く。他方で、彼の同時代人リヌッチーニのなかに共和政的自由の喪失を嘆く声を聴き、改めて前著『フィレンツェ共和国のヒューマニスト』で扱った主題に立ち返る。そこではメディチ家中心の政治が進展し、誇り高い市民が従属を強いられ始めていた。権力者ロレンツォ・イル・マニフィコの死後、同国が国際関係に翻弄されるなか、独立不羈のルチェッライは政治と文化の調和を図ろうとする。 【目次より】 第一章 フィチーノとプラトン・アカデミーの社会 1 ジェンティーレの古写本研究 2 家庭教師から「アカデミー」の頭首ヘ 発見された新史料 3 アカデミーの有無をめぐる問題 4 アカデミーと信心会 5 ロレンツォ・ピサーノとフィレンツェ文化 第二章 市民社会におけるフマニタス概念 フィチーノ書簡に見る愛と美と倫理思想 1 フマニタスとフマニタス研究 2 書簡「フマニタスについて」 3 書簡「幸運は運命に、真の幸福は徳に」 4 書簡「結婚礼賛」 第三章 フィチーノとロレンツォの幸福論 メチェナティズモに見られる哲学的関係 1 イタリア・ルネサンスという時代 2 フォルトゥーナの意味と対策 3 内面的精神と真の歓喜 4 ロレンツォの詩『論争』とフィチーノの幸福論 5 知と愛 6 個と時代の不幸 第四章 メディチ体制とリヌッチーニの『自由をめぐる対話』 1 メディチ体制と自由 2 フィレンツェ史の展開とアラマンノ・リヌッチーニ 3 アラマンノ・リヌッチーニの自由観 4 自由の喪失感 第五章 プラトン・アカデミーからオルティ・オリチェッラーリへ メディチ家=指導者像の形成過程と文化 1 アカデミーと転換期の政治一族 2 コスモスの反映としての自然と社会 3 オルティ・オリチェッラーリの文化的・政治的世界 4 ロレンツォとその時代の回顧 結語 付論 フィチーノ書簡「歴史礼賛」と近代的思惟 プラトン主義的伝統と歴史主義 あとがき 注 研究文献(イタリア・ルネサンス研究) ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 根占 献一 1949年生まれ。西洋史家。学習院女子大学名誉教授。専門はルネサンス文化史、思想史。 早稲田大学第一文学部(西洋史)、同大学院文学研究科修士課程、同大学院同研究科博士課程満期退学。文学博士。 著書に、『イタリア・ルネサンスの霊魂論』(編著・編訳) 『ロレンツォ・デ・メディチ』(マルコ・ポーロ賞)『東西ルネサンスの邂逅』『フィレンツェ共和国のヒューマニスト イタリア・ルネサンス研究 [正]』『共和国のプラトン的世界 イタリア・ルネサンス研究 続』『ルネサンス精神への旅』『イタリア・ルネサンスとアジア日本』『ルネサンス文化人の世界』など、 訳書に、クリステラー『イタリア・ルネサンスの哲学者』(共訳)『原典イタリア・ルネサンス人文主義』(共訳)『原典ルネサンス自然学』(共訳)ハービソン『キリスト教的学識者』(共訳)などがある。
  • ヒュームにおける正義と統治 文明社会の両義性
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「文明社会」とは何か。それは人々がどのように結合し交流する社会なのか。本書では、十八世紀スコットランドの哲学者デイヴィッド・ヒュームの思想に即して、この問いに対するひとつの答えを模索する。ヒュームの叙述は、人間社会が孕む不安定性を見つめつつ、一方では「正義」と「商業」を軸として社会の形成と発展の自然的な可能性を豊かに描き出し、他方では「統治」を鍵概念として社会の強制的な秩序化の峻厳な必要性を示している。さらにそこからは、ヒュームの目に映った文明社会それ自体の矛盾――正義と統治、自由と権力、諸国の調和と対立、商業発展と公債累増の間の矛盾――が明らかになる。はたして現代の我々にとって、ヒュームの描くこの両義性は、既に乗り越えられた過去なのであろうか。 【目次より】 序章 文明社会と両義性 第一部 文明社会の発展 正義をめぐる思考の系列 第一章 正義 道徳論における文明社会の結合原理 第二章 商業発展 経済論における文明社会発展の法則性の解明 第三章 自由の擁護 国内政治に関する文明化認識の展開 第四章 国際的な調和 対外政策に関する文明化認識の含意 第二部 政治社会の安定 統治をめぐる思考の系列 第五章 統治 道徳論におけるもう―つの結合原理 第六章 自由から権力へ 国内政治に関する統治の論理の展開 第七章 勢力均衡 対外政策に関する統治の論理の含意 読解 第四節 勢力均衡論と国際間正義の相互関係について 第八章 公債累増 経済論における統治の論理とその帰結 終章 ヒュームの二元的社会認識とその含意 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 森 直人 社会思想史研究者。高知大学准教授。京都大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科経済システム分析専攻博士課程修了。博士。専門は、経済思想など。 著書に、『ヒュームにおける正義と統治 文明社会の両義性』『越境スタディーズ 人文学・社会科学の視点から』(共著) などがある。
  • メルロ=ポンティ 超越の根源相
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 メルロ=ポンティにとって比類のない問題とは、存在論的・価値論的変革者としての「超越概念の変革」であった。古典的優越の相対化・ニヒリズムの超克という問題提起を試みる、通念に囚われない新たなメルロ=ポンティ解読。『知覚の現象学』刊行から半世紀以上、夥しい研究が蓄積されたが、著書によればこれら半世紀に及ぶ研究の歴史は、根本的な誤解と無理解の歴史であった。その根本的な誤解とは彼の思想を現象と存在、一元論と二元論といった古典的な枠組みに嵌め込もうとすることであり、無理解とは彼の哲学の核心である〈超越の根源相〉を掴めていないことである。メルロ=ポンティにとって真の問題とは〈超越概念の変革〉であったことを示すことにより、古典的超越の相対化(ニヒリズムの超克)という問題提起を試みた第一級の業績。 【目次より】 書名略号一覧 序論 第1章 メルロ=ポンティは読まれているか 序 第1節 知覚の優位性 第2節 一種の永遠 第3節 実りある矛盾 第4節 存在論的偶然性 第5節 生きられる独我論 第2章 メルロ=ポンティ自身はどう読むか 序 第1節 メルロ=ポンティの読解論 第2節 アランと「幾何学以前」 第3節 ラシエーズ・レイと「メノンの問い」 第4節 ラヴェルと「表現の問題」 第3章 メルロ=ポンティをどう読むべきか 序 第1節 メルロ=ポンティの〈自己批判〉 第2節 現象学の現象学 第3節 デュフレンヌによる読解 第4節 マリオンによる論及 第4章 区別か結合か 序 第1節 デカルトにおける観想と実践 第2節 区別による統一 第3節 メルロ=ポンティと創造的実践 第4節 超越による結合 第5節 価値論的変革 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 実川 敏夫 哲学者。首都大学東京教授。東京都立大学卒業、同大学院修士課程修了。文学博士(京都大学)。 著書に、『メルロ=ポンティ 超越の根源相』『存在と主観性』などがある。
  • ライプニッツの認識論 懐疑主義との対決
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「自由意志」と「連続体合成」を哲学の二つの「迷宮」と表現したライプニッツは、実はそのさらに奥に広がる第三の迷宮、「知識の迷宮」を探索していた。かれは「懐疑主義の危機」の時代を生き、今日でも懐疑主義との対話を真剣な問題とする人々の共通する友人たる資格をもつ哲学者である。しかし、懐疑主義をめぐるライプニッツの考察のドキュメントとロジック、そしてその認識論上の意義が十分に解明されてきたとは言い難い。本書はこの点に注目し、ライプニッツが旅した知識の迷宮の冒険に光を当てるだろう。読者は、この冒険旅行に登場する「懐疑主義者たち」の多様な広がりに驚かされるに違いない。こうして見いだされたライプニッツの認識論は、時としてわたしたちを陥れる抗し難い力をもつ、懐疑の渦、知識の迷宮からの脱出のための「アリアドネの糸」なのである。 【目次より】 凡例 序 ライプニッツの哲学を認識論として読む 第一章 懐疑主義と認識論 ライプニッツ読解の一視角 第一節 「物体論」批判 ホッブズと若いライプニッツ 第二節 デカルト以後の懐疑主義「観念」から「表現」へ 第三節 「自由意志」の認識問題 スピノザとライプニッツ 第二章 論理と認識 論理主義的ライプニッツ解釈の批判 第四節 概念分析的真理論と認識論的問題 第五節 内属の論理学の問題構成 計算と「述語」の分析 観点からの伝統論理学の構成 5 述語としての「存在」 第六節 内属論理の「臨界」としての「関係命題」 第三章 認識と言語 構造的類比の「意味論」 第七節 反省行為と言語「ライプニッツのコギト」へ 第八節 自然言語の「意味論」 ライプニッツの自然言語論と認識論 第九節 直観と論理 デカルトとライプニッツ 第四章 認識と方法 類比・発見・最適 第十節 現象と実在 発見のための構成 第十一節 発見法としての「真の論理学」 ライプニッツの見果てぬ夢 第十二節 「最善」の認識可能性「弁神論」の方法論 第五章 認識論とモナドロジー 第十三節 ピュロニズムとモナドロジー 第十四節 モナドロジックな「心の哲学」の可能性 第十五節 モナドロジックな「実在論」 註 あとがき 文献表 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 松田 毅 1956年、岡山県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。哲学博士(ドイツ連邦共和国オスナアブリュック大学)。九州芸術工科大学助教授を経て、現在、神戸大学大学院教授。専門は、西洋近現代哲学。 著書に、『ライプニッツの認識論』『哲学の歴史』第五巻(共著)『ライプニッツ読本』(共著)『部分と全体の哲学』(編著)『世界哲学史6』(共著)など、 訳書に、R・フィンスター+G・ファン・デン・ホイフェル『ライプニッツ』(共訳)クリスティン・シュレーダー=フレチェット『環境リスクと合理的意思決定』(監訳)『ライプニッツ著作集』第II期第3巻(共訳)など。
  • 旅人の脱在論 自・他相生の思想と物語りの展開
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 存在神論や根源悪の問題を突破した脱在論の構築を志向しつつ、物語り解釈から、他者論さらに相生論の地平を披く。間・辺境を越境する旅路に読者を誘う思想的試み。 地球化時代の現代、われわれはどのような危機と虚無の只中にあるのか。人間には明るい和解と共生の未来が開かれているのか。本書は前著『他者の甦り』の提起した問いを引き継ぎ、存在神論や根源悪の問題を突破した脱在論の構築を志向しつつ、物語り解釈から、他者論さらに相生論の地平を披く。間・辺境を越境する旅路に読者を誘う思想的試み。 アウシュヴィッツ的現代の悲劇を脱出する思想的方策、すなわち存在論を突破した脱在論「エヒイェロギア」の構築を目指す。まず、エヒイェロギアがどのようにヘブライ旧約物語りから誕生するかという前著のテーマを解説した上で、他者に関わる物語り群の解釈を通し、他者論の地平を考究する。ギリシア古典のオイディプスに見られる人間の悪なるもの、旧約における預言者エリアの絶望と再生のドラマや新約におけるイエスの譬え、そして西洋中世において破壊的力を持つとともに他者とのかけがえのない出会いをもたらすとされた恋愛論を取り上げ、そこに脱在「エヒイェ」の文学的な展開を示す。さらにその展開のエネルギーが日本へも及び、宮沢賢治や石牟礼道子の文学と生に現成していることを、作品の読解により探究、近代化がもたらした社会問題を思想的観点から論じる。閉塞化する大きな物語を脱し、それらの間、辺境を放浪する旅路に読者をいざなう希望のメッセージ。古典テキストの語りえざる声に耳を傾ける本書の姿勢は、古典論としても重要な示唆を与えよう。 【目次より】 序 目次 第一部 アウシュヴィッツの審問を前に 物語り論的解釈からヘプライ的脱在論(エヒイェロギア)へ 第一章 和解と相生への荊棘的途行き 小さな物語りとエヒイェロギアに向かって 第二章 「アブラハム物語り」の現代的地平 自同性の超克・脱在(ハーヤー・エヒイェ)と自他相生の物語り 第二部 物語りに働くエヒイェと他者の地平 差異化を生きる放浪の人物群 第三章 無なる荒野に咲く花 オイディプスとホセア 第四章 唯一神から「残りの者」へ 預言者エリアの物語り 第五章 イエスの譬え 第六章 恋愛の誕生 唯一・一回性ということ 第三部 地涌の菩薩たち 言葉を焚く賢治と石牟礼道子 第七章 宮沢賢治の修羅的菩薩像と相生協働態の諸相 第八章 たましい(魂・anima) への道 石牟礼文学から始める 註 むすびとひらき 初出一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 宮本 久雄 1945年生まれ。神学者、哲学者。東京大学名誉教授。専門は、古代・中世のキリスト教思想。東京大学文学部哲学科卒、同大学院修士課程修了。東京大学博士(学術)。和辻哲郎文化賞受賞。 著書に、『教父と愛智』『宗教言語の可能性』『「関わる」ということ』『福音書の言語宇宙』『他者の原トポス』『存在の季節』『愛の言語の誕生』『恨と十字架』『「ヨブ記」物語の今日的問いかけ』『いのちの記憶』『他者の甦り』『身体を張って生きた愚かしいパウロ』『旅人の脱在論』『ヘブライ的脱在論』『他者の風来』『出会いの他者性』『隠れキリシタン』など、 訳書に、V.ロースキィ『キリスト教東方の神秘思想』など多数ある。
  • 独仏関係と戦後ヨーロッパ国際秩序 ドゴール外交とヨーロッパの構築 1958-1969
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 今なお傑出した外交家として歴史に名を刻む仏大統領ドゴールの、政権復帰から退陣までのヨーロッパ秩序再編構想とその国際的反応を分析する本書は、欧州統合と大西洋同盟の二つの国際秩序において「ヨーロッパ」が立ち上がる様子を活写する。膨大な量の仏・独・米・欧州共同体等の一次史料から見えてくるのは、冷戦と分断という秩序を書き換え、組み直し、そして突き破ろうとしたアデナウアー、ケネディ、ブラントなどの思惑の交錯・衝突と、冷戦・欧州統合・脱植民地化・独仏関係が連関しながら展開される多国間外交の姿である。その外交の末に我々が目にするのは、冷戦構造を侵食する重層的なメカニズムの形成であった。従来の外交史研究では捉えきれなかった、国民国家を超える政治空間の構築を解明する、「ヨーロッパ構築史」の画期的な試み。第25回渋沢・クローデル賞本賞受賞。 【目次より】 序章 戦後ヨーロッパ国際関係史の再構築 第一部 「大構想」の実現を目指して 一九五八─一九六三:ドゴール=アデナウアー時代のヨーロッパ国際政治 第一章 アングロサクソン、アルジェリア、世界政策 一九五八─一九六〇:ドゴール政権復帰後のフランス外交 第二章 政治同盟交渉 一九五九─一九六二 第三章 米仏二つの大構想と西ドイツ外交 一九六一─一九六二 第四章 エリゼ条約の成立一九六二─一九六三 第二部 「大構想」後のヨーロッパ国際政治の危機とその克服 一九六三─一九六九:デタントと共同市場 第五章 ドゴール外交の「頂点」 一九六三─一九六六:自主外交とデタントヘの転回 第六章 ヨーロッパ・デタント 一九六三─一九六八:西ドイツによる東西関係変革の模索 第七章 ヨーロッパ統合の危機 一九六三─一九六五 第八章 ヨーロッパ共同体の定着 一九六五─一九六九 終章 統合されたヨーロッパと多極化された世界 あとがき 註 史料・参考文献一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 川嶋 周一 1972年生まれ。政治学者、明治大学政治経済学部政治学科教授。北海道大学法学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修了。パリ第4大学DEA(Diplome d'Etudes Approfondies)取得。北海道大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。専門は政治学、国際政治史、ヨーロッパ政治外交史(EU研究含)。 著書に、『独仏関係と戦後ヨーロッパ国際秩序――ドゴール外交とヨーロッパの構築 1958-1969』(渋沢・クローデル賞)などがある。
  • 教父と古典解釈 予型論の射程
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 ギリシア教父たちは西洋古典の内にも救世主像を見出そうと試みた。異教文化受容を巡る教父の神学理解と、写本の筆写に携わる修道士や聖職者の隠れた努力を支えた修道院の精神とは何か。それが近代ルネサンスの先駆けともなったことを示す本書は、古典研究と教父学を総合的に考察して、中世哲学と古典学の領域に新たな視座を提供した。 9~10世紀ビザンティン時代の人文主義(特にアレタス)から遡って、教父時代における古典の受容と精神的境位がそれら後世のヒューマニズムに合致するものであることを実証し、キリスト教的人文主義の根底に潜むものを普遍的な相において探った。ホメロスなどの作品の解釈と伝承を分析し、西洋古典文献学を実証的写本伝承史のレベルから再構成。教父学の視点から異文化受容のあり方に光を当て、それがキリスト教ヒューマニズムの淵源であることを明らかにする。 地中海学会ヘレンド賞受賞。 【目次より】 序章 本書の構成と目的について 古典文献伝承と教父神学 第一部 ビザンティン時代における人文主義の成立と神学 第一章 地中海世界における書物史 カイサレイアのアレタスまでの文献史 第二章 アレタスの人文主義的神学 『黙示録注解』を中心に 第二部 カッパドキア教父たちの古典観と神学 第三章 バシレイオスと「ルネッサンス」 神学と人文主義の関係をめぐって 第四章 ニュッサのグレゴリオスにおける「神の像」理解の変容 人間性の再構築 第三部 終末論と予型論 第五章 オリゲネス的終末論の展開と証聖者マクシモス アポカタスタシスを中心に 第六章 証聖者マクシモスにおける終末論と神化 旧約聖書解釈との関連で 第四部 教父神学から古典解釈ヘ 第七章 アレクサンドレイアのクレメンスによる『オデュッセイア』解釈 古典の神学的受容 第八章 コンスタンティノス大帝とウェルギリウス『牧歌』第四歌 「異教予型論」と古典の受容 結章 人文主義的教父神学の地平と終末論的予型論の射程 総括と展望 あとがき 注 参考文献表 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 秋山 学 1963年生まれ。筑波大学教授。東京大学文学部、同大学院人文科学研究科西洋古典学専攻修士課程、総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門は、西洋古典学、地中海学、教父学。 著書に、『教父と古典解釈』『慈雲尊者と悉曇学―自筆本『法華陀羅尼略解』と「梵学津梁」の世界』『ハンガリーのギリシア・カトリック教会』など、 共訳書に、『ニュッサのグレゴリオス』『中世思想原典集成2 盛期ギリシア教父』『中世思想原典集成1 初期ギリシア教父』『ギリシア文学概説』『中世思想原典集成20 近世のスコラ学』などがある。
  • 存在と秩序 人間を巡るヘブライとギリシアからの問い
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 人間にとって存在と秩序はいかなる意味を持つのか、ひいては人間は存在と秩序についていかに思考してきたのか。このような問いが土台にある本書は、古代ギリシアとヘブライの思想が交叉し発展したヨーロッパ精神史の原点を再考する。本書はまず、ニュッサのグレゴリオスに目を向けることから始め、エウリーピデースやヘロドトス、トゥキュディデースらのテクストからアテーナイ民主政における説得と情念の意義を考える。次に、プラトンの後期対話篇から、人間の生と共同性の存続を探究した彼の晩年の思考を明らかにする。その上で、プロティノス中期の精華である『エネアデス』IV3-4〔27-28〕『魂の諸問題について』に焦点を絞り、コスモス(宇宙、世界)やテクネー(技術)と人間の関わりを巡る彼の思索を、中間性という概念を手がかりに丹念にたどる。さらに、『創世記』の族長物語とヨセフ物語における兄弟の逆説がもたらした情念の相克とその浄化を巡る考察を経て、神と人間それぞれにとっての情念と秩序という視座から『ヨブ記』を読み解く。最後に、ロゴスとパトスが交叉する『オデュッセイア』から、人間の秩序についての思想の展開を読み取る。従来、十分に論じられてこなかった、古代ギリシアとイスラエルの思惟が各々のあり方で、しかし共に問い接近しようとした地平の根幹に挑む。 【目次より】 はじめに 第一章 生き続けること 民主主義の原義と本質 第一節 アテーナイの民主政 第二節 説得と情念 第二章 プラトンにおける人間の生と共同性 後期対話篇を素材に 第一節 『ソピステス』 第二節 『政治家』 第三節 『法律』 第三章 プロティノスについての存在論的考察(一) 『エネアデス』IV三─四〔二七─二八〕 第一節 宇宙の魂による制作 IV四、一〇─一三を中心に 第二節 技術(テクネー)を巡る思惟の位相 第四章 プロティノスについての存在論的考察(二) 『エネアデス』IV三─四〔二七─二八〕  第一節 再論 存在への問いをプロティノスに見いだす意味 第二節 われわれの魂と中間的存在者たるわれわれ人間 第三節 中間的存在者としての人間と記憶 第四節 生成するものの存続と、中間的なるものの意義 第五章 情念とその浄化 『創世記』を巡る一考察 第六章 情念と秩序 『ヨブ記』 第一節 序曲と第一回討論 第二節 第二回討論 第三節 第三回討論 第四節 二八章から三一章まで(知恵の所在を問う歌およびヨブの独白) 第五節 神の弁論から終曲まで 第七章 言葉の行方 『オデュッセイア』第四巻を中心にして 『オデュッセイア』第四巻における話者とその視線 おわりに 註 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 藤田 潤一郎 1969年生まれ。政治思想史学者。関東学院大学法学部教授。京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。専門は、政治学、政治思想史。 著書に、『政治と倫理 共同性を巡るヘブライとギリシアからの問い』『存在と秩序 人間を巡るヘブライとギリシアからの問い』などがある。
  • 創造力の論理 テクノ・プラクシオロジー序論 カント、ハイデガー、三木清、サルトル、…から、現代情報理論まで
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「想像力」は理性や知性に比べて低位の能力とされてきたが、今日では逆に基礎能力、それ以上に、動物にはあり得ない人間存在に固有の全体「構想力」とされるようになってきた。今日・今後の技術と情報に溢れかえる時代と文明を、この「想像力・構想力」をより生産的で強靭な「創造力」へと拡充することによって正しく方向づけていくには、どうすべきか。近現代の諸哲学とともに考える。 【目次より】 要旨 序 構想カ・想像カ・創造力 第一章 基準の創定、世界の賦活 カント 補章 カントとカッシラー 象徴概念をめぐって 第二章 世‐開・リヒトゥングへと「構」え「想」う ハイデガー 第三章 〈exhibitio originaria〉(世界の根源的‐自己形成) 三木清 第四章 世界の意味を現働化する:〈reel〉と〈irreel〉の弁証法 サルトル 第五章 〈vivre l'invecu〉(非‐生を生きる)、「語れ、飛べ、創れ!」 バシュラール 第六章 創造者は現象を救う、〈image a priori〉 の脱‐弁証法 シモンドン 第七章 知覚と創造、潜勢秩序の現働化 ボーム 第八章 無意識の魔術、「異」と「同」と新たな「類」の創定 アリエティ ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 中田 光雄 1939年生まれ。哲学者。筑波大学名誉教授。 東京大学教養学部教養学科フランス分科卒、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化博士課程中退、パリ大学大学院哲学科博士課程。著書に、『抗争と遊戯』『文化・文明』『政治と哲学』『現代を哲学する』『正義、法-権利、脱-構築』『哲学とナショナリズム』『現代思想と<幾何学の起源> 』『差異と協成 』『創造力の論理 -テクノ・プラクシオロジー序論』など、 訳書に、シモーヌ・ヴェイユ『前キリスト教的直観、人格と聖なるもの(著作集第2巻)』シモーヌ・ヴェーユ『科学について』などがある。
  • トマス・アクィナスの神学
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 かつて波多野精一やバートランド・ラッセルによって、哲学に非ずと断定されたトマス・アクィナス。果たして、トマスの神学とは、どのような「学」であり、哲学はそれをどのように探究できるのだろうか。本書は、『神学大全』という一冊の書物と現代のわれわれとの間に立ちはだかる見えざる壁を打ち砕き、「人となった神」という受肉の神秘を中心に据えた探究の書として読みとく。トマス以後、中世末期から、神学と哲学、信仰と理性とが次第に分離、また「学」としての神学から神秘思想・霊性神学が徐々に分かれていくのに対し、トマスの神学はそうした相反する側面を統合しうるものであり、信仰から独立した知ではなく、信仰に基づいて成立する学であって、スコラ神学でありながら修道院神学の性格をも備えていたことを論証。その上で、『神学大全』における、存在そのものである神に至るまで徹底的に進められる存在(エッセ)の探究、自由意思と恩寵、創造と悪、人間の幸福と至福直観、そしてトマスの宗教(レリギオ)観、キリスト論、秘跡論へと考察を重ねて、彼の神学的探究の根本性格を解明する。長年にわたり『神学大全』の訳業に従事した著者の筆致を通し、“万人に共通の博士Doctor Communis”トマスが、善く生きるための知的探究を徹底的に行なうことを問いかける。存在論や認識論など哲学の課題のみならず、自由と悪、正義など政治や倫理の諸問題にも大きく関与し、現代の閉塞する思想状況に、豊かな示唆を与える画期的業績。 【目次より』 まえがき 序論 トマスの「神学」について I トマス「神学」の再発見 II トマスの「神学理解」 神学・信仰・霊性 III 新しい統合の可能性 第一章 「一」なる神と「三・一」なる神 I はじめに トマス神学における神 II 「一」なる神につして III 三・一なる神について 第二章 創造とは何か I 創造と救い II トマスの創造論 III 創造と悪の問題 第三章 人間の幸福について I 人間論・幸福・神 II 幸福の願望と幸福の実現 III 至福直観 第四章 トマスの「宗教」観 I トマスのレリギオ概念 敬神・修道生活・祈り II キリスト教的敬神 信仰・希望・愛徳 第五章 トマスの神学的キリスト論 I 「受肉の神秘」の神学的探究 II 幼児イエスをめぐる神学的問題 III キリストの生涯 神学的考察 IV キリストの受難と死の神秘 V キリストの高挙(復活・昇天)について 第六章 トマスの秘跡論 I トマスの秘跡神学 II キリスト・教会・洗礼 トマスの洗礼 III トマスの聖体神学(1)IV トマスの聖体神学(2) V トマスの「悔悛」神学 結語 あとがき 用語解説 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 稲垣 良典 1928年生まれ。東京大学文学部卒業。アメリカ・カトリック大学大学院哲学研究科にてPh.D.を取得。文学博士(東京大学)。九州大学名誉教授。専門は中世スコラ哲学。『神学大全』翻訳で第67回毎日出版文化賞、『トマス・アクィナスの神学』および『トマス・アクィナス 「存在」の形而上学』で第27回和辻哲郎文化賞をそれぞれ受賞。その他、著書は多数ある。
  • ジョナサン・エドワーズ研究 アメリカ・ピューリタニズムの存在論と救済論
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 現代アメリカの思想的源泉である18世紀の思想家に光をあてた、初めての本格的研究。アメリカを代表する神学者、ピューリタニズムの精髄とされるジョナサン・エドワーズ。単に18世紀のピューリタン・アメリカでの役割だけでなく、根本的な人間性の変革のヴィジョンを提示しようとした神学者としてのエドワーズ像をとらえる。 【目次より】 序章 エドワーズの思想史的位置 第一章 傾向的存在論 一 存在論的慣性論の歴史 1 アリストテレス 2 トマス・アクィナス 3 トマス以降エドワーズの思想的周辺まで 二 エドワーズの傾向的存在論 1 初期エドワーズの思想的発展 2 傾向的存在論の展開 第二章 回心 注入の恩恵 一 「注入」と「照明」 1 カルヴァン 2 エイムズ 3 「助力」論争 4 エドワーズ 二 傾向性の変化としての回心 三 注入の諸相 1 注入と人間的準備 2 注入と内住 3 注入と可感性 第三章 回心 新しい内的原理 一 注入の賜物 1 新しい傾向性 2 「造られざる恵み」 3 内在的原理 二 テュレティーニにおける注入の賜物 三 エドワーズにおける注入の賜物 1 プロテスタント原理 2 カトリック実質 第四章 義認 神の賜物の冠 一 エドワーズにおける義認論の位置 二 アルミニウス主義の義認論 三 法廷的義認論 四 転嫁とその存在論的な基礎づけ 1 アダム論的転嫁(原罪論) 2 キリスト論的転嫁(義認論) 五 エドワーズ義認論の特質 1 信仰の能動性 2 神の先行的受容 3 義認に先立つ人間的善 4 「自らの賜物に冠を授け給う神」 第五章 義認 体系的比較 一 成義的注入論と宣義的転嫁論 1 義認論における「注入」 2 対立構造の前提 二 義認と聖化の救済論的秩序 1 プロテスタント的視点 2 カトリック的視点 三 「形相づけられた信仰」 1 術語の相違 2 文脈の相違 第六章 聖化 回心と義認の継続 一 再生と聖化 二 キリスト教的実践 三 堅忍の賜物 第七章 栄化 創造の究極目的 一 個人終末論 二 流出と還流 1 三位一体の神の傾向性 2 人間の神への参与 付論 エドワーズ的な「神化」の概念について 結章 エキュメニカルな救済論の構築にむけて あとがき 注 引用文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 森本 あんり 1956年生まれ。神学者。国際基督教大学教授。 国際基督教大学人文科学科卒業、東京神学大学大学院組織神学修士課程修了。プリンストン神学大学院博士課程修了(組織神学)、Ph.D。 著書に、『使徒信条』『ジョナサン・エドワーズ研究』『現代に語りかけるキリスト教』『アジア神学講義』『キリスト教でたどるアメリカ史』『アメリカ的理念の身体』『反知性主義』『宗教国家アメリカのふしぎな論理』『異端の時代』『不寛容論』など、 訳書に、H.ミューラー『福音主義神学概説』(共訳)G.デコスタ編『キリスト教は他宗教をどう考えるか』ジェフリー・S.サイカー編『キリスト教は同性愛を受け入れられるか』(監訳)エミール・ブルンナー『出会いとしての真理』(共訳)ピーター・L.バーガー『現代人はキリスト教を信じられるか』(共訳)J.P.バード『はじめてのジョナサン・エドワーズ』など多数ある。
  • 漢代五言詩歌史の研究(東洋学叢書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 従来、古詩を中心とする漢代五言詩の成立は、建安文壇に隣接する後漢時代後期と目されてきたが、本書はこれまで見過ごされてきた資料や、文献上に現れている微細な徴候に目を留め、新たな説を導き出す。数ある古詩の中に埋もれた特別な一群の存在を指摘して、その特定の古詩の成立年代を後漢初頭以前と推定するとともに、古詩の生まれた場を考察、さらにはその後の古詩の展開経緯を、近接ジャンルである古楽府との関連性も含めて明らかにする。漢代五言詩歌の清華である古詩という作品群の生成展開の経緯を解明し、研究史に新たな一頁を加える画期的業績。著者の明快で細やかな論述により、読者は自ずと古詩誕生の場面へと引きこまれるであろう。 【目次より】 序章 一 本書の目指すところと基本姿勢 二 考察の概要 三 各章の要点と初出一覧 第一章 古詩の成立年代 はじめに 第一節 第一古詩群の存在 第二節 第一古詩群の成立時期 第三節 五言詩の成立時期に関する先行研究 結び 第二章 原初的古詩の成立 はじめに 第一節 第一古詩群の成り立ち 第二節 古詩誕生の場 第三節 古詩の始原的性格 結び 第三章 原初的古詩の展開 はじめに 第一節 前漢宴席文化の広がりと古詩の流布 第二節 宴席に言及する古詩の成立 第三節 古詩の展開と死後の世界 結び 第四章 後漢時代における古詩の伝播とその展開 はじめに 第一節 第一古詩群の編成時期に関する仮説 第二節 後漢前期における五言詩の文学的位置 班固の傅毅に対する対抗意識を通して 第三節 後漢中期における古詩流伝の一系譜 古詩「凛凛歳云暮」を手がかりとして 第四節 漢代五言詩史上に占める蘇李詩の位置 第五節 後漢中期以降における五言詩の展開 結び 第五章 古詩と古楽府との関係性 はじめに 第一節 『宋書』楽志と『楽府詩集』 古楽府研究において拠るべき資料 第二節 古楽府の歴史的性格 第三節 古楽府と古詩との交渉 結び 第六章 建安文壇の歴史的位置 はじめに 第一節 曹操の楽府詩を通して見る漢末士人社会の一側面 第二節 貴族制の萌芽と建安文壇 結び 第七章 呉の文学風土と陸機の「擬古詩」 呉人から見た五言詩歌史 はじめに 第一節 呉の文学風土 第二節 cにおける「擬古詩」制作の動機 第三節 「擬古詩」に読み取れる陸機の思い 古詩との狭間に見えるもの 結び 終章 結びにかえて 遊戯的宴席文芸から個人的詠懐詩へ あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 柳川 順子 1959年生まれ。中国文学者。県立広島大学教授。 九州大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科(中国学専攻)博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。 著書に、『漢代五言詩歌研究』などがある。
  • ルターとドイツ神秘主義 ヨーロッパ的霊性の「根底」学説による研究
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 エックハルトに淵源する「根底」(Grund)概念を辿ることにより、ルターがドイツ神秘主義のみならず、アウグスティヌスや盛期スコラ神秘主義など多様な伝統を受け継ぎ、独自の神秘主義を展開して後世へ巨大な影響を与えたことを明らかにする画期的業績。 キリスト教思想の土台をなす信仰は、世界に向かっては教義の形成と世界観を生み出し、内に向かってはキリストおよび神との交わりを求める霊性として現れる。エックハルトは、精神の最も内奥にある「根底」(Grund)に、神秘経験の場をみたが、著者はこの「根底」概念を辿ることにより、タウラーからルターを経てベーメやシェリングに、さらにはルターからドイツ敬虔主義を経てシュライアーマッハーに至るドイツ神秘主義の流れを解明し、転換期に立つルターのヨーロッパ精神史上の意義を闡明にする。ルターはドイツ神秘主義のみならず、アウグスティヌスや中世神秘主義などの多様な伝統を批判的に継承し、独自の神秘主義を展開して、後世へ巨大な影響を与えた。本書は中世から近代に至る理性の自律化運動の中で、神秘主義が地下水脈のように滔々と流れつづけたことを、多くの原典に即して明らかにした画期的業績である。理性の道具化にともなう技術文明と産業社会の急速な展開によって、精神的にも物理的にも地球規模の困難に直面する現在、近代ヨーロッパの霊性の源流を見極めることはわれわれに汲めども尽きぬ示唆を与えるであろう。 【目次より】 凡例 序論 近代ヨーロッパ的霊性の源流 第一章 ルターと中世神秘主義の伝統 第二章 ルターとノミナリズムの神秘主義 第三章 シュタウピッツとルターの神秘思想 第四章 「根底」(Grund)学説の受容過程 第五章 初期の聖書講解における「霊」(spiritus)概念 第六章 『ローマ書講義』における神秘思想 第七章 ルターの神観における神秘的なるもの 第八章 キリスト神秘主義 第九章 神秘経験の現象学的考察 第一〇章 ルターと霊性主義者たち 第一一章 ヴァイゲルとアルント ルター派の神秘主義I 第一二章 シュペーナーからシュライアーマッハーヘ ルター派の神秘主義II 第一三章 ヤコブ・ベーメとシェリング ルター派の神秘主義III あとがき 初出一覧 資料と参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 金子 晴勇 1932年生まれ。倫理学者。聖学院大学客員教授。京都大学文学部卒。同大学院博士課程中退。文学博士。専攻は、キリスト教思想史専攻。 著書に、『ルターの人間学』(学士院賞)『対話的思考』『宗教改革の精神 ルターとエラスムスとの対決』『アウグスティヌスの人間学』『恥と良心』『ルターとその時代』『対話の構造』『近代自由思想の源流』『キリスト教倫理入門』『倫理学講義』『愛の秩序』『聖なるものの現象学 宗教現象学入門』『マックス・シェーラーの人間学』『ヨーロッパの思想文化』『人間学から見た霊性』『宗教改革者たちの信仰』『霊性の証言 ヨーロッパのプネウマ物語』『ヨーロッパ思想史 理性と信仰のダイナミズム』など、 訳書に、C.F.v.ヴァイツゼカー『科学の射程』(共訳)マルティン・ルター『生と死について 詩篇90篇講解』C.N. コックレン『キリスト教と古典文化 アウグストゥスからアウグスティヌスに至る思想と活動の研究』エラスムス『対話集』など多数。
  • キルケゴールと「キリスト教界」
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 70年代における実存主義の退潮後も、なお様々に語られ多くの者が思想を構築する際に陰に陽に参照点として活用するキルケゴール。これまで数多のキルケゴールが語られてきたが、渦中のキルケゴール自身はいったい何を考えていたのであろうか。本書はテクストを詳細に読み解き、「キリスト教界」をキーワードに「一九世紀デンマークの改革者」という実像に迫る画期作。キリスト教信仰を堅持しつつ哲学者や神学者の形而上学を鋭く批判したキルケゴール思想の輪郭を確定するとともに、イエスを倣って卑賤の実存を志向する、そのキリスト教倫理がもつ現代的意義を展望する。 【目次より】 序論 第一部 前期キルケゴールのキリスト教人間学 第一章 実存弁証法と形而上学批判 第一節 主体性の発展 第二節 インコグニト、諸段階の関係 第三節 形而上学を拒む実存 第四節 伝達、人格、ネガティビティ 第二章 キリスト教主義の思想 第一節 第二倫理 第二節 反復 第三節 前期仮名著作の「詐術」 第四節 前提としての信仰 第二部 キルケゴールと「キリスト教界」 第三章 後期キルケゴール思想の展開 第一節 近世デンマーク史 第二節 隣人愛 第三節 大勢と単独者 第四節 卑賤論の提示をめぐる煩悶 第五節 義務と恩寵 第四章 フォイエルバッハと人間主義の問題 第一節 フォイエルバッハのヘーゲル理解 第二節 投影論と卑賤論 第三節 フォイエルバッハの「新しい哲学」 第四節 投影論を超克する論理 第五節 キリスト教主義と人間主義 第五章 キルケゴールと「キリスト教界」 第一節 キルケゴールのキリスト教史理解 第二節 キルケゴールの自己理解 第三節 教会との関わり 第四節 宗教と政治 第三部 キリスト教界内の思想家としてのキルケゴール 第六章 「キリスト教界」批判とキリスト教主義 第一節 現象としての「キリスト教界」と理念としてのキリスト教 第二節 実定宗教としてのキリスト教 第三節 信仰と演繹 第四節 キリスト教界とその外部 第七章 素朴性の問題 第一節 信仰主義の反省性と素朴性 第二節 「哲学」批判の現代性 第三節 歴史と永遠 第四節 「キリスト教界」という文脈 第八章 キルケゴールと現代 第一節 世俗化 第二節 形而上学批判の射程 第三節 哲学と歴史学 結論 あとがき 引用文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 須藤 孝也 1974年生まれ。一橋大学、立教大学、法政大学などで非常勤講師を務める。専門は、思想史、倫理学、宗教、哲学。一橋大学社会学部(社会学専攻)卒業。デンマーク、コペンハーゲン大学主体性研究センターにて客員研究員。一橋大学大学院社会学研究科博士課程社会学専攻修了。 著書に『キルケゴールと「キリスト教界」』『人間になるということ』、訳書にマーク・C・テイラー『神の後に 上・下』などがある。
  • 帝国と慈善 ビザンツ
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 史上初のキリスト教帝国ビザンツ。普遍的なキリスト教ローマ理念は、多様な民族から成る世界に号令をかける皇帝のもと、集権的な富の収奪・再分配機構を構築した。神の恩寵としての慈善を実践する帝権。市民の旺盛な寄進行為。叢生する修道士。古代ポリスの寛厚は、帝国財政に包摂され、救済の摂理(オイコノミア)に基礎付けられた財の再分配原理を定立した。諸民族を包含する統合の範型を創った帝国は、後のキリスト教、イスラム両世界にとって一つの規範となり、現代にも甦る。近代西欧の合わせ鏡として、ネガティブ・イメージのもとに語られたビザンツ。その認識像に潜む近代人の自画像を検証しつつ、今日世界に伏流する帝国の文法を、源流に遡って解きほぐす。帝国とは何か、を考える上で貴重な参照系となろう。日経・経済図書文化賞受賞。 【目次より】 序論 「帝国」の原像ヘ ビザンツ国家の射程 一 歴史の律動のなかで 二 ビザンツ国家の帝国性 三 本書のねらいと構成 第一部 帝国教会の財産形成 第一章 キリスト教帝国と教会 教会の税制特権形成 第二章 教会寄進と国家権力 五・六世紀の法制化 第二部 寄進・慈善・国家権力 第三章 マリアの遺言と帝国役人 貴族の遺言執行と国家機構 第四章 アッタレイアテスの家産政策 慈善施設設立の理念と打算 第五章 ヨハネスニ世と帝国病院 皇帝寄進とコンスタンティノープルの福祉 第六章 ビザンツ国家と慈善施設 皇帝・教会・市民をめぐる救貧制度 第三部 神の資産と皇帝の配慮 第七章 財政問題のなかの修道院 皇帝たちの苦悩と配慮 第八章 教会施設の俗人管理問題 カリスティキアの展開と濫用 第九章 修道院所領と帝国租税システム 神の恩寵・皇帝の管理 結語 注 あとがき 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 大月 康弘 1962年生まれ。 歴史学者、経済学者。一橋大学大学院経済学研究科教授。専門は、東ローマ帝国史、ヨーロッパ経済史。 一橋大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了、同大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。経済学博士。 著書に、『帝国と慈善 ビザンツ』(日経・経済図書文化賞)『ヨーロッパ 時空の交差点』 『コンスタンティノープル使節記』(リウトプランドの原文全訳+註および論文)など、 訳書に、ピエール・マラヴァル『皇帝ユスティニアヌス』ベルナール・フリューザン『ビザンツ文明』マガリ・クメール/ブリューノ・デュメジル『ヨーロッパとゲルマン部族国家』(共訳)などがある。
  • 清代モンゴルの裁判と裁判文書
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 清代モンゴルにおける刑事裁判制度をモンゴル文・満洲文の裁判文書原本の調査により解明する初の実証研究。実際に起きた刑事事件とその裁判文書を細かく検討し裁判制度の基本枠組を提示した上でモンゴル独自の法から清朝制定の法への変遷を辿るとともに、チベット大活仏の領民に適用された法の実態を解明し清末における民族自治の側面を指摘、更にはモンゴルにおける文書書式の特徴と来源を、中国史上を遡り探索する。清朝の国家構造や新疆・チベットとの関係を考える上でも意義深い業績。訳註篇からは遊牧民の日常生活が手にとるように伝わり、今後の社会史研究にも寄与しよう。 【目次より】 凡例 はじめに 目次 第1部 研究篇 第1章 清代モンゴルにおける裁判制度研究の意義と課題 第2章 刑事裁判の事例と清朝蒙古例の実効性 第3章 ハルハジロムから清朝蒙古例への推移 第4章 イフシャビに対する法律の適用 第5章 裁判文書の書式とその来源 終章 結論 付章 清代内蒙古帰化城トゥメト旗の公文書について 第2部 訳註篇 凡例 1 オンボフの事件に関する裁判文書 2 ダシジドの事件に関する裁判文書 3 ラマロプサンの事件に関する裁判文書 4 オドセルとナワーンの事件に関する裁判文書 5 ザガスター氏紹介の裁判文書 主要参考文献 清代モンゴルの概略図 清代モンゴルの法律関係年表 語彙索引 英文目次・要約 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 萩原 守 1957年生まれ。東洋史学者。神戸大学国際文化学部教授。大阪大学文学部卒業、同大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専門は、東洋史学、東洋法制史。 著書に、『清代モンゴルの裁判と裁判文書』『体感するモンゴル現代史』(『中国法制史-』(共著)などがある。
  • イスラーム家族法 婚姻・親子・親族
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 独特の規定から成るイスラーム法の世界をもっとも色濃く写し出す家族法の領域に焦点を当てた、本邦初の体系的概説書。イスラーム最大宗派・スンナ派の四法学派の家族法を網羅的に紹介、詳細に比較検討した本書は、イスラーム社会を理解するうえでの必読文献となろう。第13回尾中郁夫・家族法学術奨励賞受賞。 【目次より】 はじめに 序論 第1章 婚姻 第1節 総論 第2節 婚姻の成立 第1項 求婚 第2項 契約当事者と婚姻締結の態様 第3項 契約に関わる条件 第4項 証人の立会い 第5項 婚姻障害 第6項 確定要件 第3節 無効な婚姻 第1項 曖昧性の法理 第2項 婚姻の無効の定義 第3項 無効な婚姻の効果 第4項 効力未定の婚姻 第4節 婚資 第1項 婚資の性質 第2項 婚資の設定・条件・相場額 第3項 婚資債権の発生・確定と履行 第5節 扶養請求権その他の妻の権利 第1項 扶養請求権 第2項 住居の手当て 第3項 夫が妻の許で時を過ごすことを求める権利 第6節 夫の権利 第2章 婚姻の解消 第1節 主体から見た婚姻解消の分類 第2節 態様から見た婚姻解消の分類 第1項 各学派における各婚姻解消の態様 第2項 取消可能な離婚と取消不能な離婚 第3項 婚姻解消の形式または原因とその態様の対照表 第3節 待婚期間 第1項 定義と期間の計算 第2項 待婚期間中の夫婦間の権利義務関係 第3項 待婚期間に服する女性の婚姻や性交 第4節 婚姻解消のさまざまな形式 第1項 一方的離婚 第2項 イーラー離婚 第3項 背中離婚 第4項 委任による一方的離婚権の行使等 第5項 身請離婚 第6項 仲裁による離婚 第7項 選択権の行使による婚姻の解消 第8項 呪詛の審判による婚姻の解消 第9項 後発的無効原因の発生 第10項 約款違反を理由とする婚姻の解消 第11項 夫婦の一方の死 第3章 親子・親族 第1節 親子関係 第1項 子 第2項 養子 第3項 棄児 第4項 女奴隷の子の父性の推定とその身分 第5項 保護関係 第2節 授乳 第3節 監護 第1項 監護権の性質 誰の権利か 第2項 監護権者の範囲と就任の順位 第3項 監護期間の終了と爾後の子の住所 第4節 扶養 第1項 総則 第2項 ハナフィー派 第3項 マーリク派 第4項 シャーフィイー派 第5項 ハンバル派 第6項 婚姻の斡旋 第7項 奴隷と動物の扶養 第5節 財産後見 第1項 禁治産制度の概容 第2項 財産後見 注 文献目録 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 柳橋 博之 1958年生まれ。東洋史学者。東京大学大学院人文社会系研究科教授。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科修士課程修了、同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。専門は、法制史、イスラーム法。 著書に、『現代ムスリム家族法』『イスラーム財産法の成立と変容』『イスラーム家族法』『イスラーム財産法』『イスラーム 知の遺産』(編)などがある。
  • ディズニープリンセス はるのおはなし ディズニーゴールド絵本
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界中の女子をとりこにする、ディズニープリンセス。 今作は、季節にちなんだそれぞれのプリンセスのストーリーを集めたオムニバスタイプの絵本です。 様々なプリンセスが登場するので、子どもが夢中になるお話ばかりです。 ●主な内容 ・がんばりやさんのティアナは、パレードのためのフロートに飾りをつけようとして…? ・初めて塔の外に出たラプンツェル、彼女の目に映った春の光景とは? ・シンデレラが春のパーティーを開くことにしたけれど…? ・オーロラ姫は、仲良しの白鳥の子供を探してあげることになって…? 春にぴったりの、心温まるお話4編を収録です。 対象:2歳から4歳くらいまで フルカラー 本文16ページ ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 開化奇譚集 明治伏魔殿
    値引きあり
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    1巻1,094円 (税込)
    歴史の大きな変わり目には、社会は流動化し、人間関係にも平時には起こりえず、想像もつかない変動が生じる。そんなときにひょっこり生まれる人びとの予想外の取り合わせは、貴重な“歴史の偶然”として現出するが、多くの場合たちまち短命に消え失せてしまい、人びとに記憶されず、ましてや記録として書き残されることもない。わたし筆者(わたし)がこれから書こうとしている物語は、ことによったら歴史の流れを異なる水路に導いたかもしれないひとつのエピソードである(「明治天皇の馭者」より)。 文明とは、ある可能性の粉砕であり、開化とは、挫折した夢と怨みの上に咲いた花である。新時代の到来に必然はない。ありえたかもしれない未来と希望のもつれを解きほぐす、5つのネオフィクションの試みが見せる光景とは?
  • ママがブタになった日
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    とつぜん、ママがブタになってしまった。ママが飲んでるダイエットのサプリには、こんな注意書きが──副作用:飲んでからすぐ横になって、ブタになるケースが多数、報告されています──。どうやらママは、このサプリを飲んですぐ横になったから、ブタになってしまったらしい! どうやったら、ママを人間に戻すことができるんだろう……? わらいたっぷり、ユーモアいっぱいの痛快ストーリー! みんなのママは、食べて横になったりしていない? もし、そうなら、ブタになっちゃうかも? ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • おはなしSDGs 人や国の不平等をなくそう 明日香さんは負けない
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    1巻1,210円 (税込)
    【物語の概要】 大好きなお兄ちゃんが連れてきた婚約者、明日香さんは車椅子に乗っていた。笑顔が素敵な人だけど、でもどうして……?とつい思ってしまった奈美。やがて奈美は明日香さんが取り組む「障がい者アート支援」や「ジョブコーチ」などの仕事を知ることに。 【シリーズ「おはなしSDGs」の特色】 ・各児童文学賞受賞作家やベストセラー作家など、現代を代表する一流童話作家の書き下ろし作品です。「物語の楽しさ」を第一に書かれた作品は、どの一冊をとっても、すぐれた児童小説として楽しむことができます。 ・実力のあるイラストレーターによる挿絵が多数掲載され、確実に物語を読み通す手助けとなります。 ・各巻とも、SDGsが掲げる17のゴールのうちの一つがテーマとなっており、いま世界が協力してその目標に向かわなくてはならない理由が自然と理解できるストーリーが展開されます。 ・本文中に、物語とリンクさせるかたちで、関連する図表、グラフ、年表などが入ります。さらに、各巻の巻末で、テーマとしたSDGsのゴールについてくわしく解説しますので、テーマ学習の教材としても使用できます。 ・SDGs全体について解説する「総論編」も刊行します。さまざまなゴールをテーマにした物語と、「総論編」を併読することで、SDGsについての理解がさらに深まるように設計されています。 ・80ページ(一部カラー)。朝読書にもぴったりのボリュームです。 【シリーズ「おはなしSDGs」のラインナップ】 総論SDGsとは何か(那須田淳)/貧困をなくそう(安田夏菜)/ジェンダー平等を実現しよう(戸森しるこ)/安全な水とトイレを世界中に(石崎洋司)/エネルギーをみんなにそしてクリーンに(森川成美)/つくる責任つかう責任(小林深雪)/気候変動に具体的な対策を(楠木誠一郎)/海の豊かさを守ろう(佐藤まどか)/陸の豊かさも守ろう(吉野万理子)/平和と公正をすべての人に(小手鞠るい)

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