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Posted by ブクログ
これは読みごたえがありましたよ・・・。
三部作の第一部でありながら、細かい文字でびっしりの600ページ越え。
僕的には、若干でも文字の大きいハヤカワSF文庫で出版してほしかったかったのですが、そうも贅沢はいっていられません。
はい。
創元SF文庫さま、日本語版を出版していただきましてありがとうございました。
僕が愛用している個別にあつらえたリーディンググラスを駆使して読破しました。
あ、すみません。カッコつけました。ただの老眼鏡です(笑)。
馬鹿なことを言ってないで、レビューですね。
いや、面白かったです。
3部作の全作品がヒューゴー賞を受賞しているという本作品。しかも3年連続という快挙。
これは読むしかないでしょう。
ジャンル的にはSFなんだけど、細かくカテゴライズするならば
終末系ファンタジーSF
とでもなるのでしょうか。
本作の舞台は未来の地球。
人間の開発により荒廃した地球が人類に反旗を翻し、数十年数百年ごとに超絶な環境変化を起こし、人間の文明をその都度全滅させるという世界が舞台です。
この世界観は嫌いじゃないですね。
並大抵の想像力でこの小説を読み進めていくのは難しいです。
まあ、中世の世界に映画『マッドマックス』とコーマック・マッカシーの『ザ・ロード』の世界観をぶち込んで、そこに人類を救うであろう特殊能力をもった人間をひとつかみ放り込んだような感じといえば分かりやすいでしょうか。←全然わからないよねwww
まあ、まだ第一部ですのではっきり言って謎だらけです。
でも、3つの視点から本作は進んでいき、それがやがて統合されている手法はお見事としか言えません。
本作の著者は、女性なので女性視点で描かれた描写が多いです。非常にフェミニンな感じで男女の愛憎も描かれます。
このあたりの好みは人それぞれでしょうか。
600ページ越えでまだ物語は始まったばかり、人類は地球上で生き残ることができるのか。
手に汗握ります。
続巻はいつ発売なのだろう?
待ち遠しいですね。
Posted by ブクログ
物語が進むに連れオロジェンというオロジェニー特殊能力をもつ人種がどのくらいすごい力を持っているのがわかっていきます。そして、第五の季節という文明を滅ぼす災害が起きるのを防いだり遅らせている仕事をさせられているのにもかかわらず、彼らが生まれながら差別され、監視されているのも。オロジェンは多くを語らないというか必要なことも話さない。それは常に緊張状態にいるのもあるし、だれにも理解されない孤独のなかに存在しているからだ。彼らの心のなかに隠し持っている悲しみがものすごく伝わってきます。その対比として登場する海賊イノンの明るさ、アライアの役人アザエルのずるさのなんと人間臭いことか。
物語は娘をさがす中年の女性エッスン、フルクラムの指示でオロジェニーを使って各地で業務を行う女性サイアナイト、フルクラムでオロジェニーを制御できるように訓練を受ける少女ダマヤの話が順に語られていきます。その3つの物語が徐々に繋がっていく展開がおもしろい、ミステリー要素というほど大げさではないですが納得・腑に落ちるというかとにかくおみごとな語り方です。
そして、驚愕のラスト。都市を一瞬にして消滅させるオロジェンのちからを見せつけられる戦闘シーン。それまで静かに語られていたため余分にその力の大きさを思い知らされます。
ホアやトンキーといった魅力ある人物の謎が徐々に溶けていきます、そしてまだ残っている石喰いについての謎。フルクラムという組織がどのような意志をもっているのか。オロジェンと守護者の戦いは始まったばかりですし、隠れているオロジェンの中にはもっと巨大なオロジェニーを持っているものもいるのではないか。残り2作を読むのが本当に楽しみです。
たくさん出てくる鉱石の名前。黒曜石のナイフ。珊瑚の障害物。マシシというアクアマリンの最高級品。ガーネットのオベリスク。赤ダイヤのかけら。アレキサンドリアの原石。閃長石サイアナイト。雪花石膏アラバスター。巨大な水晶をくりぬいた地下室。翡翠と真珠貝の指輪。アメシストのオベリスク。尖晶石スピネルのオベリスク。鉱石にくわしいとより面白くかんじるかも知れません。
Posted by ブクログ
『ほかの誰もが無条件で受けている敬意を、戦い取らればならない人々に』
人として与えられるべき当然の敬意を剥奪され、虐げられ、その虐げられていること自体を地の底深くに隠蔽されし者たちの、哀しみと痛み。
世界に対する憎しみ。
それゆえ、彼らがおこなう破壊行為はみな、その状況に対する必然の抗議として、その権利を与えられねばならない。
「あんたは○○した。」と主人公に語りかけるような独特な二人称は、突き放すようでいてどこかしら優しさもこもっており、耳に心地よい。
彼女たちは、やがて選択をつきつけられることになる。それは単に「迫害の状況に抵抗するか、現状をよしとするか」という2択だけではない。
「”それ”を迫害として認識するか、しないか」「変容を望む自分自身に気づくか、気づかないままでいるか」という選択でもある。
それらの選択は、荒々しい葛藤としてではなく、切実な存在の痛みとして描かれる。
それでも立ち向かわないといけない。
ゆるされるべきでないことはやはり、ゆるされるべきではないのだから。
確固たる人権思想に基づいた力強いストーリー。
SFともファンタジーともつかない世界観も魅力的。
これは三部作一気に読みたい。
Posted by ブクログ
この卷で世界の仕組みと状況は、ある程度は分かります…。が、この世界が抱える問題は全く解決しません。そして、暗いです。(※ですが、面白いです。色々謎のピースがはまったとき、また、この巻のラストは、えーっ!と声が出てしまいました。)
続きの翻訳も出るようなので楽しみにしています。
また、多くの方が書かれているように、初めの3分の
1くらいまではかなり読みすすめるのが大変です。
サイアナイトという女性が出てくるあたりからかなり世界の状況が分かるようになります。前半は読み流すような感じで読むのがオススメです。
また、LGBTQ+に対してかなり配慮された(というか、この世界ではそうした人たちが自然に溶け込んだ)内容です。また、その他、(この物語の中の価値観におけるものですが)差別についても、表現にかなり生生しさを感じます。著者のバックボーンもあると思うのですが、かなりのリアリティがあり、自分の住む日本と海外(アメリカ)との差別に対する認識の違いに気付かされました。
文化人類学的なSFのストーリーも勿論面白いのですが、私達はもっと差別から自由になってもいいと感じさせられる内容です。興味を持たれた方は是非ご一読を!
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