歴史・時代 - 光文社文庫作品一覧

  • 義弘敗走~慶長風雲録~
    -
    徳川家康が会津征伐で大坂を留守にするや、石田三成は即座に挙兵した。家康は討伐のため、急遽(きゅうきょ)西進する。日本六十余州の諸侯が東軍西軍に別れて、自身と家を賭けた天下分け目の一大決戦。家康の裏切り工作と、暗躍する忍びの群れ。やがて、小早川秀秋らの裏切りで戦況は一変、西軍は総崩れとなった。薩摩の島津義弘隊は、玉砕覚悟の敵前突破を敢行するが……。
  • 隠密目付疾る~一橋慶喜隠密帳~
    4.0
    嘉永七年。一橋慶喜の命(めい)を受け、隠密目付となった東郷征次郎。彼は耳目(じもく)の千安(せんやす)をつれ、一橋領内の一軒家で、不法な占拠を行う盗賊始末に乗り出した。押し込み、輪姦と暴虐の限りを尽くす悪漢を倒す必殺の示現流。やがて追いつめられた彼らは、浪人や刺客集団を金で傭い、征次郎暗殺を試みるが……。『裏お庭番』『賞金首』の著者が描く、新シリーズ。
  • 巴(ともえ)御前(一)
    4.5
    源平の昔、今より、八百年以上も前に、本邦随一の美貌の女武者が存在した。この本は、正室の座よりも愛一筋に生きようと共に戦場を駆けめぐった女性の、愛と武勇に生きた絢爛(けんらん)華麗な物語である。〈全三巻〉
  • 一休闇物語
    3.0
    なまめかしい肢体で男の精気を吸う妖女、高僧だけを喰らう妖物、尊氏(たかうじ)ゆかりの凶鳥(まがとり)……さまざまな怪異と遭いつつ、地獄さながらの世を行く一休宗純(そうじゅん)。旅を経て寺に戻った一休は、師・華叟宗曇(かそうそうどん)の危篤を知る。そんな宗曇の病床に妖怪が現われ、誰彼かまわず人間の影を食いはじめた!(「影わに」)一休はなぜ旅をするのか!? 膨大な史料と想像力が生んだ連作小説。
  • 一休暗夜行
    3.5
    「ほしみる」を探しだし焼き尽くせ──謎の言葉を遺し足利義満は死去した。放置すれば天下を逆(さか)しまにするという「ほしみる」の正体、そして在り処は? かくして、四代将軍・義持が、母親を人質にしてまで、その探索に遣わしたのは……誰あろう、主人公・一休宗純。だが、さまざまな怪異、苦難が、一休の前途を阻むのであった!──面白さ比類なし。朝松健の自信作!
  • 死笛 隠目付江戸日記(一)
    3.0
    息子に家督(かとく)を譲り隠居状態の駿河国・江崎藩元藩士・海野洋之介(かいのようのすけ)のところに、人殺しの知らせが。殺されたのは江崎藩の藩士。しかも、喉元を一文字に切り裂くという手練れの仕業だった。藩から隠目付を依頼された甲源一刀流(こうげんいっとうりゅう)の達人・洋之介の前に、次第に藩を揺るがす大きな疑獄が浮き彫りになってきた――。人気時代小説作家・鳥羽亮が満を持して放つ新シリーズ。
  • 多国籍銀行事件
    -
    三愛銀行外国部の次長・伊沢有二は三十代の若さでシンガポール支店長に抜擢された。意気は大いに上がったが、そこは世界のトップバンクのマネー戦争の修羅場だった。しかもソ連のクレムリン銀行がアジア・ダラーを狙う戦略を立てている。人事の裏には政財界の思惑もあった。銀行マンならではの視点で描く国際経済小説!
  • 町奴奔る~真説・徳川実紀~
    -
    島原の乱は本当に天主教徒の反乱だったのか? 幡随院長兵衛(はんずいいんちょうべえ)殺害の真相は? 油井正雪(ゆいしょうせつ)らは幕府転覆を図っていたのか? 騒乱の徳川初世、数々の大事件に翻弄されつつ、頑愚なまでに素朴な心を持ち続けた町奴・夢の市郎兵衛。公儀の非情さに打ちのめされた彼が渦中で見た真実とは──! 正史『徳川実紀』に隠された矛盾へ、大胆な新説で迫る刮目(かつもく)の傑作歴史長編!
  • でんぐり侍
    -
    三年越しの大飢饉がつづく奥州から江戸に出てきた男は、珍商売を転々とするなかで幸運にも大店(おおだな)の婿養子となる(「けつめど」)。将軍の密命で越後新発田藩(えちごしばたはん)に潜入した御庭番がする帰着後の復命の中味とは(「おんみつ侍」)。女嫌いで有名な武士が、三歳の童女に惚れ、許婚(いいなずけ)の約定を交わして十三年待ったが(「おどろ」)。ユーモアと風刺の効いた傑作集。全九編!
  • 平賀源内おんな秘図
    -
    江戸時代中期の本草(ほんぞう)学者・発明家にして、戯作(げさく)者・平賀源内。その旺盛な探求心は、女体の“からくり”にも向けられていた。“興味”を抱いた女性と、あれこれ知恵を絞り、奇抜な手だてを講じては逢瀬を重ねる。海女(あま)の姉妹、物産展で見初めた薬種商の女将(おかみ)、オランダ商館長の青い瞳の娘……。奇才の波乱に満ちた生涯を、女性遍歴から活写する異色作!!
  • からくり東海道
    3.3
    天保十年正月。尾張藩江戸下屋敷で余興を演じた角兵衛獅子のみつと文吉は、屋敷の庭に“宿場町”が造られているのを見た。十年後、文吉は、小田原宿でたかと名を改めたみつと再会。美少年を引きつれ、悪事を働くたかと手を組む文吉。三人は、箱根山中に眠るという大久保長安の埋蔵金を狙うが……。奇抜な発想、幾重にも仕掛けを絡ませた痛快時代ミステリー。
  • 花のお江戸は闇となる~真説・徳川実紀~
    4.0
    生類憐(しょうるいあわれ)みの令で民を苦しめ続けた五代将軍・綱吉。江戸は地獄と化し、人々は“花のお江戸は闇となる”と歌った。後に六代将軍・家宣となる綱豊は、将軍の座を巡る争いの波にもまれて育った。千姫(せんひめ)の遺愛を受け、新井白石の知を学び成長した綱豊は、やがて思慮深い人物に。ついには“正徳(しょうとく)のご治世”と呼ばれる善政の花を咲かせる。「理想の政(まつりごと)とは」を問う傑作!
  • 宮本武蔵~幻談 二天光芒~
    -
    歌人・斎藤茂吉は洋行(ようこう)の途次(とじ)、巌流島に渡った。生涯六十余度の決闘で不敗を誇った宮本武蔵は、本当に強かったのか? 帰国後、茂吉は誌上で菊池寛と“宮本武蔵論争”を展開する。それがやがて、「武蔵名人説」を唱える菊池と「非名人説」に立つ直木三十五(なおきさんじゅうご)との激しい論争へと発展していく。――本書は、今まで誰も読んだことのない、武蔵をめぐる物語である。
  • 日本潰滅
    2.0
    朝鮮半島で起きた南北の戦いは、米ソの全面参戦により、第三次世界全面核戦争へと発展していった。やむなく参戦した日本は、ソ連の凄まじいミサイル攻撃や、高性能を誇るソ連機の大編隊と激しく渡り合う。しだいに、全国のレーダー基地や軍事施設が木っ端微塵に破壊されて……。全力投球の近未来スペクタクル会心作!
  • もうひとつの忠臣蔵
    -
    元禄十三年歳末、佐賀鍋島藩で葉隠(はがくれ)武士の恥辱を晴らす「ふつうでない」仇討ち事件が起こる。討ち取られたのは長崎を実質的に支配していた商人。討ったのは、深堀家の老武士。その顛末はのちの赤穂浪士の吉良邸への討ち入りに活(い)かされたという(「長崎の忠臣蔵」)。おのれの大事なものを捨てきれずに不器用に生きる人々を見つめた、珠玉の傑作時代小説集。
  • 川柳侍
    -
    泰平(たいへい)の世に、江戸庶民の間で隆盛を見せる川柳(万句合(まんくあわせ))。ユーモラスな中にも皮肉や風刺(ふうし)が効いた川柳に、大名家の御隠居までが熱を上げている。その殿様に生命の危機が!? 奸臣から殿様を救えと公事師(くじし)、職人、無宿人と、身分を越えた川柳仲間が頭を捻(ひね)る。が、さらに予期せぬ第二の出来事が……。ユーモアと哀感、そして人情味溢れる江戸っ子の人生模様!
  • 青い目の旗本 ジョゼフ按針(一)~衣笠の姫~
    4.0
    徳川家康が重用したイギリス人三浦按針(ウイリアム・アダムス)を父に、日本人を母にもつ三浦ジョゼフ按針。父亡き後、旗本の地位と領地、朱印状を継いだ。ある日、嵐により持ち船が難破、三浦半島に漂着したジョゼフは、その地を治める衣笠藩のお家騒動に巻き込まれる。背後にはジョゼフを追い落とそうとする老中の陰謀が……。破天荒な旗本の活躍を圧倒的スケールで描く、新たなる時代活劇!
  • あられ雪~人情処 深川やぶ浪~
    3.0
    うまい蕎麦(そば)を出すと評判の深川黒江町(くろえちょう)「やぶ浪」のあるじ浪介(なみすけ)は、元武士。わけあって蕎麦打ち職人となり、女房のおぎんと、小体(こてい)な角見世(かどみせ)を切り盛りしている。なじみの客に道場仲間だった同心や北町奉行がいることから、今日も事件が持ち込まれて……。情に厚い浪介は、仕事の合間の調べで、粋な解決へと導いてゆく。切なくも温かい時代小説の傑作が、ここに誕生!
  • 天魔の乱
    -
    天文三年、尾張織田家に男児が誕生した。幼名を吉法師(信長)。十四歳で初陣の後、うつけを演じながら異能を発揮し、人外の化生としての一端をみせる。父・信秀の死後、織田一族の抗争が激化。信長は弟・信行を謀殺して尾張を統一する。やがて尾張を狙う駿河の大守・今川義元の大軍勢が侵攻してきた……。歴史の闇に閉ざされた信長像に、新解釈で挑む異色時代長編!
  • 柳生秘帖(上)
    -
    神君・徳川家康の遺品、名刀・三池典太が、何者かに盗まれた。能楽宗家の嫡男にして柳生流の使い手・金春七郎は、名刀の行方と不穏な天下の形勢を探る旅に出る。家光の世にして、未だ基礎の固まらぬ徳川幕府。御三家でありながら将軍位に野心を抱く紀州の徳川頼宣。その頼宣の周辺には、天下転覆を謀る由井正雪や、柿色の衣姿の山伏たちが……。
  • 蜂須賀小六(一)~草賊の章~
    5.0
    群雄割拠する濃尾の地に、頭角を現わした草賊・蜂須賀小六。いずれの勢力にも属さず、乱世を生き抜き東奔西走する小六父子が、秀吉を擁して天下取りの舞台で活躍する姿を描いた戦国歴史ロマン。〈全3巻〉
  • ひよりみ法師
    -
    浮気調査を依頼された〈壽屋(ことぶきや)〉の蒼生(あおい)。それを邪魔するように現れた老忍者は、大胆にも素顔と名前を明かして宣戦布告した。彼の真意は何なのか。そして、御城の家臣たちを次々に襲う不気味な突然死。五種類の薫りを操る〈日和見法師〉とは? 三仏の力を持つ明星天子とは何者なのか? 葵十手に迫る危険な罠。艶やかな薫りに彩られて、華麗な技が炸裂する!
  • まろばし牡丹
    -
    仲人(なこうど)かか・蒼生(あおい)が縁を取り持った御家人の妻・百合が、突如失踪した。懸命に行方を探す蒼生と相棒の真琴(まこと)たちは、大川の底に沈められた百合を発見する。遺体を引き揚げようとしたその時、妖しい大蛇が蒼生を急襲した! 事件の陰に蠢(うごめ)くのは〈忍非人(しびと)衆〉の刺客。謎の秘術〈転(まろばし)牡丹〉とは? 大好評、葵十手が悪を討つ!
  • 深雪の剣
    3.0
    江戸・根津権現の門前町。辻番所に集う三人の漢(おとこ)、留蔵、田部伊織、辻風弥十郎は、闇の内に悪を仕置きし、修羅場を潜り抜けてきた。郷里の元同士の追手をくらました弥十郎は、老練の剣客、久能新八の道場へ通い出していた。白熱する師弟の組太刀。ところが、久能を仇と狙う侍が現れて……(寒稽古)。水練を体得した弥十郎を巡る新たな展開。好評時代中編集。
  • 悪滅の剣
    -
    江戸市中の庶民をいたぶる悪党を、人知れず闇に葬る裏稼業。辻番所の老爺・留蔵(とめぞう)と辻謡曲の浪人・田部伊織(たべいおり)に、新たな仲間・辻風弥十郎が加わった。皐月、大川の川開きを心待ちにする留蔵を、旧知の陸尺(ろくしゃく)が訪れる。若い花火師を守ってほしいという。昨年も川開きを前に花火師が行方(ゆきかた)知れずになっていた(夢花火)。峻烈な剣戟、情緒あふれる江戸の風物詩。好評シリーズ中編集。
  • 連合艦隊 大挽歌~新・太平洋戦記11~
    4.0
    武蔵、瑞鶴は、容赦ない敵の砲弾、魚雷を受け、すでにその姿を海中に消していた。そしてついに、連合艦隊の象徴と謳われた大和が、フィリピン海溝にゆっくりと沈んでいった。ここに、77年の歴史を誇る連合艦隊が消滅した。祖国のため、勇敢に散っていった英霊たちへの聖なる挽歌は、半世紀余ののちのわたしたち日本人の耳に、今も聞こえてくるはずだ。
  • 連合艦隊 大死闘~新・太平洋戦記7~
    -
    大和、武蔵ともに深傷を負い連合艦隊の行く手に暗雲が立ち込める。そんなとき、思わぬ獲物が向こうから飛び込んできた。暗号解読のミスから、マッカーサー大将の乗機B‐117が、零戦隊の真っ只中に迷い込んできたのだ。護衛のP‐38と零戦隊の激闘数刻、マッカーサー機はついに火を噴き、やがて、サンゴ海の海中へ姿を消した。劣勢挽回となるか、第7弾!
  • 連合艦隊 大奇襲~新・太平洋戦記1~
    -
    昭和16年12月8日、太平洋戦争の幕は開いた。猛将ハルゼー中将の米機動部隊は、小沢治三郎中将指揮の第一航空艦隊に挑む。だが、零戦を先兵とする帝国連合艦隊の前に、米艦船は海の藻屑と消えた。山本五十六大将率いる連合艦隊は、いまや太平洋の覇者であった。劣勢を覆すべく、秘策を受けた米機動部隊は犬吠埼沖に忍び寄る……。海戦大作第一巻。
  • 安倍晴明・怪
    3.7
    超人的能力で平安京の政事(まつりごと)まで左右した陰陽師・安倍晴明。時の実力者・藤原道長の邸で盛大なる宴がひらかれた夜のこと。みな、桜梅少将こと藤原敦道の舞いと美貌に見惚れていたが……。ひとり晴明は面妖な気を察知した! 夜な夜な敦道の精気を奪う楓子(ふうこ)姫の正体は!? 紫式部ら歴史上の人物、晴明のライバル蘆屋(あしや)道満、そして魑魅魍魎が京(みやこ)に描く絢爛絵巻!
  • 連合艦隊大激闘~新・太平洋戦記4~
    -
    「餓島」と呼ばれたガダルカナル島の争奪戦が始まった。日本軍の総攻撃に対し、米海兵隊はあらゆる兵器を使って応戦。日本兵は戦友の屍を乗り越え、鬼神の如く突撃。その、人とは思えぬ形相に、米海兵隊員たちも恐怖の叫びを上げる。陸軍の辻政信参謀に直訴された山本五十六長官は、大和、金剛、榛名などの強力戦艦群の出動を決意。遂に大和の46センチ砲が火を噴く!
  • 弥太郎笠
    -
    通り名が、“日本差(りゃんこ)”の弥太郎。跳ねッ返りそうな小気(こき)のきいたやくざ渡世の旅烏(たびがらす)。そんな弥太郎が惚れた娘のために上州松井田宿で一暴れ(表題作より)。他に「次郎太川止め」など、計五編を収めた、痛快股旅(またたび)小説集!
  • 大奥梟秘帖
    -
    徳川十代将軍家治の暗殺事件を惹起した田沼意次。彼が権勢を誇る時代の賄賂と毒殺による、血にまみれた大奥の陰謀。それを察知した尼僧お庭番衆VS田沼一族、さらに大奥老女との暗闘。将軍と大奥女性との房中秘事や、世継ぎ誕生のからくりを記した『大奥梟秘帖』をめぐって、男と女が闘う狂乱の花模様。官能伝奇ロマンの極致を描く、尼僧お庭番シリーズ、遂に完結!
  • 龍馬の姉・乙女
    3.0
    安政四年。坂本のお仁王さまといわれた乙女が、藩医・岡上(おかのうえ)家の新甫(しんすけ)に嫁いだ。絵を描き、長刀(なぎなた)を使う大女の乙女と小男の新甫は、まさに蚤(のみ)の夫婦。長男・赦太郎(しゃたろう)も生まれ、姑とも上手くいっていた。ところが、長姉の突然の死、弟・龍馬の脱藩、さらには夫の不倫が発覚し、俄に乙女の身辺に変化が生じてきた。――龍馬の姉・乙女の実像。他一編収録。
  • 連合艦隊 大血戦~新・太平洋戦記9~
    -
    昭和19年3月に始まった、日本陸軍のインパール作戦は、飢餓地獄のなか、敵軍の猛反撃に遭い、悲惨をきわめていた。一方、海軍は、マリアナ沖海戦に最後の望みを託す。圧倒的に数で勝るF6Fに、新型戦闘機・紫電改が挑む。近藤連合艦隊司令長官は、指揮をとる小沢長官に、“皇国の興廃この一戦にあり”と打電。この戦いの帰趨が勝敗を決する!
  • 連合艦隊 大危機~新・太平洋戦記8~
    -
    幽鬼のような日本兵たちは、銃剣をつけた小銃や刀だけで、重器と迫撃砲が並ぶ米軍陣地へ突撃していった。地獄の阿鼻叫喚のうちに、タラワ戦は終わった。かくして敵は、マリアナへと歩を進める。時を同じくして、連合艦隊も赤城と加賀はすでに失く、蒼龍と飛龍をいま失い、瑞鶴は満身創痍、残る正規空母は翔鶴のみで、暗雲漂いはじめる……。日本軍、大危機からの脱出は?
  • 連合艦隊 大攻略~新・太平洋戦記6~
    -
    日米凄絶戦の末、ガ島には日本の軍旗が翻った。米軍はガ島を迂回しながらミッドウェイを奪回し、中部ソロモンへ進攻を計画。一方日本軍は、ニューギニアのポートモレスビーとラビを奪取する計画を立て、大和、武蔵をも投入する大部隊を編成した。やがて前衛が激突し、米空軍の新戦術“反跳爆撃(スキップ・ボミング)”は、日本艦船を次々に撃沈していった。零戦は窮地を救えるか?
  • 連合艦隊 大奮闘~新・太平洋戦記5~
    -
    太平洋戦争におけるまさに天王山である、ガダルカナルの戦いは続いた。日本軍はこの地獄のジャングルで、敵の牙城である飛行場を目指し、マラリアに冒されながらも黙々と進んだ。だが、遅れる陸軍の進攻は、海軍との協同作戦に齟齬を来す。遊弋待機していた連合艦隊機動部隊は、敵機編隊に発見され、瑞鳳大破、山口多聞中将座乗の飛龍も被弾! 日本軍、大苦戦の第五巻。(『連合艦隊大激闘[後編]』改題)
  • 再問役事件帳~江戸の冤罪専門捜査官~
    4.0
    時は徳川10代将軍家治の治世。老中筆頭の田沼意次は、杜撰な犯罪捜査や事件の揉み消しが多発する現状を憂え、新たな役職を設置した。“冤罪”の疑いのある事件を再調査する〈再問役〉である。任に選ばれたのは中堅旗本の隠居・不破源兵衛と、御家人崩れの川野参九郎。町役人の圧力にもめげず、頑固老人と軟弱浪人の二人組が、正義のため事件の裏にある真実を暴く!
  • 修羅裁き~裏火盗罪科帖(一)~
    5.0
    微禄の旗本・結城蔵人は、上司を斬った罪で切腹する刹那、介錯人の長谷川平蔵に救われた。火付盗賊改方の平蔵は、彼に幕政建て直しの協力を請う。平蔵を補佐し「裏火盗」の長となった蔵人は、鞍馬古流の秘太刀を駆使して悪退治に乗り出す。やがて、悪徳商人と結託して私利私欲に走る幕閣の影が……。 新鋭が、文庫書下ろしで時代小説界に登場。デビュー作!
  • 女巡礼 地獄忍び
    -
    父母を探(たず)ねる幼い巡礼・お鶴は、危地(きち)を救ってくれた老忍者・鬼蔵に、女ならではの忍びの技を仕込まれる。やがて彼女は優秀な“くノ一(くのいち)”に成長。鬼蔵の命(めい)を受け、紀州藩邸に潜入。若殿・頼片(吉宗)に接近し、生命を狙うが、彼の温かい人柄に触れ、いつしか敵意も失せ、忍者の厳しい掟と女心との葛藤に悩む。密教に精通する著者が、闇の世界を描いた時代小説。
  • でれすけ忍者
    3.0
    藤森次郎(ふじもりじろう)は、陸奥国白河(むつのくにしらかわ)藩でただ一軒続く忍者の家の「養子」だ。独り忍術修行を続けるが、仲間はおらず、烏や猟師を相手に技を磨く日々。だが、その役立たずぶりから「でれすけ!」と養父に怒られることも……。藩主松平家が御三卿田安(たやす)家から跡継ぎを迎えるとの噂を聞いた次郎は仕込んだ術を総動員して、真相を探り始めるが!? 山育ちの少年忍者の成長を描く痛快作!
  • 六道捌(さば)きの龍~闇の仕置人 無頼控~
    3.5
    板前の佐吉は、裏稼業から足を洗って四年。平穏な日々に倦み始めていた。そんな折、大恩ある人物の娘で、かつて惚れあった仲のおたかに、「稼業にもどってほしい」と頼まれる。闇の仕置人の組織「六道捌き」――その内部に巣くう反逆者たちの粛清に、佐吉の力が必要だというのだ。かくして、伝説の刀役・龍が甦る! 時代小説に新風を吹き込む、大器のデビュー作。
  • 白い霧~渡り用人 片桐弦一郎控~
    4.3
    次期藩主の座をめぐる政争が幕府に発覚し、安芸津(あきつ)藩はお取り潰しとなった。江戸藩邸詰めの片桐弦一郎は、浪人となり、神田の裏長屋で暮らしている。突然の改易(かいえき)でこの世の無常、悲哀を知った弦一郎は、傭われ用人として、苦しい内情ながらも体面だけは重んじる武家屋敷の建て直しを図る。―市井(しせい)の人々の縺(もつ)れた事件を人情味豊かに始末する、傑作新シリーズ。
  • 飛騨の牙
    4.5
    ある夜、高山藩士・時雨掃部は、酔って絡む浅井嘉三を斬殺した。雁金に一尺五寸、人間業とは思えぬ斬り方に、検死をした中条小三郎は驚く。一度、人を斬ると癖になる。掃部は浪人や山賊を斬ることで快感を覚えるようになった。やがて、浅井の遠縁にあたる目付・南野主水介は、掃部暗殺に討手を差し向けるが……。斬鬼と化した男の壮絶な死闘。「牙」シリーズ第五弾!
  • 十手小町事件帳
    -
    良縁を取り持つ〈壽屋〉。その“仲人かか”は美貌の二十歳、加納蒼生(かのうあおい)。秘密の裏稼業は、探し出せないものはない〈妖(あやし)堂〉の、人呼んで“十手小町”! 実の父は時の将軍吉宗公との噂もあり、更に秘密が!? 頼もしい(?)仲間は、男装の御庭番・真琴(まこと)、そしてお銀、美弥、乙葉(おとは)の三妖娘(さんようこ)。何者かに放たれた刺客・霞の半蔵の快楽の妖術を打ち破れるか? 葵(あおい)十手が江戸に登場!
  • おぼろ隠密記 歌比丘尼ノ巻~妖し小町五~
    -
    橘華月は、陰陽道(おんみょうどう)の修練により、朧(おぼろ・霊気体)となって悪に立ち向かう幕府の隠密。謎の術師・池原雲伯が放った刺客の切り札は、歌比丘尼(うたびくに)。その歌声は、聞く者を虜にし、性の快楽に溺れさせてしまう。朧は、仲間の暁良(あきら)、拓海と、宿敵・雲伯に最後の闘いを挑むが、比丘尼の歌声に朧は……。死闘の果て、感動の結末。好評シリーズ全五巻、堂々完結。
  • おぼろ隠密記 夢歌舞伎ノ巻~妖し小町四~
    -
    和菓子の老舗・華月堂の一人娘・橘華月は、幕府の隠密。田沼意次の意をくむ術師・池原雲伯は、<忍蠱(しのびむし)>の術を操るお蝶を刺客とし、華月を狙う。お蝶の妖術師としての腕を惜しみ、「仲間」に入るよう誘う華月、その揺れる心を振り払うように術中に嵌めるお蝶。最強の敵との、哀しくも、凄絶な闘いが始まった! 大好評シリーズ第4弾!
  • おぼろ隠密記~妖し小町~
    -
    和菓子の老舗・華月堂の看板娘・橘華月は隠密だった! 吉原の花魁が、なぜか喜悦の表情を浮かべて次々に変死を遂げた。早速、仲間の宮本暁良、平賀拓海と、事件解決に乗り出した華月を待っていたものは!? 事件現場に残された謎の箱庭、妖しの術を使う陰陽師の影、さらに、田沼意次の野望……。 著者の新境地を拓く、新感覚時代小説
  • 加賀の牙
    5.0
    加賀藩士・羅宇甚八は、七十石の禄を食む軽輩だ。藩は代々、八家の合議制で成り立ち、重臣たちが牛耳る。甚八は日々、浪人を斬り女を抱くことで、退屈を紛らわしていた。そこに修羅と名乗る謎の男が出現し、藩士斬殺が相次ぐ。果たして、甚八が修羅なのか? 窮地に陥る彼に意外な人物が救いの手を……。時代小説の第一人者が渾身の筆致で描く。
  • 素浪人宮本武蔵(七)龍祥の篇
    -
    宮本武蔵は、柳生の庄に入った。剣豪の里だ。つい腕だめしをしたくなるが、撓え(竹刀)の打ち合いは遊びに等しい。武蔵は、奈良から伊賀上野へ旅立った。そのころ、佐々木小次郎は、越中・五箇山で山賊斬りをしていた。二人は、剣も強いが、女にも強い。伊賀上野で、武蔵は、鎖鎌の名手・宍戸梅軒と対決する。梅軒は敗北を知らない。危うし、武蔵! いかに戦うか?
  • 真田十勇士 巻の四
    -
    真田幸村の築いた出城「真田丸」での奮戦も空しく、家康のいつわりの和睦によって冬の陣は終わった。濠は埋めつくされ、負けいくさ覚悟の夏の陣に、幸村の抱く最後の秘策とは? 猿飛佐助は宿敵と死闘を――。
  • 真田十勇士 巻の三
    -
    ついに十番目の勇士望月六郎もそろい、十勇士の大活躍が始まった。密命を帯びて薩摩へ向かう猿飛佐助の行く手をさえぎる甲賀流忍者群。一方、家康は方広寺の鐘銘を種に、豊臣方に圧力をかける。物語白熱。
  • 萩供養~ゴミソの鐵次 調伏覚書~
    3.9
    《萬相談申し受け候》湯島の裏店にかかる看板。ゴミソの鐵次が住む貧乏長屋だ。ゴミソとは、津軽言葉で占い師のことを言うが、持ち込まれる相談は、亡魂の障りや憑物祓いが多かった。長身に長羽織、手には独鈷杵。人に仇なす亡魂を祓いつつ、かれらの悲しみや無念を背負ってやるのだ。江戸を舞台に、北の陰陽師・鐵次が魅せる妖かし調伏、痛快時代小説シリーズ第一弾!
  • 契り桜~風太郎江戸事件帖~
    4.0
    本所深川へやって来て一年。風魔一族の跡取り・風太郎も、下っ引きの仕事が板についてきた。お互い憎からず思う綾乃という娘もいる。そんなある日、風魔の抜け忍がなじみの飯屋で働き始めたのを知る。近ごろ江戸を騒がせる数々の事件は、奴の仕業なのか? 忍術を封印した風太郎におそろしい罠が迫る――。いくつもの恋が咲き、時に散る、心に沁みる江戸人情捕物帖。
  • ひやかし
    3.7
    吉原に身を売られた武士の娘おなつ。我が身の不幸を嘆くばかりで、お茶を挽(ひ)く毎日だったが、あるとき、自分を見つめる浪人がいることに気付く。毎日ただ立ち続けるだけの男のことが気になり、おなつは当てつけるかのように客をとって、売れっ妓へと変わっていく。浪人の真の目当ては!?(「素見(ひやかし)」)もの哀しくも艶(あで)やかに生きる遊女(おんな)たちの矜持(きょうじ)を活き活きと描く全五作。
  • 坊主金~評定所書役・柊左門 裏仕置(一)~
    3.7
    江戸幕府の裁判所である評定所の書役・柊左門。表向きは庶民からの訴状の始末をしているただの役人だが、裏では不採用になった中に見つけた「非道の悪」を裁く「裏仕置人」だ。御数寄屋(おすきや)坊主の道春(どうしゅん)、裏渡世に詳しい音吉(おときち)、そして神道無念流の剣客・加納紳一郎(かのうしんいちろう)も加わり、江戸の世に憚る理不尽な悪を裏で裁く。人気時代小説作家・藤井邦夫の胸のすく新シリーズ第一弾。
  • 深川まぼろし往来~素浪人鷲尾直十郎 夢想剣~
    -
    家老の命(めい)で、心ならずも友を斬った鷲尾直十郎は、故郷(くに)を捨て、江戸で無為(むい)の日々を送っていた。そんな折、風変わりな依頼が舞い込む。深川の老舗(しにせ)菓子屋の跡取りが急死したが、直十郎はその者に生き写しだという。老い先短く惚(ぼ)け始めた老父のため、替え玉を務めてほしいというのだ。店に寝泊まりするようになった直十郎だったが、やがて奇妙な出来事が起こり始めた――。
  • 夫婦十手
    3.7
    岡っ引き・七五郎(しちごろう)が無惨(むざん)な死骸(むくろ)で見つかった。一人娘のお蝶(ちょう)は仇討を誓うが、下手人は藪(やぶ)の中。父の十手を返しにいったお蝶は、南町奉行所吟味方与力から新たに十手を拝領することになった。夫となった虎三と夫婦で事件の探索に当たっていた折、七五郎惨殺事件の糸口がつかめた。そして浮かび上がった「真相」とは――。本邦初の「夫婦目明し」シリーズ第1弾登場!
  • 寺侍 市之丞
    3.3
    棚橋家の次男・市之丞は、母の使いで面会した寺社奉行・阿部正精に、ある寺の復興に手を貸すよう頼まれた。寺の名は青柳山大恩寺。精彩を欠く寺だが、策を講じて興業で復興を図ろうとする市之丞。しかし、行く手には大きな壁が。御開帳の成功を阻む敵に、天真正伝香取神道流の達人・市之丞の剣が撥ねる。大恩寺の復興は成功するのか。江戸情緒溢れる新シリーズ第1弾!
  • 前田太平記(上)雪の章
    -
    織田信長が本能寺で斃れたあと、前田利家は豊臣秀吉を立てて天下統一に向かう。〃義は君臣にして、情は朋友〃の間柄は生涯変わらず、すべての戦役に参加し、大老として政務を執る。秀吉没後も、彼は天下を窺う徳川家康の野心を抑え、幼主・秀頼を守り豊臣家のために肝胆を砕く。風雲急を告げる世に、利家に仕えて奮闘する兵法名人・富田越後守の剣が冴える。
  • 素浪人 宮本武蔵(四)〈剣鬼の篇〉
    3.0
    宮本武蔵は三人いた。各々一流の武芸者だった。その一人は年老いて名前を譲ってくれた人。もう一人が気にかかる。その武蔵が京の吉岡兵法所の総帥に挑戦状を突きつけた。引き分けた。だが、門人たちに叩き殺される。元・弁之助の武蔵は激怒した。京の一乗寺下り松にて遺恨試合となる。一人対二百人。武蔵は考えた。右手に刀、左手に鎧通しを持ち、先に叢で敵を待った。
  • 素浪人 宮本武蔵(三)〈修羅の篇〉
    -
    武蔵は江戸を離れた。憧れの小野次郎右衛門と対峙した瞬間が脳裡を去らない。450人も斬った人で、徳川家・剣術指南のひとりだ。小野は眼を閉じて武蔵の攻撃を避けた。貫禄が違う。甲州路に入った。またも女難剣難の嵐だ。下諏訪で黒曜石の利権を荒らす博徒一家を潰すための助っ人を引き受けた。斬る。斬りまくって小野を超えたい。だが修羅の旅はどこまで続くのか。
  • パナマ運河を破壊せよ~海底空母・伊四〇〇~
    5.0
    大日本帝国海軍潜水艦・伊四〇〇は、通常動力型としては史上最大の潜水艦である。水上爆撃機を三機塔載、地球一周半以上回れる航続距離、四ヶ月間無補給で作戦行動がとれた。――昭和二十年五月十日未明、呉の軍港から四隻の巨大な影が海に消えた。米海軍の要衝パナマ運河を攻撃すべく……。迫真のイフ・フィクション戦記。
  • 剣鬼・根岸兎角
    -
    木刀で相手を打ち殺すほどの凄まじい腕前の根岸兎角。彼は、病いに倒れた師・諸岡一羽を見捨てて出奔、武者修行の旅に出た。途中、豪商の娘を救った縁により、小田原に道場を開き大いに繁昌する。だが、一羽の高弟たちは兎角を師の仇と付け狙い、やがて江戸城大手門前の橋上で、因縁の果たし合いが……。剣と女に賭けた鬼才の奔放な生きざまを描く、人斬り絵巻。
  • 上杉謙信
    -
    生まれながらの戦巧者にして天才的な武将上杉景虎(後の謙信)。戦塵の中に生き、合戦の勝利と、家名の再興以外には何も考えたことのない青年武将。彼は、父亡き後、柔弱な兄晴景に代わり、義侠の武人としての誇りを貫いていた! そんな景虎の人生に、ただ一点明るくともる灯……それは、ある清純な乙女との出会いだった。「不犯(ふぼん)の聖将」の半生をえがく!
  • お耳役檜十三郎捕物帖
    -
    将軍家斉の姫君が天降るのはどの藩か? 自藩の財政危機も招きかねない一大事の真相を究明すべく、秋田藩の〃情報官〃であるお耳役・檜十三郎の大仕事が開始された! 推理界の重鎮が放つ時代小説の快作!
  • 開化怪盗団
    -
    色白の顔に細い八の字ひげ、撫でつけた漆黒(しっこく)の髪……気障(きざ)で柔弱(にゅうじゃく)な宝石商・高牟礼三太郎(たかむれさんたろう)。しかし、彼には怪盗団を取り仕切る〃裏の顔〃があった。口八丁手八丁の仲間を率い、金持ち連中から宝石を巻き上げる手練手管は右に出る者なし。さらに、その心の内には、途方もない〃理想の夢〃が燃えていた――! 明治の若い息吹が横溢する痛快ピカレスクロマンの傑作!(『開化回り舞台』改題)
  • 馳けろ雑兵
    4.0
    桶狭間――織田信長の運命を拓いた大戦(おおいくさ)は、麾下の雑兵の運命をも変えた。蛭間兵八は運よく手柄を立て、合戦のさなかに出会った女を娶る。ひたすら馳け、泥にまみれ、そして、女を抱く……。信長はじめ、名だたる武将のもと、合戦に明け暮れながら、兵八は激動の戦国時代を生き抜いていく。一兵卒の視点から描いた異色の戦国時代小説!(『馳けろ雑兵―御先祖様功名記―』改題)
  • 居座り侍
    -
    向島の一膳めし屋上総屋にやって来た奇妙な風体の侍。めし代のかわりに下働きをはじめ、いつの間にか居座ってしまった。ちょうどその頃、本所一帯を荒らす賊が現われ……。しっとりした味わいの傑作時代小説集。
  • 闇与力おんな秘帖
    -
    牢屋敷で女囚が首を吊った。やって来た「闇与力」半次郎が目をつけたのは、新入りの女囚・お葉。秘かに女牢から引き取った半次郎は、奉行所が与り知らぬ「闇の仕置き」の探り役に仕立て上げる。お葉は、文字どおり相手の懐に飛び込み、魂をとろかす妖艶なからだを惜しげもなく与えながら、男顔負けの度胸で悪事のからくりを暴いていく。捻りのきいた異色の捕物帖!
  • 目明しやくざ
    -
    弥七親分の甥の伊佐吉は、酒、女、博打と三拍子そろって何でもござれのやくざな男。ところが、捕物にかけてもなかなかの腕利きで、ちょいちょい伯父の手伝いに駆り出される。可憐な町娘や妖艶な年増、果ては大名の姫君まで……。事件を彩る女たちの色香に迷いながら、ついにはもつれた謎を解き、意外な真相を探り出す。目明しやくざ伊佐吉の、痛快無頼の捕物帳!
  • お丹浮寝旅
    -
    三味線片手に、諸国を旅して歩く門付け女、お丹。息をのむほど美しい新内の名手。彼女を一目見た男は、すべて艶やかな色香の虜になってしまう。ところが実は、無類の力持ち。東海道の宿々で、美貌と怪力にもの言わせ、近寄る男たちを手玉にとりつつ、荒稼ぎ。御金蔵破りの助っ人やら、山賊、果ては大名の姫君の替え玉役まで、奔放に生きる怪美女の痛快旅日記!
  • 浜田騒動
    -
    島帰りの牢人(ろうにん)が、浜田旧城下で贋(にせ)の公卿(くぎょう)に化け、維新の世に不平不満をもつ旧藩士や庶民を引きこんで、ひと騒動を企(たくら)んだ(「浜田騒動」)。――時代小説界の巨匠が、武士世界の悲喜こもごもを綴(つづ)る珠玉の短編集!
  • 大利根任侠伝
    -
    天保十一年七月。岩井村の少年茂太(しげた)は、幼なじみのおりんと共に滝不動の祭礼へ。そこで笹川繁蔵の用心棒・平手造酒(ひらてみき)の居合い抜きに驚嘆し、やがて弟子入りを果たす。だが、すでに病魔に冒されていた造酒は、笹川―飯岡の大利根の決闘で惨死した。 強欲非道、無法の世界を舞台に、やくざとは、…庶民の人生とは何かを問う。真の任侠道を求めた男の青春像を活写。
  • 尼僧忍法 一番首
    -
    今川の人質として駿府に向かう松平竹千代(家康)が、尾張の織田に奪い去られた。竹千代に付き従う伊賀忍者お光は、信長に彼の出生の秘密を話す。竹千代は双子なのか。やがて織田と今川で人質交換が成立。信長は本物の竹千代を近習とし、ニセ者を今川に送る。数奇な運命をもつ二人は若武者に成長し、敵味方となって田楽狭間で対決する。新尼僧シリーズ。
  • 冥府の刺客
    -
    長崎の女郎・花桂は、同じ宿の女郎・薄雲に元気がないのが気になっていた。それを尋ねると、薄雲は、天草四郎と情を通じたと話した。総大将の四郎が討ち死にした島原の乱が治まってから、すでに十二年が過ぎている。討たれた首は替え玉のものだったのか。四郎は、原城に散った一揆勢三万七千余の血涙の思いをはらすとも語っていた。史実に挑む「性と暴力」の新路線。
  • 大逆説!西南戦争 西郷隆盛、九州王国を樹立す
    -
    1877年に起こった西南戦争。西郷軍は9月24日の明治政府軍の総攻撃で潰滅、隆盛も自刃して果てた……。だが、西郷は生きていた! 身代わりになった影武者のおかげで開聞岳(かいもんだけ)まで逃れた西郷は、残党を結集させ、鹿児島奪還を目指し、海と陸からの総攻撃で再び政府軍に挑んだ! 壮大なスケールで歴史のif(イフ)に挑戦した歴史スペクタクル小説、ついに文庫化!
  • 地獄十兵衛
    -
    「天草四郎が生きている……」老中・松平信綱は柳生十兵衛に告げた。「恐るべき陰謀を企(くわだ)て吸血鬼となって蘇(よみがえ)った!」すでに柳生の高弟にも犠牲者が出ていた。十兵衛は、合気の術と柳生杖(づえ)と称する特殊な武器で、妖怪を退治すべく九州へ旅立った。そこは魑魅魍魎が蠢(うごめ)き、謀略が渦巻く地獄であった。天才剣士が吸血鬼集団に挑む長編伝奇の傑作!
  • すっ飛び駕(かご)
    -
    爛熟の天保の世に咲いた悪の華──お数寄屋坊主の河内山(こうちやま)宗俊。浪人・金子市之丞を助けたことから、奥州棚倉藩五万石のお国替騒動に巻き込まれる。持ち前の度胸と気風(きっぷ)で大名相手に一世一代の大芝居。痛快時代小説。
  • 直飛脚(じきびきゃく)疾(はし)る
    -
    直飛脚――それは徳川十一代将軍・家斉(いえなり)の密書を、定められた刻限までに目的地に届けることを使命とする、凄腕の武士たち。使命を果たせぬときは、即刻切腹。秋元炎九郎は手裏剣、本荘錦之介は大刀(だいとう)、太田又兵衛は短槍(たんそう)、各(おのおの)の武器を携え、彼らは極限の疾走を開始した。襲いかかる凶刃(きょうじん)をかわして、たどり着いた場所には……?! 痛快、傑作、新感覚時代小説の極北。(『一千キロ、剣が疾る』改題)
  • 狂乱・春の夜の夢~松尾芭蕉と八百屋お七~
    -
    純情一途の恋に燃える八百屋お七、無軌道な邪恋にのめりこむ柏屋お駒。同じ小町娘と謳われながら、正反対の二人の恋が、やがてもつれ合い、あげくは殺人、放火の大事件へ……。お駒の父、柏屋忠兵衛や町奉行所同心、小野寺儀十を門弟にもつ俳人・松尾芭蕉は、鋭い推理で天和江戸大火の不可解な謎に迫る。〃探偵〃芭蕉があばく、悪漢、悪女の陰謀と愛欲模様。
  • 夢  剣(むけん)
    -
    剣の師・荒木又右衛門から、天分(てんぶん)に欠けると宣告された若き武芸者・正木(まさき)伊織は、厳しい修行の末「夢剣」を体得した。まさかその剣が……。剣豪物から股旅(またたび)物まで、推理小説的手法を縦横に駆使した傑作集。
  • 北風の伊三郎
    -
    裏街道を歩く者たち、追われている者、秘密の旅をする者、無宿人、それに女連れの旅人。下総無宿の北風の伊三郎もそんな一人だった。必殺の技、片目隠しの突きが空気を裂くとき、北風の音が聞こえるという。渡世の義理で用心棒を引き受けた伊三郎は、密命を帯びる武家の兄妹を守って、江戸まで五百三十キロ、敵がひしめく中仙道をひた走った……。
  • さらば風雲海峡
    -
    主君毛利元就の密命をうけた忍者・世鬼冬之介(せきふゆのすけ)は、関門海峡を渡り、大友氏の勢力下にある門司に潜入した。そこで彼は、かつて一族を滅ぼされた恨みから毛利家を敵視する美しい女・綾乃と出会い、愛が芽生える。忍びの世界に馴染めぬ冬之介は、殺伐とした戦国の世に、おのれの信念と愛情を貫く決心をする。 忍者の凄絶な死闘と、ひたむきな愛を描く長編戦国ロマン!
  • 上意討ち
    -
    「新之助、進吾を討ち果たし、深雪を連れ戻して参れ」と殿の厳命が降(くだ)る。新之助と進吾は同じ小姓組で無二の親友だ。深雪は先君の庶子。その深雪と駆け落ちして殿の逆鱗に触れたのだ。上意は絶対である。進吾を討たねば帰藩は許されない。新之助は婚約者と別れ旅に出た。三年目、独り身に落ちぶれた進吾を発見するが……(表題作)。武士道の真髄を活写。他8編!
  • 弥勒(みろく)の月
    3.7
    小間物問屋・遠野屋(とおのや)の若おかみ・おりんの水死体が発見された。同心・木暮信次郎(こぐれしんじろう)は、妻の検分に立ち会った遠野屋主人・清之助(せいのすけ)の眼差しに違和感を覚える。ただの飛び込み、と思われた事件だったが、清之助に関心を覚えた信次郎は岡っ引・伊佐治(いさじ)とともに、事件を追い始める……。〃闇〃と〃乾き〃しか知らぬ男たちが、救済の先に見たものとは? 哀感溢れる時代小説!
  • 連合艦隊 大散華~新・太平洋戦記10~
    -
    サイパン島では、米軍の豊富な砲弾の前に、日本兵たちの無残な屍が重ねられていた。時を同じくして、連合艦隊では、だれに命令されることもなく、自ら敵艦隊に突撃する戦闘機が続出した。この自殺攻撃機(クレージー・ジャップ)は、米兵を震撼させたが、日本軍がいかに追い詰められていたかの証左でもあった。連合艦隊は、全滅覚悟の最期の戦いに進路をとった!
  • 変人武士道(上)
    -
    出石藩仙石家の変人武士、白鳥大三郎と一柳主税は、美貌の娘二人を助けた。藩主の御落胤のお墨付きを持つ袖姫と次女・糸枝。四人は、主家乗っ取りを企む一派が起こしたお家騒動をのがれ、江戸へ向け珍道中に出発!
  • 平賀源内(上)
    -
    時代を遥(はる)かに先んじ、人々の意表をつく業績を挙(あ)げた源内。多才に恵まれ、出世を志す野心家の彼を、「学問への純粋な情熱」と「ぬけめのない商才」との相反する二つの面を持った人物として描く力作。異能の士を、時代小説の巨匠が活写。
  • 明治剣客伝~日本剣豪譚~
    -
    文明開化の明治、断髪、廃刀令の施行により、剣道は衰え、職を失った剣士たちは、〃撃剣興行〃などで細々と生計を立てていた。しかし、西南戦争の折りの警視庁抜刀隊の活躍で、明治政府も改めて剣道の価値を見直す。苦難の時期を乗り切り、旧幕時代から伝わる各流派の奥義を次の世代に残した名剣士たち。名勝負の数々が、いま、鮮やかに甦る。
  • 電光剣の疾風(かぜ)
    4.0
    大身旗本である本多家の嫡男として生を受けた誠四郎(せいしろう)だが、いまは根津権現(ねづごんげん)の裏店(うらだな)で気ままな町場暮らし。門前の辻番所を預かる老爺・留蔵(とめぞう)への依頼が誠四郎の耳に入った。江戸市中を騒がす義賊・鼠小僧が再来し、水戸藩邸に犯行予告を送りつけてきたというのだ。(鼠小僧異聞)一本気な正義漢・誠四郎が留蔵、浪人・伊織(いおり)と手を携えて悪を討つ、好評連作短篇シリーズ。
  • 雷迅剣(らいじんけん)の旋風(かぜ)
    3.0
    江戸市中、参拝の善男善女で賑わう根津権現(ねづごんげん)の境内(けいだい)。掏摸(すり)と見れば相手構わず喧嘩を売り、腕に覚えの柔術で叩きのめしてまわる、精悍な若者が現れた。門前の辻番所の老爺・留蔵の説教にも耳を貸さない。そんな折り、留蔵と辻謡曲の浪人・田部伊織の許に、過去の“闇仕事”を知る侍が訪ねてきた(無頼の旋風)。無頼を気取る若者の心根は!? 好評連作シリーズ、新章開幕!
  • 哀斬(あいざん)の剣
    4.0
    根津権現の辻番所に集う、悪を許さぬ漢(おとこ)たち、留蔵、田部伊織、辻風弥十郎。記憶を取り戻しつつある弥十郎に過去からの討手(うって)が追いすがる。御先手組(おさきてぐみ)の旗本、闇の武士団、野望を抱く同心……。弥十郎を軸に卍巴の鍔迫(つばぜ)り合い、大江戸八百八町を血に染める大殺陣(おおだて)の幕が斬って落とされた!(大殺陣・八百八町)朋友(とも)を想い、単身斬り込む弥十郎の運命は!?
  • 碧燕(へきえん)の剣
    3.0
    根津権現(ねづごんげん)の門前町、留蔵の辻番所に持ち込まれた前代未聞の闇仕事。理不尽な悪行狼藉(あくぎょうろうぜき)を働いたのは、長崎からやって来たオランダ剣士だという。江戸を離れられない留蔵と伊織を残し、単身、西へ向かう弥十郎。異国の剣の遣い手は、剛力でならす手練(てだれ)だった。果たして弥十郎に勝機はあるのか!?(対決・異人剣)。徐々に記憶を取り戻す弥十郎の行く末は?
  • 辻風(つじかぜ)の剣
    4.0
    江戸・根津権現の辻番所を預かる老爺・留蔵と、辻謡曲を生業(なりわい)とする浪人・田部伊織には知られざる裏の貌(かお)がある。庶民を傷めつける悪党をひそかに始末しているのだ。伊織が救(たす)けた刀傷を負った若侍も、辻番所に居ついていた。友を心中に追い込んだ同心に、決死の覚悟で仕掛ける伊織。そこに一陣の風が!(表題作)。武芸を嗜(たしな)む著者が描く、迫真の剣戟(けんげき)と人の絆。時代中編集!
  • 大逆転! 幻の超重爆撃機「富嶽」1~アメリカ本土奇襲編~
    5.0
    1944年初め、ラバウル第七五一航空隊隊長近藤正己大尉は突然海軍省から出頭命令を受け、満州のチチハルに向かった。近藤を待ち受けたのは、全長五十メートルにも及ぶ巨大な超重爆撃機「富嶽」だった。命令は、アメリカ・タコマ市にあるB‐29製造工場への爆撃。編隊は悪天候をついて飛び立った! 幻の爆撃機を甦らせ、壮大な日米一大決戦を描いた力作、第一弾。
  • 素浪人 宮本武蔵(十)〈無常の篇〉
    -
    「負けないことが、生きること」を説きつづけた峰流武蔵。遂に、この最終巻で真価を発揮する。宮本武蔵、29歳。佐々木小次郎、27歳。互いに人を斬り、斬っては旅に出た。虚しくなれば女も抱いた。その同じ生き方が対抗意識を燃やしたのか、両雄は並び立たないのか。海上一里の孤島に死闘の時刻が迫る。「現代人の感覚に合う」と、好評の嵐を起こし、全十巻が完結!
  • 素浪人 宮本武蔵(九)〈牙狼の篇〉
    -
    武蔵は川越城の攻防戦で大活躍した。城番は江戸に招かれ、五千石の旗本に昇格。武蔵にも仕官の誘いがかかる。断わった。旅は人を磨く。江戸を去り、水戸、仙台を巡る。含み針の如雲斎も手強かった。同じ武蔵と名乗る武芸者とも戦った。敗北は死だけしかない。石巻街道で美男の剣士と擦れ違った。殺気を感じた。佐々木小次郎である。二人の前哨戦がもう始まった!
  • 素浪人 宮本武蔵(八)〈腥血の篇〉
    -
    武蔵は川越城下に潜り込んだ。川に紙を浮かべて斬る。難しい。やがて、きれいに割れた。川越城は江戸城の出城だ。だが、城番と旗本二〇〇人が守るだけ。この城を落とすと浪人が武士に戻れるとか。関ヶ原の落武者が結集した。家康の巧妙な残党狩りだった。武蔵は剣友・夢想権之助と城の守りを懇願された。群がる敵を斬る。水切り術の体得で、武蔵は一層、凄みを増した。
  • 素浪人 宮本武蔵(六)〈餓虎の篇〉
    -
    宮本武蔵は、300人も斬った。斬り慣れた体が疼く。出雲・松江に足を向けた。暫く穏やかに生きたいが、武芸者の休息は死しかない。その頃、越前の剣豪・鐘巻自斎の高弟に、美男子で筋骨隆々の佐々木小次郎が出現した。三尺二寸の刀を背負い、京へ向かう。滅法強い。一方、武蔵は、またも師の仇討ちに勇む山伏らに狙われていた。二人の剣鬼の共通項は、素質か練磨か。

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