SF・ファンタジー - 創元SF文庫作品一覧

  • わたしの本当の子どもたち
    4.4
    もしあのとき、別の選択をしていたら? パトリシアの人生は、若き日の決断を境にふたつに分岐した。並行して語られるふたつの世界で、彼女はまったく異なる道を歩んでゆく。歴史の歩みも違うそれぞれの世界で出逢う、まったく別の喜び、悲しみ、そして彼女の子どもたち。老境に至り人生をふり返る彼女は、ふたとおりの記憶の狭間で、自分に問いかける――はたして、どちらが“真実”なのだろうか? 『図書室の魔法』と《ファージング》三部作の著者が贈る、感動の幻想小説。全米図書館協会RUSA賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞作。/解説=渡邊利道
  • 旋舞の千年都市 上
    3.0
    ナノテク革命と低炭素経済がもたらす活況に沸く巨大都市。突如起こった、犠牲者ゼロの奇妙な自爆テロの真相とは? ボットを操り、テロ現場にいた謎のドローンを追う探偵志望の少年、AIが飛び交う国際金融市場に一大詐欺をしかけるトレーダー、革命的ナノテク技術の研究者と出会った新米マーケッター、伝説の「蜜人」を探す美術商……東洋と西洋、過去と未来、科学と神秘が混じりあう千年都市を舞台に描かれる、緻密にして壮大な未来世界のリアルなヴィジョン。キャンベル記念賞と英国SF協会賞をダブル受賞した、至近未来SFの傑作登場!
  • ガンメタル・ゴースト
    3.0
    第二次世界大戦中、英空軍で活躍する不死身のエース・パイロット“高射砲(アクアク)”マカーク。隻眼、葉巻と二丁拳銃がトレードマークの彼はある日、禁断の真実を知る――本当の彼は仮想空間に囚われた、人ならぬ存在だったのだ! 西暦2059年の世界で目覚めたマカークは、彼を救出した若き皇太子メロヴィクや人工脳を装着した元記者ヴィクトリアらとともに、三人を陥れた謎の集団を追う。彼らは仮想現実と人格移植研究に潜む陰謀を暴き、地球と火星に迫る危機を阻止できるのか? 英国SF協会賞を『叛逆航路』と同時受賞した拡張現実SFの傑作登場!
  • 叛逆航路
    4.1
    はるかな未来。強大な専制国家ラドチは人類宇宙を侵略・併呑して版図を広げていた。その主力となるのは宇宙艦隊と、艦のAI人格を数千人の肉体に転写して共有する生体兵器“属躰(アンシラリー)”である――。“わたし”は宇宙戦艦のAIだったが、最後の任務で裏切りに遭い、艦も大切な人も失ってしまう。ただ一人の属躰となって生き延びた“わたし”は復讐を誓い、極寒の辺境惑星に降り立つ……。デビュー長編にしてヒューゴー賞、ネビュラ賞、クラーク賞など、『ニューロマンサー』を超える史上初の英米7冠を制覇。本格宇宙SFのニュー・スタンダード登場!/解説=渡邊利道
  • 海王星市から来た男/縹渺譚
    5.0
    現代日本SFの黎明期に、いちはやく長編『光の塔』を発表し、その後も無尽の博識と自在な語り口でSF界に存在感を示した天才作家・今日泊亜蘭。奇妙な発端が思いもよらぬスケールの展開を見せる中・短品群の中でも、「縹渺譚(へをべをたむ)」「深森譚(しむしむたむ)」の連作は白眉である。片田舎の孤児が思い出の女性との再会を求めさすらう物語は、今日泊の空前の演出のもと、読者に忘れがたい余韻と感動をもたらすだろう。代表的な作品集2冊を合冊し、さらに書籍初収録となる2編を加えて贈る。【収録作】「ムムシュ王の墓」「奇妙な戦争」「海王星市から来た男」「綺幻燈玻璃繪噺」「縹渺譚――大利根絮二郎の奇妙な身ノ上話――」「深森譚――流山霧太郎の妖しき伝説――」「浮間の桜 怪賊緋の鷹物語」「笑わぬ目」「いはゆる「あとがき」について(『縹渺譚』あとがき=今日泊亜蘭)」「今日泊さんのこと(巻末エッセイ=山田正紀)」/編者解説=日下三蔵
  • 墓標都市
    3.7
    旧文明を滅ぼした〈大惨事〉から数百年。多くの人々は地上を嫌い、各地に巨大な地下都市国家を築いて暮らしていた。その一つ、ヴィクトリア朝風の階級社会が栄えるリコレッタでは、失われた過去の知識は重大なタブーとされ、政府に厳しく管理されている。そんな中、〈プロメテウス〉なる謎の計画に携わる歴史学者が何者かに殺された。女性捜査官マローンは新米の相棒とともに捜査を始めるが、上層部から妨害が入る。一方、貴族社会の裏側に出入りする洗濯娘ジェーンは殺人現場に遭遇し、謎めいた男アルノーと出会って事件に巻き込まれてゆく……。
  • 造物主の選択
    4.1
    人類が初めて出会った異星種族は、なんと意識を持ち自己複製する機械生命だった。しかも彼らは、土星最大の衛星タイタンで文明を栄えさせ、地球の中世西欧そっくりに暮らしていたのだ。人類の派遣団との接触により、新たな社会的統合に向けて進みはじめた機械人たちだったが……最大の謎が残されていた。彼らの創造主とはいったい何物なのか? 機械人たちとのコンタクトを成功させた、天下無敵の心霊術師ザンベンドルフとそのスタッフがふたたび立ち上がる! 『造物主の掟』につづく本格SF巨編登場!!/解説=牧眞司
  • 造物主の掟
    4.4
    およそ100万年の昔、異星の自動工場宇宙船がはからずも新星爆発を起こした星をかすめ過ぎた。その影響で電子回路に損傷を受けた宇宙船は、航空図にも載っていない衛星に自動工場を建設した。時は移って21世紀初頭、地球から放たれた無人探査機は、土星最大の衛星タイタンに着陸し、驚くべき映像を送ってきた。それは、異星船の機械が発達、進化したロボット生物の世界だった。さっそく調査のため有人宇宙船が赴くことになった、各人、各組織、各国の思惑を乗せて……。『星を継ぐもの』を超える、これがホーガンの最高傑作!!
  • 楽園炎上
    -
    通信技術を飛躍的に発達させた、地球を包む〈電波層〉の発見。だがその正体は、通信を操って人類を巧妙に支配する集合知性型生物だった! 真実に気づいた人びとの秘密組織は、人間と見分けのつかない擬装人間に襲撃され壊滅。それから七年、再び襲撃を受けた少女キャシーらは決死の逃避行に出る。一方、キャシーの伯父である科学者イーサンの前に現れた敵のはずの擬装人間は、意外な情報を明かす……果たして、偽りの平和と繁栄を人類に与えた侵略者たちの真の目的とは? ヒューゴー賞・星雲賞受賞『時間封鎖』の著者が放つ、戦慄の侵略SF!/解説=大野万紀
  • 量子宇宙干渉機
    3.8
    世界が再び全面戦争の危機に直面した21世紀、若き物理学者ヒュー・ブレナーらのグループは、ついに量子コンピュータの開発に成功した。この世界は唯一無二の存在ではなく、無数の世界が並行してあり、それらが相互に干渉し合うことでいかなる物事が起こるのかが決定される。ならばその“干渉”をコントロールすることで世界を救うことはできないのか?国防総省が乗り出した極秘プロジェクトの主眼はそこにあった。政府の監督下で別世界操作の研究を強いられるヒューら。眼前に自由世界への道が開いたとき……。量子力学に基づく多元宇宙ハードSF!
  • 黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選
    3.3
    SFとファンタジーの基本はセンス・オブ・ワンダーだ。そして並はずれたセンス・オブ・ワンダーを味わえるのは、超人的なヒーローが宇宙の命運をかけて銀河のかなたで恐ろしい敵と戦う物語だ(序文より)――常識を超える宇宙航行生物、謎の巨大異星構造物、銀河をまるごと吹き飛ばす超爆弾。ジャック・キャンベル、ベッキー・チェンバーズ、チャーリー・ジェーン・アンダーズら充実の執筆陣による、SFならではの圧倒的スケールで繰り広げられる冒険とアクションの物語18編を集めた、ワクワクに満ちた遊園地のような傑作アンソロジー。/【目次】序文=ジョン・ジョゼフ・アダムズ/時空の一時的困惑=チャーリー・ジェーン・アンダーズ/禅と宇宙船修理技術=トバイアス・S・バッケル/甲板員ノヴァ・ブレード、大いに歌われた経典=ベッキー・チェンバーズ/晴眼の時計職人=ヴィラル・カフタン/無限の愛=ジョゼフ・アレン・ヒル/見知らぬ神々=アダム=トロイ・カストロ&ジュディ・B・カストロ/悠久の世界の七不思議=キャロリン・M・ヨークム/俺たちは宇宙地質学者、なのに=アラン・ディーン・フォスター/黄金の人工太陽=カール・シュレイダー/明日、太陽を見て=A・マーク・ラスタッド/子どもたちを連れて過去を再訪し、レトロな移動遊園地へ行ってみよう!=ショーニン・マグワイア/竜が太陽から飛び出す時=アリエット・ド・ボダール/ダイヤモンドとワールドブレイカー=リンダ・ナガタ/カメレオンのグローブ=ユーン・ハ・リー/ポケットのなかの宇宙儀=カット・ハワード/目覚めるウロボロス=ジャック・キャンベル/迷宮航路=カメロン・ハーレイ/霜の巨人=ダン・アブネット/謝辞/解説=堺三保
  • 不死身の戦艦 銀河連邦SF傑作選
    4.2
    フォーマルハウト星系で、人類の派閥間の戦いに身を投じる「ぼく」と相棒のヤロウが遭遇した“女王”とは……(スパイリーと漂流塊の女王)金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する各種の機械装置に繋がれたヘルヴァは、優秀なサイボーグ宇宙船だった。〈中央諸世界〉に所属する彼女は銀河を翔けめぐる(還る船)―― 広大無比の銀河に版図を広げた星間国家というコンセプトは、無数の SF 作家の想像力をかき立ててきた。オースン・スコ ット・カード、アン・マキャフリーら、その精華を集めた傑作選がここに登場。/【目次】序文=ジョン・ジョゼフ・アダムズ/スパイリーと漂流塊の女王=アレステア・レナルズ/カルタゴ滅ぶべし=ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン/戦いのあとで=ロイス・マクマスター・ビジョルド/監獄惑星=ケヴィン・J・アンダースン&ダグ・ビースン/不死身の戦艦=G・R・R・マーティン&ジョージ・ガスリッジ/白鳥の歌=ユーン・ハ・リー/人工共生体=ロバート・シルヴァーバーグ/還る船=アン・マキャフリー/愛しきわが仔=メアリー・ローゼンブラム/巨人の肩の上で=ロバート・J・ソウヤー/囚われのメイザー=オースン・スコット・カード/文化保存管理者=ジェレミア・トルバート/ジョーダンへの手紙=アレン・スティール/エスカーラ=トレント・ハーゲンレイダー/星間集団意識体の婚活=ジェイムズ・アラン・ガードナー/ゴルバッシュ、あるいはワイン-血-戦争-挽歌=キャサリン・M・ヴァレンテ/謝辞/解説=大野万紀/訳者紹介
  • シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選
    NEW
    -
    人新世とは、「人間の活動が地球環境に影響を及ぼし、それが明確な地質年代を構成していると考えられる時代」、すなわちまさに現代のことである。パンデミック、世界的な経済格差、人権問題、資源問題、そして環境破壊や気候変動問題……未来が破滅的に思えるときこそ、サイエンス・フィクションというツールの出番だ。本書に収められた短編10編とインタビューで、不透明な未来を見通し、それが社会や家族や個人にどんな影響を与えるか、そして希望をもたらすにはどうしたらよいか、グレッグ・イーガンを始めとする気鋭の作家たちが探ってゆく。/【目次】序文――人新世におけるサイエンス・フィクション=ジョナサン・ストラーン/シリコンバレーのドローン海賊=メグ・エリソン/エグザイル・パークのどん底暮らし=テイド・トンプソン/未来のある日、西部で=ダリル・グレゴリイ/クライシス・アクターズ=グレッグ・イーガン/潮のさすとき=サラ・ゲイリー/お月さまをきみに=ジャスティナ・ロブソン/菌の歌=陳楸帆(チェン・チウファン)/〈軍団(レギオン)〉=マルカ・オールダー/渡し守=サード・Z・フセイン/嵐のあと=ジェイムズ・ブラッドレー/資本主義よりも科学――キム・スタンリー・ロビンスンは希望が必須と考えている=ジェイムズ・ブラッドレー/謝辞=ジョナサン・ストラーン/解説=渡邊利道/編者紹介/訳者紹介
  • ロボット・アップライジング AIロボット反乱SF傑作選
    3.0
    人類よ、恐怖せよ――進化を続けるAIやロボットは猛烈な勢いで現代文明に浸透しつつあるが、もしもそれらがくびきを逃れ、反旗を翻したら? 『フランケンシュタイン』から『2001年宇宙の旅』『ターミネーター』『マトリックス』まで、繰り返し扱われてきた一大テーマに気鋭の作家たちが挑む。1955年にAI(人工知能)という言葉を初めて提示した伝説的科学者ジョン・マッカーシーの短編を始め、アレステア・レナルズ、イアン・マクドナルド、ヒュー・ハウイー、アーネスト・クライン、コリイ・ドクトロウらの傑作を収録したアンソロジー。/【目次】序文=ダニエル・H・ウィルソン/神コンプレックスの行方=スコット・シグラー/毎朝=チャールズ・ユウ/執行可能(エクセキユータブル)=ヒュー・ハウイー/オムニボット事件=アーネスト・クライン/時代=コリイ・ドクトロウ/〈ゴールデンアワー〉=ジュリアナ・バゴット/スリープオーバー=アレステア・レナルズ/ナノノート対ちっぽけなデスサブ=イアン・マクドナルド/死にゆく英雄たちと不滅の武勲について=ロビン・ワッサーマン/ロボットと赤ちゃん=ジョン・マッカーシー/ビロード戦争で残されたいびつなおもちゃたち=ショーニン・マグワイア/芸術家のクモ=ンネディ・オコラフォー/小さなもの=ダニエル・H・ウィルソン/謝辞/解説=渡邊利道/編者紹介/訳者紹介
  • 人類の知らない言葉
    3.8
    近未来。人類は異星文明ロジアと接触し、友好的な関係を築いていた。音声ではなくテレパシーを用いて会話する彼らロジ人との意思疎通のため、専門の通訳が養成されており、そのひとりであるリディアは、ロジア大使館の文化担当官フィッツの専属通訳を務めていた。ロジ語の通訳をつづけると酩酊に似た状態になってしまうという副作用があるのだが、あるときリディアが酩酊しているあいだに、フィッツが何者かに殺害されてしまう。重要容疑者にされたリディアは、真犯人を突きとめるべく動きはじめるが……全米図書館協会RUSA賞SF部門受賞作。/解説=渡邊利道
  • 第五の季節
    4.1
    数百年ごとに〈第五の季節〉と呼ばれる天変地異が勃発し、そのつど文明を滅ぼす歴史がくりかえされてきた超大陸スティルネス。この世界には、地殻を操り災害を抑えこむ特別な能力を持つがゆえに激しく差別され、苛酷な人生を運命づけられた“オロジェン”と呼ばれる人々がいた。そしてまた、“石喰い”と呼ばれる人間の姿をした謎の存在も。いま、未曾有の〈季節〉が到来しようとする中、息子を殺し娘を連れ去った夫を追うオロジェン・エッスンの旅がはじまる。前人未踏、3年連続で三部作すべてがヒューゴー賞長編部門受賞の破滅SF開幕編!/解説=渡邊利道
  • 創られた心 AIロボットSF傑作選
    3.8
    人工的な心や生命。ゴーレム、オートマトン、ロボット、アンドロイド、ボット、人工知能――人間ではないが人間によく似た機械、人間のために注文に応じてつくられた存在というアイディアは、はるか古代よりわたしたちを魅了しつづけてきた。そしていま、その長い歴史に連なる最新のアンソロジーがここに登場する。ケン・リュウ、ピーター・ワッツ、アレステア・レナルズ、ソフィア・サマターをはじめ、本書収録作がヒューゴー賞候補となったヴィナ・ジエミン・プラサドら期待の新鋭を含む、今日のSFにおける最高の作家陣による16の物語を収録。/【目次】われわれが必要とする「他者」をつくるということ=ジョナサン・ストラーン/働く種族のための手引き=ヴィナ・ジエミン・プラサド/生存本能=ピーター・ワッツ/エンドレス=サード・Z・フセイン/ブラザー・ライフル=ダリル・グレゴリイ/痛みのパターン=トチ・オニェブチ/アイドル=ケン・リュウ/もっと大事なこと=サラ・ピンスカー/ソニーの結合体=ピーター・F・ハミルトン/死と踊る=ジョン・チュー/人形芝居=アレステア・レナルズ/ゾウは決して忘れない=リッチ・ラーソン/翻訳者=アナリー・ニューイッツ/罪喰い=イアン・R・マクラウド/ロボットのためのおとぎ話=ソフィア・サマター/赤字の明暗法=スザンヌ・パーマー/過激化の用語集=ブルック・ボーランダー/謝辞/解説=渡邊利道
  • 女総督コーデリア
    4.3
    惑星セルギアールに女総督コーデリアが帰ってきた。年一回のグレゴール帝への報告のため、六週間前にバラヤーへ出かけていたのだ。留守を預かっていたオリバー・ジョール提督の心中は複雑だった。長年オリバーとアラールは、コーデリアも公認の恋人同士だった。アラールという存在を失った今、自分たちの関係はどうなるのだろう。だが、コーデリアの行動は彼の予想を遙かに超えていた。コーデリアは夫が遺した凍結精子と自身の凍結卵子で、娘を作ろうとしていたのだ。そして思いもかけない申し出を……。人気シリーズのその後を描いたスピンオフ。
  • 太陽の帝国
    4.0
    第二次世界大戦の波が押し寄せつつある国際都市上海。共同租界に暮らす西洋人の日常は、本格的な日本軍の侵攻によって一変した。混乱する街中で両親と離ればなれになったイギリス人少年ジムは、西洋人が連れ去られた街で遺棄された屋敷やアパルトマンを転々として生き延びようとするが、やがて日本兵に捕らえられ、龍華収容所へと送られる──〈破滅三部作〉などで知られるニュー・ウェーヴSFの旗手が、その創作活動の源となった少年期の実体験に基づき書き上げた本書は、ブッカー賞の候補となって一躍文芸界でバラードの名を高らしめた。瞠目の傑作長編を新訳決定版にて贈る。/解説=柳下毅一郎
  • 万華鏡 ブラッドベリ自選傑作集
    4.2
    隕石との衝突事故で宇宙船が破壊され、宇宙空間へ放り出された飛行士たち。時間がたつにつれ、仲間たちとの無線交信は、ひとつまたひとつと途切れゆく──永遠の名作「万華鏡」をはじめ、子供部屋がいつのまにかリアルなアフリカと化す「草原」、年に一度岬の灯台へ深海から訪れる巨大生物と青年との出会いを描いた「霧笛」など、“SFの叙情派詩人”ブラッドベリがみずから選んだ傑作短編26編を収録。天才作家の幅広い創作活動を俯瞰できる、最大にして最適の一冊。【収録作】「アンリ・マチスのポーカー・チップの目」「草原」「歓迎と別離」「メランコリイの妙薬」「鉢の底の果物」「イラ」「小ねずみ夫婦」「小さな暗殺者」「国歌演奏短距離走者」「すると岩が叫んだ」「見えない少年」「夜の邂逅」「狐と森」「骨」「たんぽぽのお酒」(「イルミネーション」「たんぽぽのお酒」「彫像」「夢見るための緑のお酒」)「万華鏡」「日と影」「刺青の男」「霧笛」「こびと」「熱にうかされて」「すばらしき白服」「やさしく雨ぞ降りしきる」
  • 完璧な夏の日(上下合本版)
    -
    1932年、突如として世界各地に現われた異能力者たち。ユーバーメンシュ――超人ともヒーローとも呼ばれる彼らは、第二次世界大戦を前に各国の情報機関や軍に徴集され、それぞれの能力を駆使して死闘を繰りひろげた。そして現在。戦時中にイギリスの情報機関に所属していたユーバーメンシュのひとりフォッグは、かつての上司と同僚に呼び出され、過去の回想をはじめる。レニングラード、ノルマンディ、ベルリン、そしてアウシュヴィッツ……やがてかれらは〈完璧な夏の日〉と呼ばれた少女にまつわる、歴史の陰に隠された事件の真相に迫ってゆく。新鋭の世界幻想文学大賞作家が放つ、最先端の“戦争×SF”。ガーディアン紙2013年ベストSF選出作。
  • 旋舞の千年都市(上下合本版)
    -
    ナノテク革命と低炭素経済がもたらす活況に沸く巨大都市。突如起こった、犠牲者ゼロの奇妙な自爆テロの真相とは? ボットを操り、テロ現場にいた謎のドローンを追う探偵志望の少年、AIが飛び交う国際金融市場に一大詐欺をしかけるトレーダー、革命的ナノテク技術の研究者と出会った新米マーケッター、伝説の「蜜人」を探す美術商……東洋と西洋、過去と未来、科学と神秘が混じりあう千年都市を舞台に描かれる、緻密にして壮大な未来世界のリアルなヴィジョン。キャンベル記念賞と英国SF協会賞をダブル受賞した、至近未来SFの傑作登場!/解説=酉島伝法

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